5 / 65
【01】 セレスチャン魔法・魔術学院
*005* 友達百人出来るかな
しおりを挟む
サラマンダーは、喜び、小躍りしそうになる気持ちを落ち着かせ、彼女に質問する。
「使役する訳では無く、お友達なのですか?」
「使役って何でしょう? それって、美味しいですか?」
集まっている召喚獣達は、それはもうビックリし過ぎて、目も半分飛び出し掛かっている。
イーズに至っては、既に敗北のポーズである。
「えっと…それは、私にとって美味しい状況です。」
「……?」
サラマンダーの言葉の意味が理解出来ないアリスは、ゆっくりと小首を傾げる。
その可愛らしい仕草に合わせて、召喚獣達は、呻き声を上げている。
「アリスは、我を…その服従させたいのでは無いのですか?」
「へ? 何でですか? まずはお友達からよろしくお願いしますッ!!」
そう言うと、アリスはまた、ペコリと頭を下げた。
「はい、喜んでッ!!」
どこかの居酒屋で聞くような元気な対応をしたサラマンダーだった。
そのやりとりを聞いた召喚獣達は、サラマンダーの後ろに我先にと並び出した。
彼らも、アリスとお友達になれると信じて鬩ぎ合いながら列を作り出したのである。
そして、サラマンダーを押し退けるように次々と召喚獣達はアリスに挨拶をし、彼女は雪だるま式に友達を増やしていった。
サラマンダーは、機嫌が良かった為、押し退ける暴挙に出た召喚獣達を焔で焼き尽くさなかったものの、通常仕様であれば、間違い無く、灰になっていたに違いない。
しかし、ここで…また、気になる事があった。
その列に並んでいたのは、召喚獣達だけでは無かったのだ。
…何故か、最後尾に天才魔法使いが一名。
彼もまた、サラマンダーとアリスの様子を見て、自分も友達になりたいと思った一人だった。
いや…他の召喚獣達とは違い、友達を飛び越えて何処までもステディな間柄になる気満々だった、と訂正しておこう。
「こんにちは。」
イーズは、ゆったりと優雅にお辞儀をする。
一方、アリスは大きく目を見開き動かない。
…イーズは、何か出会いに誤りがあったのかと瞬時に分析を始める。
が、しかし、この状況に有頂天になっている彼には、全く分析力が無かったと言っても過言では無い。
何が悪いのか、全然理解出来ていなかった。
「…こんにちは? えっと、あの、迷子さんですか?」
天才魔法使いイーズに対する言葉とは思えない程に場違いな質問だった。
「はい。」
そして、彼も回答を間違えていた。
自分自身が学生時代に八年、教鞭を取るようになってから少なくとも三年以上はセレスチャン魔法・魔術学院に通っているのだ。
どう優しく見積もっても…迷子は無い。
「使役する訳では無く、お友達なのですか?」
「使役って何でしょう? それって、美味しいですか?」
集まっている召喚獣達は、それはもうビックリし過ぎて、目も半分飛び出し掛かっている。
イーズに至っては、既に敗北のポーズである。
「えっと…それは、私にとって美味しい状況です。」
「……?」
サラマンダーの言葉の意味が理解出来ないアリスは、ゆっくりと小首を傾げる。
その可愛らしい仕草に合わせて、召喚獣達は、呻き声を上げている。
「アリスは、我を…その服従させたいのでは無いのですか?」
「へ? 何でですか? まずはお友達からよろしくお願いしますッ!!」
そう言うと、アリスはまた、ペコリと頭を下げた。
「はい、喜んでッ!!」
どこかの居酒屋で聞くような元気な対応をしたサラマンダーだった。
そのやりとりを聞いた召喚獣達は、サラマンダーの後ろに我先にと並び出した。
彼らも、アリスとお友達になれると信じて鬩ぎ合いながら列を作り出したのである。
そして、サラマンダーを押し退けるように次々と召喚獣達はアリスに挨拶をし、彼女は雪だるま式に友達を増やしていった。
サラマンダーは、機嫌が良かった為、押し退ける暴挙に出た召喚獣達を焔で焼き尽くさなかったものの、通常仕様であれば、間違い無く、灰になっていたに違いない。
しかし、ここで…また、気になる事があった。
その列に並んでいたのは、召喚獣達だけでは無かったのだ。
…何故か、最後尾に天才魔法使いが一名。
彼もまた、サラマンダーとアリスの様子を見て、自分も友達になりたいと思った一人だった。
いや…他の召喚獣達とは違い、友達を飛び越えて何処までもステディな間柄になる気満々だった、と訂正しておこう。
「こんにちは。」
イーズは、ゆったりと優雅にお辞儀をする。
一方、アリスは大きく目を見開き動かない。
…イーズは、何か出会いに誤りがあったのかと瞬時に分析を始める。
が、しかし、この状況に有頂天になっている彼には、全く分析力が無かったと言っても過言では無い。
何が悪いのか、全然理解出来ていなかった。
「…こんにちは? えっと、あの、迷子さんですか?」
天才魔法使いイーズに対する言葉とは思えない程に場違いな質問だった。
「はい。」
そして、彼も回答を間違えていた。
自分自身が学生時代に八年、教鞭を取るようになってから少なくとも三年以上はセレスチャン魔法・魔術学院に通っているのだ。
どう優しく見積もっても…迷子は無い。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる