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帰宅
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翌朝、朝飯抜きで大き目の流木を集めた。鋸や鉈である程度バラシて纏める、
薪割りは洞窟に戻ってからにしよう。
2時間程で結構な量の流木を集める事が出来た、星母神様の使徒の身体能力って凄いね。結構な太さの流木を担いで飛べたよ。
そろそろテントを回収して洞窟に戻ろう、まだ午前9時過ぎだ。
塩作りに使ってたデカい甕に海水を汲んでから、魔法の収納袋に干し網の干しナマコや干物を梱包して東の河口に飛んで行った。
岬を飛び越えると、今は干潮らしく干潟が広がっている。まだ時間に余裕はあるし、ちょっと貝でも掘ってみよう。
熊手で干潟を掘ると、ごろごろ貝が取れた。真っ黒のアサリみたいな貝、デカいな8センチ位ある。他に緑色のカタツムリみたいな殻の巻貝。
これもデカい、殻の直径が8センチ位ある。ツメタガイっぽいな。
ツメタガイは貝を食べる貝なので、アサリの食害で嫌われていたけど実は美味いんだよね。ゲテ村は海のエスカルゴって言ってたな。取り合えずお試しで両方とも10個持って帰ろう。黒アサリはバケツに海水を入れて放りこんだ。砂抜きが必要だからな。
緑ツメタガイは、大き目のタッパーに海水と一緒に入れた。巻貝類は容器に入れても、うにょうにょ這い上がってくるからな。海サソリの尻尾ブロックが入っているクーラーボックスにタッパーごと入れた。
生きてるから収納袋に入れられない。左手にバケツを持って、クーラーボックスはベルトで首に吊るそう。右手には剣スコップ。
さあ、おうちに帰ろう!
今回の海遠征の戦利品は、
・塩を10キロ超
・コノワタ?の瓶詰
・干しナマコ?18個、まだ乾燥中。
・魚醤?を仕込んだ甕二つ。
・海サソリの尻尾の肉
・煮干し。
・緑アイナメの干物12枚。
・流木の薪、結構たくさん。
・黒アサリ、10個
・緑ツメタガイ、10個。
・海水約30リットル
まあ、それなりの成果だろう。本当は海辺に住処を移したいところだが、
コウエイ様の遺産の物置を運ぶ手段がない。
俺がもっと強くなれば、物置を抱えて飛んでこれるようになるかもしれないね~。海水を汲んで来たのは、洞窟に戻っても干物作りに使えると思ったんだ。
あんまり塩を使いたくないからね。
取り合えず、一旦洞窟に戻ろう!
ロップを肩車して、河口から遡上する。いずれはこの河口付近での釣りも試してみたい。川幅広いしマングローブ林だし、見たことない魚がいるかもしれない。
海サソリとかいたしな。古代の生き物が生き残ってる世界なのかもしれないな、ちょっと怖いが。
ロップが洞窟への方角が分かるので洞窟へのショートカットも考えたんだが、あえて往路より低空で川に沿って飛んで行く。廻りの植生や景色を詳しく観察したかったのだ。あ~なんか、デカいトカゲみたいなのが岩場で寝そべってるね。
体長3メートル位ありそうだ。眼は赤くないので魔物ではなさそうだが、
一応ロップに確認する。
「ロップ、あれは魔物じゃないよな?」
「ボクも見たことない生き物っすけど、魔物ではないっすね」
うん、無視しておうちに帰ろう。
マングローブ林を過ぎて湿地帯みたいになって来た頃に、川縁で10匹位の赤い眼の生き物が集っている。体長は1メートル位の黒い毛の獣だ。牙が生えてるが、見た目はカピパラみたいだ。トカゲみたいな生き物の死骸に群がっている。
「ロップ、あれは魔物だろ?眼が赤いし」
「そっすね。あれはダイアラットっす。この島にもいたんすね。何でも食べるヤツラっす。数が多いんで駆除が面倒くさいっすよ」
うん、スルーしよう。今は余裕がないし。でもカピパラって結構美味いって聞いた覚えがあるな、機会が有ったら狩ってみよう。獣の解体にもいずれは挑戦しなくちゃな。でも大変なんだよ獣の解体って。すぐ血抜きしないと臭いし、熱湯で血脂を落とさないとナイフとかも切れなくなるし。ゲテ村の実家で猪の解体を手伝った時は、猟友会の人達と俺とゲテ村を含めた5人で作業したよ。
湿地帯を過ぎて石河原の辺りまで飛んできた。ちょっと寄り道して川岸廻りを調査してみよう。ずっと魚とか貝しか食ってないから野菜も食べたい。
前世ではゲテ村とその辺に生えてるスベリヒユとか、ヤブガラシとかを良く食ってた。俺達貧乏だったからな。スベリヒユは日本でも一部の地域で食べられてたらしいが、トルコやギリシャでは普通に食べられてるらしい。スベリヒユもヤブガラシも結構どこにでもワサワサ生えてたので採集は楽だったな。お浸しにして食べると結構美味いんだよね。ちなみにヤブガラシは通称ビンボウカズラと呼ばれていて、貧乏で庭の手入れが出来ないとコイツがワサワサ生えてきて庭が酷い事になる事からビンボウカズラと呼ばれる事になったらしいと聞いた事がある。
たくましい植物だね。
川岸をロップを肩車して散策すると、ノビルみたいな葉の群生地を見つけた。剣スコップで掘ってみるとピンポン玉位の球根が出て来た、でかいな!ノビルもゲテ村と良く食ったな~。結構その辺の河原に生えてるんだよね。昔は酢味噌を掛けてヌタにしたり、マヨネーズ付けてボリボリ齧ってたな。
取り合えず20個程ノビル?をゲットして、再び川の遡上を始めた。
そろそろ渓谷に入って来た。その後30分位渓谷沿いに飛んで滝にたどり着いた。洞窟の上流の滝壺は釣りは控えめにする必要があるが、この下流の滝壺は釣りをしてもいいかもしれない。ロップがむしゃぶりついた茶鱒とやらを俺はまだ喰ってないしな。
現在13時過ぎ。やっとマイホームにたどり着いた。昼飯も食いたいが荷物の整理とか色々やることが多い、今日は昼飯抜きだ、ロップごめんな。
戦利品を収納袋から出した。ナマコと干物が入った干し網は物置から物干し台を岩棚に持ってきて吊るす。あれ?そういえば俺、着たっきりで全然洗濯してなかったよ。何故気が付かなかった!物置に行って着替えた後、下半身装備を洗剤と一緒に、手動洗濯機に入れてぐるぐる廻す。脱水機能まであるんだ、凄いね、手動洗濯機。大切に扱おう。
岩棚の物干し台に干物網と並べて洗濯物を吊るした後、俺はある問題に悩んだ。緑イワシを塩漬けにした魚醤?の甕だ。ヘルナンプラーにならない様にするには甕を密封は出来ない。密封しないと蠅が集って来るだろう。匂いも凄くなるだろうしな。色々悩んだが俺は決断した!物置にある物を全て洞窟内に運び出した。未整理の物は収納ケースにまとめて放り込ん後に、魚醤?の甕を物置に入れた。広々してるね~。今後物置は漬物小屋になるだろう。
結構時間が掛かったね。もう16時だ、そろそろ晩飯の支度をしなくては。
ロップにはアイナメの干物2枚でいいだろう。
バケツで運んできた黒アサリ?は殻から外して魔法で乾燥させた。ダシに期待しよう。牡蠣も取ってくれば良かったかもね。
今日の俺の晩飯はクーラーボックスの中にある海サソリの尻尾と、緑ツメタガイと途中で採ってきたデカいノビルだ。
物置整理で疲れたので、甕に汲んで持ってきた海水と一緒に、ステンレス鍋に入れて魔法で適当に炊く。
河原で独りフリスビーで遊んでいるロップに声を掛ける。
その遊び楽しいのか?飽きないのかね?
「ロップ君、ご飯ですよ~」
うにゃうにゃ言いながら駆け寄ってきたロップにバケツに入れた干物を与えて、
"頂きます"をした後に晩飯だ。
今回は海サソリの尻尾肉をブロック丸ごと煮た。鍋から取り出してスイカを食べるようにムシャブリついた。前世ではこんなデカいエビなんていなかったからな。
スイカ食いでエビを食べるって凄いな。合間にデカいノビルの球根を食べる。
結構火を通したのでカブとか芋みたいな食感だ充分美味い、転生してから初めての野菜だよ。巻貝類は衝撃を与えると中身を出しやすくなるとゲテ村が言っていたので、緑ツメタガイは殻を引っぱたいてから中身を引っ張りだしてみる。
簡単にヌルンとワタまで出て来たので丸ごとかぶりつく。濃厚な海の漢成分が口中に溢れる。ちょっと砂でジャリジャリするけどね。酒が欲しくなってきたぞ。
ガツガツと鍋を食い尽くした。だけどやっぱり海水で炊くと塩分が濃すぎるな。ちょっと考えよう。
夕飯後、ロップがリバーシグランドチャンプの俺に再戦を挑んで来た。
だがチャンプとしては今回の挑戦は受けられない。良いライバルであるからこそ、ライバルの成長を期待する。まずロップはスタミナを付けなければならない。
現状ではチャンプにはまだ届かない。また試合放棄になるだろう。
だから俺は別の提案をした。
「ロップ君、今夜はトランプをしよう。凄絶な戦いが予想されるな!ふふふ」
つまり異種格闘技戦ををロップに申し入れた
「トランプっすか?う~ん、まあいいっすよ」
俺はトランプゲームの"スピード"で3回ロップを圧倒した!俺が3回勝った時点でロップが不貞腐れてごろ寝をし始めた、また試合放棄か。
「レイ様、こんなのズルいっす。ボクはレイ様より手が短いしカードも持ち難いんすよ!もうやんないっす」
かなりご不満のようだ。でもコイツはテーブルゲーム好きそうだったしな。
ロップの不満を逸らす方向で声を掛けてみた
「ロップ、物置に麻雀牌もあったが、麻雀もやってたのか?」
ごろ寝のロップが飛び起きて答えた。
「はい!良くやってたっすよ。コウエイ様がルールを説明してみんなで遊んだっす。大体固定メンバーは、コウエイ様とパイノワールさんとボクっすね。
残りの一人はその時々って感じだったっす。あんまり参加しなかったっすけど、
サーシャさんが一番強かったっすね。すーあんこうを何度もツモってたっす。
コウエイ様はサーシャさんをゴッドハンドって呼んでたっすよ」
サーシャさんは相当引きが強かったんだろうな。
「ガラムドさんは無茶苦茶だったっす。何度ルールを説明しても駄目だったっす。鳥が4匹揃ったからワシの勝ちじゃ!とか、お団子をこんなに揃えられるのはワシだけじゃ!とか言って自分が気に入った牌が集まるとノーテンなのにツモするっす。何回か繰り返したあとにパイノワールさんがブチ切れて、
ガラムドさんは麻雀には誘われなくなったっすね」
....ガラムドのオジキ。自由すぎるぞ。でも楽しそうな麻雀だね。
そして俺はリバーシに続いてスピードのグランドチャンピオンの栄冠を手に入れた。王者の重責が肩に重い。
さて明日は廻りの探索だ。海遠征を重視していたから、全然廻りの環境が分からないからな。
薪割りは洞窟に戻ってからにしよう。
2時間程で結構な量の流木を集める事が出来た、星母神様の使徒の身体能力って凄いね。結構な太さの流木を担いで飛べたよ。
そろそろテントを回収して洞窟に戻ろう、まだ午前9時過ぎだ。
塩作りに使ってたデカい甕に海水を汲んでから、魔法の収納袋に干し網の干しナマコや干物を梱包して東の河口に飛んで行った。
岬を飛び越えると、今は干潮らしく干潟が広がっている。まだ時間に余裕はあるし、ちょっと貝でも掘ってみよう。
熊手で干潟を掘ると、ごろごろ貝が取れた。真っ黒のアサリみたいな貝、デカいな8センチ位ある。他に緑色のカタツムリみたいな殻の巻貝。
これもデカい、殻の直径が8センチ位ある。ツメタガイっぽいな。
ツメタガイは貝を食べる貝なので、アサリの食害で嫌われていたけど実は美味いんだよね。ゲテ村は海のエスカルゴって言ってたな。取り合えずお試しで両方とも10個持って帰ろう。黒アサリはバケツに海水を入れて放りこんだ。砂抜きが必要だからな。
緑ツメタガイは、大き目のタッパーに海水と一緒に入れた。巻貝類は容器に入れても、うにょうにょ這い上がってくるからな。海サソリの尻尾ブロックが入っているクーラーボックスにタッパーごと入れた。
生きてるから収納袋に入れられない。左手にバケツを持って、クーラーボックスはベルトで首に吊るそう。右手には剣スコップ。
さあ、おうちに帰ろう!
今回の海遠征の戦利品は、
・塩を10キロ超
・コノワタ?の瓶詰
・干しナマコ?18個、まだ乾燥中。
・魚醤?を仕込んだ甕二つ。
・海サソリの尻尾の肉
・煮干し。
・緑アイナメの干物12枚。
・流木の薪、結構たくさん。
・黒アサリ、10個
・緑ツメタガイ、10個。
・海水約30リットル
まあ、それなりの成果だろう。本当は海辺に住処を移したいところだが、
コウエイ様の遺産の物置を運ぶ手段がない。
俺がもっと強くなれば、物置を抱えて飛んでこれるようになるかもしれないね~。海水を汲んで来たのは、洞窟に戻っても干物作りに使えると思ったんだ。
あんまり塩を使いたくないからね。
取り合えず、一旦洞窟に戻ろう!
ロップを肩車して、河口から遡上する。いずれはこの河口付近での釣りも試してみたい。川幅広いしマングローブ林だし、見たことない魚がいるかもしれない。
海サソリとかいたしな。古代の生き物が生き残ってる世界なのかもしれないな、ちょっと怖いが。
ロップが洞窟への方角が分かるので洞窟へのショートカットも考えたんだが、あえて往路より低空で川に沿って飛んで行く。廻りの植生や景色を詳しく観察したかったのだ。あ~なんか、デカいトカゲみたいなのが岩場で寝そべってるね。
体長3メートル位ありそうだ。眼は赤くないので魔物ではなさそうだが、
一応ロップに確認する。
「ロップ、あれは魔物じゃないよな?」
「ボクも見たことない生き物っすけど、魔物ではないっすね」
うん、無視しておうちに帰ろう。
マングローブ林を過ぎて湿地帯みたいになって来た頃に、川縁で10匹位の赤い眼の生き物が集っている。体長は1メートル位の黒い毛の獣だ。牙が生えてるが、見た目はカピパラみたいだ。トカゲみたいな生き物の死骸に群がっている。
「ロップ、あれは魔物だろ?眼が赤いし」
「そっすね。あれはダイアラットっす。この島にもいたんすね。何でも食べるヤツラっす。数が多いんで駆除が面倒くさいっすよ」
うん、スルーしよう。今は余裕がないし。でもカピパラって結構美味いって聞いた覚えがあるな、機会が有ったら狩ってみよう。獣の解体にもいずれは挑戦しなくちゃな。でも大変なんだよ獣の解体って。すぐ血抜きしないと臭いし、熱湯で血脂を落とさないとナイフとかも切れなくなるし。ゲテ村の実家で猪の解体を手伝った時は、猟友会の人達と俺とゲテ村を含めた5人で作業したよ。
湿地帯を過ぎて石河原の辺りまで飛んできた。ちょっと寄り道して川岸廻りを調査してみよう。ずっと魚とか貝しか食ってないから野菜も食べたい。
前世ではゲテ村とその辺に生えてるスベリヒユとか、ヤブガラシとかを良く食ってた。俺達貧乏だったからな。スベリヒユは日本でも一部の地域で食べられてたらしいが、トルコやギリシャでは普通に食べられてるらしい。スベリヒユもヤブガラシも結構どこにでもワサワサ生えてたので採集は楽だったな。お浸しにして食べると結構美味いんだよね。ちなみにヤブガラシは通称ビンボウカズラと呼ばれていて、貧乏で庭の手入れが出来ないとコイツがワサワサ生えてきて庭が酷い事になる事からビンボウカズラと呼ばれる事になったらしいと聞いた事がある。
たくましい植物だね。
川岸をロップを肩車して散策すると、ノビルみたいな葉の群生地を見つけた。剣スコップで掘ってみるとピンポン玉位の球根が出て来た、でかいな!ノビルもゲテ村と良く食ったな~。結構その辺の河原に生えてるんだよね。昔は酢味噌を掛けてヌタにしたり、マヨネーズ付けてボリボリ齧ってたな。
取り合えず20個程ノビル?をゲットして、再び川の遡上を始めた。
そろそろ渓谷に入って来た。その後30分位渓谷沿いに飛んで滝にたどり着いた。洞窟の上流の滝壺は釣りは控えめにする必要があるが、この下流の滝壺は釣りをしてもいいかもしれない。ロップがむしゃぶりついた茶鱒とやらを俺はまだ喰ってないしな。
現在13時過ぎ。やっとマイホームにたどり着いた。昼飯も食いたいが荷物の整理とか色々やることが多い、今日は昼飯抜きだ、ロップごめんな。
戦利品を収納袋から出した。ナマコと干物が入った干し網は物置から物干し台を岩棚に持ってきて吊るす。あれ?そういえば俺、着たっきりで全然洗濯してなかったよ。何故気が付かなかった!物置に行って着替えた後、下半身装備を洗剤と一緒に、手動洗濯機に入れてぐるぐる廻す。脱水機能まであるんだ、凄いね、手動洗濯機。大切に扱おう。
岩棚の物干し台に干物網と並べて洗濯物を吊るした後、俺はある問題に悩んだ。緑イワシを塩漬けにした魚醤?の甕だ。ヘルナンプラーにならない様にするには甕を密封は出来ない。密封しないと蠅が集って来るだろう。匂いも凄くなるだろうしな。色々悩んだが俺は決断した!物置にある物を全て洞窟内に運び出した。未整理の物は収納ケースにまとめて放り込ん後に、魚醤?の甕を物置に入れた。広々してるね~。今後物置は漬物小屋になるだろう。
結構時間が掛かったね。もう16時だ、そろそろ晩飯の支度をしなくては。
ロップにはアイナメの干物2枚でいいだろう。
バケツで運んできた黒アサリ?は殻から外して魔法で乾燥させた。ダシに期待しよう。牡蠣も取ってくれば良かったかもね。
今日の俺の晩飯はクーラーボックスの中にある海サソリの尻尾と、緑ツメタガイと途中で採ってきたデカいノビルだ。
物置整理で疲れたので、甕に汲んで持ってきた海水と一緒に、ステンレス鍋に入れて魔法で適当に炊く。
河原で独りフリスビーで遊んでいるロップに声を掛ける。
その遊び楽しいのか?飽きないのかね?
「ロップ君、ご飯ですよ~」
うにゃうにゃ言いながら駆け寄ってきたロップにバケツに入れた干物を与えて、
"頂きます"をした後に晩飯だ。
今回は海サソリの尻尾肉をブロック丸ごと煮た。鍋から取り出してスイカを食べるようにムシャブリついた。前世ではこんなデカいエビなんていなかったからな。
スイカ食いでエビを食べるって凄いな。合間にデカいノビルの球根を食べる。
結構火を通したのでカブとか芋みたいな食感だ充分美味い、転生してから初めての野菜だよ。巻貝類は衝撃を与えると中身を出しやすくなるとゲテ村が言っていたので、緑ツメタガイは殻を引っぱたいてから中身を引っ張りだしてみる。
簡単にヌルンとワタまで出て来たので丸ごとかぶりつく。濃厚な海の漢成分が口中に溢れる。ちょっと砂でジャリジャリするけどね。酒が欲しくなってきたぞ。
ガツガツと鍋を食い尽くした。だけどやっぱり海水で炊くと塩分が濃すぎるな。ちょっと考えよう。
夕飯後、ロップがリバーシグランドチャンプの俺に再戦を挑んで来た。
だがチャンプとしては今回の挑戦は受けられない。良いライバルであるからこそ、ライバルの成長を期待する。まずロップはスタミナを付けなければならない。
現状ではチャンプにはまだ届かない。また試合放棄になるだろう。
だから俺は別の提案をした。
「ロップ君、今夜はトランプをしよう。凄絶な戦いが予想されるな!ふふふ」
つまり異種格闘技戦ををロップに申し入れた
「トランプっすか?う~ん、まあいいっすよ」
俺はトランプゲームの"スピード"で3回ロップを圧倒した!俺が3回勝った時点でロップが不貞腐れてごろ寝をし始めた、また試合放棄か。
「レイ様、こんなのズルいっす。ボクはレイ様より手が短いしカードも持ち難いんすよ!もうやんないっす」
かなりご不満のようだ。でもコイツはテーブルゲーム好きそうだったしな。
ロップの不満を逸らす方向で声を掛けてみた
「ロップ、物置に麻雀牌もあったが、麻雀もやってたのか?」
ごろ寝のロップが飛び起きて答えた。
「はい!良くやってたっすよ。コウエイ様がルールを説明してみんなで遊んだっす。大体固定メンバーは、コウエイ様とパイノワールさんとボクっすね。
残りの一人はその時々って感じだったっす。あんまり参加しなかったっすけど、
サーシャさんが一番強かったっすね。すーあんこうを何度もツモってたっす。
コウエイ様はサーシャさんをゴッドハンドって呼んでたっすよ」
サーシャさんは相当引きが強かったんだろうな。
「ガラムドさんは無茶苦茶だったっす。何度ルールを説明しても駄目だったっす。鳥が4匹揃ったからワシの勝ちじゃ!とか、お団子をこんなに揃えられるのはワシだけじゃ!とか言って自分が気に入った牌が集まるとノーテンなのにツモするっす。何回か繰り返したあとにパイノワールさんがブチ切れて、
ガラムドさんは麻雀には誘われなくなったっすね」
....ガラムドのオジキ。自由すぎるぞ。でも楽しそうな麻雀だね。
そして俺はリバーシに続いてスピードのグランドチャンピオンの栄冠を手に入れた。王者の重責が肩に重い。
さて明日は廻りの探索だ。海遠征を重視していたから、全然廻りの環境が分からないからな。
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