Revolution Calling!俺と黒猫が異世界秩序改変に挑戦する話

猿型茄子

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まったり箸休め回

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重力魔法の修練で、また徹夜をしてしまった。なんとなく重力魔法の感覚が
分かりかけて来た気がする。何だろう?もやもやした感覚なのだが、
何かのきっかけさえあれば、習得できる感触はあるな。

朝飯用に茶鱒を七輪で焼く。昨日から魚ばっかりだ。魚好きな俺でもそろそろ
飽きて来たぞ。
今日はダイアボアを狙ってヌタ場を監視するかな。
その前に下流の滝壺に仕掛けをぶっこむ。スッポン様が掛かるといいな。
リリにはわっくー達のエサやりと、洗濯を頼んでおいた。ロップはリリの
お付きだ。

俺は昨日と同じくアハト・アハト一号を持って、昨日発見した池に飛んで行った。
飛んで行くとやっぱり楽だね。
途中で香茸を追加で採取した。池の周りの樹上でヌタ場を監視しながら毒見を
しよう。

樹上に潜んで、約2時間後。デカいダイアボアがヌタ場に現れた。
2メートル位あるぞ。
ヌタ場でごろんごろん転がっている。俺は投槍器アトラトルにアハト・アハト一号を載せて、
槍の投擲タイミングを窺う。カジキやダツよりは小型だが、アハト・アハトも
弾頭重量は10キロ超だ。加えて俺の膂力なら当たれば必ず仕留められるだろう。
肉弾戦は出来るだけ避けたい、何故なら俺がヘタレだからだ!

ヌタ場でのたくっていたダイアボアが起き上がって池のほとりの水草を鼻先でほじくり
始めた。今がチャンスだ。行くぞ!近接射撃ヴィットマンファイア

アハト・アハトはダイアボアの頭部を爆散させ、ヌタ場に柄まで突き刺さった。
15メートル程の近距離投擲だったからな。貫通仕様のアハト・アハトでも
これぐらいの威力は当たり前か。首無しダイアボアを魔法で血抜きをして収納袋
に包んだ。

前回は適当な味付けと足りない熟成状態で食ったが、今はある程度調味料もある。
熟成もしっかりしよう。ベーコンとか食いたいし、モモ肉は生ハムに挑戦して
みようか。ふふふ。晩飯のメインはレバーとハツだな。まだ時間があるから
他の内臓も試してみよう。
俺は寄り道して行者ニンニクとクレソンを採取してから家に戻った。

現在11時半。昼は昨日釣った茶鱒の塩焼きと茹で赤芋だ。
リリは相変わらずの健啖ぶりを見せて、バリバリ茶鱒を齧っている。
最近は肉付きも良くなってきた、そろそろ真剣にリリの今後を考えないとな。
リリはギギロフさんの工房で働くのが好きみたいだから、今度村に行ったら
ギギロフさんと相談してみようか。

午後はダイアボアの解体だ。面倒だぞ~。まず腹を割って内臓を抜いた。
レバーとハツと大腸は取りおいておく。膵臓も食えるって聞いた事あるけど、
尿線だっけ?これを取り除かないと激マズになるらしいから、今回はパスだ。
その後、前回同様に熱湯を掛けながらデッキブラシとタワシで毛をこそぎ落とす、
リリにも手伝って貰った。1時間程掛けて、つるつるの豚さんになった。
「うんわ~。美味そうだなや、レイ兄ちゃん」
「リリ隊員。キミにはまだ仕事があります。この黒猪の内臓を、
前にエーラ姉ちゃんとやった様に川で綺麗に洗ってください」
「うん、分かっただよ、レイ兄ちゃん。行くだよ!ロップちゃん」
「えー、ボクもっすか?そんなのレイ様にやってもらえばいいっすよ」
俺が右手をワキワキさせて、アイアンクローの準備をするとロップは慌てて
リリの元に走って行った。
大腸は前もって切り開いてポロポロのウンコを掻き出しておいたので洗うだけだ。
リリ、頼んだぞ。
残りの内臓は一部をわっくー達のエサにして、後はカギムシ広場に廃棄しよう。
またカギムシの地獄曼荼羅図絵に遭遇するかもしれない。

さて、ダイアボアを解体しよう。面倒臭いな~、デカいんだよ今回のは。
でもこのままだと貯蔵出来ない。斧を持ち出して、背骨からバキバキとアバラ骨
を切り離して、出刃包丁で各部位を適当に切り分けた。あくまで適当だ。

切り分けた部位をビニール袋に入れてから衣装ケースに詰めて滝壺に沈めておく。
熟成期間は3日位でいいかな。モモ肉は別の衣装ケースに入れて塩漬けにする。
生ハム作りに挑戦だ。うろ覚えだが塩漬けにしてから塩を抜いて干せばいいんだ
よな。まあ試してみよう、トライ&エラーだよ。塩は24キロ以上確保してある。
でも、また海に行く必要があるだろう。海に行く時はエーラポンコツベルルフさん中身は子供
気付かれない様にしなければならないな。面倒臭いから。
ダイアボアの骨は、一応取っておくかな。豚骨スープが出来るかも知れない。だが魔法で煮るとしても魔力が持つかな?アレって店によっては何日も煮たりするんだよな。

晩飯はダイアボアのレバー&ハツ&大腸のショウガニンニクニラ炒めだ。
名前が長すぎるな。手書きメニューの定食屋では壁に貼れないメニューだ。
残念ながら、下流の滝壺に放り込んだぶっこみ仕掛けは餌だけ取られて不発
だった。仕方ない、こういう事もあるよね。"頂きます"をした後、リリは
ガツガツ食べている。自分が作った料理を美味そうに食べているのを見るのは
嬉しいものだ。

翌日、カギムシ広場を観に行くとカギムシ君達がのたくっていた、予想通りだよ。
パラライズからのダークフレイムスローで成仏させておいた。
12匹もいたぞ。これであれだろ?放って置くとヘッピリ虫君達が集ってくるんだよね?もう慣れたんだよ、この嫌な連鎖には!
俺はカギムシ君とヘッピリ虫君達から大量の魔石をゲットした。
合計33個だ。川で洗って吸収しておいた。早く進化して嫌な能力を廃棄したい。
あれ?俺って嫌な能力しか持ってなくね?せっかく異世界に転生したんだから、
もっと格好いい能力が欲しかったよ。ドラゴン系のヤツとかさ、邪気眼とかさ。
あ、邪気眼はやめておこう。痛すぎるからな。

翌日、俺がラジオ体操をしていると、リリがわっくー達の巣がある林から
トコトコ駆けて来た。
「レイ兄ちゃん!くーわの卵から、子供達が出て来ただよ!めんこいんだ~。
レイ兄ちゃんも見に来てくんろ」
何!卵が孵ったのか。俺はリリと一緒に様子を見に行った。

『くわーっ』

わっくーが纏わりついてきた、相変わらず人懐っこいな。巣に行くと、くーわが
雛鳥達にエサをやっている。ちゃんと自分達でも餌を採っている様だ。
傷の具合も問題無さそうだ、そろそろ抜糸してもいいかもな。
雛鳥達を覗いてみる。なんだこのポワポワ達は!リリもズタ袋からミミズや
芋虫を取り出してポワポワ達に嬉しそうに餌をやっている。
まだ持っていたのか、そのズタ袋。

しかしリリは、いずれわっくー達は森に還る事を分かっているのかな?
この閉鎖された環境では、わっくー達には未来がない。わっくー達との別れに
リリは悲しむだろうな。リリの悲しむ姿を想像するとつらい。

だがこれは俺も同じだ。いずれはリリと別れる事を考えなければならない。。
やっぱり俺の星母神様の使徒としての過酷な運命に、リリを巻き込む訳には
いかないと思う。リリはまだ子供だしな。鬼人族の村で角無しのリリが幸せに
生きていけるようになるには、ゴレロフさんの今後の施政に期待するしかない。
頭衆達もリリに対しての偏見はあまり無いようだしな。
ベルルフさんなんて、リリと一緒に遊んでいたからな。仕事しろよ漁師頭!

まあ、バシリスクは倒したが、村の食料事情が良くなるにはもう少し時間が
掛かるだろう。それまでに心の準備をしておこう。
そして俺は幼女マニアではない!これは父性愛なんだ!

それから2日。俺達は食材を採ったりしてまったり過ごした。上流の滝壺で、
くーわ達が雛鳥達と泳いでいるのを、リリがニコニコして眺めている。
今日は久しぶりに漬物樽風呂に入れてやろう。今まで川で身体を洗うだけだった
からな。明日は村に行こうかな。俺は村の事で気になっている件がある、
ゲドルフ元狩人頭一党やデゼロフ元鍛冶頭の件だ。ずっと収監されていたが、
どうなっているんだろうね?まあ村の政治には口出しする気は無いけどな。

今日の晩飯は東坡肉トンポーローを作ってみよう。調味料が全然足りないけどな。
調理方もうろ覚えだ。まあ火を通して今ある香辛料と香味野菜を総動員すれば、
何とか食えるものにはなるだろう。
まず滝壺に貯蔵しておいたダイアボアのバラ肉を軽く茹でて、
スキレットで焼き目が付く位に焼いた。後は調味料に漬けて蒸すんだよな?
ボールにバラ肉を入れて、水、酒、塩、カスレの実胡椒ガンガスの根ショウガピリピリの実唐辛子と行者ニンニクを叩いたものを適当にぶち込んで、ダッチオーブンで蒸し煮
にした。
男の料理なんてこんなもんだ。確か某マンガによると蒸し煮の時間が足りないと
ゴリゴリした歯ごたえになるんだったな。徹底的に蒸してやんよ!

4時間程蒸したバラ肉はプルプル状態だ。味見をすると中々の味だ。少々味付け
が物足りないが塩を控えめにしたのは良かったな。さあ、晩飯にしようか。

「うんわ~。レイ兄ちゃん!これ凄く美味いだよ~」
リリが両手でほっぺを押さえて恍惚の表情をしている。
相変わらずの天使っぷりだ。頭を撫でておこう。
「えへへ、オラ、レイ兄ちゃんに頭を撫でられると嬉しいだよ」
可愛いヤツだ。俺はリリの頭をワシャワシャ撫でた。

「レイ様、茶鱒が足りないっすよ。早く釣って来て下さいっす」
ロップが不満そうにバケツを差し出した。
相変わらずのお坊っちゃまぶりだ。頭をアイアンクローで締めておこう。
「うにゃー!ボクが何をしたっすか!レイ様のバーカ、バーカ!」
腹立たしいヤツだ。俺はロップのこめかみをグリグリウメボシした。

リリを寝かせた後、重力魔法の修練をした。この星の引力に対して星母神様の力
を介入させる感覚が分かりかけてきている。
もう少しだと思う。何かきっかけがあれば一気に習得出来るんじゃないかな。
もしくは単に俺の魔力が足りないせいなのかもしれない。
あ、また徹夜をしてしまったな。

今日は村に行くんだったな、朝飯の準備をするか。
しかし俺って完全にオカンだよな。
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