追い求めるのは数字か恋か

あまき

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カタカタ………カタカタ……カタン…

パソコンの音だけが鳴り響く空間はある意味落ち着く。朝からバタついた今日は、経理部との打ち合わせ以外は耳にイヤホンをしてひたすらデスクに齧りついた。経理部との合同案件を進め、一ヶ月後の繁忙期に向けて総務部への申請書類も作成した。事務処理が苦手な私にしては物凄いやる気を見せたと思う。
ふと顔を上げると、時計は昼休憩を指していた。時刻は12:47。一息つこうかと、キーボードから手を離す。イヤホンを外してうーんと背伸びをしたときに、ポンポンと肩を叩かれた。

「お疲れ様です、穂先輩」
「蒼汰くん。お疲れ様ー」
「コーヒーどうぞ」

絶妙なタイミングでコーヒーを渡してくれる蒼汰くんに感動する。何を見て準備しているのか分からないが、私が一息つこうかとタイピングの手を止めると、ちょうどいい温度のコーヒーやお茶が、横から差し出されるので、感謝の印に私は引き出しからお菓子を取り出して、二人で休憩タイムに入るのが日課だった。今日はお昼に仕入れてきたみかん大福である。もちろんコーヒーにだって合う美しく繊細で美味しいお菓子である。
初めてお茶を出されたときは「穂先輩は休憩前にふんわりしたオーラ出すんですよ」と言われて、思わず鏡で確認してみたけれどよく分からず、その時点で蒼汰くんは私の中で気が利きすぎる有能マンへと格上げされたのだ。

「午前中からハイカロリー消費してましたけど、そんな鬼のごとく仕事してたのは、朝のアレのせいですか?」
「アレって……そういうんじゃないし、それにアレっていうけど、れっきとした仕事の話だったよ」
「っていう距離感じゃなかったらしいですけどね、楓先輩いわく」
「それは冬木部長に言ってよ。彼、パーソナルスペースがバグってるんじゃない?」
「それに微動だにせず構えてたって噂の穂先輩自体もバグってたんじゃないですか?」

「リコールいれます?」なんて追い打ちをかけてくる蒼汰くんは分かりやすく不機嫌さを醸し出している。
こうして顔に出るのは彼にとってなかなか珍しいことではあるが、聞いたところで仕事以外での思いの丈を話すような子ではない。ぐっと川の字が刻まれた眉間にそっと手を伸ばす。

「若いのに、跡なるよ」
「………誰のせいですか」
「不機嫌なとこ悪いけど、もっと嫌な話していい?」
「なんです?」
「冬木部長が持ってきたアレ、蒼汰くんにお願いしようと思ってる」

深く刻まれるだろうなと思った皺は意外なほどにすんなり解けて、いつもの彼の顔に戻った。口は尖らせたままなのが幼さを感じさせる。

「なんだ。そんなことですか。いいですよ、やります」
「あれ、冬木部長が嫌いなんじゃないの?」
「嫌いですけど仕事は別です。それに…」
「…?」
「穂先輩の案件になった方がもっと嫌です」
「どういうこと?」
「だって、そんなことになったら冬木部長とべったりしながら仕事することになるじゃないですか」

「その方がよっぽど嫌ですよ」と、眉間に寄せた私の手を掴みながら続けた蒼汰くんに首を傾げる。仕事の内容ではなく冬木部長が彼にとって鬼門であることには変わりないようだが、べったりだなんて語弊があるように思う。

「…ねぇ、それってどういう「っ、あー!もー!また!またなの?!また無言電話なのーーーー!!!」…楓先輩…」
「相変わらず声でけー」

受話器をガンッと置いて顔を伏せた楓先輩は項垂れている。

「毎回内線番号を変えてくるなんて、ほんとにいい度胸してるわよね…」
「確信的な愉快犯ですね」
「あーもー!」

がばっと勢いよく顔を上げた楓先輩は、顔を寄せ合う私たちを見てピシッと固まる。

「楓先輩?どうかしましたか?」
「………今の若者はパーソナルスペースがバグってるのかしら…」
「え?」
「え?」

二人で顔を見合わせていると、「だーもー!」とまた楓先輩が叫び声を上げた。

「ほら、楓先輩落ち着いて。コーヒーどうぞ」
「蒼汰、相変わらず気が利くのね。ありがとう!穂、今日のおやつはなに?」
「みかん大福ですよ」
「わーい!食べる~」

コーヒーとおやつを見た途端、機嫌がよくなった楓先輩にふふっと笑いながら、みかん大福を頬張った。じゅわりと果汁が滲んで、口の中で白餡と蕩けるこの味がたまらない。

「…おやつ、で思い出したんすけど」
「ん?」
「誰か、俺のプリン食べました?」

突然蒼汰くんが神妙な顔で話し出した。

「おいおい、なんの話?」
「いや、この前夜食べようと思って、その日の朝一で冷蔵庫に冷やしといたんすけど」
「夜ってあの日?夜間にシステム更新した」
「そうです」

「てーか、プリン1個に大人気ねーぞ、蒼汰」「いや、俺も別に誰か食ったんならそれでいいんすけど」と二人が会話を続ける中、あれ?と私も思い出した。

「私が朝シュークリーム入れたときには、プリンなんてなかったけどなぁ」
「寝ぼけて食べたんじゃないの?」
「いや、それはないから」

ビシリ、と手を付けてツッコミを入れる蒼汰くんは、最近ますます楓先輩とのコンビネーションが良くなりつつあって、私はそれをほっこりしながら見つめている。まだ2年目なのに、二人の掛け合いは熟年夫婦さえも凌ぐキレがある。

「あ、そういえば穂先輩、あの日の差し入れのシュークリーム、2つもありがとうございました」
「2つ?私、1つだけ入れたよ?」
「え?」
「朝一に駅前のパティスリーで買ったやつ。限定版は残り1個しかなくて」
「は?コンビニのシュークリームじゃなくて?」
「…ん?なんのこと?」

噛み合わない会話に3人は首を傾げた。

「おいおい、どうなってんのよ。プリンが消えてシュークリームが増えたって?」
「誰の仕業ですか」
「私たちじゃないなら課長じゃないの?」
「いや課長はあの日、夕方ここに少し顔を出しただけで、後は出ずっぱりの直帰でしたから」
「それにもしそのシュークリームが課長の差し入れだったとしても、あの人が2つしか買わないなんてのはおかしな話ね」
「確かに。いつも私たち人数分用意してくれますもんね」
「ははは、泥棒の仕業だったりして」

そう最後に言った蒼汰くんの言葉に、楓先輩も私も「まっさか~」なんて返しながらコーヒーを一口飲んで、三人揃って一斉に動き出した。
私は急いで机の引き出しを開ける。大丈夫、貴重品は置きっぱなしにしていないし、盗られたものはない。二人も同じように慌てた様子で周りを確認してから、お互い顔を見合わせて一つ頷いた。また揃って一口コーヒーを飲む。

「まぁ考えてみれば、この部屋は基本誰かいるし、全員が離れるときはどこの部署も鍵かけるんだから、大丈夫よね」
「それに今問題なのは、俺らがいるフロアの外にある給湯室の冷蔵庫ですからね」
「まぁ、何かの勘違いかもしれないし、とりあえずは楓先輩も蒼汰くんも、様子見ってことで」
「「「はぁー」」」

次から次へと、問題は起きるものである。





午後も滞りなく一日の業務を終え、終業時間となったのでいそいそと鞄を手にして立ち上がる。「今日はもうあがり?おつかれ~」なんて手を振りながら話す先輩には挨拶を返したが、隣に座る唯一の後輩はヘッドホンをしながらパソコンに向かっているので、邪魔をしないように気配を無くしてそっとフロアを後にする。エレベーターホールに向かう途中ですれ違った課長とも軽い挨拶を交わすと、頭の中はすっかり帰宅モードだ。目の前に肉を片手ににっこり笑う俊兄の顔が浮かべば、よだれが流れ出そうになる。気の抜けた顔を手で抑えて、目の前で開いたエレベーターに乗り込もうと一歩踏み出すと、そこには例のラスボスが君臨していた。

「あれ、山色くん。帰り?」
「ふ、冬木部長…お疲れ様です」

なぜあなたがここに。回復薬も持っていなければ退路もないところに突然ラスボスが現れるなんて、このダンジョンはもう詰んでいる。

「ふーん、そっか。今朝話したこと、もう少し詰めたかったんだけど…また週明けにしようかな」
「し、仕事の話でしたら、まずは課長を通していただけると。横山に引き継がれますので…」
「つれないなぁ。君の意見が聞きたくてここまで来たんだよ。君がいないなら今日は僕も帰るよ」

あっけらかんと話しているが、これは仕事の話ということでいいんだよね?あの掲示板の話じゃないよね?内心どぎどきしながら狼狽えていると、引き換えしてエレベーターに乗った冬木部長が声をかけてくる。

「なにしてるの?早く乗りなよ」
「あ、いや…その」
「ほら、他で詰まっちゃうから」
「う、あ…し、失礼します」

何が楽しくてこんな狭い空間で二人きりにならなければならないのかと途方に暮れていると、じぃーっとこちらを、主に首にかかった社員証を見つめていた冬木部長が口を開いた。

「ふーん…『やましきみのる』っていうんだ。資料の漢字だけ見てたから、勝手に『みのり』かと思ってた。珍しい名前だよね」
「あ、そうですね。よく言われます」
「何か由来でもあるの?」
「どうなんでしょう」
「親に聞いたりしないの?」
「うーんと、私が小さい頃に両親揃って亡くなってしまったので」

ひゅっと、冬木部長の喉がなる音がした。しまった、こんな密閉空間で話すようなことじゃなかったなと思い直す。私としてはもうすでに気にしていないようなことだが、別に言う必要のないことを言って空気を悪くしてしまったなと反省した。なにか話題を変えようと頭を回転させる。

「も、もともと産まれるまで男の子だと思われていたようで。実がなるという字で『実(みのる)』とつけるつもりだったらしいんですけど…いざ産まれたのが女の子だったので、慌てて漢字だけ変えたと聞きました」
「……ふーん、そうなんだ」

ただでさえぎこちなく感じていた空気を更に暗いものにしてしまったと少し落ち込む。この人は苦手だけど、わざわざ気まずい思いをさせたいわけではない。こんな話をして同情を買いたいわけでもないが、そんな風に思われても仕方のない内容だけにますます気が重くなる。ふいに口をついてしまったが、言わなきゃよかった。感情の見えない冬木部長の返事に思わず溜息をつきそうになる。

 

「でもさ、いい名前だよねほんと。稲穂の穂でしょ?みんなに愛される富の象徴なんて、親御さんも素敵な漢字を当ててくれたね。君にピッタリだ」
「え」

何を言われたのか分からなかった。冬木部長は何事もないかのような顔をしている。後から言葉が耳に届いて、喉の奥で噛み締めてから頭の中にインプットされていった。

「そ、そんなこと……初めて言われました…」
「そう?見る目ない奴ばっかりだね」

この人は楓先輩の話からもとても軽薄な人なのだと聞いていたけれど、選ぶ言葉やその声に優しさが垣間見えて、少し驚いたと同時に早くエレベーターがエントランスにつくように必死に祈った。あまり長く二人きりになりたくないと、心のどこかが叫んでいた。



ポーン……



「…降りないの?」
「あ、降ります…」

冬木部長がボタンを押して開けてくれているドアを、急いで通り抜ける。振り返って頭を下げようとした頭上に、冬木部長の声が鳴った。

「…ねぇ、"みのるちゃん"って呼んでいい?」
「は?」
「ほら、深山も名前で呼んでたでしょ?」

「僕も名前で呼びたいんだけど」そう言いながらエレベーターから降りた冬木部長が私に向かって手を伸ばした。会議室の時と同じように、また私は固まってしまって動けずにいた。心がやけにピリついて冬木部長から目が離せない……
……その時突然私の名前を呼ぶ声がエントランスに響いた。

「……なにしてんだ、穂」
「うぇ?たける…」
「なにしてんだって聞いてるんだよ」
「……?あ、この人は別部署の先輩で、冬木部長っていう……」

振り返った先には健兄がいて、なぜか怖い顔して立っているので私の受け答えもしどろもどろになる。というか、なぜ私が問い詰められなければならないのか。むしろ部外者になる健兄が会社オフィスのエントランスにいることが問題じゃないのか?

「な、なんでここにいるの?」
「今日は早く帰るって言っただろ。ついでに迎えに来たんだよ」

そう言って長い足であっという間に近づいて来た健兄は、私の頭に手を置いてから顔を近づけ、「俊たちが心配してたぞ」と小声で囁いた。そういえば今朝「会社に行きたくない」小学生みたいなことを言って出てきたんだった。思わぬ一言で心配をかけてしまったんだぁと思う反面、それを聞いた健兄が迎えに来てくれたんだろう、その温かい気遣いに先程までピリピリしていた心がじんわりと和らいでいく。だから私も素直に「ありがとう」なんて応えられた。

「…冬木さん、でしたね?いつもうちの穂がお世話になっています」
「…いえいえ、こちらこそ。穂ちゃんにはすごく助けられていますよ」

健兄の怖い顔はまだ解けなくて困惑する。190近い長身の健兄に凄まれる冬木部長はそんなもの諸共せず、同じ目線でにこやかに笑っている。長身二人に挟まれた私はどんどんいたたまれなくなってきて、健兄の袖を引っ張ることしかできない。

「……お迎えが来たなら安心だね。気をつけて帰るんだよ。また月曜日ね、穂ちゃん」
「え、あ、はい。…お疲れ様でした…」

冬木部長はその笑顔を崩さないまま、またエレベーターに乗ってのぼっていった。名前呼びをちゃんと否定できなかったなぁとぼんやり思っていると、健兄がおもむろに私の腕を引っ張って歩き出す。

「ち、ちょっと!早いよ!健兄!」
「会社に行きたくないなんて何事かと思ったら、そういうことか」
「そういうことってなに?!てゆか足の長さ!リーチ差考えて!」
「早く帰らないと焼き肉が冷めるぞ」
「え、なにそれやだそんなの、いそご!!」

健兄から出た焼き肉の言葉に、気持ちは帰宅に一直線だった。冬木部長のことも名前呼びのことも、また今度でいいやと呑気なことを考えながら、今度は健兄の腕を引っ張って帰宅を急いだ。














ーーおまけーー

「ねぇ蒼汰。穂、金曜日に定時帰りなんて…男かな?」
「…楓先輩、暇なんですか?……今日家で用事があるって言ってましたよ」
「家でって…なにがあるのよ、家に」
「知りませんよ。……どーせ今日は寿司か焼き肉なんじゃないですか?穂先輩単純だから」
「あんたねー流石の穂でもそれはないわよ!あれでも狙ってる社員多いんだから」
「…まぁパソコンと会話してなきゃ、まともな人ですからね」
「立ち姿なんて才色兼備そのものだからねー」
「…今頃きっとうまいもん食ってるんですよ」
「……なんかほんとにそんな気がしてきたわ…」
「「はぁー」」








同時刻、山色花屋では

「………で、俺が思うにあれは『冬木部長』のせいだな」
「他部署の部長だなんてまた厄介だね」
「同じ課の人たちがよさげなメンバーだったから油断したな」
「俊兄も悟兄も、一緒に住んでるのになにやってたんだよ」
「健、そうは言うが…特に変化はなかったように思うんだ。なぁ?俊」
「うん。ご飯も毎日お腹いっぱい食べてるし、睡眠もしっかり取れてるから、思い悩んでたとするならここ二三日の話だよ」
「………なんにせよ、今日俺が実際に見た感じ、穂は困惑していたし、対処法は揃えておいた方がいいだろ」
「守兄が来たら作戦会議だな」
「穂にも早く寝てもらわないとね」
「ねーえー!なになに、なんの話ー?」
「「「美味しい肉の焼き方の話だよ」」」

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