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land of mystery japan

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神、神か…。むぅ、これは難しい問題だ。

オレはファンタジー好きなゲーマーやアニメファンとしてそんな事を調べたりもするが、信仰自体にはまったくもって興味がない。だって元ネタが知りたくて調べはするものの、調べれば調べるほど神ってヤツは碌なモンじゃないと思うからだ。

ま、でもだからといって、特定の宗教を叩いたりする気も毛頭ない。

ほかに迷惑をかけないで自分らだけでやってる分には、好きにすればいいと思っている。オレが嫌いなのはそういったのをカサに着て自分達は正しくて周りはバカだなんだと攻撃的に騒ぎ立てる連中。

つまり人間だ。

そういった連中はすでに思考がかたく凝り固まってしまっているので、相手の話をまったく聞かず対話による妥協点を見出すことが出来ない。話しても相手の話を聞かずに、思い込みや決めつけが過ぎるってヤツだ。

ま、これは宗教に限らず地域の村おこしなんかでもよく起きることかも。

人口減少に悩んでわざわざ外から人を呼んだってのに、郷に入りては郷に従えで自分達のルールを押し付けてしまう。そういったやり方だったから今まさに寂れてしまっているのに、そこにずうっと住んでてそれで良いと思い込んでしまってる人達には、それが間違いだとは気付けない。

もちろん良い面は変えなくたっていい。ただせっかく新しい人を外から呼んだのなら、同時に新しい風も入れてすこしは風通しも良くしなきゃ、なんにも変らないだろうに。

ま、要するにどっちも相手を受けとめるだけの度量がないことから起きる問題。

だからもうちょっと懐を広く持って、相手の話に耳を傾けるだけでもだいぶ変わるだろうにと思ったりなんかもする。

て、一番問題起こしそうなおまえがいうなって?てへ、そりゃごもっとも。その場にいれば感情的になったりもしてしまうからな。オレなんか気に入らなけりゃお巡りさんとでも揉めちゃうし、気を付けねば。

とはいえ、信仰の問題はとくに複雑だ。

…。

ときに、日本は世界に先駆けて神を降臨させた。いったいそれはなぜだろうか?

恐らくは相撲という神事をルーツにするスポーツを国技として、ず~っとやってきたからであろう。世界にも神を祭り祀るさまざまな催しが数多あるが、特に神から頼まれもしないのに毎週のように行っていたのは相撲くらいのモノだったのではなかろうか。

世界的にメジャーな神が世界的にメジャーなスポーツをみんなでコレやりなさいって推奨してたわけでもないし。「汝、ボールを投げられたらバットで打ちかえしなさい」とか「みんなでひとつのボールを蹴り合いなさい」とは、一度も聞いた事ないもんな。

そして日本の神々は海外で信仰されている神よりも、かなり大らかな性格なのも影響していると考えられる。

他宗教の聖人の誕生日にチョコを配ったり愛をささやいても、なんの問題もなし。

きっと「ハロウィン?ハァ…なんやまたウチの子らは流行のモンに熱上げてェ」など言いながら玄関先に放り出されたランドセルを片付けてくれるオカンみたいな感じなのであろう。

対して世界中に信者の大勢いる神なんかは、世界的シェアを持つ大企業みたいな感じなのではなかろうか。

神は全知全能。神の愛は無限だったとしても、この3次元世界に干渉するには、色々と制約があったりする可能性もまた否定できない。

なのでたとえば「今まさに困ってます。たすけてください!」とサポートセンターに電話しても同じような信者が大勢いるせいでぜんぜん電話が繋がらなかったり、恩恵回線にアクセスが集中しすぎて通信速度が大幅に遅延する事態が発生。それによりまるで画面が表示されなかったりとか。

その一方で日本。八百万も神さまがいれば、まさに大小さまざま。

なかには地域密着型で真心こもったサービスが魅力、なんて神さまもいるかもしれない。うん、オレに塩の加護をくれたちっさい塩の神さまなんて、まさにそんな感じだったし。

「江月さ~ん!準備できたわよ~!」
「ああ、分かった!いま行くよ」

で、そんなことを考えながら納屋にて蟲王スーツを急ピッチで直していると、瀬来さんが呼びに来てくれた。

さて、今日は仁菜さんは川へ洗濯に。ではなく、マサくんユキくんを連れ川遊びに。川湯温泉に遊びに行くそうだ。

マサくんユキくんには山は遠すぎるしふたりは常人なので、背負って跳躍などしては衝撃で怪我を負わせてしまう危険もある。それに仁菜さんは、まだふたりにダンジョン能力者だとは明かしていないそうだ。

そしてオレと瀬来さんはカンガルーに会わせろ会わせろとうるさいシャークと結月ちゃんを連れ、山に入ってみる。あのダンジョン跡地温泉に連れていく予定だ。こちらは全員ダンジョン能力者なので、背負ったまま跳ねまわったとしても問題はないだろう。

さて、どうなるか。うまいことマサルにも会えるといいけどな。
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