ブラッディ・マリー

観月 珠莉

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【04】 花嫁修業、始まる

*055* だるまさんがころんだ

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そんなアンナの様子をアリスは心配そうに見ている。
その視線にハッと気付いたアンナは、気を取り直したように言った。

「アリスちゃん、今日はお作法っていう程では無いのだけれど、お茶を飲みましょうか?」
「……?」

アリスは、アンナが言っている意味が理解出来ずに首を傾げる。
良く解っていないアリスはこの際スルーする事にして、アンナは、侍女にお茶の用意をするように指示した。

「まずは、お茶を楽しみながらお話をしましょう?」
「はい。」

アリスは、アンナが何故、そんな事を言っているのか解らなかったが、兎に角、その言葉に素直に頷いた。
侍女達は、手慣れたもので迷い無くお茶の準備を進めていく。
二人の前にお茶が置かれ、イーズの前にもお茶が置かれた時に彼女達が居た部屋の扉が大きく開いた。
中に居る全ての物が驚き、扉に注目した。

「女王陛下、如何されましたか?」

驚いた状況から直ぐに気持ちを立て直したのは、アンナだった。
女王陛下は、ツカツカと中へと歩みを進め、アリスの前に立つ。

「名は、何と言うのですか?」

アリスは、突然の事で驚いたが、相手が女王陛下だとは知らずに、普通に挨拶する。

「こんにちは、お邪魔しています。私、アリスです。」

全く何時もとペースが変わらずにペコリとお辞儀する。

「そう…アリスさんと仰るの…。」

女王陛下は考えるような様子を見せ、更に質問を重ねた。

「歳は…お幾つなの?」
「はい、十四歳になりました!!」

誰だか解っていない豪華な服を着たおばちゃんに向かって、元気良く答える。
アリスの年齢を聞くと、女王陛下はワナワナと身体を震わせ出した。

「お母様、如何なさって?」

アンナは今まで見た事の無い女王陛下の姿に驚きを隠せなかった。

「まさか…そんな訳は無いわ…。今まで、どんなに手を尽くしても見つからなかったのに…。」
「お母様?」

アンナは、もう一度、女王陛下に呼び掛ける。
しかし、女王陛下がアンナに答える事は無かった。

「でも…魂の形が違うわ…。そんなはずは…。」

突然部屋に来た途端、アリスの前に立ち、ブツブツと一人呟き続ける姿は、とっても異様だった。
そして、意を決したように…ポツリと呟く。

「フロラシア…。」

途端に、アリスの身体が硬直して動かなくなった。
アリスは大きく目を見開き、驚きを隠せない。

「フロラシアですって!!」

アンナも同じ名を呼ぶと、アリスの身体は先程よりも更に強く呪縛されたのだった。
突然動けなくなり、驚きを隠せないアリスだったが…全てが呪縛されている為、それを表現する事も出来なかった。
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