ギャルゲーの悪役子息に転生しましたが、主人公の邪魔をする気はないです。 それよりも領地に引きこもってのんびり魔道具開発を行いたいです。

2章 領地での暮らし

神子様、お願いする

【えっと……】

どう反応すればいいかわかんない。

【まぁ座れ。せっかく精霊たちが、苦労して用意した席じゃ】

浄化の女神さまは、優雅に俺同様の木の葉の上に座った。

【わかりました】

俺も自分の席として、用意されていた木の葉の上に座り込む。

【そなた、妾に用があってこの歓迎会に出席したのじゃろう？】

一言もそんなこと言ってないのに、どうして知ってるの？

【はい、用があってきました】

この女神さま、謎すぎる。

【うむ、申してみよ】

言ったほうが、いいのかな？申してみよって言われたから、はっきり言ってみよう。

【母が、邪神にとりつかれてしまいました。なのにで、浄化の女神さまのお力で、母から邪神を引きはがしてほしいのです】

白目と虹彩の区別がつかないくらい白に近い瞳を、じっと見つめた。

【破壊神の専属の仕業か。相変わらず汚い奴だ】

浄化の女神さまは、破壊神と会ったことがあるらしい。精霊神様をレイプ未遂したことあるやつって、本当にどんな奴なんだろう？

【引きはがすことはできますか？私にやれることがあれば、何でもやります】

実際、俺のせいだからね。やれることなら、何でもやる。

【できないことはないのじゃが、そなたに妾が試練を与えなくてはならないのじゃ】

試練？あー、アイビリアン様が言ってた神様になるために与えられるやつのことか。

【どのような試練ですか？】

最近は、簡単なのが多いよ。ってアイビリアン様が言ってたな。

【この試練は、妾がそなたの願いをかなえる試練じゃから、昇格の試練とは認められない試練じゃ。わかっておるか？】

願いをかなえるための試練とかあるんだ！神様にならなくていいという願いを、かなえてくれる試練とかあるのかな？

【はい。大丈夫です】

どんな試練でも受けるつもりだったし。周りがクズ過ぎる神様なんかに、なりたくないし。

【それならよい。ふむ、そなたにどのような試練を授けるか】

とても考え込んでいますって雰囲気だが、見た目が3歳児なので、前世のおばあちゃんちにあった、ちょっと大きめのビスクドールみたいだ。



【そなたに与える試練が、決まったのじゃ】

5分くらいじっと考え込んでいた浄化の女神さまが、急にしゃべりだしたからびっくりした。どんな試練なんだろう？