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96.訓練?
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「整列!」
アビー母様が号令をかけると護衛騎士が8名ほどとミハイルさん、アレックスさんが並ぶ。こっそり一番端の若い騎士さんの横に並ぼうと歩いて行くと、笑顔のレイモンド父様に捕まった。
「春香。訓練中は危ないからあそこで見学しなさい」
「へ?」
父様が指さす先にテーブルと椅子そしてクリスさんが日傘を持っている。早朝から私一人の為に何してるんですか⁉︎
「父様!訓練は無理でもランニングや準備体操ぐらいなら危険じゃないし…」
「先ほどの事もある。駄目だ!」
すると遠くから
「春香ちゃんはあっち!レイモンドは見学しか許可していないわ」
「ハル!」「春香!」
ミハイルさんもアレックスさんも見学席を指さし微笑む。また皆の反対に合い落ち込む。
こうして父様に見学席まで連行され、父様が椅子に座らせてくれたけど納得がいかなくて…
「皆さんが大切にしてくれるのは分かりますが、何でもダメと言われると悲しい…私は人形じゃないんです。やりたい事もあります」
俯いてそう呟くと思わぬところから援軍が!
「ご主人様。恐れながら春香様はこの世界の令嬢ではございません。恐らく元の世界では普通に運動し多少危険な事もご自分の判断でなさっていたはずです。体を動かしたいと思う春香様のお心を汲み取っていただけませんか⁉︎」
「クリスさん…ありがとう」
「だがな…組み手や刃先をつぶした剣とはいえ弾みで当たったりすることがある。鍛えた騎士ならともかく、春香に当たると大怪我だ」
「ならば訓練を見ながら広場の外を散歩ならいかがでしょ⁈」
ウォーキングなら危険も無いし有酸素運動でダイエットになる。嬉しくてクリスさんを見たらウィンクしてくれる!クリスさんいい人!!
「散歩なら危険はないな…許可しよう。ただし広場の外側で必ず日傘をさしなさい。それとあまり長くならない様に」
「父様!ありがとう!」
父様は微笑んで指で頬を突きます。背伸びをして父様にちゅーをしお礼をします。
父様は私の頭を撫でて訓練のする騎士たちの方へ歩いて行きました。
「では、春香様私達も散歩しましょうか⁈」
「はい!」
クリスさんから日傘をもらい広場の端をゆっくり歩きだした。訓練する皆さんはランニングを始めた様で、走る隊列が私の近くに来ると皆さん手を上げてくれ、ミハイルさんとアレックスさんに至ってはウィンクしてくる。恥ずかしくて顔が熱くなるのが分かる。するとクリスさんが
「愛されてますね。いや愛され過ぎてますね」
「あはは・・・たまに怖くなります」
「春香様の世界の男性は愛を囁かれないのですか?」
「愛情表現が多い国の方もいますが、私の居たところはどちらかと言うと、表現が乏しいので皆さんの愛情表現が恥ずかしいんです」
「そうですか…この国の男性は特に女性に対して愛情が深い。ゆっくり慣れて行かれればいいかと…」
「慣れますかね⁈」
返事は無く微笑むクリスさん。気が付くとランキングが終わり皆は準備体操をしている。
暫く歩いていると急にクリスさんが
「春香様はこの世界が好きですか?」
唐突な質問に固まってしまう。見上げたクリスさんは探る様な視線を送って来る。何でいきなりそんな質問をするのか意図が見えず取りあえず無難に答える
「好きですよ。元の世界より不便な所もありますが、人はいい人が多いから」
「それは良かった」
「??」
この後だんまりのクリスさんに戸惑いながら散歩を続ける。今日の朝練は組手の訓練らしく防御と打撃とに分かれて2人1組で訓練している。丁度近くまで来た時にアビー母様に呼ばれた。
「春香ちゃん!チョップは頭にしか攻撃出来ないの?」
「へっ?チョップの練習をしているんですか⁈」
「そうよ。有効な打撃は習得しておかないと」
「えっと…」
昔見たプロレスを思いだす。確か胸元に水平チョップとかもあった様な気がして、実演してみる。結果…
「可愛い!」
と順番に抱きしめられている。どうやら私の元の世界の動きは、どれもこの世界の人には面白おかしく見える様だ。
父様と母様は抱きしめるだけだが、ミハイルさんとアレックスさんはちゅー付だ。騎士さんが見てるから止めて欲しい。
結局、私の散歩も朝練も半時間程行い終了した。皆さん汗をかいたので着替えに行かれ、私は一旦部屋に戻った。この日から散歩が日課となり少し脚が引き締まったので嬉しい。
こんな平穏な日々が数日過ぎて。今日は父様とミハイルさんは領地の港町に朝から行っている。ヴェルディアから返答のあった海難事故報告をやっと申請者にと届ける事が出るのだ。ミハイルさんから聞いた話しでは、アリッサさんの旦那さんはやはり残念だが亡くなられていた。他の申請を出していた女性の婚約者や夫も亡くなられていた。悲しいけどやっと彼女達は新たな人生を歩む事ができる。丁度つき合わせが近いから、彼女達にいい出会いがある事を願う。ミックさんはアリッサさんに求婚するんだろうなぁ…みんな幸せになってほしい。
実は今日は皆んなお出かけをして誰もいない。アレックスさんは急遽滞在を延期したケイン父様に呼ばれ町屋敷にお昼前に出かけて行った。
アビー母様も王妃様からお呼びがかかり昼食後に登城された。珍しく屋敷に1人だ。実は明日が帰れる期限なのだ。答えは出ていて残る事に決めた。ただ3人と結婚するかはまだわからない。具体的な事が分からないと返事しようがない。とりあえず明日に皆んなに残る意思を伝えて向き合いたいと思う。
部屋で日本の事を思い出していたらクリスさんが来た。何だろう?扉を開けて要件を聞いたら
「春香様にお伝えしていない避難通路が有りまして、宜しければ今からご案内したいのですが…」
「はい。暇してたので大丈夫です。お願いします」
「ではお手をどうぞ」
こうしてクリスさんにエスコートされ避難通路に向かう。一階に降りて調理場をすぎた辺りから疑問が…いつも屋敷内は従僕さんや侍女さんの誰かしらに会うのに。部屋からここに来るまでに誰にも会わなかった。偶然⁈少し警戒心が顔をだしたら…
「こちらです」
「?」
洗濯場に繋がる廊下に見た事ない黒ドアがある。
『こんなところにドアなんてあった?』
途端に不安が押し寄せる。思わず後退りすると執事スマイルのクリスさんが私の手を取った。
『何!怖い!』
「これはテクルスの思し召しか!皆さんが外出され手間が省けました。さぁ春香様はお入り下さい。詳しくは中で説明いたします」
「いや!クリスさん悪者だったの⁉︎」
「私は初めてお会いした時からあなたの味方です」
そう言うとクリスさんは黒い扉を開けて強引に中に引き入れた。私の頭の中で警報音が鳴り響く!
『助けて!ミハイルさん!ローランド殿下!アレックスさん!』
「ここは誰も来ないし音も漏れないから安心してください」
「へ?」
目を開けたら真っ白な何も無い空間だった。
「何ここ…」
部屋というより空間? 空間の奥に赤い扉が見える。怖い状況なのに不思議と心は落ち着いて来た。クリスさんは私をエスコートして、部屋の中心にある椅子に座らせてくれた。そして
「春香様。帰る期限は明日です。答えは出ていますか?」
「はぃ⁈」
なんでクリスさんがそんな事を言うのか理解できなくて呆然としていたら。
「アレックス様から迷い人を送り帰す【送り人】の存在を聞いていませんか⁈」
「確かそんな話あって様な…ん?って事は…」
「はい。私がテクルスの啓示をうけた【送り人】です」
「はぁ⁈」
マジマジとクリスさんの顔を見るけど嘘を言っている様には見えない。それにここは普通じゃない。そこで疑問が湧き出て来た。思わず手を上げてクリスさんに詰め寄る。
「クリスさん疑問だらけです。説明して下さい!」
「順を追って話をしていきましょう」
「よろしくお願いします!」
ばっちこい!もう何が来ても驚かないぞ!
アビー母様が号令をかけると護衛騎士が8名ほどとミハイルさん、アレックスさんが並ぶ。こっそり一番端の若い騎士さんの横に並ぼうと歩いて行くと、笑顔のレイモンド父様に捕まった。
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「先ほどの事もある。駄目だ!」
すると遠くから
「春香ちゃんはあっち!レイモンドは見学しか許可していないわ」
「ハル!」「春香!」
ミハイルさんもアレックスさんも見学席を指さし微笑む。また皆の反対に合い落ち込む。
こうして父様に見学席まで連行され、父様が椅子に座らせてくれたけど納得がいかなくて…
「皆さんが大切にしてくれるのは分かりますが、何でもダメと言われると悲しい…私は人形じゃないんです。やりたい事もあります」
俯いてそう呟くと思わぬところから援軍が!
「ご主人様。恐れながら春香様はこの世界の令嬢ではございません。恐らく元の世界では普通に運動し多少危険な事もご自分の判断でなさっていたはずです。体を動かしたいと思う春香様のお心を汲み取っていただけませんか⁉︎」
「クリスさん…ありがとう」
「だがな…組み手や刃先をつぶした剣とはいえ弾みで当たったりすることがある。鍛えた騎士ならともかく、春香に当たると大怪我だ」
「ならば訓練を見ながら広場の外を散歩ならいかがでしょ⁈」
ウォーキングなら危険も無いし有酸素運動でダイエットになる。嬉しくてクリスさんを見たらウィンクしてくれる!クリスさんいい人!!
「散歩なら危険はないな…許可しよう。ただし広場の外側で必ず日傘をさしなさい。それとあまり長くならない様に」
「父様!ありがとう!」
父様は微笑んで指で頬を突きます。背伸びをして父様にちゅーをしお礼をします。
父様は私の頭を撫でて訓練のする騎士たちの方へ歩いて行きました。
「では、春香様私達も散歩しましょうか⁈」
「はい!」
クリスさんから日傘をもらい広場の端をゆっくり歩きだした。訓練する皆さんはランニングを始めた様で、走る隊列が私の近くに来ると皆さん手を上げてくれ、ミハイルさんとアレックスさんに至ってはウィンクしてくる。恥ずかしくて顔が熱くなるのが分かる。するとクリスさんが
「愛されてますね。いや愛され過ぎてますね」
「あはは・・・たまに怖くなります」
「春香様の世界の男性は愛を囁かれないのですか?」
「愛情表現が多い国の方もいますが、私の居たところはどちらかと言うと、表現が乏しいので皆さんの愛情表現が恥ずかしいんです」
「そうですか…この国の男性は特に女性に対して愛情が深い。ゆっくり慣れて行かれればいいかと…」
「慣れますかね⁈」
返事は無く微笑むクリスさん。気が付くとランキングが終わり皆は準備体操をしている。
暫く歩いていると急にクリスさんが
「春香様はこの世界が好きですか?」
唐突な質問に固まってしまう。見上げたクリスさんは探る様な視線を送って来る。何でいきなりそんな質問をするのか意図が見えず取りあえず無難に答える
「好きですよ。元の世界より不便な所もありますが、人はいい人が多いから」
「それは良かった」
「??」
この後だんまりのクリスさんに戸惑いながら散歩を続ける。今日の朝練は組手の訓練らしく防御と打撃とに分かれて2人1組で訓練している。丁度近くまで来た時にアビー母様に呼ばれた。
「春香ちゃん!チョップは頭にしか攻撃出来ないの?」
「へっ?チョップの練習をしているんですか⁈」
「そうよ。有効な打撃は習得しておかないと」
「えっと…」
昔見たプロレスを思いだす。確か胸元に水平チョップとかもあった様な気がして、実演してみる。結果…
「可愛い!」
と順番に抱きしめられている。どうやら私の元の世界の動きは、どれもこの世界の人には面白おかしく見える様だ。
父様と母様は抱きしめるだけだが、ミハイルさんとアレックスさんはちゅー付だ。騎士さんが見てるから止めて欲しい。
結局、私の散歩も朝練も半時間程行い終了した。皆さん汗をかいたので着替えに行かれ、私は一旦部屋に戻った。この日から散歩が日課となり少し脚が引き締まったので嬉しい。
こんな平穏な日々が数日過ぎて。今日は父様とミハイルさんは領地の港町に朝から行っている。ヴェルディアから返答のあった海難事故報告をやっと申請者にと届ける事が出るのだ。ミハイルさんから聞いた話しでは、アリッサさんの旦那さんはやはり残念だが亡くなられていた。他の申請を出していた女性の婚約者や夫も亡くなられていた。悲しいけどやっと彼女達は新たな人生を歩む事ができる。丁度つき合わせが近いから、彼女達にいい出会いがある事を願う。ミックさんはアリッサさんに求婚するんだろうなぁ…みんな幸せになってほしい。
実は今日は皆んなお出かけをして誰もいない。アレックスさんは急遽滞在を延期したケイン父様に呼ばれ町屋敷にお昼前に出かけて行った。
アビー母様も王妃様からお呼びがかかり昼食後に登城された。珍しく屋敷に1人だ。実は明日が帰れる期限なのだ。答えは出ていて残る事に決めた。ただ3人と結婚するかはまだわからない。具体的な事が分からないと返事しようがない。とりあえず明日に皆んなに残る意思を伝えて向き合いたいと思う。
部屋で日本の事を思い出していたらクリスさんが来た。何だろう?扉を開けて要件を聞いたら
「春香様にお伝えしていない避難通路が有りまして、宜しければ今からご案内したいのですが…」
「はい。暇してたので大丈夫です。お願いします」
「ではお手をどうぞ」
こうしてクリスさんにエスコートされ避難通路に向かう。一階に降りて調理場をすぎた辺りから疑問が…いつも屋敷内は従僕さんや侍女さんの誰かしらに会うのに。部屋からここに来るまでに誰にも会わなかった。偶然⁈少し警戒心が顔をだしたら…
「こちらです」
「?」
洗濯場に繋がる廊下に見た事ない黒ドアがある。
『こんなところにドアなんてあった?』
途端に不安が押し寄せる。思わず後退りすると執事スマイルのクリスさんが私の手を取った。
『何!怖い!』
「これはテクルスの思し召しか!皆さんが外出され手間が省けました。さぁ春香様はお入り下さい。詳しくは中で説明いたします」
「いや!クリスさん悪者だったの⁉︎」
「私は初めてお会いした時からあなたの味方です」
そう言うとクリスさんは黒い扉を開けて強引に中に引き入れた。私の頭の中で警報音が鳴り響く!
『助けて!ミハイルさん!ローランド殿下!アレックスさん!』
「ここは誰も来ないし音も漏れないから安心してください」
「へ?」
目を開けたら真っ白な何も無い空間だった。
「何ここ…」
部屋というより空間? 空間の奥に赤い扉が見える。怖い状況なのに不思議と心は落ち着いて来た。クリスさんは私をエスコートして、部屋の中心にある椅子に座らせてくれた。そして
「春香様。帰る期限は明日です。答えは出ていますか?」
「はぃ⁈」
なんでクリスさんがそんな事を言うのか理解できなくて呆然としていたら。
「アレックス様から迷い人を送り帰す【送り人】の存在を聞いていませんか⁈」
「確かそんな話あって様な…ん?って事は…」
「はい。私がテクルスの啓示をうけた【送り人】です」
「はぁ⁈」
マジマジとクリスさんの顔を見るけど嘘を言っている様には見えない。それにここは普通じゃない。そこで疑問が湧き出て来た。思わず手を上げてクリスさんに詰め寄る。
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