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宴を始めよう
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目を覚ましたとき、悠也は真っ暗な広い部屋に敷かれた布団の上で横になっていた。ぱりっとした浴衣も、お日様の匂いのするふかふかの布団の感触も、ここがいつぞやの客間であることを思い出させた。
痛い頭と重たい体をなんとか起こして自身の体を見つめる。キレイに拭かれた身体はまさか雪乃がしてくれたのだろうか、と思うと同時に、自信の痴態が思い出されてぐっと布団を握る。
あの時、雪乃の顔は今までのちょっと意地悪に笑う口角でも、あの凍てついた表情でもなく。少しだけ寂しそうに悠也を見つめていた。どうしてあんな表情をしていたのか。熱に浮かされるだけだった悠也には、雪乃の心が分からなかった。
トントン……スッ…
「お目覚めでしたか」
「………や、まだ…さん」
以前一度悠也を家まで送り届けた山田が、悠也の側に寄って腰を下ろした。
「調子はいかがですか」
「俺、どれくらい…」
「1日程寝ておられました。昨夜来られて、今は夜20時を回ったところです」
窓のない部屋で外の様子も分からなかったが、そんなに経っていたのかと少し驚く。同時にそれほど経ったのに未だに重たい体に昨夜の行為が思い出されて、悠也は目をぎゅっと瞑った。
蘇るのは雪乃の姿……
「ゆき、の…さんは…?」
「姐さんはこれから仕事です」
「…夜なのに」
「常人には分かり得ないことをするのが、俺たちですので……さぁ、もう怖いことはありません。今晩はゆっくり休んで」
(怖いこと…?)
山田の言葉に一抹の不安が過ぎった悠也は、浮かんだ言葉をそのまま口に出していた。
「…まさ、か…雪乃さんは、今」
「そこから先はお気づきになりませんよう」
「…え」
「常人の田中様は知らぬ方がよろしいかと」
「っ」
ここで線を引かれるのは当たり前のことだった。悠也はどう足掻いてもこの組の人たちとは違うし、雪乃から一番遠い人間であることには違いないのだから。
それでも……
「知らなきゃ…だって…俺のせい、でしょう?」
「田中様のせいではありません。小さないざこざが積み重なって、いずれはこうなっていました」
「それでも…お、俺も関わってますから!」
「体もまだお辛いでしょう。今日はここでゆっくりと休んで…」
「っ雪乃さんに!会いたいんです!!」
どんなに熱に浮かされていたとしても、悠也は昨夜のことを全て覚えていた。泣きじゃくるだけの自身を、雪乃は優しく解きほぐしてくれた。その優しさに触れておいて、何もせずにここで一人寝こけることなんて、悠也にはできなかった。
(俺ができることがあるならなんでもしたい。どんな困難でも、彼女のそばにいたい。会いたい。会って、話がしたい…!)
「なら、お会いになりますか」
「っえ!?」
「姐さんはこれから、乱闘の最前線に行かれます」
「さ、最前線…」
「あの人はトップだからって後ろに控えるようなお人じゃありません」
組での雪乃を悠也は知らない。だけどそれはとても彼女らしいと、悠也は思った。
「姐さんの…あの人の狂気に触れますか」
そう言った山田の目の奥にこそ狂気を感じたが、悠也は間髪入れずに返事をした。
「……いいですか。今から行くところは危ないと思っても逃げ場はありません。とにかく、俺の背中から離れないでくださいね」
「は、はははははい」
山田に服と帽子を貸りて見てくれだけ組員のようになれた悠也は、それでもなよっちい体は隠せずにいた。大乱闘とだけあって、屈強な男たちが集まる中での悠也は格好の的となることが予想された。山田がついていてくれるとはいえ、それでも怖いものは怖い。
向かった先は港近くの大きな倉庫で、車から降りた悠也は山田の背にピッタリとくっついた。山田の言葉を聞いて、悠也は絶対にこの背中から離れるものか、と服の裾を固く握りしめ、ゴクリと喉を鳴らした。
「一度倉庫に入れば、とりあえず死ぬか終わるかどちらかを迎えるまで二度と出られませんので」
「ひっ…は、はい」
突然もたらされた究極の二択に声が裏返る。震える足を叱咤しながらも、立ち止まらない山田に連れ立って倉庫へ足を踏み入れた。
「…ぅ、わぁ…!」
中の空気はもわっとしていて、人がたくさん集まっていた。窓のない空間でひしめき合うように集まっているのに、それらは真ん中でぷっつりと二手に別れている。キョロキョロと見渡しながら、あそこが組同士の堺目か、と思っていると、ふとある一点で悠也の視線が落ち着く。真っ二つに別れたその中央にいるのは、昨日悠也に無理やり酒を飲ませたあの男だった。ここに自分がいることは気づかれていないはずだったが、背筋にぞわぞわとしたものが走って、悠也は奥歯をカタカタと鳴らした。
「…大丈夫ですか」
「っ、ひ、っ…ぁの…!」
恐怖から山田の服の裾をぎゅぅっと握った、まさにその時。
キィー……
静かに一台の重厚感溢れる黒い車が来た。途端に場内はピリピリとした肌に突き刺さる空気で溢れかえる。悠也はその殺気の恐ろしさに、思わず山田の腹に腕を回してしがみつく。
……パタン…カラカラカラカラ……
車から降りてきた雪乃だった。
紋付きの黒留袖に、金銀糸を使った錦の袋帯の装いは雪乃の美しさを更に際立たせていた。歩くたびに地面と擦れてカラカラと鳴る金属バットだけがこの場に相応しく思えて、そのアンバランスな姿に誰もが釘付けになった。
「怖い、ですか」
「……っ…いいえ、でも…」
山田の問いかけに、うっかり出てきてしまいそうになる本音を飲み込んだ。悠也とて、怖くないと言えば嘘になる。強面の男ばかりが集まるここは恐怖の塊で、今すぐにでも逃げ出したいとさえ思っている。
でもそれ以上に、あんなにも優雅に人だかりの真ん中を歩く雪乃が心配でたまらなかった。ここにいる皆が見惚れて、睨みつけて、彼女の体に穴が開いたらどうしようか、等と随分場違いなことを考えてていた。
(…ううん、違う。そんな柔らかいものじゃない…)
「…誰にも見てほしくない」
「っ…は?」
「美しい雪乃さんは、俺だけが見ていたい」
(あんな男の目に、美しい雪乃さんを映さないでほしい…俺だけを見てほしい)
悠也はもやもやとするモノでいっぱいになった自身の胸を押さえて、うぅっと唸った。
「…っはは!…安心したよ」
「へ?」
「田中様って…じゅーぶん、頭おかしいんだな」
先程までの丁寧な言葉遣いから一変、口角をあげて見下げてくる山田を見て、悠也は我に返った。その目の狂気はもはや隠されていなくて、途端に体の震えが舞い戻る。
「あっ、いや、今のは…!」
「うるさいと見つかるよ、喋んないで」
「っ!」
「怪我したらさ、あんたのことは俺が一番に縫ってやるから、安心してね」
「は、え?ぬ、ぬう?……!」
縫う、などという不穏な言葉にまた恐怖感が増したが、ふと聞こえた音に意識はそちらを向いた。
カラカラカラ………ガツン
それは雪乃が持つ金属バットの音だった。地面を擦っていたそれは今、雪乃の横で真っ直ぐ上を向いている。倉庫の真ん中で、昨夜の男と雪乃が見つめ合っていた。
「なにトチ狂った格好してんだ、てめぇ」
「今日は祝言を挙げる日だろう?失礼のないようにしないとな」
「はぁ?何言って…」
男の言葉を遮って、雪乃が懐から一枚の紙を取り出した。ヒラリと手放されたそれはゆっくりと男の足元に落ちていく。
「お前んとこの親父がくれたよ。爪の垢一つ残さねぇと約束するなら、お前のことはなにしてもいいそうだ」
「は」
「まぁつまり、勘当書だな。よかったじゃねぇか。晴れて忌々しい三男から卒業だ」
淡々と話す雪乃に、男は少しずつ顔色を悪くしていった。
「て、てめぇ!親父に何吹き込んだ!」
「私は何も…まぁ、身に覚えがあるうちが華だと思うがなぁ」
「なにをっ…!」
「野暮な話はこれくらいにしとこうや。今日は祝の席なんだ」
「っ!だからてめぇ!さっきから何言って」
相手に背を向けて数歩歩いた雪乃が、途中くるりと振り返って、至極楽しそうに笑った。
「今晩は地獄の業火に焼かれながら、閻魔さんとの初夜でも楽しめや」
椿の花飾りを頭で輝かせる雪乃は、金属バットを軽々持ち上げて肩に載せる。
「さぁ、宴を始めようか」
場内に沸いたのは歓喜か、あるいは雄叫びか。その違いが悠也には分からなかった。
痛い頭と重たい体をなんとか起こして自身の体を見つめる。キレイに拭かれた身体はまさか雪乃がしてくれたのだろうか、と思うと同時に、自信の痴態が思い出されてぐっと布団を握る。
あの時、雪乃の顔は今までのちょっと意地悪に笑う口角でも、あの凍てついた表情でもなく。少しだけ寂しそうに悠也を見つめていた。どうしてあんな表情をしていたのか。熱に浮かされるだけだった悠也には、雪乃の心が分からなかった。
トントン……スッ…
「お目覚めでしたか」
「………や、まだ…さん」
以前一度悠也を家まで送り届けた山田が、悠也の側に寄って腰を下ろした。
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「俺、どれくらい…」
「1日程寝ておられました。昨夜来られて、今は夜20時を回ったところです」
窓のない部屋で外の様子も分からなかったが、そんなに経っていたのかと少し驚く。同時にそれほど経ったのに未だに重たい体に昨夜の行為が思い出されて、悠也は目をぎゅっと瞑った。
蘇るのは雪乃の姿……
「ゆき、の…さんは…?」
「姐さんはこれから仕事です」
「…夜なのに」
「常人には分かり得ないことをするのが、俺たちですので……さぁ、もう怖いことはありません。今晩はゆっくり休んで」
(怖いこと…?)
山田の言葉に一抹の不安が過ぎった悠也は、浮かんだ言葉をそのまま口に出していた。
「…まさ、か…雪乃さんは、今」
「そこから先はお気づきになりませんよう」
「…え」
「常人の田中様は知らぬ方がよろしいかと」
「っ」
ここで線を引かれるのは当たり前のことだった。悠也はどう足掻いてもこの組の人たちとは違うし、雪乃から一番遠い人間であることには違いないのだから。
それでも……
「知らなきゃ…だって…俺のせい、でしょう?」
「田中様のせいではありません。小さないざこざが積み重なって、いずれはこうなっていました」
「それでも…お、俺も関わってますから!」
「体もまだお辛いでしょう。今日はここでゆっくりと休んで…」
「っ雪乃さんに!会いたいんです!!」
どんなに熱に浮かされていたとしても、悠也は昨夜のことを全て覚えていた。泣きじゃくるだけの自身を、雪乃は優しく解きほぐしてくれた。その優しさに触れておいて、何もせずにここで一人寝こけることなんて、悠也にはできなかった。
(俺ができることがあるならなんでもしたい。どんな困難でも、彼女のそばにいたい。会いたい。会って、話がしたい…!)
「なら、お会いになりますか」
「っえ!?」
「姐さんはこれから、乱闘の最前線に行かれます」
「さ、最前線…」
「あの人はトップだからって後ろに控えるようなお人じゃありません」
組での雪乃を悠也は知らない。だけどそれはとても彼女らしいと、悠也は思った。
「姐さんの…あの人の狂気に触れますか」
そう言った山田の目の奥にこそ狂気を感じたが、悠也は間髪入れずに返事をした。
「……いいですか。今から行くところは危ないと思っても逃げ場はありません。とにかく、俺の背中から離れないでくださいね」
「は、はははははい」
山田に服と帽子を貸りて見てくれだけ組員のようになれた悠也は、それでもなよっちい体は隠せずにいた。大乱闘とだけあって、屈強な男たちが集まる中での悠也は格好の的となることが予想された。山田がついていてくれるとはいえ、それでも怖いものは怖い。
向かった先は港近くの大きな倉庫で、車から降りた悠也は山田の背にピッタリとくっついた。山田の言葉を聞いて、悠也は絶対にこの背中から離れるものか、と服の裾を固く握りしめ、ゴクリと喉を鳴らした。
「一度倉庫に入れば、とりあえず死ぬか終わるかどちらかを迎えるまで二度と出られませんので」
「ひっ…は、はい」
突然もたらされた究極の二択に声が裏返る。震える足を叱咤しながらも、立ち止まらない山田に連れ立って倉庫へ足を踏み入れた。
「…ぅ、わぁ…!」
中の空気はもわっとしていて、人がたくさん集まっていた。窓のない空間でひしめき合うように集まっているのに、それらは真ん中でぷっつりと二手に別れている。キョロキョロと見渡しながら、あそこが組同士の堺目か、と思っていると、ふとある一点で悠也の視線が落ち着く。真っ二つに別れたその中央にいるのは、昨日悠也に無理やり酒を飲ませたあの男だった。ここに自分がいることは気づかれていないはずだったが、背筋にぞわぞわとしたものが走って、悠也は奥歯をカタカタと鳴らした。
「…大丈夫ですか」
「っ、ひ、っ…ぁの…!」
恐怖から山田の服の裾をぎゅぅっと握った、まさにその時。
キィー……
静かに一台の重厚感溢れる黒い車が来た。途端に場内はピリピリとした肌に突き刺さる空気で溢れかえる。悠也はその殺気の恐ろしさに、思わず山田の腹に腕を回してしがみつく。
……パタン…カラカラカラカラ……
車から降りてきた雪乃だった。
紋付きの黒留袖に、金銀糸を使った錦の袋帯の装いは雪乃の美しさを更に際立たせていた。歩くたびに地面と擦れてカラカラと鳴る金属バットだけがこの場に相応しく思えて、そのアンバランスな姿に誰もが釘付けになった。
「怖い、ですか」
「……っ…いいえ、でも…」
山田の問いかけに、うっかり出てきてしまいそうになる本音を飲み込んだ。悠也とて、怖くないと言えば嘘になる。強面の男ばかりが集まるここは恐怖の塊で、今すぐにでも逃げ出したいとさえ思っている。
でもそれ以上に、あんなにも優雅に人だかりの真ん中を歩く雪乃が心配でたまらなかった。ここにいる皆が見惚れて、睨みつけて、彼女の体に穴が開いたらどうしようか、等と随分場違いなことを考えてていた。
(…ううん、違う。そんな柔らかいものじゃない…)
「…誰にも見てほしくない」
「っ…は?」
「美しい雪乃さんは、俺だけが見ていたい」
(あんな男の目に、美しい雪乃さんを映さないでほしい…俺だけを見てほしい)
悠也はもやもやとするモノでいっぱいになった自身の胸を押さえて、うぅっと唸った。
「…っはは!…安心したよ」
「へ?」
「田中様って…じゅーぶん、頭おかしいんだな」
先程までの丁寧な言葉遣いから一変、口角をあげて見下げてくる山田を見て、悠也は我に返った。その目の狂気はもはや隠されていなくて、途端に体の震えが舞い戻る。
「あっ、いや、今のは…!」
「うるさいと見つかるよ、喋んないで」
「っ!」
「怪我したらさ、あんたのことは俺が一番に縫ってやるから、安心してね」
「は、え?ぬ、ぬう?……!」
縫う、などという不穏な言葉にまた恐怖感が増したが、ふと聞こえた音に意識はそちらを向いた。
カラカラカラ………ガツン
それは雪乃が持つ金属バットの音だった。地面を擦っていたそれは今、雪乃の横で真っ直ぐ上を向いている。倉庫の真ん中で、昨夜の男と雪乃が見つめ合っていた。
「なにトチ狂った格好してんだ、てめぇ」
「今日は祝言を挙げる日だろう?失礼のないようにしないとな」
「はぁ?何言って…」
男の言葉を遮って、雪乃が懐から一枚の紙を取り出した。ヒラリと手放されたそれはゆっくりと男の足元に落ちていく。
「お前んとこの親父がくれたよ。爪の垢一つ残さねぇと約束するなら、お前のことはなにしてもいいそうだ」
「は」
「まぁつまり、勘当書だな。よかったじゃねぇか。晴れて忌々しい三男から卒業だ」
淡々と話す雪乃に、男は少しずつ顔色を悪くしていった。
「て、てめぇ!親父に何吹き込んだ!」
「私は何も…まぁ、身に覚えがあるうちが華だと思うがなぁ」
「なにをっ…!」
「野暮な話はこれくらいにしとこうや。今日は祝の席なんだ」
「っ!だからてめぇ!さっきから何言って」
相手に背を向けて数歩歩いた雪乃が、途中くるりと振り返って、至極楽しそうに笑った。
「今晩は地獄の業火に焼かれながら、閻魔さんとの初夜でも楽しめや」
椿の花飾りを頭で輝かせる雪乃は、金属バットを軽々持ち上げて肩に載せる。
「さぁ、宴を始めようか」
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