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第一章 それぞれの出逢い
第六話 候補生
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一連の出来事のあと、部室へ向かいながら貴哉は恭典に尋ねた。
「さっきの集団何者だよ?」
「3年だよ、野球部のな。」
恭典が答えると、貴哉は面食らったようだ。
「野球部!?あのなりで?」
「あぁ、正確には野球部とプラスアルファ、ってとこかな。」
「プラスアルファ?」
「そうだ、野球部じゃない人もいるからな。」
「じゃ、なんでその野球部があんなに偉そうなんだよ?」
その言葉に今度は音也が面食らった。
「お前、本当に何も知らねぇんだな。」
「分かるわけねぇだろ。」
音也が口答えされてまた掴みかかりそうになったが今度は恵弥がそれより早く音也の腕を掴んだ。それを見て恭典が続ける。
「お前は本当に学ばねぇな。まっ、詳しい話は部室に着いてからにしよう。」
こうしている間に部室棟に到着、奥から2番目にある部屋に入った。あまり広くはない上に、灰皿まである。野球部の部室とはとてもじゃないが思えない。そこには5人の男が先に来ていた。
「おぉ、貴哉!貴哉じゃねぇか!」
1人の男が声をかけてきた。茶髪にストレートの顎まであるロン毛、女顔で細身の長身の男だ。
「和人かよ、なんだよその髪。」
「カッコいいだろ?」
「はいはい」
彼の名は池宮城 和人。彼もまた貴哉たちの従兄弟にあたる。
「こいつはよ、俺と恭典の従兄弟で貴哉ってんだ。名字は俺らと一緒だ。」
「うん、よろしく。」
すると、長い髪をオールバックに固めたサングラスの男が笑い出した。
「お前らにこんな真面目そうな従兄弟がいたのかよ!」
「うるせーよ、早く自己紹介してやれ。」
「川島 謙治だ。よろしくな。」
次は金髪のアイパーの男が貴哉に微笑みかけ、喋り始めた。
「お前が貴哉って奴か。俺は平田 裕明ってんだ。」
「平田?」
「あぁ、伯亜の従兄弟だよ。」
それを聞いて貴哉はまたまた面食らう。あまり人に言える立場ではないが、どうなってるんだあいつの家族はと言わんばかりだ。
次は黒髪の襟足を伸ばした筋肉質の男が立ち上がった。
「....末吉 奏だ。よろしく。」
「こいつさ、この顔とこの体でただでさえ怖がられてるのにさ、眉剃ってこんな髪にするもんで、いでぇっ!」
横から茶々入れてきた裕明の足を無言で奏が踏みつけた。そんな2人を尻目に、最後は坊主頭で吊り目の男の番になった。
「高田 春樹だ。見ての通りこの中じゃ1番の常識人だ。」
「って言うじゃん?こいつ、携帯の中身は少女時代だらけで実は韓国オタクなんだよ。」
「なんで知ってんだ!ってか、関係ねぇだろ!」
茶々を入れた謙治に春樹が言い返してみんながゲラゲラ笑う。すると、恵弥が手を叩いた。
「おい、おしゃべりはそこまでだ。折角の野球部候補生に来てもらったんだからな。」
「候補生?さっきから意味分かんねぇよ。」
「ちゃんと教えてやるよ。そこらへんに座れ。」
貴哉を座らせると恵弥はこう言った。
「まず、お前、さっき、なんで3年の野球部があんなに偉そうなのか、って言ったな。」
「あぁ、言った。」
「結論から言うとな、大将、強者、幹部が必ず野球部から選ばれるからだ。」
「は、はぁ?」
「あの赤いリーゼントの人は宮城 祐士、今の伊志凪の大将だ。鬼ゾリの方は山城 将紘、3年の強者だ。」
「ますます分からねぇ....」
つづく
「さっきの集団何者だよ?」
「3年だよ、野球部のな。」
恭典が答えると、貴哉は面食らったようだ。
「野球部!?あのなりで?」
「あぁ、正確には野球部とプラスアルファ、ってとこかな。」
「プラスアルファ?」
「そうだ、野球部じゃない人もいるからな。」
「じゃ、なんでその野球部があんなに偉そうなんだよ?」
その言葉に今度は音也が面食らった。
「お前、本当に何も知らねぇんだな。」
「分かるわけねぇだろ。」
音也が口答えされてまた掴みかかりそうになったが今度は恵弥がそれより早く音也の腕を掴んだ。それを見て恭典が続ける。
「お前は本当に学ばねぇな。まっ、詳しい話は部室に着いてからにしよう。」
こうしている間に部室棟に到着、奥から2番目にある部屋に入った。あまり広くはない上に、灰皿まである。野球部の部室とはとてもじゃないが思えない。そこには5人の男が先に来ていた。
「おぉ、貴哉!貴哉じゃねぇか!」
1人の男が声をかけてきた。茶髪にストレートの顎まであるロン毛、女顔で細身の長身の男だ。
「和人かよ、なんだよその髪。」
「カッコいいだろ?」
「はいはい」
彼の名は池宮城 和人。彼もまた貴哉たちの従兄弟にあたる。
「こいつはよ、俺と恭典の従兄弟で貴哉ってんだ。名字は俺らと一緒だ。」
「うん、よろしく。」
すると、長い髪をオールバックに固めたサングラスの男が笑い出した。
「お前らにこんな真面目そうな従兄弟がいたのかよ!」
「うるせーよ、早く自己紹介してやれ。」
「川島 謙治だ。よろしくな。」
次は金髪のアイパーの男が貴哉に微笑みかけ、喋り始めた。
「お前が貴哉って奴か。俺は平田 裕明ってんだ。」
「平田?」
「あぁ、伯亜の従兄弟だよ。」
それを聞いて貴哉はまたまた面食らう。あまり人に言える立場ではないが、どうなってるんだあいつの家族はと言わんばかりだ。
次は黒髪の襟足を伸ばした筋肉質の男が立ち上がった。
「....末吉 奏だ。よろしく。」
「こいつさ、この顔とこの体でただでさえ怖がられてるのにさ、眉剃ってこんな髪にするもんで、いでぇっ!」
横から茶々入れてきた裕明の足を無言で奏が踏みつけた。そんな2人を尻目に、最後は坊主頭で吊り目の男の番になった。
「高田 春樹だ。見ての通りこの中じゃ1番の常識人だ。」
「って言うじゃん?こいつ、携帯の中身は少女時代だらけで実は韓国オタクなんだよ。」
「なんで知ってんだ!ってか、関係ねぇだろ!」
茶々を入れた謙治に春樹が言い返してみんながゲラゲラ笑う。すると、恵弥が手を叩いた。
「おい、おしゃべりはそこまでだ。折角の野球部候補生に来てもらったんだからな。」
「候補生?さっきから意味分かんねぇよ。」
「ちゃんと教えてやるよ。そこらへんに座れ。」
貴哉を座らせると恵弥はこう言った。
「まず、お前、さっき、なんで3年の野球部があんなに偉そうなのか、って言ったな。」
「あぁ、言った。」
「結論から言うとな、大将、強者、幹部が必ず野球部から選ばれるからだ。」
「は、はぁ?」
「あの赤いリーゼントの人は宮城 祐士、今の伊志凪の大将だ。鬼ゾリの方は山城 将紘、3年の強者だ。」
「ますます分からねぇ....」
つづく
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