ブラッディ・マリー

観月 珠莉

文字の大きさ
上 下
41 / 65
【04】 花嫁修業、始まる

*041* ディナーのお誘い

しおりを挟む
アリスをもう少し休ませる為に、自身はリビングに戻り、ソファに深く身体を静める。
程無くして、本宅より使いが来て、母がその日の夜に顔合わせの為のディナーをセッティングしたと言うのだ。
父が戻る前にアリスが目を覚ました為、イーズの予定が狂ってしまったのだった。
これは、流石にイーズも断る事が出来ない。

「ウィル、本宅に、ディナーにアリスを連れて行く旨伝えてくれる?」
「承知致しました。」

イーズは、頭の中でディナーまでの流れをあれこれと組み立てる。
ドレスについては、学生なので今回は、制服で充分だろう。
アリスは、貴族的にデコラティブに着飾るよりも、ありのままの姿の方が魅力的だと思っている。
そこについては全く心配していないが、イーズを生んだ母は、イーズに近い策略家なので、対抗策は必要だ。
アリスの準備を手伝う為に、イーズ自身の準備を終わらせておく必要がある為、早速、自分の支度を始めた。
気付けば、ディナーの時間が近付いている為、アリスが寝ている部屋へと顔を出す。

「アリス、具合はどう?」
「沢山寝たから、もう大丈夫よ♪」
「父と母が、アリスと一緒にご飯を食べたいと言っているんだ。起きられそうかな?」
「まぁ…ありがとうございます。イーズのお母様にもちゃんと挨拶しないとですね。」

イーズのディナーに関する説明はどうかと思うが、確かに一緒にご飯を食べる事には違いは無い。

「もし、体調的に大丈夫そうならば、今日は、制服を着てご飯に行こう。必要な洋服は、明日以降は、アリスに似合いそうな可愛らしい洋服を、僕が準備しておくから。」

イーズは、アリスが自分の選んだ服を着ている事を想像するだけで、心が躍った。
気分は、着せ替え人形だ。

「そうだわ!! 私ったら寝ている間に運んで貰っちゃったから、何にも持ってきていないんだったわ!!」

全てアリーに運ばせているのだが、イーズは、勘違いし続けて貰った方が都合が良いので、敢えて否定はしなかった。

「心配しなくても大丈夫だよ。全て、僕に任せて♪」
「そう…ね。こんな状況だし、お願いします。」

アリスは、ベッドの上なのに、ガバリと頭を下げた。

「ア…アリス、大丈夫だから!! そろそろ着替えようか?」

このままだと、間に合わなくなりそうだったので、慌てて準備をさせる。

「制服に着替えたら、扉の外に居るから、声を掛けてね。」
「解りました。」

アリスは、答えると勢い良くベッドを飛び下りて準備をしようとしたが…制服が何処にあるのか解らなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

10のベッドシーン【R18】

日下奈緒
恋愛
男女の数だけベッドシーンがある。 この短編集は、ベッドシーンだけ切り取ったラブストーリーです。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

処理中です...