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【03】 花嫁候補生アリス
*031* 今後の流れ
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リビングに入った途端、大声でウィルが喚いている。
「イーズ、どうするんですか!! 外、凄い事になっちゃってるじゃないですか!! もう少し、時間を考えて移動とかって…出来なかったのでしょうかぁ~…。」
ウィルの口調は、もう、どうして良いのか解らず、大変オカしな事になっている。
「ご依頼のお茶です。」
それに対し、アリーは全く動じている様子が無い。
「アリー、貴女は何故、そんなに落ち着いてお茶なんか淹れてるんですかッ!!」
ウィルのそれはもう…八つ当たりの域だった。
「イーズ様が、お茶をご所望でしたから。」
全く持って、クールビューティーなアリーである。
「貴女は、付き合う期間が短いから、そんなに親身にならずにいられるんだ!!」
今にも唾を吐き出しそうな勢いで喋っているウィルに向かって、サラリとイーズは言ってのけた。
「アリーは、猫だからウィルみたいな豊かな感情は出ないよ?」
「…ね…猫?」
ウィルは、空いた口が塞がらなかった。
「アリスの使い魔がね…ウサギだったものだから…フフフ…もう少し、伝達が早い動物の方が良いかと思ってね、アリス専用の使い魔をプレゼントしたんだ。今は、人型を取らせているけれど、黒猫になったら、モフモフしていて、アリスの側に居るととっても似合っているんだ。」
そう言ってアリーに微笑むと、アリーもイーズに向かって微笑み返す。
「黒猫…。」
ウィルの肩は、地面に着きそうな程、落ちていた。
「いやっ、そんな事はどうでも良くて…イーズ!!」
「何だい?」
すっかり、ウィルのキャラクターは崩壊している。
「これから、どうするつもりだよ!?」
「あぁ…これから、家に行って父と母にアリスの事を伝えるつもりだよ♪」
全く持って、イーズの中ではトラブルは発生していなかった。
あくまでも、彼の中では…である。
これから、サラッとイーズの口から発される一言で、グランディア家は大事件が勃発するのである。
そして…それに誘発されて、モンターギュ家にも大事件が起きるのだ!!
「さぁ、ウィル、行くよ!! アリーは、今まで通り、アリスのお世話をしていて。」
「承知致しました。」
「セキュリティーは強くしてあるから、誰も入って来られないけれど、もしアリスの身に何かある時には全力で守るんだよ。」
「はい。」
アリーは、頭を下げてイーズの指示を請け負う。
「もう…終わりだ…。」
誰にも聞こえないくらいに小さな声で呟く青年が一名。
ウィルは…死刑台に登る罪人のように、イーズに付いてグランディア家の敷居を跨ぐのだった。
「イーズ、どうするんですか!! 外、凄い事になっちゃってるじゃないですか!! もう少し、時間を考えて移動とかって…出来なかったのでしょうかぁ~…。」
ウィルの口調は、もう、どうして良いのか解らず、大変オカしな事になっている。
「ご依頼のお茶です。」
それに対し、アリーは全く動じている様子が無い。
「アリー、貴女は何故、そんなに落ち着いてお茶なんか淹れてるんですかッ!!」
ウィルのそれはもう…八つ当たりの域だった。
「イーズ様が、お茶をご所望でしたから。」
全く持って、クールビューティーなアリーである。
「貴女は、付き合う期間が短いから、そんなに親身にならずにいられるんだ!!」
今にも唾を吐き出しそうな勢いで喋っているウィルに向かって、サラリとイーズは言ってのけた。
「アリーは、猫だからウィルみたいな豊かな感情は出ないよ?」
「…ね…猫?」
ウィルは、空いた口が塞がらなかった。
「アリスの使い魔がね…ウサギだったものだから…フフフ…もう少し、伝達が早い動物の方が良いかと思ってね、アリス専用の使い魔をプレゼントしたんだ。今は、人型を取らせているけれど、黒猫になったら、モフモフしていて、アリスの側に居るととっても似合っているんだ。」
そう言ってアリーに微笑むと、アリーもイーズに向かって微笑み返す。
「黒猫…。」
ウィルの肩は、地面に着きそうな程、落ちていた。
「いやっ、そんな事はどうでも良くて…イーズ!!」
「何だい?」
すっかり、ウィルのキャラクターは崩壊している。
「これから、どうするつもりだよ!?」
「あぁ…これから、家に行って父と母にアリスの事を伝えるつもりだよ♪」
全く持って、イーズの中ではトラブルは発生していなかった。
あくまでも、彼の中では…である。
これから、サラッとイーズの口から発される一言で、グランディア家は大事件が勃発するのである。
そして…それに誘発されて、モンターギュ家にも大事件が起きるのだ!!
「さぁ、ウィル、行くよ!! アリーは、今まで通り、アリスのお世話をしていて。」
「承知致しました。」
「セキュリティーは強くしてあるから、誰も入って来られないけれど、もしアリスの身に何かある時には全力で守るんだよ。」
「はい。」
アリーは、頭を下げてイーズの指示を請け負う。
「もう…終わりだ…。」
誰にも聞こえないくらいに小さな声で呟く青年が一名。
ウィルは…死刑台に登る罪人のように、イーズに付いてグランディア家の敷居を跨ぐのだった。
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