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―13:30 冬木部長到着、聞き取り開始―
―13:36 山色、トラブル解決後サーバー接続―
―13:40 山崎課長、沖田部長到着―
―同時刻 報告会開始―
―14:02 社長到着―
「やぁ、諸君!お疲れ様」
「し、社長?!」
突然やってきた社長に周りがざわめいた。普段からあまり社員の前に姿を出さない社長の満を持しての登場である、慌てるのも無理はない。
「山色くん。お疲れだったね。それで、うまくいったんだろう?」
「はい」
「ま、君にできなかったら誰にもできないからね」
「はっはっはっ」と豪快に笑う社長にため息を返す。サラッと言ってくるが彼は、私にできないことは何もないのだと本気で思っている節がある。ここ数年の付き合いだが、その思い込みのおかげで入社してからそれはもう馬車馬の如くこき使われてきたのだから、何とも苦笑でしか返せない。
社長は入り口から周りを見渡して、「ふむふむ」と顎に手を当てた。
「社員の皆さん、いつもご苦労さま。君たちの頑張りは、冬木くんからよく聞いているよ。君たちのおかげで、この会社も日々成長し続けている。支えてくれて、本当にありがとう」
この社長は彼の父親の代から引き継いだ小さな町工場を一代で一部上場企業までのしあげた、界隈ではやり手で有名な人だ。還暦を目前にした今でもその鍛え抜かれた身体はスーツでは隠しきれないものがある。それでも普段は優しい顔したオジサンだが、その実皮を被った狸であることを私はよーく知っている。
「さて、そんな我社の誉である君たちに改めて伝えたいことがある」
フロアの中央まで歩みを進めてから話し出す様は、どこぞのプレゼンか、まるで新商品を世間に公表するお披露目会見の如く立ち回りで、フロア内全員の意識が社長に行き目が離せなくなっていた。
「失敗とは誰にだってあるものだ。私だってこれまで多くの失敗を重ねてここまで来た。一時はそのせいで会社存続の危機なんてこともあった。そんなかつての私が追い求め、また今の私も欲するもの……それは利益と実績だよ。損害というものはいらない」
「ところで、」と一度区切ってから、また周りを見渡した。その顔からは先程まで話していた穏やかさが消えていて、目の合った若い社員が「ひっ」と喉を鳴らす音が聞こえた。
「今回のシステムダウンにおける損害額はいくらになったかな?」
その声色は優しいものであったが、金本さんはじめとするここにいる社員全員が息を呑む程の鋭さがあった。誰もが動けない中、出入口に腕を組みながら凭れてフロアを見渡していた楓先輩が、大きなため息を一つついて、手に持っていた紙を山崎課長に渡した。
「山崎くん。どうなってる?」
「詳しい試算は全て片付いたら出しますが、深山くんの見立てだと、…これくらいだと」
金本課長が言う金額は思いもよらないものであったらしく、ほとんどの人間が言葉を失っていった。数字を聞いて「なるほどねぇ」と大きく頷いて、ぐるりと視線を動かした。
「私はね、この損害をカバーできるなら…コネ入社だろうが規約を破ろうだろうが、まぁなんだっていいんだよ。処分の話は、その後ね」
ぞっとする空気がフロア内を充満する。冬木部長も山崎課長もそれぞれにぞくりとする怖さがあるが、一番の大将はやはりこの人だと改めて植え付けられた。
「…いや、規約破りは困るから。今どき年少さんでもルール徹底できるから」
「あっはっは!深山くんの言うとおりだ!」
呆れた口調で呟いた楓先輩を社長が豪快に笑った。それでも和むことはないこの張り詰めた空気の中、私の手元でスマホが震える。
ブブッ
「すみません、私です」
やけに響いたバイブ音に少し冷たい目で見られつつ、そこに書かれた情報に目を通す。流石、持つべきものは仲間たちだなと口角があがった。スマホをポケットにしまって顔を上げると、こちらを見ていたらしい社長と目が合う。そのままにっこりと笑った社長は、その場で大きく手を2回打った。
「まぁとりあえず、これ以上この場で議論を続けるのは時間の無駄だね。部長クラスはこの後社長室へ集まって。他の皆さんは通常業務に戻って、これからも頑張ってね。…山色くんも、来れるね?」
「はい」
「じゃあ、解散」
この一言で、ピリついた空気が一気に和らいだ。各所でため息が聞こえる。この部署の人たちも、こういう一体感だけは揃ってるな、なんて少し失礼なことを考えながら、私も作業にとりかかった。
「穂先輩、俺後処理進めときます。バックアップデータを引っ張ってきたらいいですよね?」
「うん。あとこの部署のPCをサーバーに接続させて…あ、問題のあったPCはHDD抜いとこう。そいつの処理は一番最後だね」
「っす」
「それから、「…穂ちゃん」、!ふ、冬木部長…」
声かけてきた冬木部長に思わ肩がはねた。頭の中で報告会前の彼の言葉たちが一様に襲いかかってきて、頭がぐらりとする。彼は私に"愛しい人"だと言った。でも、どうしても昨日の出来事が頭をよぎってしまう。
「改めてお礼を言わせてほしい。君にはとてもお世話になった」
「…いえ。それが仕事なんで」
「君が仕事と割り切っているものは、僕たちには到底及ばない技術なのだから、もっと誇っていいんだよ?」
「誇ることは何もありません。やるべきことをしたまでです。仕事なので」
「……仕事、ねぇ」
呟く冬木部長から目をそらして周りを見渡すと、金本さんがこちらを見ていた。その目はどことなく寂しそうで、頬を叩かれた時には感じなかった不安と怒りがじわりじわりと体を侵食していった。なぜ、あなたがそんな目をするの。なぜ、こんなにも縋りつくような視線を送られる彼は、それに見向きもせずに私を見ているの。このままならない空気にため息が出た。機械相手に引きこもっている方がよっぽど良かったなと改めて思った。こんな関係を望んでいたわけではない。
「それでも僕は責任を感じているよ」
彼の言葉に視線を戻した。責任ってなんだろう。今回のシステムダウンに関する責任は彼女が取るべきものだし、部長としての責任があるのならそれこそ、私には関係のないものだ。
「何の責任ですか?」
「うちの部下が君を傷つけたことだよ」
ぶわりと身体を駆け巡ったのは喜びでも嬉しさでもなく、相反する怒りそのものだった。そんなことを謝ってほしいわけではない。この頬のことは"責任"なんて言葉で自分が背負うことではないのに、上司と部下の関係か、本当に"お気に入り"なのか知らないが、それでも彼女の代わりに謝罪の言葉を述べることが憎らしいと、なぜ分からないのか。叩かれた時には何も感じなかった脳が瞬時に沸き上がり、全身に指令を送る。身体が強張って、自然と大きく息を吸う。
「…っ!はは、…はぁー………ならそれこそお門違いですよ。仮に冬木部長がいらしても、結果は同じです」
「…もう名前で呼んではくれないの?」
なぜあなたがそんなにも切ない顔をするのか、私には到底理解できなかった。強張ったままだったその力で拳を握る。
「っ!呼べるわけないでしょう?!仕事だって…!、あなたが距離を置いたのに!!」
私の大きな声にざわついていた人たちが一度に静まり返った。すぐに下手に怒鳴って注目を浴びたことに頭を抱える。やってしまった、これじゃあ金本さんと同じじゃないか。彼の前で冷静に対処できない自分が嫌になる。額に置いた手に自分のため息がかかって、どんどん惨めな気持ちになっていった。
「…穂先輩?」
「………ごめん、蒼汰くん。後は頼んだ」
「…っす」
私は冬木部長の顔を見ないようにして、個人PCと件のUSBを持ってフロアを後にした。出口に山崎課長がいたので、連れ立って歩みを進める。こんなにもかき乱されて頭痛がするのは、どれもこれも全て寝不足のせいだと片付けて、頭を切り替えた。これから社長室で私の後処理が待っている。私は自分の仕事をする、それだけだ。
―13:36 山色、トラブル解決後サーバー接続―
―13:40 山崎課長、沖田部長到着―
―同時刻 報告会開始―
―14:02 社長到着―
「やぁ、諸君!お疲れ様」
「し、社長?!」
突然やってきた社長に周りがざわめいた。普段からあまり社員の前に姿を出さない社長の満を持しての登場である、慌てるのも無理はない。
「山色くん。お疲れだったね。それで、うまくいったんだろう?」
「はい」
「ま、君にできなかったら誰にもできないからね」
「はっはっはっ」と豪快に笑う社長にため息を返す。サラッと言ってくるが彼は、私にできないことは何もないのだと本気で思っている節がある。ここ数年の付き合いだが、その思い込みのおかげで入社してからそれはもう馬車馬の如くこき使われてきたのだから、何とも苦笑でしか返せない。
社長は入り口から周りを見渡して、「ふむふむ」と顎に手を当てた。
「社員の皆さん、いつもご苦労さま。君たちの頑張りは、冬木くんからよく聞いているよ。君たちのおかげで、この会社も日々成長し続けている。支えてくれて、本当にありがとう」
この社長は彼の父親の代から引き継いだ小さな町工場を一代で一部上場企業までのしあげた、界隈ではやり手で有名な人だ。還暦を目前にした今でもその鍛え抜かれた身体はスーツでは隠しきれないものがある。それでも普段は優しい顔したオジサンだが、その実皮を被った狸であることを私はよーく知っている。
「さて、そんな我社の誉である君たちに改めて伝えたいことがある」
フロアの中央まで歩みを進めてから話し出す様は、どこぞのプレゼンか、まるで新商品を世間に公表するお披露目会見の如く立ち回りで、フロア内全員の意識が社長に行き目が離せなくなっていた。
「失敗とは誰にだってあるものだ。私だってこれまで多くの失敗を重ねてここまで来た。一時はそのせいで会社存続の危機なんてこともあった。そんなかつての私が追い求め、また今の私も欲するもの……それは利益と実績だよ。損害というものはいらない」
「ところで、」と一度区切ってから、また周りを見渡した。その顔からは先程まで話していた穏やかさが消えていて、目の合った若い社員が「ひっ」と喉を鳴らす音が聞こえた。
「今回のシステムダウンにおける損害額はいくらになったかな?」
その声色は優しいものであったが、金本さんはじめとするここにいる社員全員が息を呑む程の鋭さがあった。誰もが動けない中、出入口に腕を組みながら凭れてフロアを見渡していた楓先輩が、大きなため息を一つついて、手に持っていた紙を山崎課長に渡した。
「山崎くん。どうなってる?」
「詳しい試算は全て片付いたら出しますが、深山くんの見立てだと、…これくらいだと」
金本課長が言う金額は思いもよらないものであったらしく、ほとんどの人間が言葉を失っていった。数字を聞いて「なるほどねぇ」と大きく頷いて、ぐるりと視線を動かした。
「私はね、この損害をカバーできるなら…コネ入社だろうが規約を破ろうだろうが、まぁなんだっていいんだよ。処分の話は、その後ね」
ぞっとする空気がフロア内を充満する。冬木部長も山崎課長もそれぞれにぞくりとする怖さがあるが、一番の大将はやはりこの人だと改めて植え付けられた。
「…いや、規約破りは困るから。今どき年少さんでもルール徹底できるから」
「あっはっは!深山くんの言うとおりだ!」
呆れた口調で呟いた楓先輩を社長が豪快に笑った。それでも和むことはないこの張り詰めた空気の中、私の手元でスマホが震える。
ブブッ
「すみません、私です」
やけに響いたバイブ音に少し冷たい目で見られつつ、そこに書かれた情報に目を通す。流石、持つべきものは仲間たちだなと口角があがった。スマホをポケットにしまって顔を上げると、こちらを見ていたらしい社長と目が合う。そのままにっこりと笑った社長は、その場で大きく手を2回打った。
「まぁとりあえず、これ以上この場で議論を続けるのは時間の無駄だね。部長クラスはこの後社長室へ集まって。他の皆さんは通常業務に戻って、これからも頑張ってね。…山色くんも、来れるね?」
「はい」
「じゃあ、解散」
この一言で、ピリついた空気が一気に和らいだ。各所でため息が聞こえる。この部署の人たちも、こういう一体感だけは揃ってるな、なんて少し失礼なことを考えながら、私も作業にとりかかった。
「穂先輩、俺後処理進めときます。バックアップデータを引っ張ってきたらいいですよね?」
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「それから、「…穂ちゃん」、!ふ、冬木部長…」
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「…いえ。それが仕事なんで」
「君が仕事と割り切っているものは、僕たちには到底及ばない技術なのだから、もっと誇っていいんだよ?」
「誇ることは何もありません。やるべきことをしたまでです。仕事なので」
「……仕事、ねぇ」
呟く冬木部長から目をそらして周りを見渡すと、金本さんがこちらを見ていた。その目はどことなく寂しそうで、頬を叩かれた時には感じなかった不安と怒りがじわりじわりと体を侵食していった。なぜ、あなたがそんな目をするの。なぜ、こんなにも縋りつくような視線を送られる彼は、それに見向きもせずに私を見ているの。このままならない空気にため息が出た。機械相手に引きこもっている方がよっぽど良かったなと改めて思った。こんな関係を望んでいたわけではない。
「それでも僕は責任を感じているよ」
彼の言葉に視線を戻した。責任ってなんだろう。今回のシステムダウンに関する責任は彼女が取るべきものだし、部長としての責任があるのならそれこそ、私には関係のないものだ。
「何の責任ですか?」
「うちの部下が君を傷つけたことだよ」
ぶわりと身体を駆け巡ったのは喜びでも嬉しさでもなく、相反する怒りそのものだった。そんなことを謝ってほしいわけではない。この頬のことは"責任"なんて言葉で自分が背負うことではないのに、上司と部下の関係か、本当に"お気に入り"なのか知らないが、それでも彼女の代わりに謝罪の言葉を述べることが憎らしいと、なぜ分からないのか。叩かれた時には何も感じなかった脳が瞬時に沸き上がり、全身に指令を送る。身体が強張って、自然と大きく息を吸う。
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「…もう名前で呼んではくれないの?」
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「…穂先輩?」
「………ごめん、蒼汰くん。後は頼んだ」
「…っす」
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