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Death March 2
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そこで逃げなかった汗だく消防隊員に話を聞くと、木場公園の近くでゾンビが大量発生。どうも未発見だった空間接続型ダンジョンからの流出らしい。
しかしアンデッドは有効なスキルを持っていないダンジョン能力者では倒せぬため、警察と協力して木場公園にまで誘導。そうしてそのまま足の速い囮役が、ゾンビを公園内に留めるため必死の鬼ごっこを続けていたという。
「現場の指揮は誰が?」
「今はわかりません。ヤツラをここに留めるのに必死で…。でもここまで引っ張ってきた時には、警察側で指揮を」
「そうか、解った。あとはオレが引き受けるから、ゆっくり休んでくれ」
「ハァ、ハァ…た、たのみます」
ああうん、息切れてるとこ説明までさせてゴメンよ。外に出れば盾もった警官がいるから、彼らに助けてもらうといい。
(しかし、指揮をしてる人間が見当たらないのは不安だな…)
フラついている消防隊員が安全圏まで離脱するのを見送ると、コチラに向けまた集まってきているゾンビどもに眼を向ける。
「まあいい。ではいっちょ、やるとするか…」
ゾンビ。腐って腐乱した死体ながらも、元気に動き回っているふざけたヤツ等。人生終えた死体なんだから、もっと落ち着きをもって欲しい。
ただ昨今のゾンビ映画にみられるような、飛んだり跳ねたりダッシュはしない。
その動きはぎこちなく緩慢で、転ぶとすぐには起き上がれない。でもずっと動き続けているので何か障害物にぶつかると、それを頼りに直立状態に戻ったりする。そういった意味では、まぁ正統派ともいえる。
脳みそは当然腐ってて、目も耳もダメになってるので感覚器官は死んでる筈。しかしそれでも人をみつけては襲おうと近づいて来るので、おそらくはオーラ視のようなモノで周囲の状況を把握している模様。
なので遠くに石を投げたりして音を立てても反応はないが、ちょっと障害物に隠れた程度では隠れきれず、まっすぐ襲いかかってくる。
そして倒すにしても、ゲームみたいなヘッショは通用しない。頭部を破壊したところで相手は変異したウイルスなどではなく悪霊怨霊の類。なので指一本でも残ってれば、ズルズルと蠢いて人を襲おうとする。
それだけに下手に攻撃してしまうと、最悪だ。
見た目にもさらにグロくなったうえ、傷口からは腐乱汁まき散らしながら襲いかかってくるので、余計に厄介な相手となってしまう。故にゾンビを倒すには一気にバラバラにして無力化するか、スキルの魔法攻撃でその霊的な部分にダメージを与え、倒しきる必要がある。
とまぁゾンビに関しては、そんなとこか。
あとは基本ばっちぃから、倒した魔石なんかも回収したことないし。地上ではダンジョンと違い、倒してもモンスターが消えぬので後始末が大変。とにかくスーツを着ていても、決して近づきたくはない気味の悪い相手といえる。
「「ウゥゥ…!」」
『ふぁさ~!(ぱらぱら)』
「「ギャアア…ッ!」」
ただ、戦いに関してはコレで決まり。
ソルトスプラッシュどころか花咲爺さんが灰を撒くように塩を撒いてやるだけで、簡単に倒すことが出来る。うむ、恐るべき聖なる塩の浄化パワーよ。
とはいえ数が多ければ、それなりに工夫も必要。バラけて迫ってくるゾンビどもでは、ひとまとめに倒すのが難しい。そこで中型の岩塩三日月を生み出すと、オーラ念動によりその動きをコントロールし次々ヒットさせていく。
「岩塩三日月飛翔斬!」
解説しよう。ソルトラッガーは頭上で合わせた両手で生み出した中型三日月状岩塩を、前方へと撃ちだす技。なお、左足を大きく前に踏み出し、そのまま片膝立ちとなって投げるのが正しい作法である。
そして縦一列といった感じで迫ってくるゾンビには、飛距離と貫通力のある攻撃を。
「岩塩飛翔重圧拳撃!」
ソルトプレッシャーパンチは腕部表面に岩塩を生成、形成した衣状の岩塩パンチをオーラ念動によって撃ちだす技。これもまた高らかに技名を名乗り、堂々と胸を張って撃ちだすのが正しい作法である。
こうしてさらに2名の囮役を救出した。
「た、たすかった!」
「な、なんでそんな簡単に、ヤツラを…ッ!?」
(ああ、うん。塩のアンデッド特効って、普通にチートだよね。やってる自分でもそう思うよ)
そこで今まで頑張って囮をしていた彼らにも、そんな無双タイムを体験させてあげようと聖なる塩を生み出し分けてあげることに。
「さぁ、ソレで今まで追い回された恨みを、存分に晴らすといい」
「おお!これがあれば…、うおおぉぉ!」
「こいつめ!こいつめ!」
すると上着の布で抱えた塩を手に握り、それをゾンビにぶつける警官と消防職員。
「「ギャアア!」」
(あ、なんかこれって、ちょっとアレみたいだな…)
それを見ていて、なんか勝手に進みながら取った数字で味方が減ったり増えたりするゲームを思い出した。そして年齢が近いこともあり、普通に話しかける。
「じゃあここにも塩を出しとくから、この場は任せていいか?オレは公園の北側をみてくる」
「ああ!ああ!ココはまかせてくれッ!」
「なんだよコレ!すげぇ楽しいッ!」
汗だくでも降って湧いた反撃のチャンスに、爛々と目を輝かせ迫るゾンビに塩をぶつける警官と消防職員。
「うん、まぁそれはいいけど、塩がなくなる前にちゃんと避難してくれよ?」
職業柄危機管理はしっかりしてるだろうけど、浮かれ過ぎて逃げ遅れやしないか、ちょっと心配だ。
しかしアンデッドは有効なスキルを持っていないダンジョン能力者では倒せぬため、警察と協力して木場公園にまで誘導。そうしてそのまま足の速い囮役が、ゾンビを公園内に留めるため必死の鬼ごっこを続けていたという。
「現場の指揮は誰が?」
「今はわかりません。ヤツラをここに留めるのに必死で…。でもここまで引っ張ってきた時には、警察側で指揮を」
「そうか、解った。あとはオレが引き受けるから、ゆっくり休んでくれ」
「ハァ、ハァ…た、たのみます」
ああうん、息切れてるとこ説明までさせてゴメンよ。外に出れば盾もった警官がいるから、彼らに助けてもらうといい。
(しかし、指揮をしてる人間が見当たらないのは不安だな…)
フラついている消防隊員が安全圏まで離脱するのを見送ると、コチラに向けまた集まってきているゾンビどもに眼を向ける。
「まあいい。ではいっちょ、やるとするか…」
ゾンビ。腐って腐乱した死体ながらも、元気に動き回っているふざけたヤツ等。人生終えた死体なんだから、もっと落ち着きをもって欲しい。
ただ昨今のゾンビ映画にみられるような、飛んだり跳ねたりダッシュはしない。
その動きはぎこちなく緩慢で、転ぶとすぐには起き上がれない。でもずっと動き続けているので何か障害物にぶつかると、それを頼りに直立状態に戻ったりする。そういった意味では、まぁ正統派ともいえる。
脳みそは当然腐ってて、目も耳もダメになってるので感覚器官は死んでる筈。しかしそれでも人をみつけては襲おうと近づいて来るので、おそらくはオーラ視のようなモノで周囲の状況を把握している模様。
なので遠くに石を投げたりして音を立てても反応はないが、ちょっと障害物に隠れた程度では隠れきれず、まっすぐ襲いかかってくる。
そして倒すにしても、ゲームみたいなヘッショは通用しない。頭部を破壊したところで相手は変異したウイルスなどではなく悪霊怨霊の類。なので指一本でも残ってれば、ズルズルと蠢いて人を襲おうとする。
それだけに下手に攻撃してしまうと、最悪だ。
見た目にもさらにグロくなったうえ、傷口からは腐乱汁まき散らしながら襲いかかってくるので、余計に厄介な相手となってしまう。故にゾンビを倒すには一気にバラバラにして無力化するか、スキルの魔法攻撃でその霊的な部分にダメージを与え、倒しきる必要がある。
とまぁゾンビに関しては、そんなとこか。
あとは基本ばっちぃから、倒した魔石なんかも回収したことないし。地上ではダンジョンと違い、倒してもモンスターが消えぬので後始末が大変。とにかくスーツを着ていても、決して近づきたくはない気味の悪い相手といえる。
「「ウゥゥ…!」」
『ふぁさ~!(ぱらぱら)』
「「ギャアア…ッ!」」
ただ、戦いに関してはコレで決まり。
ソルトスプラッシュどころか花咲爺さんが灰を撒くように塩を撒いてやるだけで、簡単に倒すことが出来る。うむ、恐るべき聖なる塩の浄化パワーよ。
とはいえ数が多ければ、それなりに工夫も必要。バラけて迫ってくるゾンビどもでは、ひとまとめに倒すのが難しい。そこで中型の岩塩三日月を生み出すと、オーラ念動によりその動きをコントロールし次々ヒットさせていく。
「岩塩三日月飛翔斬!」
解説しよう。ソルトラッガーは頭上で合わせた両手で生み出した中型三日月状岩塩を、前方へと撃ちだす技。なお、左足を大きく前に踏み出し、そのまま片膝立ちとなって投げるのが正しい作法である。
そして縦一列といった感じで迫ってくるゾンビには、飛距離と貫通力のある攻撃を。
「岩塩飛翔重圧拳撃!」
ソルトプレッシャーパンチは腕部表面に岩塩を生成、形成した衣状の岩塩パンチをオーラ念動によって撃ちだす技。これもまた高らかに技名を名乗り、堂々と胸を張って撃ちだすのが正しい作法である。
こうしてさらに2名の囮役を救出した。
「た、たすかった!」
「な、なんでそんな簡単に、ヤツラを…ッ!?」
(ああ、うん。塩のアンデッド特効って、普通にチートだよね。やってる自分でもそう思うよ)
そこで今まで頑張って囮をしていた彼らにも、そんな無双タイムを体験させてあげようと聖なる塩を生み出し分けてあげることに。
「さぁ、ソレで今まで追い回された恨みを、存分に晴らすといい」
「おお!これがあれば…、うおおぉぉ!」
「こいつめ!こいつめ!」
すると上着の布で抱えた塩を手に握り、それをゾンビにぶつける警官と消防職員。
「「ギャアア!」」
(あ、なんかこれって、ちょっとアレみたいだな…)
それを見ていて、なんか勝手に進みながら取った数字で味方が減ったり増えたりするゲームを思い出した。そして年齢が近いこともあり、普通に話しかける。
「じゃあここにも塩を出しとくから、この場は任せていいか?オレは公園の北側をみてくる」
「ああ!ああ!ココはまかせてくれッ!」
「なんだよコレ!すげぇ楽しいッ!」
汗だくでも降って湧いた反撃のチャンスに、爛々と目を輝かせ迫るゾンビに塩をぶつける警官と消防職員。
「うん、まぁそれはいいけど、塩がなくなる前にちゃんと避難してくれよ?」
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