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山ダンジョン10層深部
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「ホンマにどこも怪我してへんやろなぁ~?」
「ウン、だいじょうぶだよ。ありがとうシズ…」
心配そうにどこにも異常がないかを調べる仁菜さんに対し、照れくさそうに礼を述べる瀬来さん。
(うむ、仲良きことは、美しきかな)
男連中を手玉にとっては、巧いこと操るといった真似も平気でするらしい仁菜さん。
しかしその一方で心の奥底には、かようにも滴るような深い愛情を持っている。それをこんな風にしてみせられると、なんとも人間とは奥が深いモノだと考えさせられてしまう。
しかしそれはそれとして、危険な目に遭わせてしまった事には謝らねば。
「瀬来さん、危険な目に遭わせてしまってすまなかった。もっとうまく伝えられれば良かったのだが…」
ふたりに歩み寄ると詫びる。
「え?ううん、江月さんのせいじゃないよ!このダンジョンをどうにかしたいっていうのは私のワガママなんだから。それにふたりを付き合わせちゃってる訳だし…」
危ない目に遭った後だというのに瀬来さんもまたオレを責めるような真似はせず、逆に申し訳なさそうに頭をさげた。
「な。万智もこう言うとるし、ええやないのコォチ。ウチらダンジョンセイバーズは、一蓮托生や」
互いにペコペコと頭をさげあっていると、仁菜さんが間に入りそんな風に笑ってくれる。それでオレと瀬来さんも顔を見合わせ、笑い合う事ができた。
「そうだな、オレ達はワンフォアオール」
「ホールインワンね!」
「オールフォアワンやろ万智、それじゃ意味繋がらへんやないの…」
……。
熱い友情と滴るような愛情でかたく結ばれた絆。そんな3つの心がひとつになって粘液をまき散らす前に、敵はなかった。
そうしてダンジョンの最奥めざして潜っていくと、地下10層の深部に他とはまったく雰囲気を異とする空間を発見した。
「ココって…」
「なんやエラいとこに来てもうたなぁ…」
そこは自然洞窟然とした巨大なドーム。にしてはデカい。
壁際はいくつものトンネルと繋がっており、どこかターミナルを思わせる造り。大きさも学校の体育館がまるまる2つは納まってしまいそうな程に、天井も高く空間も広い。そして地面は凸凹としているが、ドームの中心部には平らで円形の石舞台があった。
「ふぅむ、いかにも何かありそうな感じの造りだが…ムッ!?」
「「「ギヂヂヂヂ…!」」」
そこへ壁際にいくつもあるトンネルから、カラダのあちこちに鋭い棘の生えた5メートルほどもあるかという巨大な蟻が何体も湧き出てくる。蟻は9層10層と潜る度に、どんどんとデカくなっていった。
「ねぇ、コイツらってさっきのアリと違くない!?」
「せやね。トゲまでぎょうさんついとって、強そうやな!」
いま現れた5メートル級の巨大蟻は、ただオオクロアリがデカくなったような今までのアリとは違う。身体の節々や頭部からは鋭い棘が突き出ており、さらに顔立ちや体つきが凶悪になっている。
「う~む、コイツはさながらグレートアントといったところか…。気を付けろ、きっと相当に手強くなってるぞ!」
しかし湧き出てきた7体の巨大蟻はすぐに襲いかかってくることはせず、オレ達を無視して石舞台を取り囲むとそれを守るように円陣を組んだ。
「…なにをする気なのかしら?アッ!?」
グレートアントらが固まって一斉に魔力を発する。と、それに呼応するカタチで石舞台が沈んでいく。さらには壁際にあったトンネルもまた連動するように塞がれていく。警戒して動きをみていたが、後手に回ってしまったか。
「これって閉じ込められたんちゃう!?」
「むぅ、そのようだ。どうやらデスマッチをご所望のようだな」
ビリビリと緊迫した空気が次第に高まっていくを感じる。
この気配…。そうだ、ボス級のおでましだ。
「ウン、だいじょうぶだよ。ありがとうシズ…」
心配そうにどこにも異常がないかを調べる仁菜さんに対し、照れくさそうに礼を述べる瀬来さん。
(うむ、仲良きことは、美しきかな)
男連中を手玉にとっては、巧いこと操るといった真似も平気でするらしい仁菜さん。
しかしその一方で心の奥底には、かようにも滴るような深い愛情を持っている。それをこんな風にしてみせられると、なんとも人間とは奥が深いモノだと考えさせられてしまう。
しかしそれはそれとして、危険な目に遭わせてしまった事には謝らねば。
「瀬来さん、危険な目に遭わせてしまってすまなかった。もっとうまく伝えられれば良かったのだが…」
ふたりに歩み寄ると詫びる。
「え?ううん、江月さんのせいじゃないよ!このダンジョンをどうにかしたいっていうのは私のワガママなんだから。それにふたりを付き合わせちゃってる訳だし…」
危ない目に遭った後だというのに瀬来さんもまたオレを責めるような真似はせず、逆に申し訳なさそうに頭をさげた。
「な。万智もこう言うとるし、ええやないのコォチ。ウチらダンジョンセイバーズは、一蓮托生や」
互いにペコペコと頭をさげあっていると、仁菜さんが間に入りそんな風に笑ってくれる。それでオレと瀬来さんも顔を見合わせ、笑い合う事ができた。
「そうだな、オレ達はワンフォアオール」
「ホールインワンね!」
「オールフォアワンやろ万智、それじゃ意味繋がらへんやないの…」
……。
熱い友情と滴るような愛情でかたく結ばれた絆。そんな3つの心がひとつになって粘液をまき散らす前に、敵はなかった。
そうしてダンジョンの最奥めざして潜っていくと、地下10層の深部に他とはまったく雰囲気を異とする空間を発見した。
「ココって…」
「なんやエラいとこに来てもうたなぁ…」
そこは自然洞窟然とした巨大なドーム。にしてはデカい。
壁際はいくつものトンネルと繋がっており、どこかターミナルを思わせる造り。大きさも学校の体育館がまるまる2つは納まってしまいそうな程に、天井も高く空間も広い。そして地面は凸凹としているが、ドームの中心部には平らで円形の石舞台があった。
「ふぅむ、いかにも何かありそうな感じの造りだが…ムッ!?」
「「「ギヂヂヂヂ…!」」」
そこへ壁際にいくつもあるトンネルから、カラダのあちこちに鋭い棘の生えた5メートルほどもあるかという巨大な蟻が何体も湧き出てくる。蟻は9層10層と潜る度に、どんどんとデカくなっていった。
「ねぇ、コイツらってさっきのアリと違くない!?」
「せやね。トゲまでぎょうさんついとって、強そうやな!」
いま現れた5メートル級の巨大蟻は、ただオオクロアリがデカくなったような今までのアリとは違う。身体の節々や頭部からは鋭い棘が突き出ており、さらに顔立ちや体つきが凶悪になっている。
「う~む、コイツはさながらグレートアントといったところか…。気を付けろ、きっと相当に手強くなってるぞ!」
しかし湧き出てきた7体の巨大蟻はすぐに襲いかかってくることはせず、オレ達を無視して石舞台を取り囲むとそれを守るように円陣を組んだ。
「…なにをする気なのかしら?アッ!?」
グレートアントらが固まって一斉に魔力を発する。と、それに呼応するカタチで石舞台が沈んでいく。さらには壁際にあったトンネルもまた連動するように塞がれていく。警戒して動きをみていたが、後手に回ってしまったか。
「これって閉じ込められたんちゃう!?」
「むぅ、そのようだ。どうやらデスマッチをご所望のようだな」
ビリビリと緊迫した空気が次第に高まっていくを感じる。
この気配…。そうだ、ボス級のおでましだ。
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