Revolution Calling!俺と黒猫が異世界秩序改変に挑戦する話

猿型茄子

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キャラクターメイキング

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チャラ男とJKが笑い転げている。OLも顔を背けて体を震わせている。
隣の老人は瞑想の様に目を閉じ、薄っすらと笑みを浮かべている。
なんだこの仕打ち!俺、何もしてないだろ!

チャラ男が俺を指さして大はしゃぎしている。
「ぎゃはは、全裸で、嫌われ者で、孤児でボッチで、パブリックエネミーで、
ねちょねちょウンコって!アンタ来世はヘルモードだよ!オッサン、
アンタは俺が討伐してやんよ!ぎゃはは」

「おい!なんだよ、パブリックエネミーでねちょねちょウンコ踏めって!
そんなんなら俺は線虫を選ぶぞ!」
俺が銀髪女に食って掛かると、

「はい、ねちょねちょウンコの件は私の個人的感想です。気にしないでください。
ただし公共の敵の件は事実ですので悪しからず~。
既に最終確認で悪魔での転生を選択済みですので、線虫にもなれませ~ん。
悪しからず~。貴方は悪魔として人里を避けて、ウンコも避けて立派に来世を
全うしてくださいね。ぷげらっちょ」

チャラ男とJKが腹を抱えてヒーヒー笑ってる。なんだ、ぷげらっちょって!
おいJK。この銀髪女の価値感だと、
人族>ドワーフ族>エルフ族>獣人族>>超えられない壁>悪魔だぞ!
お前も底辺に近いのに、何をヒーヒー笑ってやがる!

銀髪女が手を叩いて声を張り上げる。
「は~い、仕切り直して次の説明に参りま~す。これから皆様の転生後の肉体と
環境についてのお話をさせて頂きま~す」

「まず皆さんの転生後の肉体の【ポテンシャル】について説明しま~す。
これは先天的素養と考えてくださ~い」

つまり、生まれつき筋肉が付きやすかったり、嗅覚や聴覚が優れているとかいう
特性を恩恵ポイントで買うって事らしい。
ぐだぐだ長かったので、選択項目を要約すると、

【頑健】頑丈で健康な体。病気とか毒、および環境変化に対する耐性にも関係するらしい
【筋肉】筋肉が付きやすい。簡単に言うとパワー
【俊敏】素早く、瞬発力のある身軽な体
【柔軟】柔軟な体
【器用】全般的な器用さ。運動神経にも関わるらしい。重要そうだな
【運動】運動神経みたいなもん
【反応】反射神経みたいなもん
【耐久】スタミナ的なもん
【視力】目がいい、動体視力にも関係するらしい 
【聴覚】耳がいい
【嗅覚】鼻がいい、料理人には必要
【味覚】料理人には必須
【知性】全般的な理解力および記憶力。魔法には直接は関係ないらしい
【精神】精神的なスタミナ。根性みたいなもん。様々な事に影響するらしい
【集中】集中力。様々な事に影響する。魔法を使う際にも重要らしい
【魔力】魔力量。魔法を使う際に重要らしい、ゲームのMPみたいなもんか

ちなみに種族毎に取得ポイントと効果は異なり、例えばドワーフが【俊敏】を
取得するには他と比べて高いポイントが必要で、効果も薄いらしい。
それと取得内容に応じて転生後の容姿にも影響するようだ。
例えば【筋肉】を選択すると、ゴリマッチョになる要素が増えるらしい。

「はい、ここで質問タイムにしま~す。質問のある方は挙手してくださ~い」

「うぇい!」
チャラ男が挙手しやがった。

「なんかこう、ゲームみたいなスキル、剣技とか光魔法とか取得経験値UPとかはないんすか?」

銀髪女が生温い微笑で返した。
「貴方達は赤ちゃんから始めるのですよ~。
赤ちゃんがいきなり剣を振れますか~?出来ませんよね~?
魔法だって赤ちゃんがいきなり使えたらおかしいですよね~?
あと取得経験値UPは意味が分かりませ~ん」

銀髪女が続ける。
「【ポテンシャル】は、貴方達がどういう成長をするかの要素で~す。
転生後に努力をすれば取得しなかった要素もある程度は補填できますよ~。
最初に言いましたが、貴方達の先天的な才能を選択してくださいという事で~す」

「じゃあ”剣技ゲイルスラッシュ”とか出来ないんすか?ステータス確認とかも
出来ないんすか?あとレベルアップとかもないんすか?」

アホか、ゲームの世界に行くとでも思ってんのか?ただJKは興味深々で銀髪女を見つめている。あ~アホの子達だからしょうがないか。だが銀髪女を見ると、
目を瞑って何か考えているようだ。

「う~ん?この場で言っても忘れてしまうでしょうから無意味なんですが、
限定的にはありま~す。ただこの場で説明するのは無駄なので説明はしませ~ん。あとは転生後に自分で調べてくださ~い」

あるんかい!ゲイルスラッシュはともかく、ステータス確認とレベルアップは
興味あるな。聞いてみよう。挙手!
「なんですか?ボッチウンコさん。貴方にはほとんど関係ない事ですよ~」

なんだボッチウンコって!すざけんな!
チャラ男が笑ってる~、JKも笑ってる~、ルールルルッルー、
今日もいい天気ですね。
「俺をボッチウンコって呼ぶな!あと何で俺は関係ないんだ!」

「どの件についてですか?ポテンシャルの件?スキルの件?ステータスの件?
レベルアップの件?全てにおいて貴方は関係ないで~す」

なんだと!なんで俺だけ?
「そもそもポテンシャルはこれから赤子から成長する人達のものですよ~。成体で転生する貴方には関係ありませ~ん。
スキルとステータスとレベルアップについては先程言ったように、
今は説明するのは無駄なので説明しませんよ~」

「いや、ポテンシャルが先天的才能なら、俺にも関係あるだろ!
なんで俺は関係ないんだ!」

銀髪女が嫌そうに顔をしかめる。
「何でしょう?この鬱陶しいボッチウンコは。
種族特性の説明の時に言いましたよね?それなりに強いんじゃね?って、
忌々しい事に、悪魔は身体能力的に優れています。だからポテンシャルに対する恩恵は無いですよ~。(毒とかも効きませんしね。ブツブツ)」

ブツブツ言ってる後半は聞き取れなかったが、身体能力は優れているらしい。
だが鬱陶しいボッチウンコってなんだ!
なんだこの扱い!これイジメだろ!
イジメはゼッタイにダメって狐神の使徒が言ってたんだよ....

「ワシから質問があるが、良いかの?」
隣の老人が挙手をした。

「はい!ドワーフさん。なんでしょう」
「ワシはまた鍛冶がしたいんだが、どういう才能を選択をしたらいいんかのう?」

銀髪女がはしゃぎだした。
「はい、良い質問ですね~。こういう質問を待ってたんですよ~。
鍛冶をしたい貴方にお勧めは、ズバリ!【頑健】【筋肉】【器用】【耐久】
【集中】です!次点で【知性】【精神】【魔力】ですかね~?
まあ【知性】は取っておいた方がいいですかね~?取らないとランダムに
なっちゃいますから、下手するとアホの子になっちゃいますよ~。
あと【俊敏】はお勧めできませんね~。素早いドワーフなんて気持ち悪いし、
そもそも効果薄いですからね~。」

その後、俺以外の連中が銀髪女とキャッキャと楽しそうに問答し、
大体進路は決まったようだ。俺はやることが無いのでうつむいているが、
全裸なので見えるのは自分のチン〇だけだ....


再び銀髪女が手を叩いて声を張り上げる。
「は~い、次は【出自】について説明しま~す。出自は次の世界でどういう環境で生まれるかと言う事で~す」

どうせ俺はボッチなんだろ。あ~来世でもまた独身だね。だって同族いないし。
なんだこの絶望的な来世。

「とは言っても種族によってかなり差があります。基本的に高ポイントの出自程、豊かな家の生まれと思ってくださ~い。豊かな家なら、良い人間関係が結べる可能性がありますね~。例えば良い教師、裕福な商家や貴族との関係とかですね~。
また裕福な家庭なら所持品とかも当然優遇されますよ~」

ん?ボッチの俺の場合どうなるんだ?
「おい!俺の場合はどうなるんだ?」

銀髪女が嫌そうに横目で睨んだ。
「今は質問タイムではないんですけど~。まあいいでしょう。ボッチウンコさんは転生する地域を選択する事になりま~す。
まあボッチウンコさんは、【ポテンシャル】も取得できませんし、【出自】も辺境地域しか選択出来ませんからね~。ただ忌々しい事に、”他”からギフトがあるようですよ~。まあこれは今までもそうなので、仕方ないですね~」

”他”ってなんだ?種族特性の説明の時にも出てきたよな?
「おい!”他”について説明しろ!あとボッチウンコって言うな!」

銀髪女がそっぽを向いて言った。
「うるさいボッチウンコですね~。転生後に自分で調べてくださ~い。
うざいので以降ボッチウンコの質問は却下しま~す」

俺はボッチウンコ確定か?その後、俺以外の連中が銀髪女と色々話している。
皆さん楽しそうですね。

「はい!あとは種族毎の選択肢として【その他】から選択して下さ~い。
これは種族毎に異なりますので説明は割愛しま~す。
【ポテンシャル】と【出自】と【その他】の選択項目を熟考して、
ポイントの割り振りをしてくださいね~」

一応俺もポイントは貰えた。この女からは、ねちょねちょウンコを踏め!
と言われたので”他”から貰ったんだろう。
70ポイントが多いか少ないかは分からない。

取りあえず端末を確認する。【ポテンシャル】は暗転して選択出来ない。クソ!
選択可能項目は【出自】と【その他】だ。取り合えず内容を確認してみよう。

【出自】の内容を確認すると、
・荒野   10P
・大樹海  10P
・孤島   10P

この三つだけだ。いきなりサバイバル生活になりそうだ。
だが俺は大学時代の同居人のゲテ村とそういう生活をした事がある。
道具次第だけどやれると思う。
ちなみにゲテ村というのは、ゲテモノ好きな下村のあだ名だ。
あいつと暮らしたおかげで、雑草とか、市場価値が無い魚とか、虫とかを食ってた大学時代だった。俺達貧乏だったからな。でも結構美味かったんだよ?
第1候補は孤島だな。ゲテ村が言っていたが、海があればなんとかなるらしい。

次は【その他】を確認してみよう、
・コウエイの遺産 30P
・ふじこ?    30P

良く分からないが、俺って【出自】以外選択肢ないよね?
つーかコウエイとか、ふじこ?ってなんだよ!
・孤島      10P
・コウエイの遺産 30P
・ふじこ?    30P  
 で、計70P

「おい!銀髪女!これはどういう事だ!コウエイの遺産とか、
ふじこ?ってなんだ!説明しろよ!」

両耳を抑えて、銀髪女が俺を睨む。
「うざいボッチウンコですね~。先程宣告しましたよね?
貴方の質問は無視しま~す」

チャラ男が腹を抱えて笑ってる。何だこの不快な生き物。
「ぎゃはは!俺は大体のポテンシャル取れて、次の世界では貴族様だぜ!
ふじこちゃんなら俺が面倒見てやんよ!」

銀髪女が壇上で声を張り上げる。

「はい!取り合えずポイントを割り振って、決定してくださ~い。
制限時間は1時間で~す!その後は【容姿】の選択になりま~す」

....まあ俺の選択肢は少ない。
孤島に転生して、コウエイの遺産を受け継ぎ、ふじこ?しかない。
これはコウエイの遺産に期待するしかないな。ちょっとは説明しろよ銀髪女!
それにしても、皆さん楽しそうですね。

選択項目に迷う必要がない無い俺が全裸でウトウトしていると、
銀髪女が壇上で話しだした。

「はい、これから皆さんが成人する時の姿を設定して頂きま~す。
種族によって多少の差はありますが、大体18才位だと思ってください。
ある程度の調整は出来ます~。
種族と【ポテンシャル】、【出自】の選択項目によって制限はありますけどね~」

悪魔の俺って、どんな姿なんだ?取り合えず確認してみよう。

う~ん、髪の色は黒、まあこれはいいだろ。でも山羊みたいな角生えてるよね。
蝙蝠みたいな翼もあるよね。肌が赤いよね。
顔は巨人を駆逐したい人が巨人化した時みたいだよね、牙とかもあるし。
目に黒目が無いよね。腕が妙に長いよね。爪も長いよね。身長は2メートル。

....これバケモンだろ?討伐対象決定ですね。

銀髪女が壇上で宣告した。
「はい、皆さんの容姿の調整時間は、残り30分で~す」

何故かJKがギャーギャー叫んでいるが無視しよう。俺は人から怖がられない様にしたい。とりあえず調整してみよう。
・髪  このままでいい
・角  邪魔なので出来るだけ小さくして、後ろに反らした
・翼  無理だった。でも俺って飛べるの?
・肌  無理だった
・顔  可能な限り修正。でもまだ怖い
・牙  可能な限り修正。口を閉じていれば見えない
・目  無理だった。つーか、白目だけで見えるの?どういう仕様なんだ?
・腕  人間仕様に戻せた。良かった!無理だったら、フリッカージャブの練習をしなければと思ってたんだよ
・爪  人間仕様に戻せた。良かった!
・身長 185cmまで抑えた!

これ以上は無理だった。角とか翼を何とかできない以上は、
やっぱり人里に近づけないよな。顔も目もまだ怖いし。
そもそも翼がある時点で、俺は上半身は服着れないよな。
でも、翼があるって事は飛べるのかな?
俺はこの設定のまま転生するんだよな~。
人里に近づけないし、ボッチだし、孤島で仙人の様に生きるしかないか。
なんだ、この罰ゲーム来世!独りぼっちの廃旅館よりひでーじゃねーか?

まだJKがギャーギャー喚いている。
「ウチはケモミミアイドルになりたいんだ!猫になりたいんじゃない!
こんなの狩りゲーのオトモと一緒じゃんか!」

JKと運営?との間で認識の齟齬があったようだ。どうやら猫人はほぼ直立した猫。ケモナーレベル上級者の仕様らしい。
でも俺よりマシじゃね?親も同族もいるんだし。俺なんて孤島でボッチサバイバルだよ?

「申し訳ありませんが、既に決定済みの事なので悪しからず~。
早くしないと、ブサ猫で転生しちゃいますよ~。制限時間はあと10分で~す」
JKは銀髪女を睨みながらも5分後に、決定のENTERキーを押したようだ。

銀髪女がニヤニヤ笑いながら、壇上から話す。
「はい、皆さん決定して頂けたようですね~。ありがとうございます~。
皆さん共通のギフトとして病気に対する耐性を差し上げま~す。
病気ですぐに死んでしまっては面白くないので~」

「あと魔法の収納袋(3m×3m×3m)が手に入るように手配しますよ~。
これは結構貴重な品で~す」

病気耐性か。やはりある程度は俺達を生かしておきたいようだな。
あと魔法の収納袋ってすごいな。現物を使ってみないと何とも言えないが。

JKがちょっと、ご機嫌そうに呟いている。
「あ~ウチ、このスラッとした猫さんになれるんだね~。マジ、カッコ良くね?」

....結構気にいってるみたいだね。心配する必要はないな。アホの子だし。次の世界で会えるかも分からんし。

「はい、では30秒後に貴方達は転生しま~す。ただ、転生時期は、それぞれ数年のタイムラグはあると思いま~す。
質問は受付ませんので目を閉じてお待ちくださ~い」

....そして俺は意識を失った。
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