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ダンジョンスタンピード第二波 融合
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建物の外へと出てきた、3名の自衛官たち。
寄生型モンスター人面瘡の保管方法と研究機関への移送の手配、それらを上へと報告し指示を仰ぐために1名がその場を離れた。
とそこに、何かトラブルが起きたという噂を聞いた同僚が声をかけてくる。
「なにか大変だったらしいが、もう終わったのか?」
「ああ。無事完了した。だがこれは、いやいやたいした見ものだったぞ」
「ん、どういうことだ?おい、もったいぶらずに詳しく教えてくれよ」
そうして声をかけてきた同僚と、先ほど視た光景の興奮からつい話し込んでしまうふたり。
決して人面瘡を封印したポリバケツから、目を離してしまうつもりはなかった。が、つい話に夢中になり、周囲への警戒が疎かになってしまっていた。
そんな場に、車の影からそっと近づいてくる男の影が。
(アイツ…、俺の都奈美に良いカッコばかりしやがって…!)
車の影から近づいてきた男、それは都奈美に恋慕していた後輩だった。
(フン、アイツばかりに良いカッコさせてたまるか…!俺だってダンジョンに潜ってたんだ。それに、ああしてモンスターを倒してないってことは、どうせアイツじゃ倒せなかったんだろう。へっ、妙なスキルを持ってるらしいが、どうせその程度さ。これで俺の方が上だってことを証明してやる!!)
こうして男は車の影から飛び出すと、ポリバケツに施されていた封印と解き蓋をあけてしまった。
『びゅぶらべちゃ~~ッ!!』
「ぎゃああああああああ!!」
が、蓋があくのと同時に男の顔へと飛び付く人面瘡。
それに驚き、男は武器として使おうと手に持っていたコンクリ片を落としてしまう。
「あ!なにやってるんだお前!!」
「うぎゃああああああああ~~!!」
自衛官たちが異変に気付いた時には、顔に人面瘡を張りつかせた男が苦しげに地面を転がっていた。
そこで暴れる男を取り押さえようと三方から囲んで手を伸ばす。が、突如苦しんでいた男が奇妙な呻り声をあげると、ありえない跳躍力で飛び上がりそのまま建物のなかに駆けこんで行ってしまった。
「バルバルバルバルゥゥ…!ギュリリイィィイィ~~ッ!!」
「あ、不味い!」
「おい、今すぐ追うぞ!」
…。
都奈美さんともうすこし話していたいが、あまり長居をするとまた余計な事に巻き込まれそうだ。さっきもまた跳張医師の質問攻めにあってしまったし、ここは早々に立ち去ろう。
そうして都奈美さんが玄関先まで見送ると言ってくれたので一緒に歩いていると、またも館内に悲鳴と混乱が沸き起こった。
しかもそれは、まっすぐとこちらに近づいてくるではないか。
「都奈美さん、オレの後ろに」
「は、はい」
都奈美さんを背に庇い心のデフコンレベルを上げると、何者かが人混みのなかから飛びあがった。
「バルバルゥゥ…シネェ~~ッ!!都奈美は俺のオンナだぁギュリリイィィイィ~~ッ!!」
(む、なんだアイツ!?顔に人面瘡を張り付かせているのか!?)
『バッ!』
「「ふんっ!!」」
『『ドムッ!』』
「ぴギャッ!?」
だがとんでもない事を咆えながら飛びかかろうとしていた怪奇人面瘡男は、後ろから猛ダッシュで追いかけてきた自衛官ふたりの空中ダブルタックルを受け、あっけなく撃墜された。
「おとなしくしろ!!」
『ばきんっ!ぼぎぎ…!』
「クッ!コイツ骨が折れても平気で暴れるぞ!?」
「バルバルゥゥゥ~!」
自衛官さんたちに組み伏せられても人面瘡男は暴れるのをやめず、無理な力が掛かったために骨折していたであろう腕があらぬ方向へと曲がっている。
それでもなお人面瘡男は敵意に満ちた目を、人面瘡に覆われていない片目を、オレに向けてきた。
「ぬ!なんじゃコヤツは!?一体何があったんじゃ!!」
と、そこに騒ぎを聞きつけた大勢の自衛官と飛張医師が殺到。
「すみません!目を離した隙にこの男が、人面瘡の封印を解いてしまったのです…!」
「なんじゃと…。そりゃまたなんという…」
「グルルル、ギュリリイィィイィ~~ッ!」
「「「………」」」
組み伏せられてもなお狂ったように暴れる人面瘡男に、その場に居た殆どの者が息を呑む。
どうみたってマトモな状態ではないし、顔に張り付いた人面瘡と相まってとても人間とは思えなかったからだ。
「小僧…、コヤツも何とかできそうか?」
「それが…今も気の流れを読んでいたのですが、この男性からはもう人間の気の気配が消えてるのです…」
「なんじゃとぉ!?…そ、それではもう、コヤツは化け物に成り果てたという事か??」
「そこまでは解りません…。ですがこうまで敵意を向けられた状態では、スキルを発動させても抵抗されてうまくはいかないでしょう…」
「ゆ、融合個体…」
「「「ざわっ…!!」」」
自衛官のひとりが口にしたその言葉に、周囲には激しい動揺が走ったのだった。
寄生型モンスター人面瘡の保管方法と研究機関への移送の手配、それらを上へと報告し指示を仰ぐために1名がその場を離れた。
とそこに、何かトラブルが起きたという噂を聞いた同僚が声をかけてくる。
「なにか大変だったらしいが、もう終わったのか?」
「ああ。無事完了した。だがこれは、いやいやたいした見ものだったぞ」
「ん、どういうことだ?おい、もったいぶらずに詳しく教えてくれよ」
そうして声をかけてきた同僚と、先ほど視た光景の興奮からつい話し込んでしまうふたり。
決して人面瘡を封印したポリバケツから、目を離してしまうつもりはなかった。が、つい話に夢中になり、周囲への警戒が疎かになってしまっていた。
そんな場に、車の影からそっと近づいてくる男の影が。
(アイツ…、俺の都奈美に良いカッコばかりしやがって…!)
車の影から近づいてきた男、それは都奈美に恋慕していた後輩だった。
(フン、アイツばかりに良いカッコさせてたまるか…!俺だってダンジョンに潜ってたんだ。それに、ああしてモンスターを倒してないってことは、どうせアイツじゃ倒せなかったんだろう。へっ、妙なスキルを持ってるらしいが、どうせその程度さ。これで俺の方が上だってことを証明してやる!!)
こうして男は車の影から飛び出すと、ポリバケツに施されていた封印と解き蓋をあけてしまった。
『びゅぶらべちゃ~~ッ!!』
「ぎゃああああああああ!!」
が、蓋があくのと同時に男の顔へと飛び付く人面瘡。
それに驚き、男は武器として使おうと手に持っていたコンクリ片を落としてしまう。
「あ!なにやってるんだお前!!」
「うぎゃああああああああ~~!!」
自衛官たちが異変に気付いた時には、顔に人面瘡を張りつかせた男が苦しげに地面を転がっていた。
そこで暴れる男を取り押さえようと三方から囲んで手を伸ばす。が、突如苦しんでいた男が奇妙な呻り声をあげると、ありえない跳躍力で飛び上がりそのまま建物のなかに駆けこんで行ってしまった。
「バルバルバルバルゥゥ…!ギュリリイィィイィ~~ッ!!」
「あ、不味い!」
「おい、今すぐ追うぞ!」
…。
都奈美さんともうすこし話していたいが、あまり長居をするとまた余計な事に巻き込まれそうだ。さっきもまた跳張医師の質問攻めにあってしまったし、ここは早々に立ち去ろう。
そうして都奈美さんが玄関先まで見送ると言ってくれたので一緒に歩いていると、またも館内に悲鳴と混乱が沸き起こった。
しかもそれは、まっすぐとこちらに近づいてくるではないか。
「都奈美さん、オレの後ろに」
「は、はい」
都奈美さんを背に庇い心のデフコンレベルを上げると、何者かが人混みのなかから飛びあがった。
「バルバルゥゥ…シネェ~~ッ!!都奈美は俺のオンナだぁギュリリイィィイィ~~ッ!!」
(む、なんだアイツ!?顔に人面瘡を張り付かせているのか!?)
『バッ!』
「「ふんっ!!」」
『『ドムッ!』』
「ぴギャッ!?」
だがとんでもない事を咆えながら飛びかかろうとしていた怪奇人面瘡男は、後ろから猛ダッシュで追いかけてきた自衛官ふたりの空中ダブルタックルを受け、あっけなく撃墜された。
「おとなしくしろ!!」
『ばきんっ!ぼぎぎ…!』
「クッ!コイツ骨が折れても平気で暴れるぞ!?」
「バルバルゥゥゥ~!」
自衛官さんたちに組み伏せられても人面瘡男は暴れるのをやめず、無理な力が掛かったために骨折していたであろう腕があらぬ方向へと曲がっている。
それでもなお人面瘡男は敵意に満ちた目を、人面瘡に覆われていない片目を、オレに向けてきた。
「ぬ!なんじゃコヤツは!?一体何があったんじゃ!!」
と、そこに騒ぎを聞きつけた大勢の自衛官と飛張医師が殺到。
「すみません!目を離した隙にこの男が、人面瘡の封印を解いてしまったのです…!」
「なんじゃと…。そりゃまたなんという…」
「グルルル、ギュリリイィィイィ~~ッ!」
「「「………」」」
組み伏せられてもなお狂ったように暴れる人面瘡男に、その場に居た殆どの者が息を呑む。
どうみたってマトモな状態ではないし、顔に張り付いた人面瘡と相まってとても人間とは思えなかったからだ。
「小僧…、コヤツも何とかできそうか?」
「それが…今も気の流れを読んでいたのですが、この男性からはもう人間の気の気配が消えてるのです…」
「なんじゃとぉ!?…そ、それではもう、コヤツは化け物に成り果てたという事か??」
「そこまでは解りません…。ですがこうまで敵意を向けられた状態では、スキルを発動させても抵抗されてうまくはいかないでしょう…」
「ゆ、融合個体…」
「「「ざわっ…!!」」」
自衛官のひとりが口にしたその言葉に、周囲には激しい動揺が走ったのだった。
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