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2.私は乙女じゃない!
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嫌な予感が増していく中、また話し声が聞こえ
「早くお嬢さんが目覚めてくれないと、床の入れの準備も婚姻準備も出来ないわ。お若いしこの国の女性より小柄だから、採寸をしないとドレスが作れないのよ…」
扉を離れ1人掛けのソファーに座り聞いた話を整理する。恐らく彼女達が“お嬢さん”と言っているのは状況からして私の事だろう。そして“花嫁”と“破瓜”は私が誰かと結婚しその・・・Hするという事だ。色んな夢を見たけどこんなリアリティあるのは初めてだし、その上エッチな夢だなんて… 私は欲求不満なのだろうか。
『この年で処女だけど、そんな欲求不満とは思っていない』
そう思いつつも欲求不満だった自分に少しショックを受ける。このままここに居たらじじいに嫁がされHする事になる。夢でもそれは嫌すぎる。だから逃げよう!
善は急げまずは脱出経路を探す。隣の部屋は女性達がいるし、洗面所の方は窓が高い位置にある上に窓が小さいから無理だ。後は…
ベランダしかなくそっとベランダに出て周りを確認する。部屋は2階で下には誰もいないから、ここから出れるかもしれない。でもどうやって2階から降りよう。ベランダをウロウロしながら脱出経路を探していると、ベランダ横の大きな木が目に入り、縁に登れば太い枝に手が届きそうだ。
『さっきも木登りできたからきっと上手くいく』
何故か変な自信に満ちた私は深く考えずにベランダの縁に登り枝に手を伸ばした。
『イケる!』
と思った瞬間!
「何をしている!」
突然大きな声がしてびっくりして手を離してしまい落下してしまう。落下しながら骨折を覚悟すると
「痛く無い?」
無事に驚き顔を上げるとそこにはグレーの瞳の男性の顔が。頭が回らず固まると男性は私を木の横のベンチに下し、目の前に跪いた。
真っ直ぐ見据えた男性は20代後半の大柄な美丈夫で、北欧系の彫深い顔立ちに白い肌。そして紫の長髪を後ろに束ね三つ揃えのスーツを姿だ。そして彼は溜息を吐き少し怒った顔をし
「何故あのような事をしたのですか!私が間に合わなければ大怪我をしていたのですよ」
「…」
怒った顔も綺麗で怒られているのに怖くない。呆然と彼の顔を見ていたら人が集まりだし、男性は徐に上着を脱いで私に掛けた。彼の上着は温かく優しい香りがする。上着の温かさにほっこりしていたら、侍女服を着た年配の女性が来て部屋に戻る様に言う。
せっかく脱出したのにまた連れ戻されるのが嫌で抵抗すると、先ほどの男性が来て無言で抱き上げ歩き出した。そして
『ふりだし…』
部屋に戻ると巨大ベッドに私を下した彼が隣に座り、戸惑う私を見て名乗った。彼は昨日私が歩いていた北の森を領地に持つエルガー公爵家の嫡男のダリウスさん。彼はそれ以上話す事をせずじっと私を見詰めるだけで気まずくなる。そんな沈黙を破ったのは
“ぐぅ~”
私の腹の虫が大合唱した。一瞬驚いた顔をした男性は口元を手で抑え小刻みに震えながら笑っている。
『でも仕方ないじゃん!昨日から食べてない設定なんだから』
そう思っていると男性はベッドサイドのベルを鳴らした。直ぐにわらわらと召使がやってきて、ベッドテーブルをセットしあっという間に食事が用意された。驚いていると彼が
「昨日から食事されていませんでしたね。ご希望があれば何でも仰って下さい、用意させますから」
「あっありがとうございます。こちらで十分です」
そう言い食事を頂く。食べている間、彼は優雅に紅茶を飲みながら私を見ている。何が楽しいのか分からないがずっと微笑んでいる彼を不気味に思いつつお腹を満たした。
食べ終わると召使たちに洗面所に押し込まれ3人がかりでお風呂に入れられる。磨き上げられ結婚式で着る様な淡い水色のドレスを着せられ、ソファーに座っている。そして目の前には例の男性と神父さんの様な格好した初老の男性がいる。
人払いがされると(仮称)神父さんが本を開きこの国の成り立ちを話し出した。
(仮称)神父さんの話は抑揚が無く淡々と話すので、途中から話が頭に入って来ない。どんどん眠くなってきた時に例の彼が
「ドナン司祭。お嬢さんに簡潔に事情を説明してくれ。このままだと司祭の話は彼女の子守歌になってしまう」
寝かけている事に気付かればつが悪く座り直すと(仮称)神父さんは
「簡潔にご説明すると邪気が溜まると異界より邪気を浄化できる生娘を呼び寄せ、この国の王族の血筋の者と交わせます。そして破瓜の証を邪気が溜まる森の祭壇に捧げ邪気を払うのです」
「はぁ?まさかその召喚した娘が私って言いたいの」
そう言うと2人はシンクロし頷く。ぶっ飛んだ話に笑いそうになる。確かに異世界ものならありそうな話だ。でもこれは夢だし私の年齢ではヒロインは無理だ。直ぐに私では無いと伝えると
「早くお嬢さんが目覚めてくれないと、床の入れの準備も婚姻準備も出来ないわ。お若いしこの国の女性より小柄だから、採寸をしないとドレスが作れないのよ…」
扉を離れ1人掛けのソファーに座り聞いた話を整理する。恐らく彼女達が“お嬢さん”と言っているのは状況からして私の事だろう。そして“花嫁”と“破瓜”は私が誰かと結婚しその・・・Hするという事だ。色んな夢を見たけどこんなリアリティあるのは初めてだし、その上エッチな夢だなんて… 私は欲求不満なのだろうか。
『この年で処女だけど、そんな欲求不満とは思っていない』
そう思いつつも欲求不満だった自分に少しショックを受ける。このままここに居たらじじいに嫁がされHする事になる。夢でもそれは嫌すぎる。だから逃げよう!
善は急げまずは脱出経路を探す。隣の部屋は女性達がいるし、洗面所の方は窓が高い位置にある上に窓が小さいから無理だ。後は…
ベランダしかなくそっとベランダに出て周りを確認する。部屋は2階で下には誰もいないから、ここから出れるかもしれない。でもどうやって2階から降りよう。ベランダをウロウロしながら脱出経路を探していると、ベランダ横の大きな木が目に入り、縁に登れば太い枝に手が届きそうだ。
『さっきも木登りできたからきっと上手くいく』
何故か変な自信に満ちた私は深く考えずにベランダの縁に登り枝に手を伸ばした。
『イケる!』
と思った瞬間!
「何をしている!」
突然大きな声がしてびっくりして手を離してしまい落下してしまう。落下しながら骨折を覚悟すると
「痛く無い?」
無事に驚き顔を上げるとそこにはグレーの瞳の男性の顔が。頭が回らず固まると男性は私を木の横のベンチに下し、目の前に跪いた。
真っ直ぐ見据えた男性は20代後半の大柄な美丈夫で、北欧系の彫深い顔立ちに白い肌。そして紫の長髪を後ろに束ね三つ揃えのスーツを姿だ。そして彼は溜息を吐き少し怒った顔をし
「何故あのような事をしたのですか!私が間に合わなければ大怪我をしていたのですよ」
「…」
怒った顔も綺麗で怒られているのに怖くない。呆然と彼の顔を見ていたら人が集まりだし、男性は徐に上着を脱いで私に掛けた。彼の上着は温かく優しい香りがする。上着の温かさにほっこりしていたら、侍女服を着た年配の女性が来て部屋に戻る様に言う。
せっかく脱出したのにまた連れ戻されるのが嫌で抵抗すると、先ほどの男性が来て無言で抱き上げ歩き出した。そして
『ふりだし…』
部屋に戻ると巨大ベッドに私を下した彼が隣に座り、戸惑う私を見て名乗った。彼は昨日私が歩いていた北の森を領地に持つエルガー公爵家の嫡男のダリウスさん。彼はそれ以上話す事をせずじっと私を見詰めるだけで気まずくなる。そんな沈黙を破ったのは
“ぐぅ~”
私の腹の虫が大合唱した。一瞬驚いた顔をした男性は口元を手で抑え小刻みに震えながら笑っている。
『でも仕方ないじゃん!昨日から食べてない設定なんだから』
そう思っていると男性はベッドサイドのベルを鳴らした。直ぐにわらわらと召使がやってきて、ベッドテーブルをセットしあっという間に食事が用意された。驚いていると彼が
「昨日から食事されていませんでしたね。ご希望があれば何でも仰って下さい、用意させますから」
「あっありがとうございます。こちらで十分です」
そう言い食事を頂く。食べている間、彼は優雅に紅茶を飲みながら私を見ている。何が楽しいのか分からないがずっと微笑んでいる彼を不気味に思いつつお腹を満たした。
食べ終わると召使たちに洗面所に押し込まれ3人がかりでお風呂に入れられる。磨き上げられ結婚式で着る様な淡い水色のドレスを着せられ、ソファーに座っている。そして目の前には例の男性と神父さんの様な格好した初老の男性がいる。
人払いがされると(仮称)神父さんが本を開きこの国の成り立ちを話し出した。
(仮称)神父さんの話は抑揚が無く淡々と話すので、途中から話が頭に入って来ない。どんどん眠くなってきた時に例の彼が
「ドナン司祭。お嬢さんに簡潔に事情を説明してくれ。このままだと司祭の話は彼女の子守歌になってしまう」
寝かけている事に気付かればつが悪く座り直すと(仮称)神父さんは
「簡潔にご説明すると邪気が溜まると異界より邪気を浄化できる生娘を呼び寄せ、この国の王族の血筋の者と交わせます。そして破瓜の証を邪気が溜まる森の祭壇に捧げ邪気を払うのです」
「はぁ?まさかその召喚した娘が私って言いたいの」
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