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2章 領地での暮らし

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「なんのようだ?」

てかこの精霊誰?

『んーとね、私はー太陽の精霊マルグリット。一応この国の守護精霊やってまーす』

え?

「本当?」

『うん、私はーマルグリット7世だけどねー』

神様みたいな代替わりってやつなのかな?聞くべきか、聞かないべきか……。

「神様みたいな、代替わりってやつか?」

好奇心に、負けた……。

『そうそうー、それでー7代目。最近変わったばっかりでー神子様にご挨拶に来たんだー。この国に住んでるのにーこの国でー一番偉い精霊がー精霊神様の神子様にーご挨拶しないのはーいろいろ問題あるからねー。そんなことしたらーほかの国の守護精霊とかー精霊王様とかー精霊神様にー〆られちゃうからね』

ハハハハ見たいな感じの乾いた表情で、この国の守護精霊マルグリットはそう言った。なんか、マナー講座の後の俺みたいで、親近感がわく。

「そうなのか」

『そうなのー。というわけで、ご挨拶させていただきます。

 妾は太陽の精霊マルグリットの名を受け継ぎし光の精霊
 この国を守り慈しむ母としてこの国を守護している
 
 わが愛しの国へよくぞいらしていただいた 歓迎する 神子様』

スゥっと息を吸って朗々と言った。さっきの間延びした声の軽そうな人はどこに行ったの?レベルの変貌だ。

「ご歓迎に感謝する」

俺の口からも、するっと無意識に言葉が紡がれた。あの神界の言葉を読んだときみたいな感じだ。

「フェル様、いったい誰とお話しなさっているのでしょうか?もしかして、精霊様ですか?」

ワクワクキラキラみたいな感じで、アリス様は聞いてきた。

「うん、この国の守護精霊マルグリット様と話してたんだ。ほっといて済まない」

ごめんね、アリス様。

「えぇ!太陽のマルグリット様とですか?」

小さい口を手で押さえて目を丸くして、そう聞いてきた。

「そうだ」

『現界してあげようか?』

精霊を見ることができない人間にも見せるやつだけど、魔力足りるのかな?めっちゃ必要とか言ってたけど。

「魔力は足りるのか?」

『私はー一応守護精霊様だよ?余裕ー余裕ー』

間延びした声のふざけたようないいからだったけど、めっちゃ自信に満ち溢れていて、絶対大丈夫だなっと過信できる感じ。これなら大丈夫そうだな。
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