カバンに飴ちゃん

生徒会室

要と書いて... ー葛城 七海ー

   
    ここはこの学園で選ばれた人物だけが入ることの許される生徒会室

    豪華な内装に有名デザイナーのテーブルやソファーなどが、センス良く配置されている

   その中の1つ、副会長とかかれたプレートが置かれた机に向かい

   生徒会の仕事を手際良く片付けていく私の横からは呪文のような独り言が聞こえている

  
   「いや、俺様は別に...」

   「ただの....であるからして...」

   「しかし...なんだろうか」

   
   さっきから同じことばかり呟いている声の主は、この学園の生徒会長で幼馴染の櫻木 要だ

   青くなったり赤くなったりしながら時折、頭を抱えたりしている

   何度か声をかけてみたものの反応はなく、思い当たる節は昨日の食堂での出来事...

   不登校児の4人と一緒にいた怪しげな生徒

   あの後、チャイムが鳴ってしまい彼らは教室に戻って行ってしまったので何も聞けず

   調べてみても御影 蘭という名前以外は分からず

   ただ学園のデータにハッキングしたところ、この学園に入る為の試験を受けずして

   理事長からの直接推薦という異例の編入のようだ

   理事長の親族か、どういう関係のどういう人物なのか直接聞きたいところだが、 
  
  ここの理事長は年に1.2回しか姿を現さないので今は不可能だろう


   そこまで考え御影 蘭についての思考を一旦ストップし目の前の問題に向き直る

   生徒会長と書かれたプレートがある机の上に書類の山ができかけていた

   このままでは学園の運営に支障が出てしまう、そう思い声をかける


  「要！いい加減にしなさい！朝からずっとブツブツうるさいですよ！早く書類を片付けてください」

   私の声に顔を上げた要の顔は何故か真っ赤になって焦った様子で言い訳を始める

   「ちちち、ちがうんだ！俺様は断じて御影 蘭の淫らな姿など...」  
 

   「突然なんの話ですか？誰も御影 蘭の事など聞いていませんよ。机の上の書類をどうにかしろと言っているんです」

    呆れかえる私の態度にハッと我に返った要を見ていると、先程まで寝ていると思っていた司が起き上がる

   「会長って、案外むっつりなんじゃない？でも俺もね、昨日から蘭ちゃんの事が頭から離れないんだよねぇ。ちょーエロかったし、あの飴みたいになめてほしいなーなんて」

    ニヤニヤ笑いながら言う司の言葉に要がすぐに反応する

  「なにをだ！貴様！！何を下品な事を堂々と！」

  「なにをって？ナニをだけどぉ？会長だって朝から蘭ちゃんの変な事考えてたくせに」

  「俺様はそんなこと！大体さっきから御影 蘭を名前で気安く呼びやがって！俺様は許可してないぞ！」

  「なんで会長の許可がいるのさー？彼氏でもないんだから勝手じゃん？会長バカなの？」

  「貴様ぁー！！だれがバ会長だ！！」

   青筋を立てて掴みかかる要と器用にその攻撃を避ける司を見て子供の喧嘩だと呆れて言葉も出ない

   「バ会長なんて思っててもいってないじゃーん」

   さらに挑発する司の声が聞こえてすぐ生徒会室の扉が開いた