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4.報酬

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『前回の召喚された乙女はレベッカという20歳の学生。貴女と同じ地球という世界から来た子よ。召喚時に彼女が選んだ国はレックロッド帝国。
彼女が元の世界で学んでいた知識でレックロッドは発展し、彼女は65歳でこちらの生を終えて元の世界に帰って行きました。
彼女の願いは地位と名誉が欲しいだったわ』

「願い事?」

『まだ説明して無かったわね。召喚された国を救ってくれたら、元の世界に戻る時に願いを1つ叶えてあげるの。貴女の世界では報酬にあたるのかしら』
「マジで!なんでもいいんですか?」

『人の死を望んだり命切れた人を生き返らす事、呪ったり不幸を願う事はダメよ。あと願いを増やしてもね。今回は4つの国を救って欲しいから最大4つね』

なっなんて太っ腹なんだ!女神リリス!

「じゃー!じゃー!死ぬまでお金に困らないとか、夫と私の持病を治してとか標準体型Mサイズにしてとかは?あり⁈」

『お金持ちとかで無くていいの?お金を望む人は大金を欲するけど』 

「あったら無駄に問題呼ぶんで、贅沢せず平均的な生活できたらそれでいいです。多くは望まないです」

『ふふふ…欲がないのね。貴女らしいわ』

まさか報酬があるなんて!俄然ヤル気出てきた!

『あとこれは今回初めての試みなんだけど、貴女に各国の殿方と子をもうけて欲しいの』

「??ん??」

なんですと! フリーズする私を後目にリリスは淡々と話を進める。

『貴女が4国を救ってくれて、貴女が子を産み知識を継ぐ子が出来ればこの箱庭の安寧は長く続くでしょう。そうすれば召喚の必要がなくなり、箱庭の維持に力を使えるわ。
現状箱庭は最低限の修繕しか出来ていなくて、このままだといずれ崩壊する。
もちろん無理強いはしないわ。貴女が愛する人が出来て子を望んだらでいいの。もし子を産み知識を授けてくれれば追加報酬をします。』

「追加ですか⁈願い事1つ増えるんですか?」

『否。時戻りです。初めに元の世界に戻る時にこちらに来た時に戻すといいましたが、貴女が望む過去の時間に帰します』

昔に戻る?戻りたい時点あるかなぁ… 
今の環境に不満はないからあまり必要ないような… 
まだしばらくこっちに居るからゆっくり考えてみよう。それより4人と子づくりなんて… 

「女神様!私子供産むの肉体的に無理です。出来てもギリ一人ですよ!私アラフィフです!」

『大丈夫。貴女が子を産むのと4国救うのに時間が必要だから、貴女の肉体を17歳の女性に転生させたわ。だから4人くらい位大丈夫よ。
あと、この世界の人は召喚された国のみ救われると思っているわ。だから今回の召喚の意図を知らせたいの。だけど私の言葉を箱庭の住人伝える術は無いわ。だから貴女を通して伝えたいから、協力してくれるかしら⁈』

「いいですよ。何をすればいいですか?」

報酬の為になんでもするさ。ばっちこい!

『貴女はアルディアの城内に居るわ。目覚めたらアルディア王に謁見する事になるでしょう。
その時に私が召喚の意図を話したいと伝え、各国に連絡を取り、代表を女神の台座に集めて欲しいの。
女神の台座なら貴女の身体を借りて話をする事が出来るから』

「でもね、王様にいきなり女神が話あるから台座に来てって私が言って信じてもらえますか?」

『そうしたら王にこう言えばいいわ。[ロナウドのリーフは無くならない]と…』 

また知らない人物出てきた。説明ぷりーず!

『私が初めて召喚したのが男性がロナウドです。
彼は王の命令で殺されその時に彼の命を奪ったのは手刀です。その事を忘れない様に女神の丘にソードリーフを葉生させました。箱庭の住人があの愚行を忘れない様に… 
この事実を知るのは王だけ。人々に知れると王家の信頼を失う事を恐れ、代々王のみ伝え継がれいます。だから貴女が[ロナウドのリーフ]と言えば王は信じるでしょう。
さぁ!アルディアの人々が貴女の目覚めを待っています。まだまだ話したいけど続きは台座でね』

椅子から立ち上がったリリスが手を振ると、だんだん目の前がぼやけて来て、周りで話し声が聞こえて来た。そして目を開けると知らない天井があった。
あ…異世界小説の目覚めのあるあるだぁ…


首を振り左右を見ると無駄にデカイベットで驚く。
ウチの家族3人で寝ても余裕だ。
ぼーとしていると天蓋越しにメイドさんが声をかけてくる。

「多恵様。お目覚めですか⁈お茶ご用意して宜しいですか⁈」

お願いするとメイドさんは天蓋を開けてティーカップに柑橘のいい匂いがするお茶を入れてくれる。
彼女は確か馬車にいた人だ。

「あの…馬車にいた方ですよね?」

するとメイドさんは微笑んでくれた。

「はい。本日よりお仕えいたしますサリナと申します。誠心誠意お仕えさせていただきます」

そう言った女性に暖かい視線を向けられる。この暖かい視線は…この人に私号泣してるとこ見られてる。は…恥ずかしい。

「あのサリナさん。馬車ではご迷惑おかけしました」
「多恵様。私に敬称は必要ございません。サリナとお呼び下さい。この後の予定お伝えしてよろしいですか?」

と様呼びされ恐縮する。

「あのですね~多分私の方が年下なので、様付けはやめて下さい」
「そうゆう訳にはいきませんわ」
「ではサリナさんとお呼びするので、私の事はさん呼びでお願いします。その方が落ち着くので…」

少し躊躇したサリナさんは了承してくれ

「ではこれから湯浴みとお着替えいただき、陛下に謁見いただきます。ではまず湯浴みから」

サリナさんにバスルームに連れていかれ、身体を洗われて今ドレッサーの前に座らされている。
やっと転生した自分の姿を見た。そこそこ見れる姿にしてくれたリリスに感謝していたらテキパキと準備をしてくれるサリナさん。私の希望どおり薄化粧にシンプルなドレスを用意してくれた。少しは見栄えよくなった。
準備が出来た頃に誰か来た様でサリナさんが応対すると騎士さんが入ってきた。
アッシュグレーの長髪を後ろで一つにまとめたガッチリ系の美丈夫。ここに来てから美男美女しか会ってない。たまたま?


「多恵様。謁見の間までご案内いたします。第1騎士団デューク・ブライスと申します。よろしくお願いいたします。準備がよろしければ参りましょう」

と手を差し出された。

『えっと…これはエスコートってやつ?』

どうしたらいいの?手を出して重ねたらいいの?
ダメだ!恥ずかしさMAXの私は思わず

「すみません。私の世界ではエスコートされる事とか無くて恥ずかしいです。歩くの遅いですがしっかりついて行くので… あの…手は無しでもいいですか⁈」

デューク様は目を見開きビックリした表情をしてから
「多恵様が望まれるなら、仰せのとおりに」

と言ってくれなんとかエスコートは回避した。
デューク様に先導され城内を歩いていく。10分近く歩いてるけど着かない。広いなぁ…なんて考えてたら少し先に大きな扉が現れた。

扉の前まで来ると扉の前に立っていた髭をたくわえた中年男性が扉を開けてくれた。

さぁ!王様とご対面!
リリスのお使いちゃんとできるかなぁ…緊張してきた。
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