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第三章 最終都市防衛戦編
第三十七話 最終都市防衛戦終盤
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度重なる魔物による猛攻を耐え凌ぎ一掃した僕達は、地面に腰を下ろし休憩していた。
僕達と同じく北門に配置されたプレイヤー達も、それぞれ休憩を取っていた。
第7ラウンドまでは絶え間なく出現していた魔物だったが、なぜか第8ラウンドに入る前に休憩時間が設けられていた。
サンはここぞとばかりに大の字で寝っ転がっていた。僕はそんな彼を横目にポーションを口に流し込んでいた。
僕はまだ一度もダメージを受けていないので、回復アイテムであるポーションを飲む必要はなかったりする。なのに、なぜ飲んでいるのかというとそれにはもちろん理由がある。
今回のイベント、最終都市防衛戦は常時戦闘中という扱いのようで、ポーションや毒消し薬といった戦闘時に使用するアイテムしか、インベントリーから取り出せなくなっていた。
そのためコーヒーなどの飲み物をインベントリーから取り出す事が出来なかった。それなら前もって取り出しておけばいいじゃないかと言う話になるのだが、それを実際に試していたプレイヤーもいたのだが、門が閉まった瞬間インベントリーに戻されていた。
ポーションを飲み終えた僕は背後にある北門に目を向けた。
未だに魔物から一撃も受けていない事もあって、門に続く壁すら傷一つない状態。
「他のとこも僕達と同じような状況なのかな?」
「だと思うぜ。それよりも小休止があるって事は、次がラストだと俺様は思ってるんだがタクト、修羅刹はどう思うよ?」
「僕も次が最後だと思う。じゃなかったら、こんな時間を用意するとは思えないし」
「残念だけど、拙僧もそう思うわ。最後はどんなボスが出て来るのか楽しみだわ!」
「確かにな!」
修羅刹の言葉を聞いたサンは飛び起き賛同していた。
そんな暫しの安らぎを満喫していたプレイヤー全員に緊張が走る。
警報音がけたたましく鳴り響いたからだ。
ウーーーッ!ウーーーッ!ウーーーッ!ウーーーッ!
いつもならアナウンスとほら貝が響き渡るのが通例なのが、今回は今までとまるで違っていた。
そしてひと通り警報音が鳴り響いた後、僕は恐れていた言葉を耳にする。
「勇敢なる戦士の皆さまに報告いたします。南門が半壊、東門が全壊いたしました。もう再度報告いたします。南門が半壊、東門が全壊いたしました。応援に行けるようにするため全ての門を解放いたします。そのため門で魔物の侵攻を抑える事は、不可能となりますのでご留意ください。そして魔物の侵攻は次で最後となります、勇敢なる戦士の皆さまの猛勇に期待いたします」
アナウンスが終了すると同時に門が轟音を立て開いていく。
北門で休憩していた僕達プレイヤー達は頭を切り替え臨戦態勢にはいる。
そして門が開き切った時だった……タイミングを見計らったかのように最終ラウンドが開始された。
最終ラウンドでは昨日僕が倒したデュラハンの姿が見えた。デュラハンは50階層のボス、そんな強敵が大量に出現していた。
僕はデュラハンが視界に入った時に、昨日体験した事を思い出しふたりに伝えた。
「あの頭の無い騎士いるだろ?あいつは50階層のボスでデュラハンっていうんだけど、あいつは両手剣スキルを使って来るから気を付けてくれ」
「ふ~ん……スキルを使うボスねぇ。いいじゃない!!」
「マジかぁ!?」
修羅刹はにやつきながら手をボキボキ鳴らすと、またボスの大群に向かって一直線に駆けて行った。
サンは驚愕した後、顎に手を当て暫し考え込むと大声で他のプレイヤーに助言し始めた。
「みんなぁ~、ちょっと聞いてくれぇ!そこの頭の無いやつは両手剣スキルを使用してくる!!だからよ、両手剣を使うプレイヤーはスキルを周りに教えてやってくれないか?そしてさっさと倒して南と東を助けに行くぞ!!」
サンの助言を聞いたプレイヤー達は、それぞれ情報収集するため早速行動を開始した。
「さすがは僕達のリーダーだな!」
「雪月山花のギルドマスターに言われると照れるぜ!」
僕とサンは顔を見合わせ笑うと先行する彼らに続き戦場に向かう。
その大群の中で僕はまだ一度も見た事がない魔物が一体いるのに気づいた。
ざっと見て僕三人分ほどあるそのボスはムスペルというらしい。手には何も持っておらず素手、ただし頭から足まで身体全体が真っ赤な炎で包まれた巨人だった。
僕は走りながらムスペルを指差しサンに気になった事を投げかけた。
「なぁサン……お前ならあいつどうやって倒す?」
「それ俺様も考えてたわ。タクトや修羅刹は時間さえかければ、近づかなくても倒せるかもしれないが、俺様はそうもいかねぇしなぁ~。そういやタクトは前にどうやってあいつを倒したんだ?」
「倒すどころか、あいつとは今回が初対面なんだよぁ。ソニックブレイドガッシュやシャドーエッジだけで倒せるほど楽な相手じゃないだろうし」
「マジかぁ……タクトですら戦った事がないボスって事は最低でも55階層以降か~」
僕はサンと会話中に「だな~」と相槌を打っていると信じがたい光景が目に映った。
それは雪月山花の紅一点の修羅刹が、ムスペルの顔面に拳を叩きつけぶっ飛ばしていた。
ドゴオオオオオオオオォォォォン!!!!
ムスペルの背後にいた小型ボスのコボルト達は、倒れ込むムスペルに焼かれながら押しつぶされていく。
そして最後には耐え切れずに綺麗な光の粒子となり消滅していった。
「さすがはすおう……修羅刹だな」
「だな。タクトが修羅刹って言い直さなければ、俺普通にリアルの名前言ってたとこだわ」
「その割にはお前も自分の事、俺様じゃなくて俺って言ってるぞ?」
「そうか……さて、気を取り直して俺様達も参加するとしようか」
「だな!」
僕とサンは修羅刹と合流するためボスの群れに突撃した。
ムスペルという最終ラウンドを代表するボスが吹っ飛んでいく様は、北門で戦っているプレイヤーに多大な影響を与えた。
僕もサンも合流はしたが、修羅刹の邪魔にならないように周りのボスを倒していただけで、終始修羅刹のターンを背中で感じながら戦っていた。
何が言いたいかというとムスペルは、最初から最後までずっと修羅刹にボコられて天に召された。
その結果、一気にプレイヤーの士気が上がりボスが出現するようになって以降、一番といっていいほど簡単に殲滅する事が出来たので結果オーライではある。
北門プレイヤーは南門と東門の防衛に参加するため街に急行した。
僕達と同じく北門に配置されたプレイヤー達も、それぞれ休憩を取っていた。
第7ラウンドまでは絶え間なく出現していた魔物だったが、なぜか第8ラウンドに入る前に休憩時間が設けられていた。
サンはここぞとばかりに大の字で寝っ転がっていた。僕はそんな彼を横目にポーションを口に流し込んでいた。
僕はまだ一度もダメージを受けていないので、回復アイテムであるポーションを飲む必要はなかったりする。なのに、なぜ飲んでいるのかというとそれにはもちろん理由がある。
今回のイベント、最終都市防衛戦は常時戦闘中という扱いのようで、ポーションや毒消し薬といった戦闘時に使用するアイテムしか、インベントリーから取り出せなくなっていた。
そのためコーヒーなどの飲み物をインベントリーから取り出す事が出来なかった。それなら前もって取り出しておけばいいじゃないかと言う話になるのだが、それを実際に試していたプレイヤーもいたのだが、門が閉まった瞬間インベントリーに戻されていた。
ポーションを飲み終えた僕は背後にある北門に目を向けた。
未だに魔物から一撃も受けていない事もあって、門に続く壁すら傷一つない状態。
「他のとこも僕達と同じような状況なのかな?」
「だと思うぜ。それよりも小休止があるって事は、次がラストだと俺様は思ってるんだがタクト、修羅刹はどう思うよ?」
「僕も次が最後だと思う。じゃなかったら、こんな時間を用意するとは思えないし」
「残念だけど、拙僧もそう思うわ。最後はどんなボスが出て来るのか楽しみだわ!」
「確かにな!」
修羅刹の言葉を聞いたサンは飛び起き賛同していた。
そんな暫しの安らぎを満喫していたプレイヤー全員に緊張が走る。
警報音がけたたましく鳴り響いたからだ。
ウーーーッ!ウーーーッ!ウーーーッ!ウーーーッ!
いつもならアナウンスとほら貝が響き渡るのが通例なのが、今回は今までとまるで違っていた。
そしてひと通り警報音が鳴り響いた後、僕は恐れていた言葉を耳にする。
「勇敢なる戦士の皆さまに報告いたします。南門が半壊、東門が全壊いたしました。もう再度報告いたします。南門が半壊、東門が全壊いたしました。応援に行けるようにするため全ての門を解放いたします。そのため門で魔物の侵攻を抑える事は、不可能となりますのでご留意ください。そして魔物の侵攻は次で最後となります、勇敢なる戦士の皆さまの猛勇に期待いたします」
アナウンスが終了すると同時に門が轟音を立て開いていく。
北門で休憩していた僕達プレイヤー達は頭を切り替え臨戦態勢にはいる。
そして門が開き切った時だった……タイミングを見計らったかのように最終ラウンドが開始された。
最終ラウンドでは昨日僕が倒したデュラハンの姿が見えた。デュラハンは50階層のボス、そんな強敵が大量に出現していた。
僕はデュラハンが視界に入った時に、昨日体験した事を思い出しふたりに伝えた。
「あの頭の無い騎士いるだろ?あいつは50階層のボスでデュラハンっていうんだけど、あいつは両手剣スキルを使って来るから気を付けてくれ」
「ふ~ん……スキルを使うボスねぇ。いいじゃない!!」
「マジかぁ!?」
修羅刹はにやつきながら手をボキボキ鳴らすと、またボスの大群に向かって一直線に駆けて行った。
サンは驚愕した後、顎に手を当て暫し考え込むと大声で他のプレイヤーに助言し始めた。
「みんなぁ~、ちょっと聞いてくれぇ!そこの頭の無いやつは両手剣スキルを使用してくる!!だからよ、両手剣を使うプレイヤーはスキルを周りに教えてやってくれないか?そしてさっさと倒して南と東を助けに行くぞ!!」
サンの助言を聞いたプレイヤー達は、それぞれ情報収集するため早速行動を開始した。
「さすがは僕達のリーダーだな!」
「雪月山花のギルドマスターに言われると照れるぜ!」
僕とサンは顔を見合わせ笑うと先行する彼らに続き戦場に向かう。
その大群の中で僕はまだ一度も見た事がない魔物が一体いるのに気づいた。
ざっと見て僕三人分ほどあるそのボスはムスペルというらしい。手には何も持っておらず素手、ただし頭から足まで身体全体が真っ赤な炎で包まれた巨人だった。
僕は走りながらムスペルを指差しサンに気になった事を投げかけた。
「なぁサン……お前ならあいつどうやって倒す?」
「それ俺様も考えてたわ。タクトや修羅刹は時間さえかければ、近づかなくても倒せるかもしれないが、俺様はそうもいかねぇしなぁ~。そういやタクトは前にどうやってあいつを倒したんだ?」
「倒すどころか、あいつとは今回が初対面なんだよぁ。ソニックブレイドガッシュやシャドーエッジだけで倒せるほど楽な相手じゃないだろうし」
「マジかぁ……タクトですら戦った事がないボスって事は最低でも55階層以降か~」
僕はサンと会話中に「だな~」と相槌を打っていると信じがたい光景が目に映った。
それは雪月山花の紅一点の修羅刹が、ムスペルの顔面に拳を叩きつけぶっ飛ばしていた。
ドゴオオオオオオオオォォォォン!!!!
ムスペルの背後にいた小型ボスのコボルト達は、倒れ込むムスペルに焼かれながら押しつぶされていく。
そして最後には耐え切れずに綺麗な光の粒子となり消滅していった。
「さすがはすおう……修羅刹だな」
「だな。タクトが修羅刹って言い直さなければ、俺普通にリアルの名前言ってたとこだわ」
「その割にはお前も自分の事、俺様じゃなくて俺って言ってるぞ?」
「そうか……さて、気を取り直して俺様達も参加するとしようか」
「だな!」
僕とサンは修羅刹と合流するためボスの群れに突撃した。
ムスペルという最終ラウンドを代表するボスが吹っ飛んでいく様は、北門で戦っているプレイヤーに多大な影響を与えた。
僕もサンも合流はしたが、修羅刹の邪魔にならないように周りのボスを倒していただけで、終始修羅刹のターンを背中で感じながら戦っていた。
何が言いたいかというとムスペルは、最初から最後までずっと修羅刹にボコられて天に召された。
その結果、一気にプレイヤーの士気が上がりボスが出現するようになって以降、一番といっていいほど簡単に殲滅する事が出来たので結果オーライではある。
北門プレイヤーは南門と東門の防衛に参加するため街に急行した。
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