377 / 613
だいぶふふん者
しおりを挟む
地下7層での大歓迎にて、ジャイアントアントを大量撃破。
しかも向こうは狭いトンネルを一匹しか通り抜けられないところを、こちらは7層へおりてすぐのひらけた場所で迎え撃ったので、4:1のタコ殴り状態。
期せずして宮本武蔵が吉岡一門と戦った際に、閉所におびき寄せ1:1の状態に持ちこんだのと同じような状況で戦えたのが幸いだった。まぁでも、4:1は酷過ぎるか。
ともあれこの戦闘で瀬来さんと仁菜さんがレベルアップ。
瀬来万智
レベル: 24
種族: 人間
職業: 鳴人特待生
能力 ALL380前後
技能:
【酸】・【敏捷】・【剛腕】・【粘液】3
【飛行】?(スーツ効果によるもの)
仁菜静絵
レベル: 23
種族: 人間
職業: 鳴人特待生
能力値: ALL370前後
技能:
【酸】・【敏捷】・【健脚】・【複利】・【粘液】3・【雷】
う~む、ふたりともボス級から生命エナジーを得た訳でもないのに能力値が40近く上昇とは、これもまた山での特訓の成果だろうか。
「あ~、忙しかった。でも楽勝だったね」
「ひっきりなしに来よったけど、狭くて一匹しか通れんかったしなぁ」
うん、ふたりが言うように先頭のヤツが抜け出なければ、後続は戦闘に参加できない。しかも先頭のジャイアントアントは、即粘液で顎を封じられてタコ殴り。
これでは文字通り手も足も出ずにやられる他はない。
蟹や蠍の鋏もそうだが、噛みつく顎を持ったモンスターも同様に閉じる力は強くても、開く力はさほどでもない。ま、せいぜいが閉じる力の1/3程度といったところか。なので隙をみせフェイントで誘い、攻撃で顎を閉じた瞬間に粘液を浴びせてしまえば後はもう顎による噛みつき攻撃が出来なくなってしまうという寸法。
「ふたりともお疲れ様。魔力も消費したし、ここで昼食にしようか」
「「は~い」」
そこで先へと続く通路の奥にはキツイ臭いのする酸を撒いてモンスター避けにし、その手前にはベタベタする粘液膜を設置。
うむ、これでランチタイムを邪魔されることはないだろう。
そうして空間庫から調理器具を取り出すと、お昼の準備。タッパーに甘く煮た超巨大猪のお肉をたっぷり入れて持ってきたから、米を炊いて煮豚丼にでもするか。
……。
昼食後はお昼寝タイムも設け、ふたりにはしっかり精神力を回復してもらう。
なにせ怪我のないよう戦闘毎に魔力を消費して、粘液を生み出してたからな。この先もあるし、精神力はしっかり回復してもらわないと。
さて、ではその間にオレはマサルの手当てでもするかな。
「どれマサル、傷ついたとこをみせてみろ」
マサルの蹴りは非常に強力。だがいかんせん、ガチンコのどつきあいを好む。
顔を狙われればさすがに避けるのだが、身体の方だと躱すよりも攻撃する方を優先してしまう。なのでジャイアントアントに体当たりされたり鉤爪でひっかかれたりといった傷が、二の腕やふとももにいくつもできていたのだ。
「ぶっふふん」
「おい、嫌じゃないんだよ。そんな傷の上にまた傷を負ったら、どんどん治りが悪くなるだろう」
お爺さん特製軟膏の匂いが気に入らなかったのか逃げようとするマサルをおさえつけ、傷口に軟膏を塗り込んでいく。そしてまた傷を負わないようにと、肩やふとももに岩塩で生み出したプロテクターも張り付けておく。
「ぶふん、ぶふふんッ!」
「え、コレも嫌だって?でもまた怪我をしたらしょうがないだろ。あ、おい待てって!わかったから、無理に剥がそうとするな」
邪魔に感じたのか、せっかく作ってやった岩塩プロテクターをむしり取ろうとするマサル。
「しょうがないなぁ。じゃあどうするか…。あ、ならもう、コレでいいか」
岩塩プロテクターを嫌がるマサルの肩に、敷物として尻の下にあった超巨大猪の毛皮をあててみる。
「ぶふふ」
「え、コレならいいって?まったく、面倒くさいヤツだなもう…」
マサルも毛皮ならOKのようなので、魔力を通して加工しやすくすると大きな短冊状にカット。
ん~、大変だけど、そのままだと車のタイヤより丈夫だからな。そうして加工した超巨大猪の毛皮を、鎧の大袖や草摺みたいにしてマサルの身体に張り付けていく。
…。
「ふわぁ…、あ~気持ち良かった。え、ヤダ何よそれ?マサルったら」
「ん~?あ、ふふ…。なんや、それやと武士カンガルーって感じやなぁ」
岩塩プロテクターを嫌ったマサルが超巨大猪の毛皮を身体に張り付けてるのを見て、お昼寝から眼を覚ましたふたりがその様変わりした姿に驚いている。
う~ん、武士か。それじゃあ背中に「だいぶふふん者」とでもノボリもつけてやろうか?
しかも向こうは狭いトンネルを一匹しか通り抜けられないところを、こちらは7層へおりてすぐのひらけた場所で迎え撃ったので、4:1のタコ殴り状態。
期せずして宮本武蔵が吉岡一門と戦った際に、閉所におびき寄せ1:1の状態に持ちこんだのと同じような状況で戦えたのが幸いだった。まぁでも、4:1は酷過ぎるか。
ともあれこの戦闘で瀬来さんと仁菜さんがレベルアップ。
瀬来万智
レベル: 24
種族: 人間
職業: 鳴人特待生
能力 ALL380前後
技能:
【酸】・【敏捷】・【剛腕】・【粘液】3
【飛行】?(スーツ効果によるもの)
仁菜静絵
レベル: 23
種族: 人間
職業: 鳴人特待生
能力値: ALL370前後
技能:
【酸】・【敏捷】・【健脚】・【複利】・【粘液】3・【雷】
う~む、ふたりともボス級から生命エナジーを得た訳でもないのに能力値が40近く上昇とは、これもまた山での特訓の成果だろうか。
「あ~、忙しかった。でも楽勝だったね」
「ひっきりなしに来よったけど、狭くて一匹しか通れんかったしなぁ」
うん、ふたりが言うように先頭のヤツが抜け出なければ、後続は戦闘に参加できない。しかも先頭のジャイアントアントは、即粘液で顎を封じられてタコ殴り。
これでは文字通り手も足も出ずにやられる他はない。
蟹や蠍の鋏もそうだが、噛みつく顎を持ったモンスターも同様に閉じる力は強くても、開く力はさほどでもない。ま、せいぜいが閉じる力の1/3程度といったところか。なので隙をみせフェイントで誘い、攻撃で顎を閉じた瞬間に粘液を浴びせてしまえば後はもう顎による噛みつき攻撃が出来なくなってしまうという寸法。
「ふたりともお疲れ様。魔力も消費したし、ここで昼食にしようか」
「「は~い」」
そこで先へと続く通路の奥にはキツイ臭いのする酸を撒いてモンスター避けにし、その手前にはベタベタする粘液膜を設置。
うむ、これでランチタイムを邪魔されることはないだろう。
そうして空間庫から調理器具を取り出すと、お昼の準備。タッパーに甘く煮た超巨大猪のお肉をたっぷり入れて持ってきたから、米を炊いて煮豚丼にでもするか。
……。
昼食後はお昼寝タイムも設け、ふたりにはしっかり精神力を回復してもらう。
なにせ怪我のないよう戦闘毎に魔力を消費して、粘液を生み出してたからな。この先もあるし、精神力はしっかり回復してもらわないと。
さて、ではその間にオレはマサルの手当てでもするかな。
「どれマサル、傷ついたとこをみせてみろ」
マサルの蹴りは非常に強力。だがいかんせん、ガチンコのどつきあいを好む。
顔を狙われればさすがに避けるのだが、身体の方だと躱すよりも攻撃する方を優先してしまう。なのでジャイアントアントに体当たりされたり鉤爪でひっかかれたりといった傷が、二の腕やふとももにいくつもできていたのだ。
「ぶっふふん」
「おい、嫌じゃないんだよ。そんな傷の上にまた傷を負ったら、どんどん治りが悪くなるだろう」
お爺さん特製軟膏の匂いが気に入らなかったのか逃げようとするマサルをおさえつけ、傷口に軟膏を塗り込んでいく。そしてまた傷を負わないようにと、肩やふとももに岩塩で生み出したプロテクターも張り付けておく。
「ぶふん、ぶふふんッ!」
「え、コレも嫌だって?でもまた怪我をしたらしょうがないだろ。あ、おい待てって!わかったから、無理に剥がそうとするな」
邪魔に感じたのか、せっかく作ってやった岩塩プロテクターをむしり取ろうとするマサル。
「しょうがないなぁ。じゃあどうするか…。あ、ならもう、コレでいいか」
岩塩プロテクターを嫌がるマサルの肩に、敷物として尻の下にあった超巨大猪の毛皮をあててみる。
「ぶふふ」
「え、コレならいいって?まったく、面倒くさいヤツだなもう…」
マサルも毛皮ならOKのようなので、魔力を通して加工しやすくすると大きな短冊状にカット。
ん~、大変だけど、そのままだと車のタイヤより丈夫だからな。そうして加工した超巨大猪の毛皮を、鎧の大袖や草摺みたいにしてマサルの身体に張り付けていく。
…。
「ふわぁ…、あ~気持ち良かった。え、ヤダ何よそれ?マサルったら」
「ん~?あ、ふふ…。なんや、それやと武士カンガルーって感じやなぁ」
岩塩プロテクターを嫌ったマサルが超巨大猪の毛皮を身体に張り付けてるのを見て、お昼寝から眼を覚ましたふたりがその様変わりした姿に驚いている。
う~ん、武士か。それじゃあ背中に「だいぶふふん者」とでもノボリもつけてやろうか?
11
お気に入りに追加
158
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります
まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。
そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。
選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。
あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。
鈴木のハーレム生活が始まる!
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる