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【05】 アリスと王家
*065* 花一匁
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方向性を修正しなければならない。
このままでは、卒業までアリスがセレスチャン魔法・魔術学院に通えたとしても、休みの度に帰る帰省先は、イーズの下では無く、このお城に戻って来る事になってしまう…。
それは、イタダケナイ。
それではダメなのだ!!
「先程もお伝えしたとおり、彼女と未来を共にするつもりですので、僕が責任を持ってアリスを護りますよ。」
イーズは、そう言うが…実際は、『核』を植え付けたと言っただけで、特に結婚うんぬんは一言も触れていない。
アンナが、イーズの言葉を受け取って、結婚するだろう事を言っただけである。
「それは…有り難いが…君も城に来るという事かな?」
国王陛下は、やっぱり…と思えるような言葉を口にした。
…が、これは、イーズの望む結果では無い。
彼は、兎に角、二人だけで『らぶらぶ』、『いちゃいちゃ』したいのだ!!
勿論、その場所は、イーズが突然ドカンと建ててしまったあの、新居で…というのが、大切である。
「勿論、アリスにとって、この城が失われていた家族と過ごせる大切な場所ですから、その時間も存分に取るべきだと考えています。ただ、これから先、長い時間を過ごす我が家に慣れて貰う事も必要ですので、色々と微調整が必要でしょうか?」
国王陛下の言葉を否定する事も出来ず、だからと言って、自分の望み通りに物事が進まない事を良しとしないイーズとしては、何としても国王陛下の気持ちを自分の望む方向へと軌道修正しなければならないのだ。
しかし、ここは、全く理解していないアリスに確認すると、話がどちらへと向かって行くのかが全く読めない。
何故ならば、アリスだからだ!!
通常は、『アリスだから』というのは、理由にはなり得ないのだが、アリスの場合には、それが理由になる。
イーズは、国王陛下と話をしながら、ハイスピードに頭を回転させて、策を講じた。
「あぁ…国王陛下、アリスは、今まで教会で育っていますから、殆ど、外に出た事が無いのですよ。」
「そう……なのか…?」
国王陛下は、憐みの表情を浮かべて、アリスを見遣る。
アンナのように、姫として育てられていれば、護衛の問題なども含め、市井に赴く事は皆無と言っても仕方が無い事だと片付けられる。
しかし、特に王族などという制約が無いアリスも、自分達と同じように殆ど遊び歩いた事が無いというのは、何とも不憫に思えたのだった。
アリスは、自分にとっては当たり前の事なので、それを疑問に思う事は無い。
このままでは、卒業までアリスがセレスチャン魔法・魔術学院に通えたとしても、休みの度に帰る帰省先は、イーズの下では無く、このお城に戻って来る事になってしまう…。
それは、イタダケナイ。
それではダメなのだ!!
「先程もお伝えしたとおり、彼女と未来を共にするつもりですので、僕が責任を持ってアリスを護りますよ。」
イーズは、そう言うが…実際は、『核』を植え付けたと言っただけで、特に結婚うんぬんは一言も触れていない。
アンナが、イーズの言葉を受け取って、結婚するだろう事を言っただけである。
「それは…有り難いが…君も城に来るという事かな?」
国王陛下は、やっぱり…と思えるような言葉を口にした。
…が、これは、イーズの望む結果では無い。
彼は、兎に角、二人だけで『らぶらぶ』、『いちゃいちゃ』したいのだ!!
勿論、その場所は、イーズが突然ドカンと建ててしまったあの、新居で…というのが、大切である。
「勿論、アリスにとって、この城が失われていた家族と過ごせる大切な場所ですから、その時間も存分に取るべきだと考えています。ただ、これから先、長い時間を過ごす我が家に慣れて貰う事も必要ですので、色々と微調整が必要でしょうか?」
国王陛下の言葉を否定する事も出来ず、だからと言って、自分の望み通りに物事が進まない事を良しとしないイーズとしては、何としても国王陛下の気持ちを自分の望む方向へと軌道修正しなければならないのだ。
しかし、ここは、全く理解していないアリスに確認すると、話がどちらへと向かって行くのかが全く読めない。
何故ならば、アリスだからだ!!
通常は、『アリスだから』というのは、理由にはなり得ないのだが、アリスの場合には、それが理由になる。
イーズは、国王陛下と話をしながら、ハイスピードに頭を回転させて、策を講じた。
「あぁ…国王陛下、アリスは、今まで教会で育っていますから、殆ど、外に出た事が無いのですよ。」
「そう……なのか…?」
国王陛下は、憐みの表情を浮かべて、アリスを見遣る。
アンナのように、姫として育てられていれば、護衛の問題なども含め、市井に赴く事は皆無と言っても仕方が無い事だと片付けられる。
しかし、特に王族などという制約が無いアリスも、自分達と同じように殆ど遊び歩いた事が無いというのは、何とも不憫に思えたのだった。
アリスは、自分にとっては当たり前の事なので、それを疑問に思う事は無い。
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