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『第一章』勇者召喚に巻き込まれてしまった件について。
新スキルゲットだぜ!
しおりを挟む「ステータスオープン」
俺は勇那へのプレゼントを買いに行く前に、一度自室へと戻っていた。それは自分のステータスの確認の為だ。
コンを従魔としたことで何かステータスかスキルに変動があるはずだ。もしなければ、俺の取る行動がここから変わるわけだが……ステータスはオールEのままだった。
「ま、まぁまぁ、ステータスは期待してなかったしな。スキルが大事よ!」
強がりを口にしながら、スキル欄を見ていく。そこには新たなスキルが二つもあった。
『ソウルリンクEX』、『影操作EX』が増えていることに気付く。
「うしっ、二つもある! えっと、ソウルリンクの効果は……」
俺は喜びから思わずガッツポーズをしてしまった。そのまま効果を確認に入る。
『ソウルリンク』魂の繋がりを持つものと能力をリンクさせる。
魂の繋がり? もしかして……
『おーい、ネロ聞こえるかー?』
『む、主か? 今度は何か用なのか?』
『お、本当に『魔物会話』使えてるな。ネロの声こっちにも聞こえてるぞ』
『そうなのか? どうしていきなり』
『今日、新しい仲間が増えたんだ。コン、この声はネロだ』
『やほ~、コンだよ~、よろしくね~』
『さすが主、これほどまでに優秀な仲間を増やすとは』
たまたまだったけどな。でも、コンを仲間に出来てよかった。あそこで俺が見つけていないとずっと壺の中にいたかもしれないし……
『そういうわけだから、ネロの方でも何かあったら俺に声を掛けてくれよ』
『わかった、主。そういえば、クラというものも二日後には完成しそうと言っていたぞ』
『了解だ、報告ありがとう』
『うむ、ではな』
ネロとの会話をここで切った。後はネロからスキルを借りれるっぽいけど、何を覚えてるかわからないし後回しにしておこう。
それと、『影操作』だっけか。一回やってみるか。
「『影操作』!」
一応声に出してみた。すると、ゆっくりゆっくりと俺の影を動かせることに気付く。
「え、これだけ? スキル説明は……」
『影操作EX』影を動かせる。
「マジでそれだけじゃねぇか! なんの為のスキルだよ!」
どこかの忍者漫画みたいに影を相手にくっつけて動きを止めるだとか、相手の影に忍び込めるだとかそういうのを期待していたのだけども。まぁ、たまにはハズレスキルがあっても仕方ないか。
俺は内心がっかりしながらも、一応頭の中では応用として何に使えるかを考えることにしておいた。
例えば、目隠しとかには使えるかもしれないしな。
「ごしゅじんさま~」
「どうした?」
コンは俺の肩からベッドへと飛び移る。そして、ベッドの上で丸くなった。
「ここでねむっていい~?」
「そうだな、ちょっと買い物行ってくるし別にコンは寝てていいぞ」
壺から出て今までずっと俺に付いてきてたしな、一回休憩させた方がいいだろう。
「ありがとう~ふぁ~」
コンは小さく欠伸をした。かわいいなこいつ。……そうだ、もふもふすると決めていたんだった。帰ってきて起きてたらもふり倒してやるからな覚えとけ!
「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい~」
コンは手の代わりに尻尾を振って俺を見送ってくれた。その姿がすっげえかわいいんだが、というかあいつ……狐と人のハーフみたいな存在なんだよな。
コンが人の姿をしていた頃が想像できない。多分めちゃくちゃ美人さんなんだとは思うけど。だって獣の姿であの可愛さなんだから当たり前だろう。
「そのうち、コンにも何かプレゼントしておくか……」
俺はコンを女性扱いをすることに決めて、街へと向かうのであった。
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