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Plant dungeon exploration 4 tomato
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そうして地下8層。ここまで降りてくるのに3時間を要したので、時間的にもここで調査を切り上げるのがいいだろう。
だがそんな風に考えるオレの前に、またまた凄いモンスターが現れた。
(ウッ!?なんだアイツ…!?)
ヒョロヒョロフラフラといった様子で歩いて来たのは、なんと3つの真っ赤な実のなったトマト。だがそのトマトそれぞれに、なんともリアルな人の顔がついていたのだ。
(う~む…、なんか頭のネジがぶっとんだ画家が描きそうなモンスターだな…)
しかしそうして観察していると、こちらを視認した一株のトマトたちが一斉に口を動かし始めた。
「「「えろれろれろれろ…!」」」
「む、まさか魔法かッ!?ネバリの翼、スタンダップ!!」
『『じゅぱぱんッ!!』』
すると慌てて展開した防御粘液膜に、ジャガイモみたいな石つぶてが突き刺さる。野郎、トマトのくせに魔法を使いやがった。
解説しよう。ネバリの翼とは、いつでも使えるようスーツに付着させていた粘液ストックを翼のように展開して自身を守る技である。これにより魔力で粘液を生み出すよりも素早い対応が可能となり、激しい雨の日にも安心してトゥザヴィクトリーできるのだ。
「ソルトラッガー!!」
そしてお返しとばかりに岩塩三日月斬をお見舞いすると、その一撃で―というか回転多段ヒットしたので一撃といっていいのかだが、お化けトマトは煙となって消えた。
「むぅ、こんな場所で魔法をつかう相手に出くわすとはな…」
魔法を使う相手には、通常の防具ではその用を為さない場合がある。ジャガイモみたいな石つぶてだったから物理ダメージだけだと思うが、それでも用心しておいたほうがいいだろう。
…。
こうして慎重に戦いをつづけ刻限も近づいてきたので、そろそろ引き上げることに。
「むぅ、しかしなんとも不気味な実だな…」
そんなお化けトマトのドロップは、トマト。
でもさく〇ももこ的なふてぶてしい感じの男の子って顔がついていて、非常に食欲をそそられない見た目をしている。でも意外と実はしっかりとしており、持った程度で崩れたり潰れたりはしなかった。
「コレ食えるのか?う~ん、でもたとえ食えたとしても、とても食いたいとは思えんな、うわ!?」
手に持ってそうボヤいていると、そんなトマトが目を開けぎょろりとコチラを睨む。なんだよコイツ、生きてんの?新鮮が過ぎるだろ。
それでもともあれ、お持ち帰りだ。コレも真田薬品さんに納品ついでに持ち込めば、なんかいい感じに研究してくれるだろう。
…。
「わぁ~、なんだそれ!今日のお宝か!スゲェたくさんあるな!」
夕刻、事務所で今日のドロップを応接テーブルに広げていると、指導を終えたシャーク達が帰ってきた。
「植物ダンジョンなのに、真珠ですか…?でも、とても綺麗ですね」
「なぁジャング。その真珠、一個アタシにくれよ」
「ほう、おまえが真珠を欲しいなんて珍しいな。どうしたんだ?それに一個って」
「ああ。おばさんが真珠のピアス失くしたって悲しんでたから、あげようと思って」
「いやそれ真珠のまま渡されても、おばさん困るだろ。それに残念だが、コレは真珠じゃない」
「え、そうなのか!?」
そこで一見真珠にみえるが、実はミミックの卵であると説明してやる。
「え、これモンスターの卵なのかよ!?」
「ほほう、するとブービートラップというわけか。これは興味深いな…」
その説明にシャークは驚き、提督は顎に手をやりミミックの卵を面白そうに覗きこんでいる。
「そこは流石モンスター、強かだと言うべきだろうな。オレも経験が浅ければ騙されるところだった」
「へぇ~、じゃあまたサイコメトリーで分析したんだね」
そこに頭の回転のはやい智が結論を口にする。
「そういうことだ。ところで、みんなの方はどうだった?」
するとシャークと結月ちゃんが口を揃えて笑みをみせる。
「ああ、バッチリだぜ!お客さんもみんな喜んでたしな!」
「はい。またお願いしますって、また参加を希望するお客さんも多かったです」
「そうか、それは良かった」
「ポ、ポクもジェロームさんたちといっしょに、暴れ竹を倒せたよ」
「よしよし、智もよく頑張ったじゃないか」
うむ、ひとまず今日に関しては、みな大満足の成果だな。あとは妖怪嫁たちのお土産に、高霊人参を忘れず持ち帰ってやるとしよう。
だがそんな風に考えるオレの前に、またまた凄いモンスターが現れた。
(ウッ!?なんだアイツ…!?)
ヒョロヒョロフラフラといった様子で歩いて来たのは、なんと3つの真っ赤な実のなったトマト。だがそのトマトそれぞれに、なんともリアルな人の顔がついていたのだ。
(う~む…、なんか頭のネジがぶっとんだ画家が描きそうなモンスターだな…)
しかしそうして観察していると、こちらを視認した一株のトマトたちが一斉に口を動かし始めた。
「「「えろれろれろれろ…!」」」
「む、まさか魔法かッ!?ネバリの翼、スタンダップ!!」
『『じゅぱぱんッ!!』』
すると慌てて展開した防御粘液膜に、ジャガイモみたいな石つぶてが突き刺さる。野郎、トマトのくせに魔法を使いやがった。
解説しよう。ネバリの翼とは、いつでも使えるようスーツに付着させていた粘液ストックを翼のように展開して自身を守る技である。これにより魔力で粘液を生み出すよりも素早い対応が可能となり、激しい雨の日にも安心してトゥザヴィクトリーできるのだ。
「ソルトラッガー!!」
そしてお返しとばかりに岩塩三日月斬をお見舞いすると、その一撃で―というか回転多段ヒットしたので一撃といっていいのかだが、お化けトマトは煙となって消えた。
「むぅ、こんな場所で魔法をつかう相手に出くわすとはな…」
魔法を使う相手には、通常の防具ではその用を為さない場合がある。ジャガイモみたいな石つぶてだったから物理ダメージだけだと思うが、それでも用心しておいたほうがいいだろう。
…。
こうして慎重に戦いをつづけ刻限も近づいてきたので、そろそろ引き上げることに。
「むぅ、しかしなんとも不気味な実だな…」
そんなお化けトマトのドロップは、トマト。
でもさく〇ももこ的なふてぶてしい感じの男の子って顔がついていて、非常に食欲をそそられない見た目をしている。でも意外と実はしっかりとしており、持った程度で崩れたり潰れたりはしなかった。
「コレ食えるのか?う~ん、でもたとえ食えたとしても、とても食いたいとは思えんな、うわ!?」
手に持ってそうボヤいていると、そんなトマトが目を開けぎょろりとコチラを睨む。なんだよコイツ、生きてんの?新鮮が過ぎるだろ。
それでもともあれ、お持ち帰りだ。コレも真田薬品さんに納品ついでに持ち込めば、なんかいい感じに研究してくれるだろう。
…。
「わぁ~、なんだそれ!今日のお宝か!スゲェたくさんあるな!」
夕刻、事務所で今日のドロップを応接テーブルに広げていると、指導を終えたシャーク達が帰ってきた。
「植物ダンジョンなのに、真珠ですか…?でも、とても綺麗ですね」
「なぁジャング。その真珠、一個アタシにくれよ」
「ほう、おまえが真珠を欲しいなんて珍しいな。どうしたんだ?それに一個って」
「ああ。おばさんが真珠のピアス失くしたって悲しんでたから、あげようと思って」
「いやそれ真珠のまま渡されても、おばさん困るだろ。それに残念だが、コレは真珠じゃない」
「え、そうなのか!?」
そこで一見真珠にみえるが、実はミミックの卵であると説明してやる。
「え、これモンスターの卵なのかよ!?」
「ほほう、するとブービートラップというわけか。これは興味深いな…」
その説明にシャークは驚き、提督は顎に手をやりミミックの卵を面白そうに覗きこんでいる。
「そこは流石モンスター、強かだと言うべきだろうな。オレも経験が浅ければ騙されるところだった」
「へぇ~、じゃあまたサイコメトリーで分析したんだね」
そこに頭の回転のはやい智が結論を口にする。
「そういうことだ。ところで、みんなの方はどうだった?」
するとシャークと結月ちゃんが口を揃えて笑みをみせる。
「ああ、バッチリだぜ!お客さんもみんな喜んでたしな!」
「はい。またお願いしますって、また参加を希望するお客さんも多かったです」
「そうか、それは良かった」
「ポ、ポクもジェロームさんたちといっしょに、暴れ竹を倒せたよ」
「よしよし、智もよく頑張ったじゃないか」
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