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第一章 それぞれの出逢い
第十一話 バレー部
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「はい、じゃあ、今日は桃子が呼び出されて来れないから、私が出欠とるよー」
3年の副部長、玉城 朱里が名簿を片手に名前を点呼を取る。今、3年生は部長の平田 桃子と朱里の2人だけで、いつもは部長である桃子が点呼を取るが今日は朱里が代わりにやるようだ。
「まずは、2年生から!麻耶!」
「はい!」
池宮城 麻耶、名前の通り貴哉の姉だ。貴哉とは顔はよく似ているが、対称的に活発な性格をしている。しかし、若干自分本位な所があり、香織はじめ1年生たちからはよく思われていない。
「じゃあ、次、麗子!」
「はい!」
木下 麗子、麗花の姉である。よく麗花を泣かしていたのは前述の通りだが、バレー部の2年生4人の中では1番権力がないようで、同級生相手には大人しい。
「次、鈴美!」
「はい!」
小橋川 鈴美、2年生のまとめ役的存在である。長身が多いバレー部の中で1番背が高く、プレーもずば抜けている。自分本位な麻耶も、鈴美には文句を言えない。自我の強い2年生が仲違いや問題行動を起こしたりしないのは、鈴美のお陰と言ってもいいだろう。実際、既に1年生から厚い信頼を得ている。
(この女狐め....)
しかし、香織からはよく思われていない。なぜなら、鈴美は不良であるからだ。髪も眉も明るいし、スカートも短い。煙草の匂いだってする。
(私が部長なら、こんな女、ぶん殴ってやるんだから。)
「次、真咲!」
「はい!」
村上 真咲、鈴美とは真北小時代からの親友である。2年生になって髪を短く、そして茶色くしてパーマを当てた。自称「おしゃれ番長」であり、男子から敬遠されがちな鈴美と違い人気もあるが、それも真面目な香織からしたら気にくわない。
「1年生行くよ!香織!」
1年生の点呼が始まり、香織、明良、麗花と続く。
「次、貴夜!」
「はい!」
「村上 貴夜」、真咲の妹である。春休みから練習に顔を出しており、それまでは普通の身なりだったが入学式の昨日、姉とお揃いの髪型(色は入れてない)で登校してきた。この時点で香織の中ではアウトだ。
そして奇しくも、この物語の主人公と同じ名前であることから、明良や麗花、麻耶、麗子など貴哉を知る者からは「むーちゃん」と呼ばれている。因みに、香織だけは頑なに「村上」と呼んでいる。
「最後、フェイ!」
「はい!」
小橋川 鈴飛、愛称は「フェイ」。鈴美の妹である。名前が呼びづらいことから、鈴美以外からは小学校からの愛称である「フェイ」で呼ばれている。まだ、姉ほどの実力やリーダーシップは発揮していないが、これからを期待されている。先日、鞄の中に煙草があるのを香織は目撃したため、香織の中では論外の人物になっている。
「よし、桃子以外は全員いるわね。」
「はい!」
点呼を取り終わった朱里が今日の段取りを説明する。因みに、顧問は事実上いない。名前だけの存在で、大会の時のみ引率として顔を出す程度だ。というのも去年、とある理由で桃子にビンタして以来バレー部全員でいじめぬいたからだ。
「じゃあ、移動開始!」
「はい!」
今日もまた、部活が始まる。
つづく
3年の副部長、玉城 朱里が名簿を片手に名前を点呼を取る。今、3年生は部長の平田 桃子と朱里の2人だけで、いつもは部長である桃子が点呼を取るが今日は朱里が代わりにやるようだ。
「まずは、2年生から!麻耶!」
「はい!」
池宮城 麻耶、名前の通り貴哉の姉だ。貴哉とは顔はよく似ているが、対称的に活発な性格をしている。しかし、若干自分本位な所があり、香織はじめ1年生たちからはよく思われていない。
「じゃあ、次、麗子!」
「はい!」
木下 麗子、麗花の姉である。よく麗花を泣かしていたのは前述の通りだが、バレー部の2年生4人の中では1番権力がないようで、同級生相手には大人しい。
「次、鈴美!」
「はい!」
小橋川 鈴美、2年生のまとめ役的存在である。長身が多いバレー部の中で1番背が高く、プレーもずば抜けている。自分本位な麻耶も、鈴美には文句を言えない。自我の強い2年生が仲違いや問題行動を起こしたりしないのは、鈴美のお陰と言ってもいいだろう。実際、既に1年生から厚い信頼を得ている。
(この女狐め....)
しかし、香織からはよく思われていない。なぜなら、鈴美は不良であるからだ。髪も眉も明るいし、スカートも短い。煙草の匂いだってする。
(私が部長なら、こんな女、ぶん殴ってやるんだから。)
「次、真咲!」
「はい!」
村上 真咲、鈴美とは真北小時代からの親友である。2年生になって髪を短く、そして茶色くしてパーマを当てた。自称「おしゃれ番長」であり、男子から敬遠されがちな鈴美と違い人気もあるが、それも真面目な香織からしたら気にくわない。
「1年生行くよ!香織!」
1年生の点呼が始まり、香織、明良、麗花と続く。
「次、貴夜!」
「はい!」
「村上 貴夜」、真咲の妹である。春休みから練習に顔を出しており、それまでは普通の身なりだったが入学式の昨日、姉とお揃いの髪型(色は入れてない)で登校してきた。この時点で香織の中ではアウトだ。
そして奇しくも、この物語の主人公と同じ名前であることから、明良や麗花、麻耶、麗子など貴哉を知る者からは「むーちゃん」と呼ばれている。因みに、香織だけは頑なに「村上」と呼んでいる。
「最後、フェイ!」
「はい!」
小橋川 鈴飛、愛称は「フェイ」。鈴美の妹である。名前が呼びづらいことから、鈴美以外からは小学校からの愛称である「フェイ」で呼ばれている。まだ、姉ほどの実力やリーダーシップは発揮していないが、これからを期待されている。先日、鞄の中に煙草があるのを香織は目撃したため、香織の中では論外の人物になっている。
「よし、桃子以外は全員いるわね。」
「はい!」
点呼を取り終わった朱里が今日の段取りを説明する。因みに、顧問は事実上いない。名前だけの存在で、大会の時のみ引率として顔を出す程度だ。というのも去年、とある理由で桃子にビンタして以来バレー部全員でいじめぬいたからだ。
「じゃあ、移動開始!」
「はい!」
今日もまた、部活が始まる。
つづく
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