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屋上・イン・ストリップ

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 学校が始まり、幾日が過ぎたある日の放課後。
 ジトジト熱気絡みつく太陽の下、オレは学校の屋上に居た。

「あちぃ、まだか? あのバカは……」

 オレは腕組みし、脚を揺すりながら、カツカツと靴音を響かせる。ジワジワ吹き出す汗を拭って、屋上出入口をジーッと見つめてると、ドアノブがガチャリと廻り、少し錆びついた鉄扉が開く。

「遅いせぇぞ! バカ春!」

 開口一番オレは怒鳴りつけた!

「は? うっせえぞ……こんなクソあちぃのに。わざわざ屋上って、アホなの、オマエ」

 春國は、かったるそうに顔を顰めながらシャツ襟を摘みパタパタさせる。

「アホじゃねぇ! わかっててココへ呼び出したんだよ。バカ春ぅ!」

 とりあえず人目を避けたかった。コイツの言う通り、今日みたいな日に屋上にくるヤツなんかいないし。
 ちなみに、バカ春の無様な姿を大勢晒しても良かってけど、まぁ、そこは配慮してやった。

「はぁ、そうなの……っで、何のようだ?」

 可哀想な子でも見るような目で、オレへと視線を送る春國。
 クッソ、何だよその態度、腹立つわ……おっと、ここは冷静に行かないと。グッと拳を握り締め、怒りを堪える。

「じゃ、まずお前を一発殴らせろ!」

「へっ? 何だそれ、嫌に決まってんだろ」

「嫌でも何でも殴らせろ!」

「はぁ? オマエさ? 何そんな怒ってんだよ」

 今の状況を全く理解してない春國に、オレは苛立ちを覚える。

「おっ、おい……そんな恐い顔で睨むなよ。何かしたかオレ?」

 な、なっ、なな、何なのコイツ、自分がした事、何とも思ってないの……。

「ううっ……お前、最低だ! 最悪のウンコ野郎だ……オレにあんな事しといて! バカ春!」

「えらい言われようだな。俺がイツキにした事ねぇ……うーん? わからん」

 顎に手を当てて、頭を左右へと振りながら唸っている春國。

 ほんとに、こいつは、絶対にぶん殴ってやる!

 と、決意しオレは春國を見据えて襟首へと手を伸ばした!
 その時、逆に伸ばした手首を鷲掴まれ、春國が強引にオレを引き寄せてきたのだ!

「嗚呼、わかんねぇ。わからんなぁ。そこんとこ具体的に詳しく教えてくれよ。なぁ、イツキ」

 口元を緩めてニヤニヤとわけ知り顔で、そう訊いてきた春國。

「いい加減わか……えっ、お、お前……まさ……ううっ」

 当然ですが、そんな顔してたら、オレも気がつく。

「ほんと、思い出せないなぁ。俺はオマエに何したんだ。そこんとこ詳しくじっくり教えてくれよぉ。なあ、イツキちゃん」

 やっぱり、コイツは最低だ……あっ、あんなこと、口に出来る訳ない!
 思い出しただけで、顔が熱くなって鼻血出そうになるのに。 クソ、クソ、わかってて、態とこんな事して愉しんでやがる。

「あ……ううっ……」

 オレが何も言い返せず、押し黙まってたら、更に言い寄ってきた春國。

「おいおい、どうしたよ。黙ってたらわかんねぇよ」

「ああっ! うっさい、うっさいぃ! もうっいいわ!」

 オレはこの場所から早く逃れたい一心で敢えて喚き散らせば、掴まれた腕を振り払って一目散に屋上出入口を目指す。
 ところが、ドアノブに手を掛けた瞬間、鉄扉がドンッとつかえる。

「へぇ、え、え……」

 恐る恐る後ろへ振り返ると、満面な笑み、もとい、邪悪極まりない笑みで、オレを見下ろしていた春國。しっかりと手のひらで、鉄扉を押さえ込んでいたのだ。

「ダメだぜ、イツキ。有耶無耶にして逃げようだなんてよ。そんなことされたらさ、気になって眠れない夜を過ごさなきゃならんでしょ。ちゃんと誤魔化さずに応えてくれないとねぇ」

 言葉、態度とは裏腹に、瞳が正直、語っている応えなんてどうでもいいと。
 うわ、うわぁ、ダメだ、バカ春のこの目は、危険だ。コイツは良からぬ事を考えてる。
 マズイ、この状況は非常に危険、オレの中の非常ベルが鳴り放し。
 オレはドアノブを両手で握りガチャガチャ捻って、必死に鉄扉を開け様と足掻くが……びくともしない。

「さて、ワザワザこんなひと気のない所に呼び出してくれちゃった。お礼をしないとな」

「なっ、なんだよ! な、なにしようって」

 春國の言葉に動揺し、身体を強張らせるだけで、今のオレには、虚勢を張る余裕すらなかった。
 自分の中のモヤモヤをバカ春、殴ってスッキリさせるだけだったのに、どうしてこうなるの!
 このままじゃ、始業式の二の舞だ。どうにかして阻止するしかない。
 けれど、怖いくらいに体が動かない。

 くっ、アホか、オレは! バカ春如きに、ナニびびってるんだ。

 そんな怒りを覚えれば、春國を力いっぱい突き放すように押し退けた。

「おっと、そんな睨まない睨まない。かわいい、お顔が台無しだぞ」

 ゆらっと身体を仰け反らせ怯んだ春國。

「ふん、お前の所為だろうが。気分悪りぃから、帰るわ」

 と、その隙を突いて振り返り掴んだドアノブ。

「まぁ、そんな拒まれて無理強いすんのは、オレの本意じゃないしな。でよ、イツキ、帰る前に、ちょいと見てもらいたいもんがあるんだよ」

 意味有りげな言葉を吐き、引き留めてくる。
 一刻も早く、この男から離れたいけど、その言葉がどうにも引っ掛かり、立ち止まった。

「ん、で、なに? 見せたいものって?」

 恐々に春國へと視線をやれば、

「あんまし、コレ、使いたくなかったが、しょうがねぇよな……」

 春國は髪を後方へ撫でつけながら、一人ブツブツ自分へと言い聞かせるように口零すと、こっちを一瞥して制服ズボンのポケットよりスマホを取り出した。
 そのスマホを片手で操作しつつ、画面に目を落とす春國。段々と口角が釣り上がり、にやけヅラへと変貌する。
 やがて操作が終わると、スマホ画面に落としていた視線をこっちへ向けた。

「お前が、悪いんだぜ、イツキ。俺をこんな風にさせるのはよ……」

 そう言うと、春國は手に持っていたスマホをオレの顔先へググッと突き付けてきたのだ。
 突き付けられたスマホへ焦点を合わし画面を見れば、写し出された物は……制服をはだけさせて、性行為真っ只中のあられもない姿のオレが写っている。

「……え? ナニ……へっ? コレって……うぉおっ、お、お前は、何でこんなモノっ!」

 気が動転し取り乱す最中、オレは何としても、その画像を消し去りたいが為に、すかさず春國のスマホへ手を伸ばした!
 しかし、オレの手は空を薙いだ。

「おっと! そんな簡単には渡さんよ」

 春國はスマホを高々と自分の頭上へと掲げ、鼻高々にオレを見てくる。
 くっ、身長差があり過ぎて届きやしねぇ。元々あった身長差だけど、オレが女化した祭、更に身長差が開いて、今では届く気配すらしない。

「クソッ、おまえ、いつの間にそんなの撮りやがった!」

「あ、コレね! いやーな。あまりにもイツキが可愛かったからよ、記念に撮っちまったよ! いい感じで写ってたろ、オマエ」

 怒り追及するオレの一言に悪びれる処か、少し誇らし気な態度で春國はスマホ画面とオレを交互に見比べながら、同意を求めてきた。

「はっ? 何っ、その記念に一枚的発想は! 絶対おかしいからぁ! そんな写真、すぐ消せ!」

「お、その態度は頂けないねぇ……イツキ、もっと自分の立場を理解しないと。皆まで言わすなんて、そんな酷な事させるなよな……」

 手に持ったスマホの画面をこっちへ向けて、フルフル揺らし、春國は意味あり気な態度で、そんな事を言うのだ。
 この男、何を考えてるんだ。まさか、だよな。
 頭を過るのは、これから起こり得ようとする様々なエロごと。

 こいつは、最低どころか、下衆過ぎる……。

 オレは春國の思いも寄らない行動に、只々、絶句するだけだった。
 上げていた手を下げ、悔しくさで顔が歪んでしまうのを感じながら、黙って春國を睨む。

「そうそう、素直が一番だぜ」
 
「春國、そんなモノを見せて、どうしよってんだよ……」

 息を呑み春國を見つめた。

「フッ、どうしようって、オマエも、もう、わかってんだろうよ……」

「そんなこと、わ、わからんわ!」

「ククッ、んじゃ、イツキ。とりあえず、自分でスカート捲ってみ」

 オレの返答など、聞いちゃいない。春國は、ただ、自分の欲望を押し付けるような言葉だけを吐く。
 開いた口が塞がらないとは、このこと。

「はっ? バカなの。嫌に決まってんだろ」

「ふーん、そうか、嫌か。なら、この写真、どうすっかな……お、そうだ、クラスの野郎どもにでも、送りつけてやろうかな」
 
 軽い口調で、ゆるゆるに緩ませた頬にスケベ面さらしてるけど、目が全く笑ってない。

 この男は、本気なの? ウソでしょ……。

「黙りかよ。あー、指、攣りそう。間違って送信しちまったら、どうしよう……」

 錯綜する思いの中でも、春國は有無も言せない非情な言葉を浴びせてくる。
 長年の友人に対して、この仕打ち、酷過ぎね。

「あ、早くしないと、指が」

 春國の指先が、スマホ画面に触れようとした寸前、

「わ、わかった。わかったから、ヤめてくれ。春國の言う通りに、するから。それだけは、勘弁して」

 あんな画像がばら撒かれたら、学校どころか、もう、生きてけないよ。
 現状は、引くも地獄、進むも地獄で、どうしたって、オレに選択権なんて無い。
 なら、少しでも、マシな選択をするだけだ……。
 込み上げてくる屈辱感で身体が震えてしまう。
 それを何とか抑えてやり、やっとの思いでオレは口を開いた。
 そして、震える両手を瑠璃色のプリーツスカートへと伸ばし、ギュッと裾を握り締めた。
 嗚呼、この馬鹿は、何が楽しくて、オレに、こんな事させるの?
 もう、恥ずかしさで春國を見ることさえ出来ず、顔を背けながら、ゆっくりとスカートをたくし上げてゆく。
 自分自身の無様さに泣けてくる。たぶん、全身が真っ赤に染まってるだろう。そのくらい躰が熱い。

「こ、これで、いいか?」

 カラカラに乾いた口は、舌をもつれさせる。

「ぜんぜん、ダメだな。もっと穿いてる下着が見えるくらいに、たくし上げろよ」

「うっ…………」

 容赦無い言葉で辱しめられ、恥辱感が全身を襲う。
 畜生が、涙が溢れそうになるのを必死に堪えて、スカートの裾を、そろり、そろりと更にたくし上げた。

「ヒュー、いいね、いいねぇ。今日は、また一段と可愛らしい縞々パンチーじゃないのさ! え、イツキちゃんよ!」

 オレの行為に満足したらしく、憎たらしいくらいの嬉々とした声で春國が言ってくる。
 すると、突然のシャッター音が耳に届く!

「えっ?」

 即座に春國へと顔を向けた!
 オレは、その姿に目を見開く。春國の持つスマホのレンズがオレに差し向けられていた。

「な、なんで、撮ったの! オマエの言う通りにしただろ!」

「別に良いじゃねぇか。イツキが言うこと聞いてくれたら、誰にも見せねぇよ」

「見せる、見せないじゃないし、嫌なんだよ!」

 非難の声にも、何のそのな春國。自分本意が過ぎる。

「ほら、手が下がってんぞ」

「わ、わかったから、撮るな! バカ、アホ」

 スマホのシャッターが、次々と切られれば、次第にエスカレートしてゆく。

「それじゃ、次、リボン解いて、前、はだけさせて見ようか」

「おまえ、いい加減にしろ、よ……」

 一瞬だけ、不機嫌な顔つきを見せた春國。
 それが、オレの不安を煽ったなら、口を噤み従順になるしかなかったーーーー



 その後も、春國にあれやこれやと注文を付けられ、その都度、無情なるシャッター音を響かせた。

「そう、そう。イイネェ! いいよ。その感じ、えろいよ!」

 似非カメラマンと化した春國によって、終いには卑猥な格好ポージングまで取らされる始末。
 燦々と降り注ぐ陽光を浴びる中、気が付けば、等々、下着姿にまでなっていた。
 青と白のボーダーカラーで揃えたショーツとブラだけ。
 いくら人気の無い屋上とは言え、誰も来ないと言う保証もないのに、ほぼほぼ全裸に近い姿を晒しているのだ。
 羞恥心なんて、とっくの昔に限界を迎えて、肌は粟立ち、全身の火照りが尋常じゃないし、血液さえも沸騰しちゃってるような感覚に陥ってた。

「ハァハァ……ハァハァ……」

 息苦しさが増し、熱くなる吐息。
 春國のいやらしい視線より逃れたいオレは、身を捩るようにして、両腕で胸や股間を隠す。けど、あまり無意味な様な気がしないでもない。
 どちらにせよ、春國の絡みつくような視線からは逃れられ無かった。
 見られてる、そう思えば思うほど、甘い痺れに酔わされて、オレのナカの女を呼び起こす。

「ハァ、もう……ヤメて……おねがい、はるくに」

「ヤバッ! お前って、やっぱよ……すげぇ、ちんぽにくるわ!」

「ハァハァ……それ、よく言うけど、ぜんぜん、うれしくないから……ハァハァ」

「ニヒッ、そんなこと言ってよ。ココは、そうは言ってないぜ、イツキ」

 不意に春國が距離を詰めて来たかと思えば、そう耳打ちしてくる。そこで不意打ちも、不意打ちに、ショーツ越しのワレメをツンとひと撫でされたのだ。

「ひんっ、あ、あ、ぁぁ……」

 その衝撃たるは、もう、言葉に言い表せないくらいに、ヤバかった。
 ほんのひと撫でだけで身震いする躰、ゾクゾクが背筋を走り抜けて、腰が抜けそうになる。
 高めに高められた官能は、これでもかと言う程、オレを翻弄し、情欲を掻き立ててしまう。

「相変わらず、いい反応するな。それによ、パンティも、既に湿っぽいしな」

「ち、はぁぁ……違うし、それ、汗かいてるだけ……」

 さっきまでは、ホントに汗で蒸れてただけなのに、今ので愛蜜、お漏らしさせられた。
 くやしいから、口が裂けても言わないけど。

「ククッ、そう言う事にしといてやるよ」

 口では肯定している春國だけど、行動が伴っていなかった。
 それは、オレを辱しめる為、親指と人差し指をスリスリと擦り合わせると、やがて指先をゆっくり開き、出来上がるのは、卑猥に輝かす、とろんとろんの透明な架け橋。
 春國は、さも嘲笑するかのような顔で、それを、オレに見せ付けてきたのだ。

「うぅぅ…………」

 やりどころのない羞恥に顔を俯かせてしまう。

「実際、おまえってスケベだよ」

 オレを覗き込むようにして、その場にしゃがみ込んだ春國。
 そして、愉快そうにささめき詰りつつ、太ましく熱い指先が、淫猥に股間を這いずり始めたのだ。
 抵抗したくとも、あの一瞬で、全身を快感に縛られ身動き出来ない。
 尚も弄ばれる躰には、否が応でも官能と言う甘い蜜を注がれた。
 ぐちゃぐちゃにされる意識を辛うじて保つ。

「ヤメ、それ、ダメだし、はうっ……あ、あ、あ」

 今度はショーツの縁へと指を引っ掛けたなら、ぐいぐいと引っ張ってクリトリスを擦り刺激してきた春國。
 そうするとピリピリと痺れるような快感に腰が浮いてしまう。
 甘美な心地にヤられて、意識を持って行かれそうになる。
 あ、これ以上されたら、戻ってこれない。
 自分自身で確信してしまえば、拒否を示すべく、春國の手を払い除けようとした。

 けれど、あっさり防がれてしまう。
 
 呆然となる瞳で春國を見たなら、その顔は、邪悪そのもの。
 春國は、より快感を与えようと躍起になり、手管を増やすのだった。
 ショーツのフロント部分を摘み線状に纏め出したかと思えば、割れ目に食い込ますようにして引き上げては、むちゅむちゅと肉を盛り上げてきた。
 まさに、淫猥な桃のように丸々と膨らんだ肉丘が自身でも見て取れた。

「美味そうに、実ってるよなぁ。んん、ちゅ、ちゅ、じゅるり……」

 息つく暇など無く、春國の柔らで熱い唇が下腹部を襲う!
 それは、もう、えげつないくらいに卑猥な音を立てて、じゅ、じゅる、じゅる、と恥丘へと吸い付いてくるし、中身が出ちゃうと錯覚させられそうな程の吸引力には脱帽である。
 嫌なはずなのに、腰が震えるのだ。この責めが、膣の奥に下がる子宮を疼かせ、悦ばせては、媚肉より多量の涎を滴らして、ショーツに染みつくらせた。

「はぁっ……んんっ……そんなに……むんんっ」

 陰裂を嬲られる度、股間が勝手に突き出てしまう。この肉体カラダは、オレの言うこと全然聞いてくれない。
 両手で口を塞いでも、くぐ漏れる喘ぎ。快楽に溺れそうになる中、必死に身体を緊張させて春國の責めをひたすら耐える。

「我慢はカラダに良くねぇぞ。ほら、さっさと気持ちよくなれよ」

 どうにも埒が明かないと感じたのか春國は、責め手を変えてきた。そこで、徐ろにショーツがズラされて露わになるのは、下腹部に刻まれた一本の筋。
 春國の撫でるような手つきで曝け出した女の子のスリットを捲ったら、ゴツゴツと節くれた指を膣へと挿入する。
 だったそれだけの事で息が詰まりそうになる。肉の畝をヒダヒダを雄々しい指先が掻き分け進むたび、背筋に鳥肌が立つほどの快感が走り抜けては、躰をヒクつかせた。

「ハァ、ハァ、ほぉ……ほぇ……ハァハァ」

 酸欠状態のオレは、パクパクと鯉口みたく、口を動かし酸素を求める。
 そして、遂に指一本、まるまる膣内に収まると、あろうことか、肉襞が、ご馳走だと言わんばかりに、その指へとしゃぶり付いたのだ。

「ああっ……ひんっ、んんっ……コレ、ダメなヤツ……」

 顎先が反り上がり、全身がブルって気持ちいい波に飲み込まれそうになってる自分がいた。
 もう、指の形がわかるぐらいに、肉の襞がみっちり貼り付いちゃって、一ミリでも動かされたら、もう、お終い。
 何故なら、自分と言う肉体ウツワの性的耐久度が限界まで膨らまされて、後は、ゴーサインを待つ状態なのだ。
 だから、ほんの少しの刺激だけで、それが破れそうと言うか、絶対に破れる。
 目前まで迫る官能の波、だからこそ、今ならまだ、間に合う。身体の火照りだけで済ませばいい。ココで終わらせなければ、これ以上続けると、際限なく気持ちいいを求めてしまいそう。

「ハァハァ……もう、ゆび抜いてお願い。もう……ダメだから……お願い、春國……ハァハァ……」

「あらあら、もうギブアップかよ。でもな、イツキのエロマンコ、ゆび咥え込んで離さないんだよなぁ。これが……」

 軽口を叩く春國なのだが、その身に影が落ち始める。どうにも嫌な雰囲気、予感しかしない。指先に力込められて行く、もう、止められそうもない。そして、始まる……。

「待って、お願いぃぃ! お願いぃぃ、ダメになるぅ、ダメになるからぁぁ!」

 叫びと懇願が混じるオレの声。

「そんなエロ顔して強請るなよ。イツキ」

 無情なる一言。

 春國の指がグルンと捻じり込まれたーーーー貼り付いた肉ヒダがプチ、プチンッと弾き剥がされて膣内震わせると、物凄い振動が子宮、脊髄を通り抜け、それが脳天に突き刺さって快感へと昇華されたのだ。

「はわぁ、はわぁ……あっ……あっ……ひぎぃぃああ……」

 コレ凄いよ、ダメになるぅぅ! 気持ちイイ、気持ち良過ぎるからぁぁ!

 全身がビキビキ突っ張って、シュバッ、シュバッと吹き散らした潮、いとも容易くオーガズムへと至った!
 夢うつつな気分に浸り、虚ろいゆく視界の中で青空を見上げれば、オレは鉄扉に背中を預けて、ヘナヘナとへたり込んでしまう。

「しゅごいから……しゅごいのきちゃったよ……」

 ヤバイ呂律が全く回らなくなってきた。

 様々な性的興奮を味わい、感度、増し増しなったオレは、たった指一本で陥落したのだった……
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