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2章 領地での暮らし

神子様と死の女神

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しばらく期末テストがあって放置していました。

すみません

終わったので、結構早く更新できると思います。

これからもよろしくお願いします。
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アイビリアン様は、棍棒を置き白い手を祈るように組んで詠唱を始めた。

【原初の精霊であり 最初の世界の娘である 世界樹の女神であり植物の精霊王であるアイビリアンが命ずる 死を管理し死を操る女神よ わが主人精霊神への償いのために その姿をここに表せ -降臨せよ 死の女神ー】

魔法陣の中に黒い嵐が吹き荒れた。魔法陣から出ようと暴れる嵐だけど緑の光がしっかり押さえこんでいて、その黒い嵐はただただ暴れるだけ。すごい力を感じるのにものともせずに、封じ込めているアイビリアンさんはガチで強いって簡単にわかる。

【何の用だ、精霊女神の犬。妾は暇人ではないぞ】

黒い嵐があきらめたように鳴りやみ、ずるりと死の女神が現れた。15歳程度に見える死の女神は、赤を基調とした十二単を着ていた。……十二単?

【破壊神の狂信者、私も暇人ではないわ】

アイビリアン様は、いらいらした調子で死の女神を睨みつけた。死の女神は、金色の扇を口元にあてていて口角は見えないが、確実に笑っていると判断できる。

【精霊神の犬よ、別に妾は狂信者ではない。ただ、破壊神を好いておるだけよ】

好いておる=好きってことか。待って、あのヤンデレシスコンを好きって死の女神様、あなた男を見る目おかしいぞ?

【諦めが悪いわね。昔の彼氏なんてさっさとあきらめて、早く新しい男に乗り換えたほうがいいともうわよ?】

昔の彼氏??死の女神と破壊神って恋人同士だったの?

【それはそなたにも言えるだろう、精霊女神の犬。そなただって創造神と別れてから、新しい恋人を作る気配がないではないか?】

……はい?アイビリアン様は、創造神様の元カノ?

【私が恋人関係を持っていないのは、最近の神界にろくな男がいないからよ、狂信者。あなたみたいに、執着をしてこのような騒ぎを起こすような真似はしていないわ】

確かに神界にはろくな男がいなさそうだけど……。アイビリアン様と創造神様がモトカレカノ同士だったのは、アイビリアン様が否定しないからマジらしい。意外過ぎる……。

【恋心には素直なほうがいいと、恋の女神が言っていたぞ?犬】

素直すぎるのも問題だと思うんだけど?俺、殺されかけたし……。

【頭が沸騰している女神の言うことを聞く、あなたの思考回路が分からないわ。それよりも、神子様を地上に返してくれるかしら?】

アイビリアン様では、俺を地上に返せないのか……。早く返してくれない?死の女神。

【いやだ。妾の試練を突破するまでその小僧は地上に返す気はないぞ】

真っ黒な見ているだけで吸い込まれそうな闇色の目で、俺の目を見つめる。確かにこの人は狂信者だ、と確信させるような雰囲気がその眼にはあった。
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