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【03】 花嫁候補生アリス
*033* 爆発
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母親は、ワナワナと身体を震わせている。
イーズは、全くその様子に臆する事も無く、うっとりとした表情のまま、話し続ける。
「あぁ、母上。僕の運命の人なんだ。ようやく、ここまで漕ぎ着けられましたよ。」
「私は…聞いてないわ…。」
母親の顔は、青くなり、血の気が引いている。
「その娘は…どこのご令嬢なのかしら?」
努めて、平静な声を出すように心掛けながら、イーズに問う。
「可哀想に…教会の前に捨てられていたそうですよ。」
「いやぁ~~~~~ッ!!!!!!」
母親は、叫んだ瞬間に意識を失い、そのままソファの背に倒れ込んだ。
ウィルは、その様子を見て、本当にマズいと察し、一礼をして部屋から立ち去ろうとした。
その瞬間、執事にガッチリと腕を抑えられる。
恐る恐る顔を上げると、鬼のような形相をした自分の父の顔があった。
こちら、モンターギュ家においても、暴発した瞬間だった。
ウィルの中では、解っていた事とは言え…とんだとばっちりである。
「その…王家とのお話はどうするつもりなんだろうか?」
父親も、出来るだけ穏便に話を進める為に、イーズに気を使いながら尋ねる。
「そんな話、僕は元から受けるつもりも無かったのですが?」
「アンナ王女様と懇意にしていたじゃないか。」
父親は困惑している。
「それは、これだけ会う事があれば、近しい友人として話もするでしょう。」
「あの…イーズに好意を寄せていると思うのだが…。」
「そうですか? では、僕の方からアンナに言っておきましょう。」
イーズは、あっさりとそう言うが…世の中は、そう簡単なものでは無い。
通常は…。
「イーズ…色々な手前、まずは父上と母上に紹介してくれないだろうか?」
グランディア家の当主としては、イーズが王家の系図に名を連ねる事は悲願である。
勿論、王家の系図に名を連ねるのは、グランディア家だけでは無く、魔法界に生きていれば、全員の悲願だと言っても過言では無いだろうが…。
「いいですよ。」
イーズは、嬉しそうに請け負った。
父親は、グランディア家の当主として、アリスを亡き者にしてしまえば、イーズの気持ちも王女に向くだろうと安易に考えていた。
グランディア家の者にかかれば、小娘一人くらいの命の灯を消す事くらい訳無い事だ。
当主ともなれば、王家の後始末の為にどれだけ血塗られた歴史をその身体に刻み付けてきたのか…想像に難くない。
「イーズ、今夜はどうだろうか?」
「う~ん、どうでしょうか? 僕の誕生日を記念して、アリスの胎内に核を埋め込みましたので、暫く目を覚まさないかもしれません。」
イーズの一言で、部屋の中の空気は固まった。
「えーーーーーッ!!!!!!」
ウィルの叫び声が屋敷中に響き渡った。
イーズは、全くその様子に臆する事も無く、うっとりとした表情のまま、話し続ける。
「あぁ、母上。僕の運命の人なんだ。ようやく、ここまで漕ぎ着けられましたよ。」
「私は…聞いてないわ…。」
母親の顔は、青くなり、血の気が引いている。
「その娘は…どこのご令嬢なのかしら?」
努めて、平静な声を出すように心掛けながら、イーズに問う。
「可哀想に…教会の前に捨てられていたそうですよ。」
「いやぁ~~~~~ッ!!!!!!」
母親は、叫んだ瞬間に意識を失い、そのままソファの背に倒れ込んだ。
ウィルは、その様子を見て、本当にマズいと察し、一礼をして部屋から立ち去ろうとした。
その瞬間、執事にガッチリと腕を抑えられる。
恐る恐る顔を上げると、鬼のような形相をした自分の父の顔があった。
こちら、モンターギュ家においても、暴発した瞬間だった。
ウィルの中では、解っていた事とは言え…とんだとばっちりである。
「その…王家とのお話はどうするつもりなんだろうか?」
父親も、出来るだけ穏便に話を進める為に、イーズに気を使いながら尋ねる。
「そんな話、僕は元から受けるつもりも無かったのですが?」
「アンナ王女様と懇意にしていたじゃないか。」
父親は困惑している。
「それは、これだけ会う事があれば、近しい友人として話もするでしょう。」
「あの…イーズに好意を寄せていると思うのだが…。」
「そうですか? では、僕の方からアンナに言っておきましょう。」
イーズは、あっさりとそう言うが…世の中は、そう簡単なものでは無い。
通常は…。
「イーズ…色々な手前、まずは父上と母上に紹介してくれないだろうか?」
グランディア家の当主としては、イーズが王家の系図に名を連ねる事は悲願である。
勿論、王家の系図に名を連ねるのは、グランディア家だけでは無く、魔法界に生きていれば、全員の悲願だと言っても過言では無いだろうが…。
「いいですよ。」
イーズは、嬉しそうに請け負った。
父親は、グランディア家の当主として、アリスを亡き者にしてしまえば、イーズの気持ちも王女に向くだろうと安易に考えていた。
グランディア家の者にかかれば、小娘一人くらいの命の灯を消す事くらい訳無い事だ。
当主ともなれば、王家の後始末の為にどれだけ血塗られた歴史をその身体に刻み付けてきたのか…想像に難くない。
「イーズ、今夜はどうだろうか?」
「う~ん、どうでしょうか? 僕の誕生日を記念して、アリスの胎内に核を埋め込みましたので、暫く目を覚まさないかもしれません。」
イーズの一言で、部屋の中の空気は固まった。
「えーーーーーッ!!!!!!」
ウィルの叫び声が屋敷中に響き渡った。
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