Revolution Calling!俺と黒猫が異世界秩序改変に挑戦する話

猿型茄子

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エーラと海

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村を飛び立って、高速飛行すること一時間、石河原で一度降りた。
飯時だが今日は昼飯抜きである。ここでモタモタしていると森からまた熊さんが現れるかもしれない。降りた理由はラジオ体操だ。少し飛ばすので念のためだ。
ロップが肉球を叩いて大笑いしながら『変な踊り!変な踊り!』と
大はしゃぎしている。あの野郎。

エーラはリリと不審そうに俺を見ながら、ヒソヒソ話をしている。
そんな目で見るなー。そんなに変か?ラジオ体操。
第二まで完遂した俺には魔力が漲っている、パワフリャだぜ!
「はい、皆さん出発です。飛ばすのでリリ君は目を瞑っていて下さい」
「オラ、怖いけど我慢するだよ」
「ヒャッハー!行こうぜレイ兄ちゃん。バリバリだぜ」

エーラの機嫌も漸く直ってきたようだ。よし最高速に挑戦だぜ!
湿地帯を越え、マングローブ林を抜けて干潟に辿りついたのは一時間後だった。
体感速度で時速100キロ位出ていたと思う。はしゃいでいたのはエーラだけで、
リリもロップもぐったりしているな。よし、まずは恒例の晩飯確保だ。
今日は塩作りは無理だな、エーラに磯場のレクチャーをしなければならない。
東の岬を飛び越えて磯場に向かった。頭上でエーラがしきりに感嘆している。

「すげーデカい池だな、レイ兄ちゃん!これが海かあ、どの位広いんだ?」
「さあな、目に見える範囲のもっと遠くまで続いているぞ」
「すげーな!レイ兄ちゃんは行った事あるのか?」
「ま....」
「"ま"ってなんだ?」
「いや、なんでもない。あんな所までは飛べないよ。俺には無理だな」
「ふうん?」

あぶねー、"まだ"と言うところだった。コイツはこういう曖昧な言葉に食いついてくるからな。俺が"まだ"と言っていたら、何時なら行けるんだとしつこく食い下がられ、知らない内にエーラを連れて行く約束をした事になっていただろう。
エーラ、恐ろしい子。今後も気を付けよう。

磯場はちょうど潮が引きかけているところの様だ。リリはずっとブルマだから
いいが、エーラを着替えさせよう。男物ブリーフ、スパッツ、黒いTシャツと
スニーカーを収納袋から取り出した。何故黒いTシャツかというと、
白だと透けるからだ!着替えをエーラに渡して命じた。
「エーラ姉ちゃん、あの岩陰でこれに着替えなさい。リリ君は手伝ってあげるように。あと脱いだ服はこの袋に入れて持って来なさい」
「うん分かったぜ、レイ兄ちゃん!リリ、行こうぜ」

随分聞き分けがいいな。さてどうしよう?リリには牡蠣を採って貰おう。
お目付けとしてロップを付けておけばいいだろう。
俺はエーラに釣りを教えながら、食えそうなものを集めようか。

釣り具とクーラー、軍手、タオルに麦藁帽子、バール、バケツを取り出した。
釣りの仕掛けは、ルアーロッド、タイコリールで道糸にジグヘッド直結で
いいだろう。
タックルボックスに偏向グラスが入っている。これもエーラに着けさせよう。
俺は気にしなかったがエーラは水面が光って見えづらいだろうからな。
取り合えず、浅い潮溜まりで蟹を捕まえておく。この分だと晩飯は緑カサゴになりそうだな。美味いんだけど食べるところが少ないんだよね。まあアイツラは
雁木小僧だから関係ないか。
俺が仕掛けを結ぶとエーラ達が戻ってきた。
「レイ兄ちゃん、はいこれ脱いだ服だぜ!この服、アタシにくれるのか?」
「海にいる間、貸すだけだ。はい、では皆さん今晩のご飯を集めてもらいます。
リリ君はロップと一緒にこないだ採った貝を集めましょう」

俺はリリに麦藁帽子を被せ、タオルを首に掛けて、水筒は肩からに袈裟に掛けさせた。そして軍手とバール、バケツを渡した。
「レイ兄ちゃんこれはなんだべ?」
麦藁帽子が気になるようだ。
「長い時間お日様の下にいると気持ちが悪くなることがあるのです。
でもこれを被っていれば大丈夫。今回はリリ君用の水筒もあるので小まめに飲むように。じゃあロップ、頼んだぞ!」

「うにゃ、頼まれたっす。リリちゃん行くっすよ」
「うん、オラ頑張るだよ。ロップちゃん」
ロップに任せておけば大丈夫?だろう。

「で、アタシは何をすればいいんだ?レイ兄ちゃん」
俺はタオルをエーラの頭に巻き、水筒を渡した。そして偏向グラスを着けさせる。
「エーラ姉ちゃんには釣りをして貰います。まずは俺がお手本をみせます」

俺はジグヘッド仕掛けに蟹を付けるところからエーラの目の前で実演して見せた。
「この蟹餌を怪しいところに落としこみます。怪しい所というのは岩の隙間とか、海藻の生えている所とか、あの沈んでる岩のきわとかです」

「分かったけどレイにいちゃん、これ着けてると周りが薄暗くなるぞ」
偏向グラスが気になるのか?まあ仕方ない初めての経験だろうしな。

「では、それを取って、あの沈んでる岩を見て下さい」

「うわ、水面が光って底がみえねーよ。そうか、だからこれを付けるんだな!
すげーぜ、レイ兄ちゃん」

それから、俺が実釣してみせた。沈んだ岩の際に蟹餌を落とし込むと、
緑カサゴが飛び出て来て食いつくのがはっきり見えた。
大体カサゴ類は勝手に針に掛かるので、後は引き抜くだけだ。
ポーンと抜き上げると25cm位の緑カサゴだ。
ついでにプライヤーを使った針の外し方も教えた。締め方は後で教えよう。

「という具合に、エーラ姉ちゃんには魚を釣ってもらいます。ただあまり小さいのを釣っても仕方ないので、さっきのより小さいのは針を外した後、逃がしてあげましょう。それと中には毒の棘を持つ魚もいます。さっき釣った魚以外のものが掛かった時は、むやみに触らずに俺を呼ぶように」

「分かったぜ、レイ兄ちゃん!アタシ一杯釣るぜ」

非常に高揚している様だ。現在14時前。食材探しは16時までだな。
最悪釣れなくてもリリが牡蠣を取ってくるだろう。さて俺も採集開始だ。
エーラが見える範囲で磯場を飛び回った。そろそろ干潮になるはずだ。
沖側の磯で新食材としてカメノテをゲットした。

なんかエーラが騒いでいるので戻ろう。エーラの元へ文字通り飛んで行くと、
ジグヘッドにスカシカシパンがくっ付いている。

何故落とし込み釣りでスカシカシパンを釣る?あ、大事な事教えてなかったな。
「エーラ姉ちゃん蟹を落とした後、ずっと待ってただろ?ゴメンゴメン、
この釣りは大抵一発で食いついて来るんだけど、食いついてこなかった場合は、2、3回軽く上下して、それでも食いついてこなかったら別の怪しい所を探していくんだ」

「そうなのか?わかった、やってみるぜ!でもコイツはどうするんだ?」
「こんなモノはポイしなさい」

俺はスカシカシパンを潮溜まりにポイした。
エーラは実に楽しそうだ。蟹餌を付けて怪しそうな場所を探している。

俺も食材探しを続けよう。潮は完全に引いた様で、沢山の潮溜まりが顔を出し始めた。
エーラになるべく深い潮溜まりを狙うように指示を出した後、コノワタが割と
好評だったので、20個程ナマコ拾いをした。嗜好品だしこの位は頭衆へのお礼として渡してもいいだろう。

エーラが大声で俺を呼んでいる。駆けつけると、
「レイ兄ちゃん、アレは何だ!」

でかしたぞ、エーラ姉ちゃん!ちょっと深めの潮溜まりで1メートル位の
海サソリ君が底をごそごそ這っている。俺は剣スコップを取り出し、
エーラを褒めた。
「お手柄だぞ、エーラ姉ちゃん!アレは良いものだ」
潮溜まりに入り、前回と同じように頭と尻尾を剣スコップで切り離した。
尻尾は大体70cm位か、3人でも十分足りる。晩飯はエビのスイカ食いだぜ!

今回はもう切り上げてもいいくらいだが、ロップ用にあと3匹程魚が欲しい。
引き続き釣りをするようにエーラに頼み、俺は海サソリの解体を行う。
あまりの美味さに驚いた前回だったが、今思い返すと若干の臭みがあったように思える、背ワタを抜いていなかったからだろうな。切断面を見ると小指くらいの太さの消化管が見えるので、つまんでゆっくり引き出すとずるーっとごっそり抜けてきた、完璧だ!
前回は鉈で叩き割ったが、今回は収納袋から出刃を取り出し、綺麗に切り分けてクーラーに大切に格納した。
鋏と足は切り飛ばして、頭はバケツに塩氷と一緒に入れて置く。

お、エーラが騒いでいるな。
おお初釣りか、結構な型の緑カサゴを引き抜いた様だ。

緑カサゴを持ってエーラが駆け寄って来た。
「レイ兄ちゃん、やったぜ!さっきのレイ兄ちゃんのよりデカいだろ!
釣りって楽しいな」
「良く頑張ったな。この調子であと二匹頼むわ」
「分かった。やってやるぜ!」

楽し気に走り去って行った。やはり海に連れて来て良かったみたいだ。
外側の、干潮でも波が当たる辺りを探すとトコブシが結構見つかった。
取り合えず、一人2個として6個でいいだろう。

俺の方はこの位でいいだろう。現在15時20分。ビーチに行く準備を始めよう。
クーラーを見ると海サソリブロックの他に緑カサゴが3匹入っている、
順調そうですな。

さて、カサゴのワタを抜いておこう、カニ網用だ。カニ網にワタを入れて
海サソリがいた潮溜まりに放りこんだ。

しかしバケツがちょっと多いな。ナマコバケツに、カメノテとトコブシのバケツ、それに海サソリの頭のバケツだ。
リリも牡蠣バケツを持って帰ってくるだろう、往復する必要があるぞ。
リリが戻ってきたら考えよう。エーラが魚を持って駆けてきた!
「レイにいちゃん!どうだ、アタシやったぜ」
「良くやったぞ。そろそろ時間だから後片付けだ」
「うん、今日はアタシの釣った魚を食べるんだな。楽しみだぜ」
「いや、魚はロップが食う。ロップは魚しか食わないんだよ」
エーラが悲しそうな顔をする。
「アタシがあんまり釣れなかったからか?レイ兄ちゃん」
「いや、初めての釣りで、この短時間で3匹なら上出来だろ。魚を食わない理由
はもう一つある。それはもっと美味いものが獲れたからだ!」
そう海サソリ君だ。晩飯はどうしようか?七輪で焼くにはボリュームがあり過ぎるな。細かくしてもいいんだが、やはりスイカ食いがしたい。カメノテと一緒に塩ゆでにしよう。あとはトコブシとナマコの水貝に芋でいいだろう。比較的準備は楽そうだ。

リリとロップも戻ってきた。
「レイ兄ちゃん!オラ頑張っただよ」
「うにゃ~、ボクもっす」

ロップは恐らく何もしていないと思うが、リリを見守ってくれていたのだろう。
「二人とも頑張ったな」
二人の頭を撫でていると、何故かエーラが横に並んでいる。オマエも撫でられたいのか?
まあいいだろう。エーラの頭をワシャワシャ撫でた。14歳でも見た目は大人の
デカい女だから、コイツの子供っぽい振る舞いにはまだ慣れない。
つーか、まだリリとも出会ってから11日位?エーラなんてまだ4日くらいだもんな。

さて、リリの戦果を確認するとまたバケツにてんこ盛りだ。数えるのはビーチに戻ってからにしよう。
まず、俺がバケツ4個を持ってビーチに行く事にした。バケツを下ろし速攻で戻ってくる。トコブシは脱走しそうなのでクーラーに入れなおした。

そして次は人員輸送だ。エーラを肩車、ロップはエーラがおんぶ、リリを抱きかかえて飛ぶ。良く考えたらこの姿はどっかの国のバイク事情みたいだな。

干潟を通過して西の岬を飛び越えると予想通りの反応だ。
「うおー、スゲーぞ。レイ兄ちゃん!今日はここで寝泊まりするのか!」
「そうだ、明日は時間があったら海に入らせてやるぞ」
「エーラ姉ちゃん、海は楽しいだよ」
「マジか、じゃあアタシはもう寝る。明日になったら起こしてくれよな!」

相変わらずのポンコツ振りだ。無視してテントを設営した。
エーラには流木集めと薪割を頼んでおいた、ロップよりは大きな流木を集められるだろう。こういう力仕事を頼めるのは助かるな。
ロップが何故かエーラについていった。仲良くなったのか?

俺とリリは飯の支度をする。ナマコとトコブシの水貝、海サソリとカメノテの
塩炊きと茹で黒芋だ。
それに加えて、海サソリの頭からカニミソと魔石を回収した、前回と同じように鉈で叩き割って殻を割り開くと黄色いミソが結構詰まっている。舐めてみると、確かにカニミソっぽいな。リリに舐めさせてみると、首を捻っている。
「オラ、良く分かんね」
あまりお気に召さなかったようだ。これは俺の酒の肴にしよう。

そして今回は試したかった事がある、干しナマコだ。うまく戻せたとしても、
どうやって調理したらいいかイメージが沸かない。何故なら食ったことがない
からだ!まあお試しだ。取り合えず大き目の鍋に水タンクの真水を入れて沸騰させ、干しナマコを2個放りこんだ。これで放置しよう、冷めたらその都度沸かせばいいだろう。

「お~い、飯だぞ~」
海サソリ等の煮物は汁を捨てて中身だけ皿によそった。水貝はお椀によそう。

「熱いから良く冷まして食べましょう。それでは皆さん!」

「「「「頂きま~す」」」」

海サソリは大好評だったが、ナマコとトコブシの水貝はあまりお気に召さなかった様だ。まあ歯ごたえを楽しむような料理だからな。
だが海サソリのおかげでなんとか満足してもらえたようだ。黒芋も全部食べ終えて俺達はご馳走様をした。

明日の朝は七輪で海サソリと牡蠣を焼くか。朝から贅沢だな。三人にはトランプで遊んでいるように伝え、俺はエーラの服を洗濯した。まあ革製品は無理だが。
三人はトランプで盛り上がっているね。俺はカニミソを舐めて晩酌をしながら
思案する。そろそろ重力魔法とやらに手を出してみようかな。

ゲームがお開きになったところで、ロップを呼んだ。
「なあ、ロップ。そろそろ重力魔法を練習してみようと思うんだが」
ロップはちょっと考えていたが、
「うにゃ~、ボクはコウエイ様基準でしか分からないっすよ。コウエイ様が
重力魔法を使う様になったのは1年位経った後っす。
練習始めたのも遅かったっすからね。もしかしたら今から練習すればレイ様は
もっと早く使える様になるかも知れないっすよ」

よし、今からでも練習する価値はあるな。ロップは星魔法の習得については覚えるのではなく、元々あった能力の練習だと言っていた。俺も感覚を掴めば結構早く使えるようになるかも知れない。ロップに練習方法を聞いてみよう。
「ロップ、コウエイ様がやっていた重力魔法の練習方法を教えてくれ」
「うにゃ~、ボクも良く分かんないっす。なんか瞑想してたっすね。ボクが何をしてるのか聞いたら、『星母神様のパワーを感じているのだ』って言ってたっす。
あと、瞑想しながら石を落としたり、石を持ち上げたりしてたっすよ」

なんか、怪しいが重力に星母神様の力がどう作用するかを感じ取る練習ってところかな?今日からやってみよう。

ハッ、しまった。また徹夜をしてしまった!マイホームではともかく、今回は途中で起こして見張りを交代しろとエーラに言われてたから、また怒られるな。
昨日も徹夜だったからこれで2徹か、前世で慣れてた事もあるが全然眠くない。
使徒パワーかもしれないな。さて、火を七輪にいれて朝飯の準備をしときますか。
ちなみに練習の成果はさっぱりだった。何かコツがあるのだろう。

現在7時。エーラには案の定怒られたが適当にスルーした。朝飯は残りの
海サソリと牡蠣を焼いて食べた。当然美味いに決まっている。エーラは最初、
焼き牡蠣を不審気に見ていたが、一口食べると目の色を変えて食べ尽くした。
鬼人族は貝を見た事ないのかね?川にもいそうなもんだが。
テントを回収し、さっそく磯場に向かう。今日の俺は塩作りメインだ、
リリとエーラには昨日と同じルーチンを与えた。
午前中をフルに塩作りだけ行えば、相当の塩が作れるだろう。しかも今回は巨大漬物樽2個で、同時海水濃縮に挑戦だ。

現在11時。朝から塩作成工程を4回行う事が出来た。漬物樽2個の同時濃縮
により工程一回につき、約6キロの塩が作れる事になった。つまり今日だけで
24キロも塩を作っちまったよ。取り合えず、土嚢袋に詰めた。
この24キロを一単位にしよう。前回よりは大分多いな。
村には4袋収めて1袋は俺が使う事にしよう。そろそろ皆を呼び戻す。
成果はエーラのカサゴ、リリの牡蠣、カニ網のゴンズイだ。まあ普通だな。
ビーチへ戻り、テント設営後七輪でカサゴと牡蠣を焼いて食った。
エーラはやっと自分で釣った魚が食べられて嬉しそうだったな。雁木小僧だが。

午後は海水浴で遊ばせよう。テントでリリに着替えを手伝わせてから二人に海で遊ぶように伝えた。エーラは最初怖がっていたが、すぐに慣れたようで大はしゃぎだ。ゴーグルを着けて潜ったりもしている。元々泳げたのかな?

俺は勿論食材加工ですよ。夜はゴンズイと牡蠣の塩煮でいいや。2時間程で
遊び疲れた二人が海から上がって来た。
「レイ兄ちゃん、スゲー楽しかったぜ!海の水って本当にしょっぱいんだな!
アタシもすぐに仕事するぜ」
「取り合えず、身体を洗いなさい。海の水はベトベトするからな。
リリに教わってくれ。着替えたらまた流木拾いと薪割りを頼む」
「分かったぜ、レイ兄ちゃん」



....結局その後5日間海で過ごした。魚醤用や煮干し用の緑イワシを釣りに、
沖磯へ皆で行く日を設けたからだ。
最終的に村に納品する物は

・塩24キロ×4(96キロ)
・ゴンズイの干物を沢山。

正直塩以外は大して量は多くないし、村の困窮を救う程のものではない。
ゴンズイは抽選になってしまうだろうが、当たれば一食分位にはなる?
干し牡蠣も俺個人としては大量だが、村に放出しても一人1個程度だ。
やはり、食料はダイアベアを狩った方が効率がいいだろう。
帰りに狙ってみるかな。

そして頭衆への個人的なお土産として、
・コノワタ3瓶分
・殻付き牡蠣

殻付き牡蠣は海水を入れたビニールにいれて、エーラに持ってもらう。

俺の戦利品は
・塩24キロ
・魚醤4甕
・干し牡蠣
・干しカサゴ
・干しナマコ

そうそう、戻した干しナマコだが、まだ手を付けていない。ビニール袋に入れてクーラーに入れっぱなしだ。どうにも調理のイメージが浮かばないのだ。
なんかいいハーブとか香辛料とかないか、帰ったらティエラさんに聞いてみよう。

「エーラ姉ちゃん、海はどうだった?」

エーラはニパッと笑って言った。
「スゲー楽しかったぜ、レイ兄ちゃん。こんなに楽しかったのは初めてだぜ!
また絶対来たいけど、アタシも狩人の仕事をしなきゃな。レイ兄ちゃん、
我儘言ってごめんなさい。アタシ、ココ婆ちゃんから海っていうものがあるらしいって話を聞いて、ずっと行ってみたいって思ってたんだ」

へえ、結構聞き分けがいいな。よっぽど海が見たくて駄々を捏ねたんだろうな。
俺がこの島を出る事を知っても大丈夫かもしれない。もちろん自分から打ち明けるなどと言う危険な事はする訳はないが。

「そうか、喜んでくれて良かったよ。俺も最初は心配してたんだが、
エーラ姉ちゃんがいてくれて助かった部分もあったよ。ありがとな」
「おう、まかしとけ、レイ兄ちゃん!それで今度は何時....」

「さあ、皆さん帰りますよ!」

さて、エーラも満足したようだし、村へ戻ってバシリスク討伐作戦を推進しよう。
そして、これ以上、エーラと約束?をしないように言葉尻には気を付けよう!
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