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【07】 撃破
*069* 晩餐の準備
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迎えが来る予定がある事に安心した悠李は、与えられたゲストルームに戻る。
部屋には、侍女が居た。
『ユーリさま、そろそろ晩餐の為の準備をお願い致します。』
そう言われたものの、悠李には、着てきたTシャツとパンツしか無い。
眉間に皺を寄せ、困った顔をしていると侍女はそれに気付き、言葉を続ける。
『まずは、湯浴みをお済ませくださいませ。こちらです。』
そう言うと、ゲストルームに備え付けられているバスルームへと案内された。
そこには、二名の侍女が控えていた。
『一人で入れますから。』
悠李がそう言うが、それぞれが自身の仕事を遂行していく。
基本的には、身体を見られても恥ずかしいという事も無い為、そのまま流れに任せる。
テキパキと身体を洗っていくその姿は、流石、プロ…という感じだ。
あっという間に湯浴みが終わり、次は晩餐の為の着替えに移る。
そこには、美しいドレスが準備されていた。
『そのドレスって…?』
悠李は、突然の訪問なのに準備出来ているドレスに驚いて尋ねる。
『これは、ヨハンナ様のドレスですわ。ユーリ様とヨハンナ様はとても似ていらっしゃいますから、きっとこのドレスもお似合いになるかと準備致しました。』
確かに、体型も似ているだろう…が、それは以前の話だ。
ボディ・ガードの養成所に入り、数か月の訓練を受けた今では、筋肉量が違う事だろう。
そんな事は、全く気にした様子も無く、侍女三名は、悠李にドレスを着付けていく。
相当細い方だと分類されるだろう悠李の身体をコルセットで締め上げていく。
悠李は、訓練とは違う苦しさに奥歯をギリリと噛み締めた。
余りの締め付け具合に、目に涙さえ浮かんでくる。
そして、これだけ矯正されれば、ヨハンナと多少体型が違ったとしても、そのドレスだって入る事だろう…と考えを改めた。
ホワイトのプリンセスラインのドレスに透明な宝石が沢山散りばめられている。
ふんだんに使われてるレースは、ライトブルーで、清楚な雰囲気を演出していた。
ドレスの着付けが終わった頃、椅子に座るよう促され、髪をアップしていく。
悠李の栗色の髪をアップスタイルにすると、本当に一国のプリンセスのように仕上がった。
ようやく長い時間を掛けて準備が出来た頃、ノック音が聞こえる。
「ユーリ、入るよ。」
兄の声だった。
声と同時に扉が開く。
ドレスの重さに動けないでいると、兄が部屋の中へと入ってきた。
「へぇ…ユーリもドレスアップすると、ちょっとした姫君に見えるよ?」
そう言って、兄は屈託無く笑った。
部屋には、侍女が居た。
『ユーリさま、そろそろ晩餐の為の準備をお願い致します。』
そう言われたものの、悠李には、着てきたTシャツとパンツしか無い。
眉間に皺を寄せ、困った顔をしていると侍女はそれに気付き、言葉を続ける。
『まずは、湯浴みをお済ませくださいませ。こちらです。』
そう言うと、ゲストルームに備え付けられているバスルームへと案内された。
そこには、二名の侍女が控えていた。
『一人で入れますから。』
悠李がそう言うが、それぞれが自身の仕事を遂行していく。
基本的には、身体を見られても恥ずかしいという事も無い為、そのまま流れに任せる。
テキパキと身体を洗っていくその姿は、流石、プロ…という感じだ。
あっという間に湯浴みが終わり、次は晩餐の為の着替えに移る。
そこには、美しいドレスが準備されていた。
『そのドレスって…?』
悠李は、突然の訪問なのに準備出来ているドレスに驚いて尋ねる。
『これは、ヨハンナ様のドレスですわ。ユーリ様とヨハンナ様はとても似ていらっしゃいますから、きっとこのドレスもお似合いになるかと準備致しました。』
確かに、体型も似ているだろう…が、それは以前の話だ。
ボディ・ガードの養成所に入り、数か月の訓練を受けた今では、筋肉量が違う事だろう。
そんな事は、全く気にした様子も無く、侍女三名は、悠李にドレスを着付けていく。
相当細い方だと分類されるだろう悠李の身体をコルセットで締め上げていく。
悠李は、訓練とは違う苦しさに奥歯をギリリと噛み締めた。
余りの締め付け具合に、目に涙さえ浮かんでくる。
そして、これだけ矯正されれば、ヨハンナと多少体型が違ったとしても、そのドレスだって入る事だろう…と考えを改めた。
ホワイトのプリンセスラインのドレスに透明な宝石が沢山散りばめられている。
ふんだんに使われてるレースは、ライトブルーで、清楚な雰囲気を演出していた。
ドレスの着付けが終わった頃、椅子に座るよう促され、髪をアップしていく。
悠李の栗色の髪をアップスタイルにすると、本当に一国のプリンセスのように仕上がった。
ようやく長い時間を掛けて準備が出来た頃、ノック音が聞こえる。
「ユーリ、入るよ。」
兄の声だった。
声と同時に扉が開く。
ドレスの重さに動けないでいると、兄が部屋の中へと入ってきた。
「へぇ…ユーリもドレスアップすると、ちょっとした姫君に見えるよ?」
そう言って、兄は屈託無く笑った。
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