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【01】 偽善者との出会い
*005* 絶体絶命のトラブル
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脚の長い大河とアルベルトは、直ぐに目的のアクシデント発生場所に到着した。
そこには、人間国宝が創作した皿が割れて散乱していた。
これには、大河とアルベルトも言葉を失った。
形を変えてしまった作品は、故人の家族に話をつけ、今回の目玉の一つとして、展示販売するはずの作品だった為だ。
今回の一件が露見すれば、次は無いだろう…。
そこにいる全ての者が、今回の事態の大きさを深く認識していた。
大河は、気持ちを切り替えて直ぐに指示を出す。
「ここにある破片を直ぐに片付けろ!! 当事者は、直ぐに副社長室に来い!!」
大河はそれだけ告げると、当事者とその責任者を連れ立って副社長室へと移動した。
アルベルトは、破片を副社長室へと運ぶよう指示し、自身も直ぐに、大河の後を追い掛けた。
副社長室に着くと、山上は即座に大河に頭を下げる。
「この度は、とんだ不祥事を招き、大変申し訳ございません。ワールド・セレクションの代表をしております、山上 宏と申します。」
山上が頭を下げる少し後ろで、小袖と当事者本人も頭を深々と下げる。
「今回の一件の当事者は、お前か?」
小袖の直ぐ横で頭を下げている女性に向かって歩き出した。
「は…はいぃ……申し訳…ございませんッ……!!」
当事者本人は、ブルブルと震えながらワンワンと泣き喚いている。
小袖は、居ても立っても居られずに、二人の間に割って入る。
「この度の件、まことに申し訳ございません。偏に、私の不徳の致すところです。」
そう言って、更に深々と頭を下げた。
小袖は、事態の大きさに頭を下げ続け、未だ、副社長本人の顔を直視出来なかった。
「お前の立場は知らんが、割った本人でなければ関係無い。下がれ!!」
大河の言葉は尤もだった。
「今回の件に関しましては、当社にて賠償致します。関係各所への対応につきましても、全て当方で責任を持って当らせて頂きます。御社の名誉にキズが付かないよう細心の注意を払って対応致します。」
山上は、当事者から会社へと大河の意識が向くように熱弁をふるう。
「対応した詳細につきましては、逐一、御社へとご報告申し上げます。恐れ入りますが、少々お時間を頂きますが、ご容赦ください。」
とんでもない失態ではあるが、形あるものは何時か壊れる。
物を扱っている限り、そのリスクが伴うのは大河自身も充分に理解しているつもりなので、対応次第では、今回の事に目を瞑るのも視野の中に入れている。
「ワールド・セレクションの意向は理解した。私は、そこの当事者の話を聞きたいのだが?」
山上は、大河の意識を会社側に向けさせる事に失敗したらしい。
「当事者以外は、全員席を外せ。」
そこに居た全員は、大河の迫力に退室するしか術が無かった。
そこには、人間国宝が創作した皿が割れて散乱していた。
これには、大河とアルベルトも言葉を失った。
形を変えてしまった作品は、故人の家族に話をつけ、今回の目玉の一つとして、展示販売するはずの作品だった為だ。
今回の一件が露見すれば、次は無いだろう…。
そこにいる全ての者が、今回の事態の大きさを深く認識していた。
大河は、気持ちを切り替えて直ぐに指示を出す。
「ここにある破片を直ぐに片付けろ!! 当事者は、直ぐに副社長室に来い!!」
大河はそれだけ告げると、当事者とその責任者を連れ立って副社長室へと移動した。
アルベルトは、破片を副社長室へと運ぶよう指示し、自身も直ぐに、大河の後を追い掛けた。
副社長室に着くと、山上は即座に大河に頭を下げる。
「この度は、とんだ不祥事を招き、大変申し訳ございません。ワールド・セレクションの代表をしております、山上 宏と申します。」
山上が頭を下げる少し後ろで、小袖と当事者本人も頭を深々と下げる。
「今回の一件の当事者は、お前か?」
小袖の直ぐ横で頭を下げている女性に向かって歩き出した。
「は…はいぃ……申し訳…ございませんッ……!!」
当事者本人は、ブルブルと震えながらワンワンと泣き喚いている。
小袖は、居ても立っても居られずに、二人の間に割って入る。
「この度の件、まことに申し訳ございません。偏に、私の不徳の致すところです。」
そう言って、更に深々と頭を下げた。
小袖は、事態の大きさに頭を下げ続け、未だ、副社長本人の顔を直視出来なかった。
「お前の立場は知らんが、割った本人でなければ関係無い。下がれ!!」
大河の言葉は尤もだった。
「今回の件に関しましては、当社にて賠償致します。関係各所への対応につきましても、全て当方で責任を持って当らせて頂きます。御社の名誉にキズが付かないよう細心の注意を払って対応致します。」
山上は、当事者から会社へと大河の意識が向くように熱弁をふるう。
「対応した詳細につきましては、逐一、御社へとご報告申し上げます。恐れ入りますが、少々お時間を頂きますが、ご容赦ください。」
とんでもない失態ではあるが、形あるものは何時か壊れる。
物を扱っている限り、そのリスクが伴うのは大河自身も充分に理解しているつもりなので、対応次第では、今回の事に目を瞑るのも視野の中に入れている。
「ワールド・セレクションの意向は理解した。私は、そこの当事者の話を聞きたいのだが?」
山上は、大河の意識を会社側に向けさせる事に失敗したらしい。
「当事者以外は、全員席を外せ。」
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