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第四章 魔導書実装編
第六十話 邪竜ファフニール
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僕達が10階層に到達してから3分ほどが経過した時、僕達の前にあの魔法陣が展開される。
「ただいまです。みんな!!!!」
魔法陣からシノマツリが声とともに飛び出す。
「おかえり、マツリ」
「マツリ、おせぇぞ」
「マツリ、おかえりなさい」
僕達はそれぞれシノマツリに声をかけた。サンは続けざまにシノマツリに問いかける。
「それでマツリ。シークレットミッションは無事クリア出来たのか?」
「ちゃんとクリア出来たです。それよりもバカ兄!ひとりで頑張った妹に言う事がそれかよ……です!」
シノマツリは労いの言葉をよこさないサンにイラっとしながらも、ソロモンから受け取った真っ白い本を見せる。
真っ白い本の表紙には『アルマンダル』と型押しされているだけで、他は何の装飾もない実にシンプルなデザイン。
シークレットミッションをクリアして手に入れた魔導書なのにユニークスキルも存在しない。シノマツリはグリモワールからアルマンダルに装備変更したところで、何ひとつ変わらない事に少々不満を持っていた。
ただアルマンダルを受け取る時にソロモンが言っていた『この本を肌身離さず持ち歩くんだよ』という言葉を信じて装備し続ける事にした。
僕はサンに代わってシノマツリに「マツリ、本当にお疲れ様。よく頑張ったね」と声をかけ労わる。すると、シノマツリは「えへへ」と嬉しそうに笑うのだった。
僕達はシノマツリから別れた後に何があったのかを聞いた後、最後の戦いに挑むための準備に取り掛かった。
準備を整え終えた僕達は両扉をジッと見据える。
「さて、最後のボスに会いに行くとするか!」
サンは左右に首を動かし僕達を見た後、両手に力を入れて両扉を押し開ける。
ギギギギギィィ……。
最上階層にいたボスは『邪竜ファフニール』という漆黒の鱗で覆われた巨大な竜。今まで出てきたボスで二つ名が付いたボスはいなかった。
もうその時点でこのボスが今までとは桁違いのボスだと察する事が出来た。
ファフニールはボスエリアの奥で、目がくらむような大量の金銀財宝をマクラにして頭を預け眠っていた。
全長10mを優に超える巨体のボスという事もあって、ボスエリアの広さは通常よりも1.5倍ほど広くなっていた。
僕はまだ戦闘態勢にも入っていないファフニールを見て呟く。
「アレはかなりヤバい……酒呑童子がザコに見えるわ」
みんなも僕と同意見のようで一歩も前に進めず硬直していた。
そんな中、シノマツリは震える手でアルマンダルを開くと、最大火力である火属性魔法を唱え始めた。
「空間座標固定……ターゲットロックオン……」
シノマツリは震える声を必至に抑えていた。
その彼女の健気な様子に僕達は触発され、恐怖を抑え込み覚悟を決めた。
「マツリの魔法発動に合わせて、僕達も攻撃を仕掛ける!サン、修羅刹!スキルの発動も忘れるなよ!!」
「おうよ!マツリ、あの寝坊助野郎に一発デカいのをかましてやれ!!」
「あーーーー!拙僧ともあろうものが戦う前から負けを認めようとしていたなんて……絶対あいつぶん殴る!!!!」
「圧縮せし焔よ!いま解放してやろう、全てを灰燼と化せ!!」
ファフニールの額に小さな点が出現すると、一気に膨れ上がり大爆発を起こす。
僕とサン、修羅刹はそれぞれ能力向上スキルを発動し突撃する。
「行くぞ、二人とも!アサルトラッシュ、ダンシングイリュージョン、エアリアルステップ、三度の願いは貴方の命で叶えましょう」
「狂人化、クリティカルパニッシャー」
「ダンシングイリュージョン、夢想の領域」
シノマツリの魔法によって金銀財宝はドロドロに溶けていく中、ファフニールは両翼を広げ、目を見開き咆哮を上げた。
「グッオォォォオオオオオオオ!!!!」
ファフニールが咆哮を上げるとシノマツリの魔法によって、発生していた熱風や熱せられた地面などが一瞬で冷やされ元に戻った。
ある意味それは僕達にとっても有益なもの。なぜなら僕達はダメージを受ける事を前提で前に出ていたからだ。
ファフニールにまで無傷で近づいた僕達は、一気に終わらせるためクールタイムの事など一切気にせずに全てのスキルを叩きこむ。
「レイジングスラッシュ、シャドーエッジ、ソニックパリィングエッジ」
「ガードブレイク、ヘヴィーバッシュ、トルネードブレイド、エンドレスサッドネスカウンター」
「クイックフィスト、スタンストライク、双震掌底破、デストロイソウルブロー」
スキルによる怒涛の連撃をファフニールに浴びせた事で、土煙が巻き上がりファフニールの姿が見えなくなった。
サンは「やったか?」というフラグ全開の言葉を口に出した。
舞っていた土煙が落ちていき視界が良好になると、そこには巨大な首を動かしポキポキ鳴らしながら、あくびをするファフニールが見えた。
「目覚ましには丁度良い。そうは思わないか、矮小な存在よ」
ファフニールは見下すように語りかけてきた。
「なるほど……さすがはイベントダンジョンのラスボス。これは一筋縄ではいかない強敵だな」
僕は冷や汗を拭いながら強がりを言う事しか出来なかった。
「ただいまです。みんな!!!!」
魔法陣からシノマツリが声とともに飛び出す。
「おかえり、マツリ」
「マツリ、おせぇぞ」
「マツリ、おかえりなさい」
僕達はそれぞれシノマツリに声をかけた。サンは続けざまにシノマツリに問いかける。
「それでマツリ。シークレットミッションは無事クリア出来たのか?」
「ちゃんとクリア出来たです。それよりもバカ兄!ひとりで頑張った妹に言う事がそれかよ……です!」
シノマツリは労いの言葉をよこさないサンにイラっとしながらも、ソロモンから受け取った真っ白い本を見せる。
真っ白い本の表紙には『アルマンダル』と型押しされているだけで、他は何の装飾もない実にシンプルなデザイン。
シークレットミッションをクリアして手に入れた魔導書なのにユニークスキルも存在しない。シノマツリはグリモワールからアルマンダルに装備変更したところで、何ひとつ変わらない事に少々不満を持っていた。
ただアルマンダルを受け取る時にソロモンが言っていた『この本を肌身離さず持ち歩くんだよ』という言葉を信じて装備し続ける事にした。
僕はサンに代わってシノマツリに「マツリ、本当にお疲れ様。よく頑張ったね」と声をかけ労わる。すると、シノマツリは「えへへ」と嬉しそうに笑うのだった。
僕達はシノマツリから別れた後に何があったのかを聞いた後、最後の戦いに挑むための準備に取り掛かった。
準備を整え終えた僕達は両扉をジッと見据える。
「さて、最後のボスに会いに行くとするか!」
サンは左右に首を動かし僕達を見た後、両手に力を入れて両扉を押し開ける。
ギギギギギィィ……。
最上階層にいたボスは『邪竜ファフニール』という漆黒の鱗で覆われた巨大な竜。今まで出てきたボスで二つ名が付いたボスはいなかった。
もうその時点でこのボスが今までとは桁違いのボスだと察する事が出来た。
ファフニールはボスエリアの奥で、目がくらむような大量の金銀財宝をマクラにして頭を預け眠っていた。
全長10mを優に超える巨体のボスという事もあって、ボスエリアの広さは通常よりも1.5倍ほど広くなっていた。
僕はまだ戦闘態勢にも入っていないファフニールを見て呟く。
「アレはかなりヤバい……酒呑童子がザコに見えるわ」
みんなも僕と同意見のようで一歩も前に進めず硬直していた。
そんな中、シノマツリは震える手でアルマンダルを開くと、最大火力である火属性魔法を唱え始めた。
「空間座標固定……ターゲットロックオン……」
シノマツリは震える声を必至に抑えていた。
その彼女の健気な様子に僕達は触発され、恐怖を抑え込み覚悟を決めた。
「マツリの魔法発動に合わせて、僕達も攻撃を仕掛ける!サン、修羅刹!スキルの発動も忘れるなよ!!」
「おうよ!マツリ、あの寝坊助野郎に一発デカいのをかましてやれ!!」
「あーーーー!拙僧ともあろうものが戦う前から負けを認めようとしていたなんて……絶対あいつぶん殴る!!!!」
「圧縮せし焔よ!いま解放してやろう、全てを灰燼と化せ!!」
ファフニールの額に小さな点が出現すると、一気に膨れ上がり大爆発を起こす。
僕とサン、修羅刹はそれぞれ能力向上スキルを発動し突撃する。
「行くぞ、二人とも!アサルトラッシュ、ダンシングイリュージョン、エアリアルステップ、三度の願いは貴方の命で叶えましょう」
「狂人化、クリティカルパニッシャー」
「ダンシングイリュージョン、夢想の領域」
シノマツリの魔法によって金銀財宝はドロドロに溶けていく中、ファフニールは両翼を広げ、目を見開き咆哮を上げた。
「グッオォォォオオオオオオオ!!!!」
ファフニールが咆哮を上げるとシノマツリの魔法によって、発生していた熱風や熱せられた地面などが一瞬で冷やされ元に戻った。
ある意味それは僕達にとっても有益なもの。なぜなら僕達はダメージを受ける事を前提で前に出ていたからだ。
ファフニールにまで無傷で近づいた僕達は、一気に終わらせるためクールタイムの事など一切気にせずに全てのスキルを叩きこむ。
「レイジングスラッシュ、シャドーエッジ、ソニックパリィングエッジ」
「ガードブレイク、ヘヴィーバッシュ、トルネードブレイド、エンドレスサッドネスカウンター」
「クイックフィスト、スタンストライク、双震掌底破、デストロイソウルブロー」
スキルによる怒涛の連撃をファフニールに浴びせた事で、土煙が巻き上がりファフニールの姿が見えなくなった。
サンは「やったか?」というフラグ全開の言葉を口に出した。
舞っていた土煙が落ちていき視界が良好になると、そこには巨大な首を動かしポキポキ鳴らしながら、あくびをするファフニールが見えた。
「目覚ましには丁度良い。そうは思わないか、矮小な存在よ」
ファフニールは見下すように語りかけてきた。
「なるほど……さすがはイベントダンジョンのラスボス。これは一筋縄ではいかない強敵だな」
僕は冷や汗を拭いながら強がりを言う事しか出来なかった。
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