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男ってヤツは……
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「ありがとうございました」
レジ台越しに、店員のお姉さんが笑顔でオレを見送る。
お姉さんに頭を下げつつ、オレは購入した本を小脇に抱えて、店の出入口へと向かった。
ここは、街に古くから在る本屋。
趣き在る外観、大正、昭和初期に建てられた洋館を屋内のみ改装し出店している。
この本屋によく通っていて、書店としては、それ程大きくは無い。
品揃えは、そこそこだけど、オレはクラシックな店の雰囲気、何よりも店員の女の子の制服が気に入ってる。
フォーマル用の黒いワンピースにフリルが付いたアンダースカートとエプロンを組み合わせたクラシカルなミニメイド服。
メイド服を着た女の子達がすこぶるカワイイのだ!
ここの書店のオーナーとは、趣味が合いそうですな。ホント、ツボってるよ。
陳列棚の間を抜け、出入口に向かって歩いていると……。
「すみません。少しお時間よろしいですか?」
オレの背後から男の声が聞こえた。
歩幅を緩めず肩越しに後ろを確認するも、視界には誰の姿もない?
なので、そのまま無視する。
「待って下さい。そちらの帽子にメガネのお嬢さん」
少し慌てた様子で呼び止める声が聞こえた。
どうやら、オレの事っぽいな。オレは、ストローカンカン帽を被り、黒縁の伊達メガネを掛けている。
買い物に来ただけなのに、今日も樹乃にきっちりコーデされた。
上から赤白のボーダーキャミにデニムホットパンツ、それに赤いスニーカーを履いた相変わらず、肌の露出が多い格好をさせられてる。
うーん、面倒臭そうだけど、オレを呼んでるっぽいからな。
オレは、その場で足を止めて、後ろへ振り向いた。
そこには、これまた、英国風でクラシカルな紺色のスリーピースを着た老紳士が、少し遠目の方から足早にオレの前へとやって来た。
「あの、何かようですか?」
オレは顔を訝しめ尋ねる。
「突然。呼び止めて失礼しました。決して怪しい者ではございません」
そう答えると、スーツの内ポケットから黒いカードケースを取り出す老紳士。
「私はこの書店のオーナーをしておりまして、名前を風祭俊二と申します。どうぞ」
カードケースから名刺を一枚手に取ると、両手を添えて名刺を渡してくる。
「あっ、どうも」
突然の事に戸惑いつつも、オレは頭を下げ名刺を受け取る。手に持った名刺へ視線を落として老紳士の名前を確認した。
琥珀堂書店、代表 風祭 俊二 と書いてあった。
目の前の老紳士に視線を戻すと。
「初対面で不躾ですが私共の書店で働いては見ませんか」
「はぁ?」
オレは、その言葉に目をパチクリさせるだけだった。
「突然の事で驚かれるのも無理はありません。あなたの姿を目にした瞬間、頭にそう浮かんでしまいまして、恥かしながら、お声を掛けさせて頂いただきました。おっと、すみません。こちらの都合ばかり一方的に話をてしまって……」
老紳士は柔らかな微笑みをオレに向けて一人喋り納得している。
オーナー自らスカウトしてくれたのは、光栄だけど、今は余裕が無いって言うか……無理だろ!
今はこんな形をしてるが、オレは男だ!
「ありがたいお話ですけど、今はそういう事を考えてないので、すみません」
オレは出来るだけ申し訳なさそうにして断りをいれた。
「そうですか、残念です」
ガッカリして肩を落とす老紳士。
なんでだろ、凄く気が引けてしまうのは……
ふぅっ、しょうがないな。心の中で短く息を吐けば、
「あの、えっと、お声を掛けてくれたのも何かの縁ですから、次に機会があれば是非に、お願いします」
全くダメではないと上辺だけでも、老紳士に取り繕ってやる。
「おぉ、何と、お優しい。ありがとうございます。お気が向いたらで結構ですので、私共はいつでも、お待ちしております」
沈んだ顔をした老紳士は、オレの言葉を聞きすぐに晴れやかな笑みへと変えた。
うーん、何だか爺さんに上手い事、乗せられた感じもするけど、悪い気はしないからな。
話も済んだし早く帰ろ。
「これで失礼しますね」
オレは老紳士に頭を下げた。
「お手間を取らせてすみません。あっ、最後に一つお名前をお教え頂けますか?」
名前か、どうしよう……まぁ、名前くらいイイかな。
「はい、構いませんよ。橘樹里です」
「橘 樹里様ですね。橘様、貴重な、お時間を頂き、ありがとうございました」
余りに丁寧過ぎて、ちょっと面倒いな。さっさと帰るか。
「こちらこそ、ありがとうございました。急ぎの用事があるんで、この辺で失礼します」
何だか長くなりそうな雰囲気だったので、早々に話を切り上げ琥珀堂を出ることにする。
出入口から背後を振り返ったら、爺さんが、しっかりオレを見送っていた。
もう一度、お互いに軽く会釈を交わせば、オレは帰路へと就いた。
「あちぃぃ、暑すぎてカラダが溶けそう。早く家で涼みてぇ」
汗を拭い顔をパタパタと手で扇ぎながら家路を辿る。
家の門扉が見えてきたなら、お、アレ? 玄関先に、見知らぬ自転車が停められていた。
誰か来てるのか? 今、家に居るのは樹乃だけだったっけ……。
って事は、友達が来てんのか。
「えぇぇ、面倒臭さ」
マジかよ、今は、なるべく誰にも会いたくないのに。
どうしよ……よし、ココは、一つ大人しく目立たないように行動しないとな。
玄関先の門扉をソロリと音を立てずに開けて、忍び込むよう中へ入り玄関前までたどり着いた。
OK、あとは、何とか気づかれずに家に入りたい。じゃあ、後は、鍵を開けてっと…………エッ、アレ……カ、カギが無い、ちょ、マジか、し、しまった! 持って来るの忘れた!
「はぁぁ、痛恨のミス、アホ過ぎだよ」
その場で項垂れ大きな溜息を吐けば、オレは嫌々ながらも、玄関のインターホンを押した。
チャイムが鳴り止むと、
「はい、どちら様ですか?」
インターホンからタカノの声が聞こえてくる。
「あっ、タカ姉? オレ、いつき。カギ持ってくの忘れたからさ、悪いけど、カギ開けて」
「え、何やってんの、もうっ! ちょっと待ってて」
インターホン越しにタカノの飽きれ声が聞こえたら、暫し、玄関前で扉が開くのを待つ。
サムターンが回されて、ガチャリと音がしたので鍵を解錠されたのが分かった。
「アレ? ……」
しかし、扉を開けられる気配がしなかった。
このまま待ってても仕方ないので、とりあえず扉を開き中へと入った。
「ただいま、タカ姉、お客さんが来てるのに、わるい……いぃぃ!?」
当然、タカノが居るものと思って、いつもの調子で家に入ったら、そこには、オレのよく見知った男がニヤニヤと笑みを浮かべて、こっちを見ていたのだ!
「おっ、おまっ、なっ、なななにしてる! 春國」
予想外の出来事で、オレは慌てふためき後退りして逃げるが、玄関の扉に阻まれ断念するしかなかった。
頭の中がパニックで、何が何だかわからん。
「よう! 久しぶりだな。樹里」
春國は玄関の上がり框に、しゃがんで軽く手を振り上げ、挨拶してくる。
こいつが、桜浦春國。
茶髪のミディアムヘアにアップバングな髪型で長身の優男。
春國とは、幼稚園からの腐れ縁。
オレと違い、とにかく女にモテモテ、甘いマスクにスマートなルックスが女の子に受けて高校じゃ大人気。
悔しいけど、男前なんだよな。あと、ヤリチンだ!
「で、お前、何してんの?」
落ち着きを取り戻せば、オレは苦い顔して尋ねた。
「この前、おまえにメールしただろ」
さも当然のように返ってきた言葉だが……。
「は? メール?! いやいや断りのメール入れただろう!」
「そうだっけ? まっ、いいんじゃね」
ちぇ、相変わらず軽い奴。
「それより、すげぇな! タカ姉の話マジだったんだな」
目を見開き驚く春國は、オレを上から下までジロジロと見てきた。
はっ! ヤバッ、春國の言葉を聞き、オレは思い出す。
「こっち見んな! あっち向いてろ!」
春國の顔を手で強引に、あさっての方へ向けようとするも、
「おっとと嫌だね。こんなオモロイもん。見逃せないだろ」
春國に手を掴まれ遮られる。
「なっ! おまっハルクニ、んくっ、手離せ!」
「ホッホホ、これでよ~く見えますな。うんうん」
これ見よがしに春國は、オレの両手首を掴み取れば、態とらしく頷いて身体を舐め入るように観察してくる。
「あんた達、何じゃれ合ってんの、気持ち悪いわよ。そこ邪魔だから退いて」
不意にタカノの冷めた声が耳に入った。
オレたちは一瞬、互いに視線を合わせると、バツが悪くなり、すぐ飛び離れれば、タカノにその場所を譲った。
「悪いタカ姉」
と謝る春國。
「何処か出掛けるのか?」
とオレはタカノに聞いた。
「ええ、今から夕飯の買い物に行ってくるから、それより、アンタが帰って来るまで春國の相手してあげたんだから感謝しなさいよ」
恩着せがましく言ってきやがって、余計な事すんなよ。
それよりも気まずい。
心の準備も出来ず、しかも、この姿を一番知られたく無い奴に知られちまったじゃないかよ!
タカノを見送った後、オレたちは、リビングへ行き、ソファに座って当たり障りの無い雑談を交わしていたが……。
「さっきから、ジロジロ何だよ」
春國が、何か言たそうにしているので聞いてみた。
「本人を目の前に何だが……可愛くなり過ぎだろ。原型がほぼ残ってねぇぞ」
褒められて貶される……何だこの感じ、嗚呼! でも、やっぱ腹立つぅぅ!
「お前に言われなくても、身に沁みて分かってんだよ」
「まぁまぁ、あんま興奮すんなよ。いつき」
何です、そのヤレヤレ感は。くぅおお。
オレは恨みがましくジト目で春國を見やる。
「うっ、なっ、何だよ。ああっ、悪かった、悪かった」
眉を寄せて、困り顔見せる春國。
クック、男の時なら絶対しない事をしてやった。でも、自己嫌悪が半端ねぇ。
「そんで、今日は何しに、オレん家に来たんだ?」
「まぁ、何だ。いつきの事を見てたらよ。俺の悩み何て些細なもんだなと思ってな。もう、どうでも良くなった」
にこやかな笑みで、春國が言う。
「おいっ! 勝ってにやって来て、自己解決して終わらせやがったな。全く、そんな簡単ならオレんとこ来るんじゃないよ」
相変わらずなマイペースぶりに、オレはつっこむ。
「なんだよ、ツレねぇな。久々に遊び来たら、その言い草かよ」
「うるせぇ、人様に気をやる余裕なんて、今のオレにはねぇ」
「そうか、オレには、いつも通りの、おまえに見えるけどな」
「そういう風に振る舞ってんだよ。いちいち、気にしてたら、身が持たんのよ」
オレが投げやりな感じで、そう言えば、
「そりゃ、なんか、悪りぃな」
いつもの春國らしくない、素直すぎる言葉が吐かれた。
「べ、別に、謝んなくていい」
オレは、それに戸惑いつつも、気を取り直せば、
「そ、それよりも、興奮した所為か喉乾いたな。春國、おまえも何か飲むか? ついでだから、淹れてやるよ」
「んじゃ、さっきと同じ麦茶でイイや」
「ああ、わかった」
オレは返事をすると、ソファから立ち上がり、台所へ向うべく、春國の前を横切った、その時!
「はうっ?!」
突然、尻に違和感を感じた。
視線をそこへ向けると、オレの尻をむにゅっと掴んでいる春國の姿。
「はあ? お前ふざけろよ!」
春國の行動に困惑し、目を白黒させたオレは、すぐさま正気を取り戻したら、怒りで身体が打ち震えた!
「いやな、こんなの目の前にしたらよ。やっぱ、触りたくなるのが、男ってモンだろ」
何しれっと、当たり前のように触りやがって!
だあぁ! 怒ればいいんだろうけど、何だこのモヤモヤ感は、くっ、余計なことは、この際、考えないでおこう。
「とにかくヤメろ。それ、気持ち悪い」
今、オレが思ってる事を口にした。
「やっぱり、反応は男なんだな。でもよ、カラダの方は……どうかなっと!」
「おわぁ?!」
何だか含みある言葉を吐いた春國は、突如、オレの腕を取ると、ソファの上へ押し倒してきた!
オレは身体を捻り、そこから逃げようと試みるも、春國の左手がオレ両手首をガシッと鷲掴む。そして頭の上で組み敷しくと、オレの腰の上に跨って、身動き出来ないようにする。
チッ、動け……ない。クッソ、女の身体はひ弱過ぎる。
「おい、冗談ならやめとけ」
オレは、なるべく動揺をひた隠し平常心、装って言ってやる。
どうにも妖しい目つきの春國。こいつは、ヤバイぞ……絶対、良からぬ事を企んでいやがる。
長い付き合いだ、その辺は大体、わかっちまう。
「ウッシシ、さて、どうしたもんか。イツキがよ、マジで女なったか確かめてみようか……」
オレを見下ろす顔がニヤついている。
予想通りの言葉が聞けて涙が出そうだよ。
何で、こんなエロ漫画みたいな展開になってんだ?
最悪だ、オレは眉を顰めて春國を睨みつける!
「そう恐い顔するなよ。可愛いい顔が台無しだぜ。ちょっとした好奇心を確かめたくてな。今もいい感じにエロいぜ、イツキちゃん」
「ちゃん付けだと、気持ち悪くて鳥肌もんだ! それに何が好奇心だ。こっちの都合はお構いなしか!」
昔からそうだった。
自分中心に世界が回ってると勘違いした超自己中ヤローだ。
「でもな、お前も知りたくねぇ。女って奴を……」
今まで以上に悪そうな笑みを見せる春國は、空いた右手を、オレの細腰にそっと這わせてきた。
「……んっ……」
その行為に身体の奥が反応しそうになったので、春國から顔を背け、唇を噛み締めて我慢する。
「ふーん、イツキ、お前、その反応は……そうかそうか。クッフフ」
春國の言葉を聞き、オレはハッとなった。
「なっ、なんだソレ、おまっ、勘違いしてるだろ!」
「動揺し過ぎだぜ、イツキ」
キャミソールの裾を摘みスーッと下乳まで捲りながら、同時に、その指先でお腹をなぞり上げる春國。
「はんっ……んんっ……」
全身がゾクリと反応してしまう。
非常にマズイ。
オレは、それを春國に勘付かせない為、身体をバタつかせた。
「なぁ、イツキ、どんなもんか実況してくれよ」
「バカか、お前は……」
「じゃあよ、こんなのは、どうよ?」
春國は、キャミソールに隠された膨らみに手を伸ばしギュッと押し揉んだ。
「んんっ……んはぁっ」
口から零れる声を押さえる。
そこはムリィィ! チクビに掌が当たって身体がビクッと反応する。
「いいネェ、そそられるかも」
オレの様子を見て、更に春國は顔をニヤニヤさせた。
薄いキャミソールの上から突起を摘み、くにゅ、くにゅと捏ねて遊ばれると乳首がズンズン起き上がっきた。
「ふはぁっ……もう、ヤメろ……んんっ」
身体が勝ってに捩れる……はぁぁ、そこばっか弄るな阿呆!
カラダが熱い、疼きだす。
「そんな切なそうな顔するなよ。もっとイジメたくなる」
くぅあ、どうする! このアホは、ヤメるつもりなんて、サラサラないな。
何とかしないと……?! なら、最後の手段!
「んんっ……それ以上したら、ゆっ雪子にチクるぞ!」
「おま、き、汚ねぇぞ! イツキ」
オレの言葉に、春國は狼狽え飛び退いた!
「アホか! お前が言うな!」
その隙に乱れた服を整えながら、急ぎ立ち上がると、オレは、春國の脇腹に強烈な蹴りをくれてヤる!
「いっ痛! くうぅぅい、イツキ、てめぇ……」
痛みに耐えかねて、足元に腹を抱え蹲る春國。その目に涙を浮かべ、オレを見上げる。
「おいおい、何も泣く事ないだろ」
春國の姿を見て、オレは言った。
少しやり過ぎたか、いや、これくらい当然だろ!
「うるせぇ! 泣いてねぇよ」
春國は顔を赤くしながら反論する。
「これでさっきの事はチャラにしてやる。だから、今日はもう帰れよ」
オレは声のトーンを下げ、少しドスを効かせて口を開き、玄関へと目配せし帰宅を促した。
「おっ、ああ……悪かった。ふざけ過ぎた」
春國は、痛みに顔を顰めヨロヨロと立ち上がると、オレに詫びを入れてリビングを出て行く。
その後に続き、オレもリビングを出たなら、そのまま春國を玄関まで見送ってやる。
「じゃあな」
「ああ、気をつけて帰れよ」
お互い一言挨拶交わすと春國は玄関の扉を閉めた。
扉が閉まると同時に、オレは全身から力が抜けて、その場にへたり込む。
「ふぅ、あぶな、助かった」
息を吐ききれば、その場で仰向けに寝そべって、天井を見上げつつ安堵する。
「あのまま行かれてたら…………おお、マジでヤバかった!」
雪子が、春國の彼女で助かった。
マジで、雪子には感謝だぜ!
今回のことで、自分が女だってクソほど自覚させられた。
だけど、この違和感が無くなった時、女になるってことか。
うわぁ、ダメだろ!
どうか早く元に戻して下さい神様ぁぁ!
レジ台越しに、店員のお姉さんが笑顔でオレを見送る。
お姉さんに頭を下げつつ、オレは購入した本を小脇に抱えて、店の出入口へと向かった。
ここは、街に古くから在る本屋。
趣き在る外観、大正、昭和初期に建てられた洋館を屋内のみ改装し出店している。
この本屋によく通っていて、書店としては、それ程大きくは無い。
品揃えは、そこそこだけど、オレはクラシックな店の雰囲気、何よりも店員の女の子の制服が気に入ってる。
フォーマル用の黒いワンピースにフリルが付いたアンダースカートとエプロンを組み合わせたクラシカルなミニメイド服。
メイド服を着た女の子達がすこぶるカワイイのだ!
ここの書店のオーナーとは、趣味が合いそうですな。ホント、ツボってるよ。
陳列棚の間を抜け、出入口に向かって歩いていると……。
「すみません。少しお時間よろしいですか?」
オレの背後から男の声が聞こえた。
歩幅を緩めず肩越しに後ろを確認するも、視界には誰の姿もない?
なので、そのまま無視する。
「待って下さい。そちらの帽子にメガネのお嬢さん」
少し慌てた様子で呼び止める声が聞こえた。
どうやら、オレの事っぽいな。オレは、ストローカンカン帽を被り、黒縁の伊達メガネを掛けている。
買い物に来ただけなのに、今日も樹乃にきっちりコーデされた。
上から赤白のボーダーキャミにデニムホットパンツ、それに赤いスニーカーを履いた相変わらず、肌の露出が多い格好をさせられてる。
うーん、面倒臭そうだけど、オレを呼んでるっぽいからな。
オレは、その場で足を止めて、後ろへ振り向いた。
そこには、これまた、英国風でクラシカルな紺色のスリーピースを着た老紳士が、少し遠目の方から足早にオレの前へとやって来た。
「あの、何かようですか?」
オレは顔を訝しめ尋ねる。
「突然。呼び止めて失礼しました。決して怪しい者ではございません」
そう答えると、スーツの内ポケットから黒いカードケースを取り出す老紳士。
「私はこの書店のオーナーをしておりまして、名前を風祭俊二と申します。どうぞ」
カードケースから名刺を一枚手に取ると、両手を添えて名刺を渡してくる。
「あっ、どうも」
突然の事に戸惑いつつも、オレは頭を下げ名刺を受け取る。手に持った名刺へ視線を落として老紳士の名前を確認した。
琥珀堂書店、代表 風祭 俊二 と書いてあった。
目の前の老紳士に視線を戻すと。
「初対面で不躾ですが私共の書店で働いては見ませんか」
「はぁ?」
オレは、その言葉に目をパチクリさせるだけだった。
「突然の事で驚かれるのも無理はありません。あなたの姿を目にした瞬間、頭にそう浮かんでしまいまして、恥かしながら、お声を掛けさせて頂いただきました。おっと、すみません。こちらの都合ばかり一方的に話をてしまって……」
老紳士は柔らかな微笑みをオレに向けて一人喋り納得している。
オーナー自らスカウトしてくれたのは、光栄だけど、今は余裕が無いって言うか……無理だろ!
今はこんな形をしてるが、オレは男だ!
「ありがたいお話ですけど、今はそういう事を考えてないので、すみません」
オレは出来るだけ申し訳なさそうにして断りをいれた。
「そうですか、残念です」
ガッカリして肩を落とす老紳士。
なんでだろ、凄く気が引けてしまうのは……
ふぅっ、しょうがないな。心の中で短く息を吐けば、
「あの、えっと、お声を掛けてくれたのも何かの縁ですから、次に機会があれば是非に、お願いします」
全くダメではないと上辺だけでも、老紳士に取り繕ってやる。
「おぉ、何と、お優しい。ありがとうございます。お気が向いたらで結構ですので、私共はいつでも、お待ちしております」
沈んだ顔をした老紳士は、オレの言葉を聞きすぐに晴れやかな笑みへと変えた。
うーん、何だか爺さんに上手い事、乗せられた感じもするけど、悪い気はしないからな。
話も済んだし早く帰ろ。
「これで失礼しますね」
オレは老紳士に頭を下げた。
「お手間を取らせてすみません。あっ、最後に一つお名前をお教え頂けますか?」
名前か、どうしよう……まぁ、名前くらいイイかな。
「はい、構いませんよ。橘樹里です」
「橘 樹里様ですね。橘様、貴重な、お時間を頂き、ありがとうございました」
余りに丁寧過ぎて、ちょっと面倒いな。さっさと帰るか。
「こちらこそ、ありがとうございました。急ぎの用事があるんで、この辺で失礼します」
何だか長くなりそうな雰囲気だったので、早々に話を切り上げ琥珀堂を出ることにする。
出入口から背後を振り返ったら、爺さんが、しっかりオレを見送っていた。
もう一度、お互いに軽く会釈を交わせば、オレは帰路へと就いた。
「あちぃぃ、暑すぎてカラダが溶けそう。早く家で涼みてぇ」
汗を拭い顔をパタパタと手で扇ぎながら家路を辿る。
家の門扉が見えてきたなら、お、アレ? 玄関先に、見知らぬ自転車が停められていた。
誰か来てるのか? 今、家に居るのは樹乃だけだったっけ……。
って事は、友達が来てんのか。
「えぇぇ、面倒臭さ」
マジかよ、今は、なるべく誰にも会いたくないのに。
どうしよ……よし、ココは、一つ大人しく目立たないように行動しないとな。
玄関先の門扉をソロリと音を立てずに開けて、忍び込むよう中へ入り玄関前までたどり着いた。
OK、あとは、何とか気づかれずに家に入りたい。じゃあ、後は、鍵を開けてっと…………エッ、アレ……カ、カギが無い、ちょ、マジか、し、しまった! 持って来るの忘れた!
「はぁぁ、痛恨のミス、アホ過ぎだよ」
その場で項垂れ大きな溜息を吐けば、オレは嫌々ながらも、玄関のインターホンを押した。
チャイムが鳴り止むと、
「はい、どちら様ですか?」
インターホンからタカノの声が聞こえてくる。
「あっ、タカ姉? オレ、いつき。カギ持ってくの忘れたからさ、悪いけど、カギ開けて」
「え、何やってんの、もうっ! ちょっと待ってて」
インターホン越しにタカノの飽きれ声が聞こえたら、暫し、玄関前で扉が開くのを待つ。
サムターンが回されて、ガチャリと音がしたので鍵を解錠されたのが分かった。
「アレ? ……」
しかし、扉を開けられる気配がしなかった。
このまま待ってても仕方ないので、とりあえず扉を開き中へと入った。
「ただいま、タカ姉、お客さんが来てるのに、わるい……いぃぃ!?」
当然、タカノが居るものと思って、いつもの調子で家に入ったら、そこには、オレのよく見知った男がニヤニヤと笑みを浮かべて、こっちを見ていたのだ!
「おっ、おまっ、なっ、なななにしてる! 春國」
予想外の出来事で、オレは慌てふためき後退りして逃げるが、玄関の扉に阻まれ断念するしかなかった。
頭の中がパニックで、何が何だかわからん。
「よう! 久しぶりだな。樹里」
春國は玄関の上がり框に、しゃがんで軽く手を振り上げ、挨拶してくる。
こいつが、桜浦春國。
茶髪のミディアムヘアにアップバングな髪型で長身の優男。
春國とは、幼稚園からの腐れ縁。
オレと違い、とにかく女にモテモテ、甘いマスクにスマートなルックスが女の子に受けて高校じゃ大人気。
悔しいけど、男前なんだよな。あと、ヤリチンだ!
「で、お前、何してんの?」
落ち着きを取り戻せば、オレは苦い顔して尋ねた。
「この前、おまえにメールしただろ」
さも当然のように返ってきた言葉だが……。
「は? メール?! いやいや断りのメール入れただろう!」
「そうだっけ? まっ、いいんじゃね」
ちぇ、相変わらず軽い奴。
「それより、すげぇな! タカ姉の話マジだったんだな」
目を見開き驚く春國は、オレを上から下までジロジロと見てきた。
はっ! ヤバッ、春國の言葉を聞き、オレは思い出す。
「こっち見んな! あっち向いてろ!」
春國の顔を手で強引に、あさっての方へ向けようとするも、
「おっとと嫌だね。こんなオモロイもん。見逃せないだろ」
春國に手を掴まれ遮られる。
「なっ! おまっハルクニ、んくっ、手離せ!」
「ホッホホ、これでよ~く見えますな。うんうん」
これ見よがしに春國は、オレの両手首を掴み取れば、態とらしく頷いて身体を舐め入るように観察してくる。
「あんた達、何じゃれ合ってんの、気持ち悪いわよ。そこ邪魔だから退いて」
不意にタカノの冷めた声が耳に入った。
オレたちは一瞬、互いに視線を合わせると、バツが悪くなり、すぐ飛び離れれば、タカノにその場所を譲った。
「悪いタカ姉」
と謝る春國。
「何処か出掛けるのか?」
とオレはタカノに聞いた。
「ええ、今から夕飯の買い物に行ってくるから、それより、アンタが帰って来るまで春國の相手してあげたんだから感謝しなさいよ」
恩着せがましく言ってきやがって、余計な事すんなよ。
それよりも気まずい。
心の準備も出来ず、しかも、この姿を一番知られたく無い奴に知られちまったじゃないかよ!
タカノを見送った後、オレたちは、リビングへ行き、ソファに座って当たり障りの無い雑談を交わしていたが……。
「さっきから、ジロジロ何だよ」
春國が、何か言たそうにしているので聞いてみた。
「本人を目の前に何だが……可愛くなり過ぎだろ。原型がほぼ残ってねぇぞ」
褒められて貶される……何だこの感じ、嗚呼! でも、やっぱ腹立つぅぅ!
「お前に言われなくても、身に沁みて分かってんだよ」
「まぁまぁ、あんま興奮すんなよ。いつき」
何です、そのヤレヤレ感は。くぅおお。
オレは恨みがましくジト目で春國を見やる。
「うっ、なっ、何だよ。ああっ、悪かった、悪かった」
眉を寄せて、困り顔見せる春國。
クック、男の時なら絶対しない事をしてやった。でも、自己嫌悪が半端ねぇ。
「そんで、今日は何しに、オレん家に来たんだ?」
「まぁ、何だ。いつきの事を見てたらよ。俺の悩み何て些細なもんだなと思ってな。もう、どうでも良くなった」
にこやかな笑みで、春國が言う。
「おいっ! 勝ってにやって来て、自己解決して終わらせやがったな。全く、そんな簡単ならオレんとこ来るんじゃないよ」
相変わらずなマイペースぶりに、オレはつっこむ。
「なんだよ、ツレねぇな。久々に遊び来たら、その言い草かよ」
「うるせぇ、人様に気をやる余裕なんて、今のオレにはねぇ」
「そうか、オレには、いつも通りの、おまえに見えるけどな」
「そういう風に振る舞ってんだよ。いちいち、気にしてたら、身が持たんのよ」
オレが投げやりな感じで、そう言えば、
「そりゃ、なんか、悪りぃな」
いつもの春國らしくない、素直すぎる言葉が吐かれた。
「べ、別に、謝んなくていい」
オレは、それに戸惑いつつも、気を取り直せば、
「そ、それよりも、興奮した所為か喉乾いたな。春國、おまえも何か飲むか? ついでだから、淹れてやるよ」
「んじゃ、さっきと同じ麦茶でイイや」
「ああ、わかった」
オレは返事をすると、ソファから立ち上がり、台所へ向うべく、春國の前を横切った、その時!
「はうっ?!」
突然、尻に違和感を感じた。
視線をそこへ向けると、オレの尻をむにゅっと掴んでいる春國の姿。
「はあ? お前ふざけろよ!」
春國の行動に困惑し、目を白黒させたオレは、すぐさま正気を取り戻したら、怒りで身体が打ち震えた!
「いやな、こんなの目の前にしたらよ。やっぱ、触りたくなるのが、男ってモンだろ」
何しれっと、当たり前のように触りやがって!
だあぁ! 怒ればいいんだろうけど、何だこのモヤモヤ感は、くっ、余計なことは、この際、考えないでおこう。
「とにかくヤメろ。それ、気持ち悪い」
今、オレが思ってる事を口にした。
「やっぱり、反応は男なんだな。でもよ、カラダの方は……どうかなっと!」
「おわぁ?!」
何だか含みある言葉を吐いた春國は、突如、オレの腕を取ると、ソファの上へ押し倒してきた!
オレは身体を捻り、そこから逃げようと試みるも、春國の左手がオレ両手首をガシッと鷲掴む。そして頭の上で組み敷しくと、オレの腰の上に跨って、身動き出来ないようにする。
チッ、動け……ない。クッソ、女の身体はひ弱過ぎる。
「おい、冗談ならやめとけ」
オレは、なるべく動揺をひた隠し平常心、装って言ってやる。
どうにも妖しい目つきの春國。こいつは、ヤバイぞ……絶対、良からぬ事を企んでいやがる。
長い付き合いだ、その辺は大体、わかっちまう。
「ウッシシ、さて、どうしたもんか。イツキがよ、マジで女なったか確かめてみようか……」
オレを見下ろす顔がニヤついている。
予想通りの言葉が聞けて涙が出そうだよ。
何で、こんなエロ漫画みたいな展開になってんだ?
最悪だ、オレは眉を顰めて春國を睨みつける!
「そう恐い顔するなよ。可愛いい顔が台無しだぜ。ちょっとした好奇心を確かめたくてな。今もいい感じにエロいぜ、イツキちゃん」
「ちゃん付けだと、気持ち悪くて鳥肌もんだ! それに何が好奇心だ。こっちの都合はお構いなしか!」
昔からそうだった。
自分中心に世界が回ってると勘違いした超自己中ヤローだ。
「でもな、お前も知りたくねぇ。女って奴を……」
今まで以上に悪そうな笑みを見せる春國は、空いた右手を、オレの細腰にそっと這わせてきた。
「……んっ……」
その行為に身体の奥が反応しそうになったので、春國から顔を背け、唇を噛み締めて我慢する。
「ふーん、イツキ、お前、その反応は……そうかそうか。クッフフ」
春國の言葉を聞き、オレはハッとなった。
「なっ、なんだソレ、おまっ、勘違いしてるだろ!」
「動揺し過ぎだぜ、イツキ」
キャミソールの裾を摘みスーッと下乳まで捲りながら、同時に、その指先でお腹をなぞり上げる春國。
「はんっ……んんっ……」
全身がゾクリと反応してしまう。
非常にマズイ。
オレは、それを春國に勘付かせない為、身体をバタつかせた。
「なぁ、イツキ、どんなもんか実況してくれよ」
「バカか、お前は……」
「じゃあよ、こんなのは、どうよ?」
春國は、キャミソールに隠された膨らみに手を伸ばしギュッと押し揉んだ。
「んんっ……んはぁっ」
口から零れる声を押さえる。
そこはムリィィ! チクビに掌が当たって身体がビクッと反応する。
「いいネェ、そそられるかも」
オレの様子を見て、更に春國は顔をニヤニヤさせた。
薄いキャミソールの上から突起を摘み、くにゅ、くにゅと捏ねて遊ばれると乳首がズンズン起き上がっきた。
「ふはぁっ……もう、ヤメろ……んんっ」
身体が勝ってに捩れる……はぁぁ、そこばっか弄るな阿呆!
カラダが熱い、疼きだす。
「そんな切なそうな顔するなよ。もっとイジメたくなる」
くぅあ、どうする! このアホは、ヤメるつもりなんて、サラサラないな。
何とかしないと……?! なら、最後の手段!
「んんっ……それ以上したら、ゆっ雪子にチクるぞ!」
「おま、き、汚ねぇぞ! イツキ」
オレの言葉に、春國は狼狽え飛び退いた!
「アホか! お前が言うな!」
その隙に乱れた服を整えながら、急ぎ立ち上がると、オレは、春國の脇腹に強烈な蹴りをくれてヤる!
「いっ痛! くうぅぅい、イツキ、てめぇ……」
痛みに耐えかねて、足元に腹を抱え蹲る春國。その目に涙を浮かべ、オレを見上げる。
「おいおい、何も泣く事ないだろ」
春國の姿を見て、オレは言った。
少しやり過ぎたか、いや、これくらい当然だろ!
「うるせぇ! 泣いてねぇよ」
春國は顔を赤くしながら反論する。
「これでさっきの事はチャラにしてやる。だから、今日はもう帰れよ」
オレは声のトーンを下げ、少しドスを効かせて口を開き、玄関へと目配せし帰宅を促した。
「おっ、ああ……悪かった。ふざけ過ぎた」
春國は、痛みに顔を顰めヨロヨロと立ち上がると、オレに詫びを入れてリビングを出て行く。
その後に続き、オレもリビングを出たなら、そのまま春國を玄関まで見送ってやる。
「じゃあな」
「ああ、気をつけて帰れよ」
お互い一言挨拶交わすと春國は玄関の扉を閉めた。
扉が閉まると同時に、オレは全身から力が抜けて、その場にへたり込む。
「ふぅ、あぶな、助かった」
息を吐ききれば、その場で仰向けに寝そべって、天井を見上げつつ安堵する。
「あのまま行かれてたら…………おお、マジでヤバかった!」
雪子が、春國の彼女で助かった。
マジで、雪子には感謝だぜ!
今回のことで、自分が女だってクソほど自覚させられた。
だけど、この違和感が無くなった時、女になるってことか。
うわぁ、ダメだろ!
どうか早く元に戻して下さい神様ぁぁ!
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