59 / 65
【05】 アリスと王家
*059* イーズの種明かし
しおりを挟む
イーズの一言で、自分達がアリスを拘束し続けていた事に気付き、王家ご一行様は、開いた口が開きっ放しになった。
「あぁ、そうそう。何故、アリスの魂の形が違うのか…でしたね?」
強く結界を張っていたはずなのに、イーズに全てが筒抜けになっている事に国王陛下は茫然としている。
それはそうである。
国王陛下も相当な魔力を持っているので、その右に出る者はなかなか居ないのだが、イーズがこの魔法界で天才魔法使いだと言われているのは伊達じゃない。
国王陛下が強く張った程度の結界など、全く意味の成さないモノだった。
そんな、自身の結界が簡単に破られている事にショックを受けている国王陛下の心象は全くムシして、イーズは続きを話し出す。
「それは、とても簡単な事です。僕が彼女に自分の核を埋め込んだからですよ。」
その言葉を聞いて、王家ご一行様は、ムンクの『叫び』と同様の凄い顔になった。
「核…核……核を埋め込んだって…貴方!!」
女王陛下は大きな声で叫んだ。
顔と非常に良く合っている叫び声だった…。
「えぇ。つい数日前に。」
そんな女王陛下の言葉をサラリと受け流し、イーズは、気持ち良いくらいにキッパリと宣言した。
「それって…十四歳の幼気な乙女にふしだらな事をしたんじゃ…!?」
女王陛下の叫びは続く…。
「まさか、単に、核を植え付けただけです。」
ニッコリと素敵な笑顔で、悪魔のような回答をした。
「アンナは…アンナはどうするつもりなんだ!!」
国王陛下は、可愛い娘の気持ちを思うとやりきれなくて糾弾する。
「アンナとは、長い事、大切な友人としての距離を保ってきたつもりですし、彼女をキズ付けた事は一度も無いつもりですが?」
「アンナは…アンナはそれで良いのか?」
国王陛下は、心配そうにアンナを見遣る。
「そう…ねぇ……。ずっとイーズと結婚すると思ってきたので、確かに複雑な気持ちではあるけれど、アリスちゃんと結婚するならば…私よりもずーっと、今まで大変な思いをしてきたんだし、幸せになって欲しいと思うわ。」
アンナは、育ちの良いお嬢様として、こんなに優秀な回答は無いだろう…という程に、素晴らしい答えを言った。
「解ってくれて嬉しいよ、アンナ。僕は、君のそう言うところを高く評価しているよ。」
イーズは未来に向かって思惑通りに動いているこの状況を心から満足していた。
「アンナ…。」
国王陛下は、アンナの言葉にホロリと涙している。
ちなみに…現時点で、アリスの気持ちは全ムシで進んでいる…という事を合わせて申し添えておこう。
「あぁ、そうそう。何故、アリスの魂の形が違うのか…でしたね?」
強く結界を張っていたはずなのに、イーズに全てが筒抜けになっている事に国王陛下は茫然としている。
それはそうである。
国王陛下も相当な魔力を持っているので、その右に出る者はなかなか居ないのだが、イーズがこの魔法界で天才魔法使いだと言われているのは伊達じゃない。
国王陛下が強く張った程度の結界など、全く意味の成さないモノだった。
そんな、自身の結界が簡単に破られている事にショックを受けている国王陛下の心象は全くムシして、イーズは続きを話し出す。
「それは、とても簡単な事です。僕が彼女に自分の核を埋め込んだからですよ。」
その言葉を聞いて、王家ご一行様は、ムンクの『叫び』と同様の凄い顔になった。
「核…核……核を埋め込んだって…貴方!!」
女王陛下は大きな声で叫んだ。
顔と非常に良く合っている叫び声だった…。
「えぇ。つい数日前に。」
そんな女王陛下の言葉をサラリと受け流し、イーズは、気持ち良いくらいにキッパリと宣言した。
「それって…十四歳の幼気な乙女にふしだらな事をしたんじゃ…!?」
女王陛下の叫びは続く…。
「まさか、単に、核を植え付けただけです。」
ニッコリと素敵な笑顔で、悪魔のような回答をした。
「アンナは…アンナはどうするつもりなんだ!!」
国王陛下は、可愛い娘の気持ちを思うとやりきれなくて糾弾する。
「アンナとは、長い事、大切な友人としての距離を保ってきたつもりですし、彼女をキズ付けた事は一度も無いつもりですが?」
「アンナは…アンナはそれで良いのか?」
国王陛下は、心配そうにアンナを見遣る。
「そう…ねぇ……。ずっとイーズと結婚すると思ってきたので、確かに複雑な気持ちではあるけれど、アリスちゃんと結婚するならば…私よりもずーっと、今まで大変な思いをしてきたんだし、幸せになって欲しいと思うわ。」
アンナは、育ちの良いお嬢様として、こんなに優秀な回答は無いだろう…という程に、素晴らしい答えを言った。
「解ってくれて嬉しいよ、アンナ。僕は、君のそう言うところを高く評価しているよ。」
イーズは未来に向かって思惑通りに動いているこの状況を心から満足していた。
「アンナ…。」
国王陛下は、アンナの言葉にホロリと涙している。
ちなみに…現時点で、アリスの気持ちは全ムシで進んでいる…という事を合わせて申し添えておこう。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。



淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる