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「今日は外でお茶をしよう」
「うん…今日は気分もいいし…」
日の当たるベッドの上で微睡んでいると添い寝するミハイルが優しいちゅーをくれる。
ミハイルに抱きつき
「最近ね昔の夢をよく見るの。色々あったけど幸せで楽しかったわ。もぉ全部やり切ったって感じ…ミハイル?」
「そんな事言わないでくれ… 俺を置いて逝かないでくれ…」
「でもこればかりは私が決めれるものじゃないしね」
涙目で口付け抱きしめるミハイル。出来るなら泣かないで欲しいんだけど…なぁ…
ミハイルの温かい体温にまた眠りに落ちる。
レイシャルに残ると決め40年経ち私は明日60歳の誕生日を迎える。日本だったら還暦祝になるのかなぁ⁈ 明日はこの町屋敷で誕生会が行われる…らしい。
子供達が主体となり準備しているらしく詳しくは知らない。ただ時折聞こえる慌ただしい使用人さんの会話で分かった。でもサプライズの様で知らないフリをしている。正直お祝いしてもらう歳でも無いからあまり盛大にはしないで欲しい。
子供達は成人し其々結婚して孫も産まれた。孫はかわいいと言うが本当に可愛く、さまに【目に入れても痛くない】だ。
息子達は身分関係なく愛する人を見つけ来た。皆んないいお嬢さんで、自分の子育てが間違って無かったと安心する。
その中でも娘のアリサの結婚は大変だった。
誕生後に世界各国の歳の近い王子から縁組を申込まれ夫達が全て断った。
娘がかわいいのもあるが、可哀想な位私に似たせいで他の男に嫁がせなく無いらしい。
日本での私を見ているアレックスに至っては私の小さい頃そっくりだと言い、どんな男が来ても撃退すると豪語していたし実行した。
『何やってんだか…』
ミハイルに至っては港に着岸した船に求婚者が乗っているのが分かると、上陸を許さなかった。
そしてローランドは求婚者が来る時はコールマン領のグリフの森にアリサを連れて行き、グリフにアリサを護らせたりとやる事がどんどん過激になっていった。そんな愛情過多な夫達に呆れたけど、アリサを甘やかす事なくしっかり育てて愛してくれた。
ちなみに父の愛が激しいからと言ってアリサは独身では無い。じゃぁ!誰を伴侶に選んだかって?答えは… 明日町屋敷に来るからその時に分かる。
「ハル?起きた⁈」
「うん」
「食べれそうか⁈」
「少しなら…」
ミハイルに抱っこしてもらい食堂に向かう。
実は1年前から体力が低下して自立歩行が出来なくなった。病を疑ったが特段悪い所も無く恐らく寿命なんだと思う。
確か男の子を出産すると1人に付き3年寿命が縮むと聞いた事がある。私は男の3人と女の子1人を産んだから単純計算したら10年減だ。でも根拠がないからあまり信じてないけどね。
私が寝込む様になってから夫達は交代で世話をしに来る。ローランドは王位を継ぎ国王になった今もだ。甲斐甲斐しく世話をし愛を注いでくれどろどろに甘やかされている。
そしてミハイルに抱っこされ食堂に着くと息子と娘が待っていた。彼等は昨日から泊まりで来ている。食卓を囲み家族で楽しく食事をいただく。アリサは私に似ているが、食事量は他のレイシャルの女性の様にしっかり食べる。これなら私みたいに年取って体力切れは無さそうだ。
「母上。食欲が無いならマルスだけでも食べて下さいね」
「うん。マルスは好きだから食べるに決まってるじゃない!」
楽しく食事が終わりまた部屋に戻る廊下。猛烈に眠い…ミハイルの腕の中でうたた寝してしまう。すると私を運ぶミハイルが慌て出す。自分でも分かる…そろそろお別れだって
ベッドに寝ていても体がふわふわして頭がぼんやりして夢を見ているみたいだ。私の手を握りミハイルが涙目で手を握り何か呟いている。
『ごめん…なんて言ってるか分からない…でもいつもみたいに愛を囁いてくれているのはわかるよ』
ゆっくりミハイルの頬に撫でるといつもの優しい微笑みをくれる。ミハイルこの顔好きだなぁ…
“ばん!”
「「春香!」」
ローランドとアレックスが血相をかいて入って来た。2人共半泣きだ…いやローランドはもう泣いている。国王になってもローランドは涙腺が弱い。
「春香…ダメだよ!私を置いて逝くなんて許さない!国中の医師を集める様にアルバートに…」
「必要ないよ…ローランド…神が決めた寿命だから抗ってはダメだよ」
「私も連れて行ってくれ!」
号泣するローランドの後ろにレベル検知出来ないアレックスが拳を握り立ち尽くしている。アレックスに手を差し伸べ
「アレク…来てくれてありがとう」
「春香。俺はお前がいないと…生きて行く自信がない…」
「ごめんね…でも神が決めた事は変えようがないから…」
次々と医師と子供そして孫が部屋にやって来ては抱きつき泣いている。泣かれても自分でどうにか出来る問題でも無いしなぁ…
意外に冷静な自分がいる。そして医師が診察しようとしたが手で制し首を振る。
体は怠く頭はぼんやりしているけど痛みが無いから有難い。このまま逝くなら楽だ。
多分最後っぽいらから皆んなにお礼を述べる。孫達には
【親の言う事をちゃんと聞き、じぃじぃが寂しいから優しくしてあげて】
と伝える。子供達には困った時は私が書き残した虎の巻を読む様に伝え、父とレイシャルを支えてと頼んだ。そして最愛の夫達に
アレックスに手を出して
「アレックス…真面目なのいい事だけど、肩の力を抜いて偶には自分を甘やかしてあげてね。ずっと愛してるからね」
「春香!」
アレックスは抱きつき口付けをくれる。体は冷えて来たけど心は温かい…
「ローランド…あまり泣いたら綺麗な瞳が溶けちゃうよ…貴方の優しい瞳が好きだから、泣くより微笑んで欲しいなぁ…」
「春香!私は春香が居ないと生きて行けない!」
「ローランドがこの後人生全う出来る様に愛を送るわ。いつも私を感じて…」
指で唇をつつきキスをおねだりすると愛に満ちた口付けをくれた。次にこの世界で私を見つけてくれたミハイルに
「ミハイル…私を見つけてくれてありがとう。ミハイルの大きな手が大好き。ずっと愛してたしこれからも…愛を貴方に…」
皆んなに言いたい事言えたら力が抜けて行く…ゴールは近いなぁ… ベッドの周りで皆んな泣いている。
『泣かないで皆んなの笑顔が見たいなぁ…』
すると私の気持ちを察したクリスさんがいつもの執事スマイルで
「皆さま。恐らく春香様は皆様に笑顔で送って欲しい筈です。皆さんが泣かれていては心配でしょう。笑顔で見送りませんか⁉︎」
もう言葉が出ないけど意思表示に頷く。すると泣きながらも皆んな微笑んでくれた。大好きな皆んなの笑顔を見たら視界がぼやけていき…私は人生を終えた。
「ここは?天国?まさかの地獄落ち?」
何もない真っ白な空間に立ち尽くし目が覚めた。見覚えある様な…
『春香…』
背後から声がして振り返ると人型の光が2つ。一つは黄金の光で、もう一つは銀色の光。銀色のフォルムは女性ぽい。
「あの?ここは?」
『春香…覚えてないかぃ?』
「ん?テクルス⁉︎」
『よかった!なら話が早い』
迷い人として呼ばれた私は元の世界に帰る期日に、時空の狭間でテクルスに会っていた。死んだのに何故今テクルスが来たの?隣はもしかして…
『春香は頭がいいから話が早くていい!彼女は私の妻のレイラだ』
まさかのレイラ登場に更に意味が分からなくなって来た。呆然とする私に構う事なくテクルスは話を進める。
『春香が残りこの世界は安定して平和が訪れた。その分春香の寿命が短くなってしまったんだ。日本に帰っていたら恐らく後20年はあった筈だ』
「やっぱり⁈」
『だからお詫びとお礼に転生先を選ばせてあげよう』
なんと生まれ変わる先を選ばせてくれる言う。元の日本や異世界またはこの世界の別の国どこでもいいらしい。急に言われても即答できる訳も無く、腕組みして考える。目の前のレイラを見ていて聞きたい事を思い付く。
「女神レイラ様。不躾ですが聞いていいですか?」
『私に答えれる事なら』
「私がアリサ…千年ぶりに女の子を産んだのはレイラ様の神力ですか⁈」
『私は何もしていないわ。貴女は私の理から外れているから神力は効かない。自然にだわ』
「でもそれから女の子が少しだけど生まれる様になったし」
『それは私の力よ。思いの外喜んだから…気まぐれよ』
それでも嬉しい。このままいい方に向かって欲しい。そんな事を考えていたらテクルスが
『ゴラスに男児が生まれる様にしたの私だ』
「でしょうね」
『あまり驚かないなぁ』
「普通に考えたらそうでしょう!」
何?褒めて欲しかったの⁈ それより転生先だ。前世の記憶は無くなるだろうから、この世界に拘る必要はない。愛した夫達と再会なんて無理だろうし、夫達はまだまだ寿命があるから転生しても歳が離れるし…
『春香は素直だから思考が読み易い。夫達と来世でも一緒になりたいのか⁈』
「うん…でも無理そうだから」
『私を誰だと思っている!神だぞ』
その発言に猛烈に嫌な予感がして!
「一緒に転生したいからと夫達の寿命を短くするとかダメだからね!」
『違う!善人の命を短くする訳ないだろう!夫達が輪廻の輪に来るまで、私の元で疲れた魂を癒し待っていればいい。夫達の寿命が来たら一緒に転生すればいい』
「そんな事出来るの⁈」
『あのなぁ!何度も言うが私は神だぞ!』
日本は故郷で愛着はあるが、すっかりレイシャルが故郷になっている。出来るならまたレイシャルで生活したい。
「ならばレイシャルがいいです」
『ならば私が魂を預かるわ』
「女神レイラよろしくお願いします」
こうして夫達が来るまでレイラの元でエネルギーチャージする事になった。また夫達と会えると思うと嬉しい。だがレイラは転生しても前世の記憶が無く、巡り合わないかもしれないと言う。少し気落ちしているとテクルスが
『春香。魂の結びつきは記憶が無くても感じるものだ。お互い深く愛していれば次世でも分かるさ』
「じゃーそれ期待してます。全能の神テクルスと豊穣の女神レイラ。ありがとうございました」
『では夫達が来るまで私の元で眠りなさい』
レイラの光が増して私はその光に飲み込まれ眠りについた。恐らく夫達の寿命は後20年弱。その間にゆっくり愛を深め再会する日を楽しみに眠ろう…
「ミハイル、ローランド、アレックス…大好き…」
~ 完 ~
「うん…今日は気分もいいし…」
日の当たるベッドの上で微睡んでいると添い寝するミハイルが優しいちゅーをくれる。
ミハイルに抱きつき
「最近ね昔の夢をよく見るの。色々あったけど幸せで楽しかったわ。もぉ全部やり切ったって感じ…ミハイル?」
「そんな事言わないでくれ… 俺を置いて逝かないでくれ…」
「でもこればかりは私が決めれるものじゃないしね」
涙目で口付け抱きしめるミハイル。出来るなら泣かないで欲しいんだけど…なぁ…
ミハイルの温かい体温にまた眠りに落ちる。
レイシャルに残ると決め40年経ち私は明日60歳の誕生日を迎える。日本だったら還暦祝になるのかなぁ⁈ 明日はこの町屋敷で誕生会が行われる…らしい。
子供達が主体となり準備しているらしく詳しくは知らない。ただ時折聞こえる慌ただしい使用人さんの会話で分かった。でもサプライズの様で知らないフリをしている。正直お祝いしてもらう歳でも無いからあまり盛大にはしないで欲しい。
子供達は成人し其々結婚して孫も産まれた。孫はかわいいと言うが本当に可愛く、さまに【目に入れても痛くない】だ。
息子達は身分関係なく愛する人を見つけ来た。皆んないいお嬢さんで、自分の子育てが間違って無かったと安心する。
その中でも娘のアリサの結婚は大変だった。
誕生後に世界各国の歳の近い王子から縁組を申込まれ夫達が全て断った。
娘がかわいいのもあるが、可哀想な位私に似たせいで他の男に嫁がせなく無いらしい。
日本での私を見ているアレックスに至っては私の小さい頃そっくりだと言い、どんな男が来ても撃退すると豪語していたし実行した。
『何やってんだか…』
ミハイルに至っては港に着岸した船に求婚者が乗っているのが分かると、上陸を許さなかった。
そしてローランドは求婚者が来る時はコールマン領のグリフの森にアリサを連れて行き、グリフにアリサを護らせたりとやる事がどんどん過激になっていった。そんな愛情過多な夫達に呆れたけど、アリサを甘やかす事なくしっかり育てて愛してくれた。
ちなみに父の愛が激しいからと言ってアリサは独身では無い。じゃぁ!誰を伴侶に選んだかって?答えは… 明日町屋敷に来るからその時に分かる。
「ハル?起きた⁈」
「うん」
「食べれそうか⁈」
「少しなら…」
ミハイルに抱っこしてもらい食堂に向かう。
実は1年前から体力が低下して自立歩行が出来なくなった。病を疑ったが特段悪い所も無く恐らく寿命なんだと思う。
確か男の子を出産すると1人に付き3年寿命が縮むと聞いた事がある。私は男の3人と女の子1人を産んだから単純計算したら10年減だ。でも根拠がないからあまり信じてないけどね。
私が寝込む様になってから夫達は交代で世話をしに来る。ローランドは王位を継ぎ国王になった今もだ。甲斐甲斐しく世話をし愛を注いでくれどろどろに甘やかされている。
そしてミハイルに抱っこされ食堂に着くと息子と娘が待っていた。彼等は昨日から泊まりで来ている。食卓を囲み家族で楽しく食事をいただく。アリサは私に似ているが、食事量は他のレイシャルの女性の様にしっかり食べる。これなら私みたいに年取って体力切れは無さそうだ。
「母上。食欲が無いならマルスだけでも食べて下さいね」
「うん。マルスは好きだから食べるに決まってるじゃない!」
楽しく食事が終わりまた部屋に戻る廊下。猛烈に眠い…ミハイルの腕の中でうたた寝してしまう。すると私を運ぶミハイルが慌て出す。自分でも分かる…そろそろお別れだって
ベッドに寝ていても体がふわふわして頭がぼんやりして夢を見ているみたいだ。私の手を握りミハイルが涙目で手を握り何か呟いている。
『ごめん…なんて言ってるか分からない…でもいつもみたいに愛を囁いてくれているのはわかるよ』
ゆっくりミハイルの頬に撫でるといつもの優しい微笑みをくれる。ミハイルこの顔好きだなぁ…
“ばん!”
「「春香!」」
ローランドとアレックスが血相をかいて入って来た。2人共半泣きだ…いやローランドはもう泣いている。国王になってもローランドは涙腺が弱い。
「春香…ダメだよ!私を置いて逝くなんて許さない!国中の医師を集める様にアルバートに…」
「必要ないよ…ローランド…神が決めた寿命だから抗ってはダメだよ」
「私も連れて行ってくれ!」
号泣するローランドの後ろにレベル検知出来ないアレックスが拳を握り立ち尽くしている。アレックスに手を差し伸べ
「アレク…来てくれてありがとう」
「春香。俺はお前がいないと…生きて行く自信がない…」
「ごめんね…でも神が決めた事は変えようがないから…」
次々と医師と子供そして孫が部屋にやって来ては抱きつき泣いている。泣かれても自分でどうにか出来る問題でも無いしなぁ…
意外に冷静な自分がいる。そして医師が診察しようとしたが手で制し首を振る。
体は怠く頭はぼんやりしているけど痛みが無いから有難い。このまま逝くなら楽だ。
多分最後っぽいらから皆んなにお礼を述べる。孫達には
【親の言う事をちゃんと聞き、じぃじぃが寂しいから優しくしてあげて】
と伝える。子供達には困った時は私が書き残した虎の巻を読む様に伝え、父とレイシャルを支えてと頼んだ。そして最愛の夫達に
アレックスに手を出して
「アレックス…真面目なのいい事だけど、肩の力を抜いて偶には自分を甘やかしてあげてね。ずっと愛してるからね」
「春香!」
アレックスは抱きつき口付けをくれる。体は冷えて来たけど心は温かい…
「ローランド…あまり泣いたら綺麗な瞳が溶けちゃうよ…貴方の優しい瞳が好きだから、泣くより微笑んで欲しいなぁ…」
「春香!私は春香が居ないと生きて行けない!」
「ローランドがこの後人生全う出来る様に愛を送るわ。いつも私を感じて…」
指で唇をつつきキスをおねだりすると愛に満ちた口付けをくれた。次にこの世界で私を見つけてくれたミハイルに
「ミハイル…私を見つけてくれてありがとう。ミハイルの大きな手が大好き。ずっと愛してたしこれからも…愛を貴方に…」
皆んなに言いたい事言えたら力が抜けて行く…ゴールは近いなぁ… ベッドの周りで皆んな泣いている。
『泣かないで皆んなの笑顔が見たいなぁ…』
すると私の気持ちを察したクリスさんがいつもの執事スマイルで
「皆さま。恐らく春香様は皆様に笑顔で送って欲しい筈です。皆さんが泣かれていては心配でしょう。笑顔で見送りませんか⁉︎」
もう言葉が出ないけど意思表示に頷く。すると泣きながらも皆んな微笑んでくれた。大好きな皆んなの笑顔を見たら視界がぼやけていき…私は人生を終えた。
「ここは?天国?まさかの地獄落ち?」
何もない真っ白な空間に立ち尽くし目が覚めた。見覚えある様な…
『春香…』
背後から声がして振り返ると人型の光が2つ。一つは黄金の光で、もう一つは銀色の光。銀色のフォルムは女性ぽい。
「あの?ここは?」
『春香…覚えてないかぃ?』
「ん?テクルス⁉︎」
『よかった!なら話が早い』
迷い人として呼ばれた私は元の世界に帰る期日に、時空の狭間でテクルスに会っていた。死んだのに何故今テクルスが来たの?隣はもしかして…
『春香は頭がいいから話が早くていい!彼女は私の妻のレイラだ』
まさかのレイラ登場に更に意味が分からなくなって来た。呆然とする私に構う事なくテクルスは話を進める。
『春香が残りこの世界は安定して平和が訪れた。その分春香の寿命が短くなってしまったんだ。日本に帰っていたら恐らく後20年はあった筈だ』
「やっぱり⁈」
『だからお詫びとお礼に転生先を選ばせてあげよう』
なんと生まれ変わる先を選ばせてくれる言う。元の日本や異世界またはこの世界の別の国どこでもいいらしい。急に言われても即答できる訳も無く、腕組みして考える。目の前のレイラを見ていて聞きたい事を思い付く。
「女神レイラ様。不躾ですが聞いていいですか?」
『私に答えれる事なら』
「私がアリサ…千年ぶりに女の子を産んだのはレイラ様の神力ですか⁈」
『私は何もしていないわ。貴女は私の理から外れているから神力は効かない。自然にだわ』
「でもそれから女の子が少しだけど生まれる様になったし」
『それは私の力よ。思いの外喜んだから…気まぐれよ』
それでも嬉しい。このままいい方に向かって欲しい。そんな事を考えていたらテクルスが
『ゴラスに男児が生まれる様にしたの私だ』
「でしょうね」
『あまり驚かないなぁ』
「普通に考えたらそうでしょう!」
何?褒めて欲しかったの⁈ それより転生先だ。前世の記憶は無くなるだろうから、この世界に拘る必要はない。愛した夫達と再会なんて無理だろうし、夫達はまだまだ寿命があるから転生しても歳が離れるし…
『春香は素直だから思考が読み易い。夫達と来世でも一緒になりたいのか⁈』
「うん…でも無理そうだから」
『私を誰だと思っている!神だぞ』
その発言に猛烈に嫌な予感がして!
「一緒に転生したいからと夫達の寿命を短くするとかダメだからね!」
『違う!善人の命を短くする訳ないだろう!夫達が輪廻の輪に来るまで、私の元で疲れた魂を癒し待っていればいい。夫達の寿命が来たら一緒に転生すればいい』
「そんな事出来るの⁈」
『あのなぁ!何度も言うが私は神だぞ!』
日本は故郷で愛着はあるが、すっかりレイシャルが故郷になっている。出来るならまたレイシャルで生活したい。
「ならばレイシャルがいいです」
『ならば私が魂を預かるわ』
「女神レイラよろしくお願いします」
こうして夫達が来るまでレイラの元でエネルギーチャージする事になった。また夫達と会えると思うと嬉しい。だがレイラは転生しても前世の記憶が無く、巡り合わないかもしれないと言う。少し気落ちしているとテクルスが
『春香。魂の結びつきは記憶が無くても感じるものだ。お互い深く愛していれば次世でも分かるさ』
「じゃーそれ期待してます。全能の神テクルスと豊穣の女神レイラ。ありがとうございました」
『では夫達が来るまで私の元で眠りなさい』
レイラの光が増して私はその光に飲み込まれ眠りについた。恐らく夫達の寿命は後20年弱。その間にゆっくり愛を深め再会する日を楽しみに眠ろう…
「ミハイル、ローランド、アレックス…大好き…」
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