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これがプロローグってやつですか。
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ここは宝石と魔法の国シュテルンブルク。
その名の通り、星のように輝く鉱石を多量に含んだ鉱山がまるで城のように国土の殆どを覆い聳え立つ城塞国家である。
中央に位置する王城の中、ほんの数人で使うには勿体ないほどの見事なガーデンテラスで、二人の令嬢と計三人でこの国唯一の王子が来るのを待っていた十四歳のリーゼロッテは、今の状況に妙な既知感を覚えていた。
・・・ここはもしかして、乙女ゲーム『きらめく星の導きで』の世界なんじゃないかしら?
そしてこのお茶会で、私が王子の婚約者になってしまうのでは?
なってしまう?
私は王子の婚約者は嫌なの?
乙女ゲームって何?
どうせ王子がヒロインに惚れて婚約破棄されて地位だけ高い問題有りの野郎に無理矢理嫁がされるんだから嫌に決まってるじゃない。
ヒロイン?
婚約破棄ですって!?
ありえない!
でも、ゲーム通りに進んだらありえてしまうのよ。
「・・・・・・っ!!」
「リーゼロッテ様、どうか致しましたか・・・?」
今同席してる二人の片方が、心配そうにこちらを伺っている。
「・・・大丈夫よ」
「でもお顔色が悪いですよ・・・?」
「あーら貴女も言うわねえ!格上のリーゼロッテ様に退席を促すなんて!よっぽど殿下とお近づきになりたいのかしら」
「ち、違います」
「心配してくれてありがとう・・・そうね、わたくし・・・」
考える時間がほしいし、ここにいて婚約者に決まってしまっても困る。
帰ろうとした瞬間、やってくる人影に私は一足遅かったと内心で舌打ちした。
「まあ殿下、お待ちしておりましたわ!」
「・・・遅くなって、すまない」
一言そういうと、王子殿下は丸いテーブルを囲んだ椅子の空席に腰掛けた。
いらしてしまったからには、すぐに退出するわけにもいかない。
まあ殿下どうせそんなに喋らないし、このまま思考をまとめることにした。
【きらめく星の導きで】。
先程の自問自答に出てきた“前世の自分”が生前遊んでいた乙女ゲームだ。
ヒロインは確かデフォルト名をミラといって、アイゼン男爵家の娘だ。
貴族とはいえど足るを知る質素な家柄で、領地の平民と変わらない暮らしをしているが、貴族の子息令嬢は特別な事情がなければ必ず通うよう定められている王立魔法学園に入学する。
この学園で過ごす三年間がゲームの舞台。
攻略対象は言わずもがなこの王子を筆頭に、宰相の息子、騎士団団長の息子、学園長でもある王弟、王国の重要機密に関わる隠しキャラと王道だ。
そして各々に対応したライバル令嬢も登場する。
・・・はぁ~。
そう、私ことリーゼロッテは、王子ルートのライバル令嬢である・・・。
残念すぎる。
確かこのお茶会で婚約者は決まってしまうのよね。
何とか私が候補から外れる方法はないかしら!!!
別に王子が嫌いではないけど、ゲームならいざ知らず現実で王子に婚約破棄なんかされたらキツいものがある。
というかそれはもう貴族令嬢としての死すら意味する。
他の相手でも婚約破棄は不名誉に違いないが、王子が相手では桁違いだ。
だったら破棄じゃなく穏便に解消に持っていく?
・・・いや、この王子相手にそれができるとは到底思えない。
何故かって?
だってこの王子、婚約者に対して何もしないのだ。
そう、何も!
いくら高位貴族の娘のリーゼロッテでも、王族相手に火のないところに煙を立たせる真似などできるわけがない。
つまり、王子有責の婚約解消はまずできないということだ。
どうする!リーゼロッテ!!
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ここは宝石と魔法の国シュテルンブルク。
その名の通り、星のように輝く鉱石を多量に含んだ鉱山がまるで城のように国土の殆どを覆い聳え立つ城塞国家である。
中央に位置する王城の中、ほんの数人で使うには勿体ないほどの見事なガーデンテラスで、二人の令嬢と計三人でこの国唯一の王子が来るのを待っていた十四歳のリーゼロッテは、今の状況に妙な既知感を覚えていた。
・・・ここはもしかして、乙女ゲーム『きらめく星の導きで』の世界なんじゃないかしら?
そしてこのお茶会で、私が王子の婚約者になってしまうのでは?
なってしまう?
私は王子の婚約者は嫌なの?
乙女ゲームって何?
どうせ王子がヒロインに惚れて婚約破棄されて地位だけ高い問題有りの野郎に無理矢理嫁がされるんだから嫌に決まってるじゃない。
ヒロイン?
婚約破棄ですって!?
ありえない!
でも、ゲーム通りに進んだらありえてしまうのよ。
「・・・・・・っ!!」
「リーゼロッテ様、どうか致しましたか・・・?」
今同席してる二人の片方が、心配そうにこちらを伺っている。
「・・・大丈夫よ」
「でもお顔色が悪いですよ・・・?」
「あーら貴女も言うわねえ!格上のリーゼロッテ様に退席を促すなんて!よっぽど殿下とお近づきになりたいのかしら」
「ち、違います」
「心配してくれてありがとう・・・そうね、わたくし・・・」
考える時間がほしいし、ここにいて婚約者に決まってしまっても困る。
帰ろうとした瞬間、やってくる人影に私は一足遅かったと内心で舌打ちした。
「まあ殿下、お待ちしておりましたわ!」
「・・・遅くなって、すまない」
一言そういうと、王子殿下は丸いテーブルを囲んだ椅子の空席に腰掛けた。
いらしてしまったからには、すぐに退出するわけにもいかない。
まあ殿下どうせそんなに喋らないし、このまま思考をまとめることにした。
【きらめく星の導きで】。
先程の自問自答に出てきた“前世の自分”が生前遊んでいた乙女ゲームだ。
ヒロインは確かデフォルト名をミラといって、アイゼン男爵家の娘だ。
貴族とはいえど足るを知る質素な家柄で、領地の平民と変わらない暮らしをしているが、貴族の子息令嬢は特別な事情がなければ必ず通うよう定められている王立魔法学園に入学する。
この学園で過ごす三年間がゲームの舞台。
攻略対象は言わずもがなこの王子を筆頭に、宰相の息子、騎士団団長の息子、学園長でもある王弟、王国の重要機密に関わる隠しキャラと王道だ。
そして各々に対応したライバル令嬢も登場する。
・・・はぁ~。
そう、私ことリーゼロッテは、王子ルートのライバル令嬢である・・・。
残念すぎる。
確かこのお茶会で婚約者は決まってしまうのよね。
何とか私が候補から外れる方法はないかしら!!!
別に王子が嫌いではないけど、ゲームならいざ知らず現実で王子に婚約破棄なんかされたらキツいものがある。
というかそれはもう貴族令嬢としての死すら意味する。
他の相手でも婚約破棄は不名誉に違いないが、王子が相手では桁違いだ。
だったら破棄じゃなく穏便に解消に持っていく?
・・・いや、この王子相手にそれができるとは到底思えない。
何故かって?
だってこの王子、婚約者に対して何もしないのだ。
そう、何も!
いくら高位貴族の娘のリーゼロッテでも、王族相手に火のないところに煙を立たせる真似などできるわけがない。
つまり、王子有責の婚約解消はまずできないということだ。
どうする!リーゼロッテ!!
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