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最終話 変態少女と、転生失敗した僕が書くブログ

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 こんにちは、モモイロイツキです。

 みんなは「変態」って聞くと何を思い浮かべるかな。やっぱりエロ? だよね。僕のブログは一応「アダルトブログ」なんだけど、僕は未だにエロが苦手でエッチな表現が上手くできないの。
 友達の変態少女はそれこそエロにエロを重ね掛けする生粋のエロマスターだから、今日も僕の隣で全裸になって女豹のポーズを練習してる。

 これでもか! ってくらいに小さなおっぱいは先端が桃色にプクっとしてて、前屈みになってるけど決して揺れるわけじゃない。
 小柄で細い身体は小学生みたいで、でも本人曰く「下の毛は生えてる」らしいから「もう子供じゃない」んだってさ。

 って書いていたら、女豹というか子猫のような変態少女が僕をベッドに押し倒して擦り寄ってきた。

 谷間のない谷間ですり寄ってきて、僕のズボンのベルトを外してくる。チャックを下ろして僕の下着を露わにすると、そこに口を開けて生暖かい吐息を当ててきた。

 そのままゆっくり上の方へ。

 仰向けの僕に見えたのは、寄せても寄ってない、上げても上がってない「ちっぱい」と、その上から見下ろす赤らんだ顔。
 物欲しげな童顔が僕の胸にうずくまって、スンと匂いを嗅いでくる。胸元から首筋、耳元へと這い寄ったかと思うと、

「いいのか?」

 と囁く。

 よくないよ。

 そんな僕の言葉を完全に無視して、少女の手が僕の股を優しく撫でた。ひんやりした小さな指が僕の足の付け根を這って、ああ……この感触、

「だ、だめ……」

 しかし修子は構わず僕のパンツの中に手を突っ込んできた。

「ああ、もうダメ!」

「いい、いいぞイツキ!」

「違う違う、くすぐったくてダメだって!」

 反射的に跳ね起きた僕は修子の頭にゴツンと頭突きをする格好になって、いやこれが修子の頭が思いのほかに固くて僕は返り討ちにあってしまった。

「どこ触ってるの!? 僕は男の子じゃないし、そっちの気もないんだから」

 飛び交うお星さまを振り払いながら「女の子の僕」を襲ってくる見境のない変態少女を脇にどけて、僕はズボンを整えてチャックを上げた。

「にししっ、興奮したか?」

「するわけないでしょ!」

 全裸の修子はベッドの上にペタンと女の子座りをして枕を抱え込んだ。ちっぱい胸が枕に隠れ、えてるのかどうか――まあどうでもいいんだけど――な部分もその奥に潜めてくれたおかげで、どうにか修子の方を見ることができる。

「イツキ、アタシは気付いたことがあるんだ」

 唐突に真面目な顔をした。修子は真面目な顔をしようが不真面目な顔をしようが、どっちにしても変態だからね。でもまあ、一応聞こうか。

「やっぱりイツキはエロブログが向いてる」

 意外と真面目な話だった。

「そうかなぁ。僕のブログは未だにランキング最下層のままだよ。修子みたいにド派手なエロを書けるわけじゃないし」

「だって、見ろ」

 修子は僕のパソコンを、書きかけの記事を指さした。

「この記事、エロくていいぞ。アタシは濡れた」

 季節外れのタンポポが咲いたような笑顔でナチュラルエロスをぶっ放す。
 今でも僕のパンツを被ってるパンティー仮面こと仮面修子。エロくて変態でとにかく変態だけど、こうやって普通に笑えばすごく可愛いんだよね。

 あ――でも僕は惚れないよ。そういう趣味はないからね。

「じゃあイツキは、男が好きなのか?」

 やだなあ、僕だって人並みに女の子だよ? そりゃあどっちかっていったら男の子が好きに決まってるじゃない。

「そうか、男が好きか」

 再び神妙な面持ちになる修子。

「でもイツキ……」

「なにさ、また怖い顔をしちゃって」

 枕を抱えた少女は片手を差し出すと、僕の肩をポンと叩いてこう言った。

「イツキは下の毛が生えてないから、男相手はまだ早いな」

「…………え?」

 僕は思わず自分の股の間をおさえた。もしかしてさっき手を突っ込んできたのはそのため?

「このバカ修子っ! 神の声バズリティーで下の毛を剥いてやるっ」

「にししっ! アタシの方が大人だな」

「ちっぱい子猫が何を言うの! 背だって僕の方が高いし、おっぱいだってきっと僕の方が……」

「比べてみるか?」

「望むところだ!」

 こうして、変態少女と転生失敗してアダルトブロガーになった僕は、ふたり並んでおっぱいの大きさ比べをするのでした。
 


END
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