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―13:17 システム異常アラーム作動―
―同時刻 横山、異常確認。後システム開発課へ連絡―
―13:20 山色、企画開発部に到着後、問題のPC確認―
―同時刻 ファイル書換抑制ソフトによりウイルス沈静―
―13:23 全機サーバー解離後、強制シャットダウン―
「蒼汰くんはUSBの持ち主調べて」
「っす」
その会話を最後に、全神経を集中させてひたすら手を動かした。侵入してきたウイルスを暴き、その逆のコードを入力していく。徐々にカウントの速さは落ち着いていき、しばらくすると完全にストップした。
「っ穂先輩!カウントが…」
「うん」
ファイルデータの書き換えが完全に止まったことを念入りに確認してから、すばやく個人PCに切り替える。このPCは自作したもので、私が作り上げたシステムとその知識が全て盛り込まれたこの世にたった一つしかない相棒だ。これと私の技術が合わさればなんだってできる。そう例えば…
「…先輩、主犯はこいつじゃないですよね…」
「だろうね」
蒼汰くんも薄々気づいているが、金本さんが持っていたこの名刺はフェイクだ。課長のいう"どこの誰か"を知るために、もっと深く潜らないといけない。敵に近づく潜水艦のように…
相手に気づかれないよう慎重に、USBに仕込まれていたハッキングアプリを暴いていく。微かに見えてきた作成者の痕跡から、また潜る。しばらく無心になって指を動かしていると、捉えたのは大本命の一端だった。
「…ビンゴ」
見つけたその痕跡を元に、今度はこちらからしかける。相手はそこまでの防御策を施してなかったようですんなりと入り込むことができた。相手からこちらを特定される前に、抜ける個人情報をできる限り引き抜く。
海外…ヨーロッパ圏、男…30代後半……
もっと知りたい。もっと、もっと深く潜って。
仕事はゲームアプリ作成者…住所、氏名、生年月日、メールアドレス……
そこまで拾い上げたところでプツンと切れた。流石に相手も策を講じてきたらしい。でもここまで分かれば上等だ。
異常のあるファイルのみ摘出し、この部署以外のPCをサーバーに接続する。これでとりあえず、他部署の人たちは通常業務に戻れるだろう。
キーボードから手を離し、ふぅーっと息を吐く私に甘いミルクティが差し出された。蒼汰くんかと思って有り難く受け取ると、頭上から降ってきた思わぬ声にはっとし、顔を上げる。
「お疲れ様」
「…ふ、ゆき…さん」
そこには優しい顔をした彼がいた。彼は私の顔を見るや否や、その大きな右手を伸ばしてくる。でも、寸でのところでその腕は別の手に掴み取られた。
「ふ、冬木部長…こ、これは違うんです…」
「…何が違うのかな?金本くん」
金本さんが震える体で冬木部長の腕にしがみついた。
「あたし、ほんとに知らなかったんです…!こんなことになるなんて…ただ、今日は☓☓社との契約締結日で…ほ、ほんとにあたし…!」
ほぼ真正面から抱きつくようにすがりつく彼女の姿に、先程まで数字やアルファベットを追い続けてぼーっとする頭にふわりと、あの言葉が浮かび上がった。
―彼女とは仕事の話がしたくてね―
―大丈夫。君ならできるよ…―
―……そう。分かった、すぐ戻るね―
―あの子が、今の冬木の、"お気に入り"…―
振り払いたいのに、その都度浮かび上がる言葉に頭痛がして、シワの寄った眉間を触った。目の前のことに集中しなきゃと思うのに、彼が今なお掴まれている腕を振り払わないことに嫌気がさす。そんな資格、私にはないのに。
「穂先輩?大丈夫ですか?」
「っ、あぁ…うん。平気…」
蒼汰くんに声をかけられて顔を上げると、目の前には変わらず優しい顔のまま彼女を見つめる冬木部長がいて、心がずしりと重くなった気がした。
「そ、それに!この人たち…ファイルが書き換えられてるのに、上等とか言って」
「はぁ?何言ってんのあんた」
「だってそうじゃない!言ってたじゃない!!」
「それは違うだろ?ヒステリーもいい加減にしろよな」
「な、なんですって!」
蒼汰くんも思うところから言い返すが、彼女はどんどん声を上げていく。あぁ、もうやめてほしい。今はこんなくだらない話をしている場合じゃないし、そもそもいい加減、その腕にまとわりつく手をはなして…
「そうだろうね。君の仕事に対する真摯さは誰よりも僕が評価しているよ」
黙っていた彼が口を開く。彼から紡がれる言葉に顔色をよくした彼女は、ますます彼にしがみつく力を込めたようだ。
「っ!ぶ、部長!」
「うん。それに…」
ふと視界の端で彼の自由な左手が動くのが分かった。その手は彼女に向かっている。その手を目で追って、私の心が奇声を上げた。
…あぁ、だめ、やめて、なにやってるの、触らないでっ………、!ちがう…そんなことが言いたいんじゃない……もう…いい加減にして、これ以上…私を乱さないで…!
頭を抱え込む。どんどん頭痛がひどくなる。
「仮にもしこうなるなんて知っててやったことなら…それ、犯罪行為だからね。流石の君もそこまでのことはしないんじゃないかな」
場の空気が変わった。ピシリと走った緊張感に、思わず伏せた顔をあげる。そこには自身に縋りつく腕を優しく、けれど力強く振り解く彼の姿があった。
「…っぁ…ぶ、ぶちょ…う…?」
「それに、彼らの仕事に対して感謝し敬意は払えど、文句を言う立場に君も我々も…あるのかな」
ぐるりと周りを見渡してそう言った彼に、私たちが作業中も後ろで騒いでいた人たちも息を呑んだ。自分たちがしてきた仕事がどうなってしまうのか、そんな不安からくる言葉が、私たちへの不満として浴びせられることなんてある話で、蒼汰くんも私も良くも悪くもそれらをスルーしてきたのだが、彼にとってはそうはいかないらしい。冷たい目で見渡す彼に怯え、振り払われた腕をそのままにして固まる金本さんに、彼は改めて向き直った。
「申し訳ないけど、君じゃないんだ」
そう言うとくるりとこちらを見た冬木部長が、解放された自身の右手をまた私に伸ばしてくる。私は思わずそれを振り払った。
パシンッ……
「……っ…」
「…!…すみませ、ん……」
その手で触れてほしくないと思った私と、その伸ばした手はどこに触れるはずだったのかと考える私がいた。こんなにもドロドロな思考回路になるのは生まれて初めてかもしれない、と自分でも少しパニックになる。けれど振り払った時に合った目が逸らせなくて、冬木部長の顔が歪められるのを見ると頭の中は益々混乱した。なぜ、彼がそんなにも悲しそうな顔をするのか…
「僕が求めているのは君だけだ」
逸らせない瞳はそのままに、力強く彼はそう言った。その言葉に私の胸は震え、また伸びてくる腕を今度は甘受する。その右手は私の頬に触れて、外にいたんだろうか、冷たい手が左頬を熱を奪っていく。
「君の大事なときにいられなくてごめんね。状況は聞いたよ。…大丈夫、じゃないよね」
その言葉にはっとして時計を見ると、作業開始から15分程が経過していた。
「ううん…ウイルスの方は、もう…」
「違うよ」
「え?」
「…君の頬、腫れてる。痛かったでしょう?」
あまりに悲しそうな顔をしている冬木部長に言葉をなくす。なぜ貴方がそんなにも辛そうな顔をするのか。もう痛みなんてとっくに消え失せているのに。貴方がそんな顔をする必要なんてないのに。
そんな思いが伝わったのか、冬木部長は少し目を見開いた後、今度は左手で私の顔を挟むようにして右頬を撫でた。
「データとか、そんなことより僕は…君が心配で急いで帰ってきたんだよ。守ってあげられなくてごめん」
この人が謝る筋合いもなければ、謝罪なんて受ける謂れはない。システムなんてのは他人から見ればただの機械で、受け入れられない人にとっては嫌悪感を抱くものだ。こんなことだって稀にある話で…それに、これが私の仕事なのだから。
「…いいえ。私は私の仕事をしたまでです。私はエンジニアですから」
「それでも僕にとって君は、かけがえの無い愛しい人だよ」
間髪入れずに降ってきた言葉に胸が詰まる。いけない、仕事中なのに。でも、なぜ、どうして、貴方はそんなにも…
「ええその通りよ。うちの愛しのエースを傷物にした罪は、しっかり償ってもらいますからね」
「っ…楓先輩」
後ろから聞こえた楓先輩の声に振り返ると、そこには
山崎課長の姿もあって、いつものメンバーの顔ぶれに緊張していた体が緩むのが分かった。
「おい冬木!手を離せ、手を!」なんて言いながら今なお私の頬を撫でる冬木部長の手を楓先輩が無理やり引き剥がす。冷たい手が熱を奪ってくれた筈なのに、叩かれていない頬までまだ熱を持っている気がした。
―同時刻 横山、異常確認。後システム開発課へ連絡―
―13:20 山色、企画開発部に到着後、問題のPC確認―
―同時刻 ファイル書換抑制ソフトによりウイルス沈静―
―13:23 全機サーバー解離後、強制シャットダウン―
「蒼汰くんはUSBの持ち主調べて」
「っす」
その会話を最後に、全神経を集中させてひたすら手を動かした。侵入してきたウイルスを暴き、その逆のコードを入力していく。徐々にカウントの速さは落ち着いていき、しばらくすると完全にストップした。
「っ穂先輩!カウントが…」
「うん」
ファイルデータの書き換えが完全に止まったことを念入りに確認してから、すばやく個人PCに切り替える。このPCは自作したもので、私が作り上げたシステムとその知識が全て盛り込まれたこの世にたった一つしかない相棒だ。これと私の技術が合わさればなんだってできる。そう例えば…
「…先輩、主犯はこいつじゃないですよね…」
「だろうね」
蒼汰くんも薄々気づいているが、金本さんが持っていたこの名刺はフェイクだ。課長のいう"どこの誰か"を知るために、もっと深く潜らないといけない。敵に近づく潜水艦のように…
相手に気づかれないよう慎重に、USBに仕込まれていたハッキングアプリを暴いていく。微かに見えてきた作成者の痕跡から、また潜る。しばらく無心になって指を動かしていると、捉えたのは大本命の一端だった。
「…ビンゴ」
見つけたその痕跡を元に、今度はこちらからしかける。相手はそこまでの防御策を施してなかったようですんなりと入り込むことができた。相手からこちらを特定される前に、抜ける個人情報をできる限り引き抜く。
海外…ヨーロッパ圏、男…30代後半……
もっと知りたい。もっと、もっと深く潜って。
仕事はゲームアプリ作成者…住所、氏名、生年月日、メールアドレス……
そこまで拾い上げたところでプツンと切れた。流石に相手も策を講じてきたらしい。でもここまで分かれば上等だ。
異常のあるファイルのみ摘出し、この部署以外のPCをサーバーに接続する。これでとりあえず、他部署の人たちは通常業務に戻れるだろう。
キーボードから手を離し、ふぅーっと息を吐く私に甘いミルクティが差し出された。蒼汰くんかと思って有り難く受け取ると、頭上から降ってきた思わぬ声にはっとし、顔を上げる。
「お疲れ様」
「…ふ、ゆき…さん」
そこには優しい顔をした彼がいた。彼は私の顔を見るや否や、その大きな右手を伸ばしてくる。でも、寸でのところでその腕は別の手に掴み取られた。
「ふ、冬木部長…こ、これは違うんです…」
「…何が違うのかな?金本くん」
金本さんが震える体で冬木部長の腕にしがみついた。
「あたし、ほんとに知らなかったんです…!こんなことになるなんて…ただ、今日は☓☓社との契約締結日で…ほ、ほんとにあたし…!」
ほぼ真正面から抱きつくようにすがりつく彼女の姿に、先程まで数字やアルファベットを追い続けてぼーっとする頭にふわりと、あの言葉が浮かび上がった。
―彼女とは仕事の話がしたくてね―
―大丈夫。君ならできるよ…―
―……そう。分かった、すぐ戻るね―
―あの子が、今の冬木の、"お気に入り"…―
振り払いたいのに、その都度浮かび上がる言葉に頭痛がして、シワの寄った眉間を触った。目の前のことに集中しなきゃと思うのに、彼が今なお掴まれている腕を振り払わないことに嫌気がさす。そんな資格、私にはないのに。
「穂先輩?大丈夫ですか?」
「っ、あぁ…うん。平気…」
蒼汰くんに声をかけられて顔を上げると、目の前には変わらず優しい顔のまま彼女を見つめる冬木部長がいて、心がずしりと重くなった気がした。
「そ、それに!この人たち…ファイルが書き換えられてるのに、上等とか言って」
「はぁ?何言ってんのあんた」
「だってそうじゃない!言ってたじゃない!!」
「それは違うだろ?ヒステリーもいい加減にしろよな」
「な、なんですって!」
蒼汰くんも思うところから言い返すが、彼女はどんどん声を上げていく。あぁ、もうやめてほしい。今はこんなくだらない話をしている場合じゃないし、そもそもいい加減、その腕にまとわりつく手をはなして…
「そうだろうね。君の仕事に対する真摯さは誰よりも僕が評価しているよ」
黙っていた彼が口を開く。彼から紡がれる言葉に顔色をよくした彼女は、ますます彼にしがみつく力を込めたようだ。
「っ!ぶ、部長!」
「うん。それに…」
ふと視界の端で彼の自由な左手が動くのが分かった。その手は彼女に向かっている。その手を目で追って、私の心が奇声を上げた。
…あぁ、だめ、やめて、なにやってるの、触らないでっ………、!ちがう…そんなことが言いたいんじゃない……もう…いい加減にして、これ以上…私を乱さないで…!
頭を抱え込む。どんどん頭痛がひどくなる。
「仮にもしこうなるなんて知っててやったことなら…それ、犯罪行為だからね。流石の君もそこまでのことはしないんじゃないかな」
場の空気が変わった。ピシリと走った緊張感に、思わず伏せた顔をあげる。そこには自身に縋りつく腕を優しく、けれど力強く振り解く彼の姿があった。
「…っぁ…ぶ、ぶちょ…う…?」
「それに、彼らの仕事に対して感謝し敬意は払えど、文句を言う立場に君も我々も…あるのかな」
ぐるりと周りを見渡してそう言った彼に、私たちが作業中も後ろで騒いでいた人たちも息を呑んだ。自分たちがしてきた仕事がどうなってしまうのか、そんな不安からくる言葉が、私たちへの不満として浴びせられることなんてある話で、蒼汰くんも私も良くも悪くもそれらをスルーしてきたのだが、彼にとってはそうはいかないらしい。冷たい目で見渡す彼に怯え、振り払われた腕をそのままにして固まる金本さんに、彼は改めて向き直った。
「申し訳ないけど、君じゃないんだ」
そう言うとくるりとこちらを見た冬木部長が、解放された自身の右手をまた私に伸ばしてくる。私は思わずそれを振り払った。
パシンッ……
「……っ…」
「…!…すみませ、ん……」
その手で触れてほしくないと思った私と、その伸ばした手はどこに触れるはずだったのかと考える私がいた。こんなにもドロドロな思考回路になるのは生まれて初めてかもしれない、と自分でも少しパニックになる。けれど振り払った時に合った目が逸らせなくて、冬木部長の顔が歪められるのを見ると頭の中は益々混乱した。なぜ、彼がそんなにも悲しそうな顔をするのか…
「僕が求めているのは君だけだ」
逸らせない瞳はそのままに、力強く彼はそう言った。その言葉に私の胸は震え、また伸びてくる腕を今度は甘受する。その右手は私の頬に触れて、外にいたんだろうか、冷たい手が左頬を熱を奪っていく。
「君の大事なときにいられなくてごめんね。状況は聞いたよ。…大丈夫、じゃないよね」
その言葉にはっとして時計を見ると、作業開始から15分程が経過していた。
「ううん…ウイルスの方は、もう…」
「違うよ」
「え?」
「…君の頬、腫れてる。痛かったでしょう?」
あまりに悲しそうな顔をしている冬木部長に言葉をなくす。なぜ貴方がそんなにも辛そうな顔をするのか。もう痛みなんてとっくに消え失せているのに。貴方がそんな顔をする必要なんてないのに。
そんな思いが伝わったのか、冬木部長は少し目を見開いた後、今度は左手で私の顔を挟むようにして右頬を撫でた。
「データとか、そんなことより僕は…君が心配で急いで帰ってきたんだよ。守ってあげられなくてごめん」
この人が謝る筋合いもなければ、謝罪なんて受ける謂れはない。システムなんてのは他人から見ればただの機械で、受け入れられない人にとっては嫌悪感を抱くものだ。こんなことだって稀にある話で…それに、これが私の仕事なのだから。
「…いいえ。私は私の仕事をしたまでです。私はエンジニアですから」
「それでも僕にとって君は、かけがえの無い愛しい人だよ」
間髪入れずに降ってきた言葉に胸が詰まる。いけない、仕事中なのに。でも、なぜ、どうして、貴方はそんなにも…
「ええその通りよ。うちの愛しのエースを傷物にした罪は、しっかり償ってもらいますからね」
「っ…楓先輩」
後ろから聞こえた楓先輩の声に振り返ると、そこには
山崎課長の姿もあって、いつものメンバーの顔ぶれに緊張していた体が緩むのが分かった。
「おい冬木!手を離せ、手を!」なんて言いながら今なお私の頬を撫でる冬木部長の手を楓先輩が無理やり引き剥がす。冷たい手が熱を奪ってくれた筈なのに、叩かれていない頬までまだ熱を持っている気がした。
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