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渚
思い出話し
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帰ってきた美紅とアイスのお兄さんを見ると、少し仲良くなっているように感じた。
2人が帰ってきたので鍋を食べようと蓋を開ける。
あきらかに煮すぎである。
しかし、これはこれで出汁が出ていて美味しい。
アイスのお兄さんがクリスマスツリーに目をやる。
「あっ!あの写真のツリー?」
何故知っているのかと思いそのまま
「何で知ってるんですか?」
と聞く。
「写真送ってくれた時、たまたま渚と一緒に居て。ニヤニヤしてたから覗いちゃった。わりー」
「わりー」と言ってる割に、顔は悪そうにはしていない。
そんなことよりも、顔がにやける程嬉しかったのかと思うと、少し恥ずかしくなった。
その恥ずかしさを誤魔化すために飲み物を飲もうと、2人に
「買ってきてもらった飲み物飲んで良いですか?」
と聞く。
「いいよ。好きなの飲んで」
と言われたので、無造作に置いてあるレジ袋を開ける。
中には飲み物数本とオムライスが入っていた。
何故オムライスが入っているのだろう?と思っていると、
「それ渚の為に買ってきたけど、要らなかったみたい。俺と美紅が買い物行ってる間に、うまく話が進んでなかった時のため。家追い出されたら食べる物なくなるから」
「さすがに追い出さないですよー」
「そぉ?」
冗談交じりで言われる。
「オムライスは渚の大好物なんだよね!子供の頃からオムライス食べれば機嫌、治ってたから。」
「そうなの!結奈と一緒じゃん!結奈もオムライス大好きで、何かある度に食べてるんですよ」
「そんなに食べてるかなぁ?」
「食べてるよ。飽きないの?」
「飽きないよ。子供の頃からつい食べちゃうんだ!」
「渚も子供の頃からずーっと食べてるよな。あの時も食べてたよな!」
アイスのお兄さん曰く、昔も今と似たようなことがあったらしい。
小学校2年生。渚のお母さんが再婚して少しした頃。
渚は新しく来たお父さんに馴染めずにいたらしい。勿論、最初から何事もなく仲良く暮らすなんて無理な話だ。
本当の父ちゃんの事もあるだろう。
大人ならば、複雑な感情が有る事が分かるのだが、まだ小学生の渚にとってはその事を理解するのは難しい。
その為、中々上手く接することができない自分を責めた。
新しいお父さんが凄くいい人だった為に、よけいに自分を責めた。
そしてあの公園に家出をした。
今日みたいに雪が降っていて、何をするでもなく、ただベンチに座ってたらしい。
夕方になっても帰って来ない渚を心配して皆で探した。
そしてアイスのお兄さんが公園に居る渚を見つけて、連れ帰った。
渚の家に行くと、渚のお母さんがオムライスを作ってくた。
1口、渚がオムライスを口に運ぶと、いつもの渚に戻った話を、アイスのお兄さんがしてくれた。
その話しをしている間、渚は「恥ずかしいからいいよー」など言っていたが、アイスのお兄さんが最後まで教えてくれた。
2人とも、子供の頃から本当に仲良しなんだなと思いながら鍋を食べ進める。
2人が帰ってきたので鍋を食べようと蓋を開ける。
あきらかに煮すぎである。
しかし、これはこれで出汁が出ていて美味しい。
アイスのお兄さんがクリスマスツリーに目をやる。
「あっ!あの写真のツリー?」
何故知っているのかと思いそのまま
「何で知ってるんですか?」
と聞く。
「写真送ってくれた時、たまたま渚と一緒に居て。ニヤニヤしてたから覗いちゃった。わりー」
「わりー」と言ってる割に、顔は悪そうにはしていない。
そんなことよりも、顔がにやける程嬉しかったのかと思うと、少し恥ずかしくなった。
その恥ずかしさを誤魔化すために飲み物を飲もうと、2人に
「買ってきてもらった飲み物飲んで良いですか?」
と聞く。
「いいよ。好きなの飲んで」
と言われたので、無造作に置いてあるレジ袋を開ける。
中には飲み物数本とオムライスが入っていた。
何故オムライスが入っているのだろう?と思っていると、
「それ渚の為に買ってきたけど、要らなかったみたい。俺と美紅が買い物行ってる間に、うまく話が進んでなかった時のため。家追い出されたら食べる物なくなるから」
「さすがに追い出さないですよー」
「そぉ?」
冗談交じりで言われる。
「オムライスは渚の大好物なんだよね!子供の頃からオムライス食べれば機嫌、治ってたから。」
「そうなの!結奈と一緒じゃん!結奈もオムライス大好きで、何かある度に食べてるんですよ」
「そんなに食べてるかなぁ?」
「食べてるよ。飽きないの?」
「飽きないよ。子供の頃からつい食べちゃうんだ!」
「渚も子供の頃からずーっと食べてるよな。あの時も食べてたよな!」
アイスのお兄さん曰く、昔も今と似たようなことがあったらしい。
小学校2年生。渚のお母さんが再婚して少しした頃。
渚は新しく来たお父さんに馴染めずにいたらしい。勿論、最初から何事もなく仲良く暮らすなんて無理な話だ。
本当の父ちゃんの事もあるだろう。
大人ならば、複雑な感情が有る事が分かるのだが、まだ小学生の渚にとってはその事を理解するのは難しい。
その為、中々上手く接することができない自分を責めた。
新しいお父さんが凄くいい人だった為に、よけいに自分を責めた。
そしてあの公園に家出をした。
今日みたいに雪が降っていて、何をするでもなく、ただベンチに座ってたらしい。
夕方になっても帰って来ない渚を心配して皆で探した。
そしてアイスのお兄さんが公園に居る渚を見つけて、連れ帰った。
渚の家に行くと、渚のお母さんがオムライスを作ってくた。
1口、渚がオムライスを口に運ぶと、いつもの渚に戻った話を、アイスのお兄さんがしてくれた。
その話しをしている間、渚は「恥ずかしいからいいよー」など言っていたが、アイスのお兄さんが最後まで教えてくれた。
2人とも、子供の頃から本当に仲良しなんだなと思いながら鍋を食べ進める。
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