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第九話 女豹のエロブロガー
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「私はアダルト科担任のステ娘だ」
僕らが席に着くと、女教師が教壇で自己紹介を始めた。ビシっとした服装で力強い声、吊り上がったメガネ、威圧感がすごい。その見た目でハンドルネームが「ステ娘」っていうのも、ギャップがあり過ぎ。
それにしても、このスパルタみたいな教師が僕らの担任なのか……。未だに『やる気スイッチ』の入っていない僕は、ここに来てさらにゲンナリだった。
じゃあ、変態的なやる気スイッチがオンしている修子はどうなんだろう。さすがにこの恐そうな担任を前に委縮しているのかと思いきや、修子は目をキラキラさせて教師を見つめていた。
「どうしたの修子、そんなに楽しそうにして」
僕は目線は逸らさないまま、隣の修子に寄せて小声で話しかけると、
「イツキ、あの教師はすごい人だぞ。さっきアダルトブログのランキングを見てたら、ステ娘って人のサイトがあったんだ」
「へぇ……あの教師、自分でもアダルトブログを書いてるんだ」
「しかもかなりの上位ランカーだ。ブロガーのほとんどは『ブログ王国』っていうポータルサイトに登録してるんだけど、あの教師はアダルトカテゴリの中でトップだった」
修子はノートパソコンを操作して、ブログ王国のトップページを表示した。それは百万を超えるブログが登録されている、ネット最大のブログポータルサイト。サイト内には独自のポイントシステムがあって、INポイントという、要は『応援ポイント』やPV(アクセス数)、ブックマーク(お気に入り登録)数でランキング付けさていれる。
そこから『ステ娘のブログ』にアクセスすると……
「おおっ! エロいな!」
エロフェッショナルを自称する修子ですら思わず声を漏らしてしまうほど過激なページが、出て来る出て来る。きわどい画像、放送禁止ギリギリの用語、サディスティックな言葉づかい。特にこの画像、グラマーなボディラインで誘うように写っているのは、あの教師本人だよね?
顔と身体の大事な部分は隠れてるけど、一糸まとわぬ白い肌は大人のフェロモン全開。モニターから薔薇の香りでも匂ってきそう。
おまけにタイトルは『ステ娘が貴方を教育してあげる♡』って……教師のクセになんて挑発的なブログを書いているんだ。
そんな、エロのお手本のようなブログを夢中で眺める修子。
「にししっ、これはエロい」
恍惚として魅入っているその顔は、もはや十代の女子ではない。あのさあ修子、目つきがヤバイよ?
「見ろイツキ、この写真はエロすぎるぞ。女豹みたいなポーズだ、アタシもやってみたい」
「背がちっちゃい修子じゃ、子猫が伸びをしてるみたいになっちゃうよ」
「おおおっ、こっちは両手でおっぱいを抱えてるぞ! アタシもできるかな?」
「ペタンコの修子に抱えるモノはないよ」
まったく、興奮しすぎ。いい加減にしないと入学式の時みたいに怒られちゃっても知らないからね。
……って気付いた時には、もう遅かった。
「仮面修子」
「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!? この下着姿はスゴイぞ! こんなに足を開いたら見えちゃう!」
「仮面修子!」
「いや、ちょっと待て。……見えてる! 見えちゃってるぞ! ほら、イツキ!」
「仮面修子!!」
「ほえ?」
大胆かつエロチックな悩殺画像に食い入っていた修子の前には、
「ほほう……ずいぶんと気に入ってもらえたようだな。どうだ? 私のブログは」
と、不敵な笑みで見下ろすステ娘教師がいた。
「お前たちも、私のようなブログを目指してみるか?」
そう言って、ふふふ……っと含み笑いを漏らすステ娘教師。目が笑ってない。目が笑ってないよ!?
「だが二人とも、その前に教えてやろう。私は無視されるのが一番嫌いでな。だから、私の話を聞かない生徒には教育が必要だと思わんか?」
「女豹のポーズを教えてくれるのか?」
修子は「にししっ」と笑いながら、とんでもないことを言い出した。ちょっと、空気を読まないにも程があるんじゃないの!?
一瞬で凍り付く教室内。
と――
ズバッ!
「あうっ!」
修子の脳天にメガトンチョップが炸裂し、
ズガッ!
「いだっ!」
僕の脳天にもギガトンチョップが降ってきた。
僕たちは仲良く机に倒れ込み、しばらくの間はお星さまを数えながらステ娘教師の話を聞くのだった。
アダルト科の担任、ステ娘教師は、
美人でナイスバディでドSな女豹で、
ついでにアダルトカテゴリのトップブロガーで、
おまけに暴力教師だった。
僕らが席に着くと、女教師が教壇で自己紹介を始めた。ビシっとした服装で力強い声、吊り上がったメガネ、威圧感がすごい。その見た目でハンドルネームが「ステ娘」っていうのも、ギャップがあり過ぎ。
それにしても、このスパルタみたいな教師が僕らの担任なのか……。未だに『やる気スイッチ』の入っていない僕は、ここに来てさらにゲンナリだった。
じゃあ、変態的なやる気スイッチがオンしている修子はどうなんだろう。さすがにこの恐そうな担任を前に委縮しているのかと思いきや、修子は目をキラキラさせて教師を見つめていた。
「どうしたの修子、そんなに楽しそうにして」
僕は目線は逸らさないまま、隣の修子に寄せて小声で話しかけると、
「イツキ、あの教師はすごい人だぞ。さっきアダルトブログのランキングを見てたら、ステ娘って人のサイトがあったんだ」
「へぇ……あの教師、自分でもアダルトブログを書いてるんだ」
「しかもかなりの上位ランカーだ。ブロガーのほとんどは『ブログ王国』っていうポータルサイトに登録してるんだけど、あの教師はアダルトカテゴリの中でトップだった」
修子はノートパソコンを操作して、ブログ王国のトップページを表示した。それは百万を超えるブログが登録されている、ネット最大のブログポータルサイト。サイト内には独自のポイントシステムがあって、INポイントという、要は『応援ポイント』やPV(アクセス数)、ブックマーク(お気に入り登録)数でランキング付けさていれる。
そこから『ステ娘のブログ』にアクセスすると……
「おおっ! エロいな!」
エロフェッショナルを自称する修子ですら思わず声を漏らしてしまうほど過激なページが、出て来る出て来る。きわどい画像、放送禁止ギリギリの用語、サディスティックな言葉づかい。特にこの画像、グラマーなボディラインで誘うように写っているのは、あの教師本人だよね?
顔と身体の大事な部分は隠れてるけど、一糸まとわぬ白い肌は大人のフェロモン全開。モニターから薔薇の香りでも匂ってきそう。
おまけにタイトルは『ステ娘が貴方を教育してあげる♡』って……教師のクセになんて挑発的なブログを書いているんだ。
そんな、エロのお手本のようなブログを夢中で眺める修子。
「にししっ、これはエロい」
恍惚として魅入っているその顔は、もはや十代の女子ではない。あのさあ修子、目つきがヤバイよ?
「見ろイツキ、この写真はエロすぎるぞ。女豹みたいなポーズだ、アタシもやってみたい」
「背がちっちゃい修子じゃ、子猫が伸びをしてるみたいになっちゃうよ」
「おおおっ、こっちは両手でおっぱいを抱えてるぞ! アタシもできるかな?」
「ペタンコの修子に抱えるモノはないよ」
まったく、興奮しすぎ。いい加減にしないと入学式の時みたいに怒られちゃっても知らないからね。
……って気付いた時には、もう遅かった。
「仮面修子」
「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!? この下着姿はスゴイぞ! こんなに足を開いたら見えちゃう!」
「仮面修子!」
「いや、ちょっと待て。……見えてる! 見えちゃってるぞ! ほら、イツキ!」
「仮面修子!!」
「ほえ?」
大胆かつエロチックな悩殺画像に食い入っていた修子の前には、
「ほほう……ずいぶんと気に入ってもらえたようだな。どうだ? 私のブログは」
と、不敵な笑みで見下ろすステ娘教師がいた。
「お前たちも、私のようなブログを目指してみるか?」
そう言って、ふふふ……っと含み笑いを漏らすステ娘教師。目が笑ってない。目が笑ってないよ!?
「だが二人とも、その前に教えてやろう。私は無視されるのが一番嫌いでな。だから、私の話を聞かない生徒には教育が必要だと思わんか?」
「女豹のポーズを教えてくれるのか?」
修子は「にししっ」と笑いながら、とんでもないことを言い出した。ちょっと、空気を読まないにも程があるんじゃないの!?
一瞬で凍り付く教室内。
と――
ズバッ!
「あうっ!」
修子の脳天にメガトンチョップが炸裂し、
ズガッ!
「いだっ!」
僕の脳天にもギガトンチョップが降ってきた。
僕たちは仲良く机に倒れ込み、しばらくの間はお星さまを数えながらステ娘教師の話を聞くのだった。
アダルト科の担任、ステ娘教師は、
美人でナイスバディでドSな女豹で、
ついでにアダルトカテゴリのトップブロガーで、
おまけに暴力教師だった。
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