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【06】 混戦
*046* 奪取
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そのまま、斎藤の出方を待つ。
「そして…そのまま、戻ったのは、深夜遅く。」
まるで、尋問をしているかのように淡々と斎藤は話し続ける。
口元に薄っすらと笑いまで浮かべて…。
悠李は、驚きの余り、斎藤をマジマジと見つめた。
「悠李ちゃんが僕を真っ直ぐに見つめるのが、こんな話の時だなんて、皮肉なものだね。」
「そんな根拠の無い話なら、自室に戻らせてもらう。」
悠李が、斎藤を振り切って、女子寮に戻ろうとした時に、改めて斎藤に手首を掴まれ、グッと引き寄せられる。
悠李は、不愉快を露わにした表情で、斎藤を睨みつける。
「言い訳は出来ないよ。僕のこの目で見た事だからね。」
悠李は、言い訳も言えず、下唇を噛んだ。
斎藤は、悠李の手首を掴んだまま、グイグイと歩き始める。
しかも、進んで行く方向は、男子寮の中だ。
「ち…ちょっと…男子寮は、女子禁制でしょ!!」
「そんなの、守ってるの悠李ちゃんだけだよ…。」
初めて知った驚愕の事実に、頭を大きなハンマーで叩かれたくらいの衝撃を受けた悠李だった。
そのまま、斎藤は、ズンズンと男子寮の中へと進んで行く。
迷い無く進んで行った先は、どうやら、斎藤の部屋のようだ。
扉を開けて中へ引き摺られて入ると、そのまま、カーテンが空いているベッドへと座らせられた。
「ねぇ、悠李ちゃん。一條教官と何でも無いなら…僕と出来るよね?」
何を? …と聞かなくても、悠李だってそれくらい意味は解る。
そのまま、斎藤の唇が、悠李の顔へと近付いてくる。
一條と身体の関係が始まってから、別の誰かとどうにかなる必要は無かったので、改めて、別の誰かとする事が出来るかと聞かれると、悠李の中で、答えを出す事は出来なかった。
いざ、斎藤の唇が下唇に触れた時に、身体がビクリと反応し、そのまま強い力で斎藤の身体を押し返す。
今まで、誰とでもキスくらいしていた悠李だから、斎藤とだって平気なはずだった。
「悠李ちゃん…僕とキスするのは、そんなに嫌? 今まで、誰とでもしていたのに?」
そう、斎藤の言う通りなのだ。
他の訓練生に比べれば、斎藤の方が組長としてお互いに支え合ってきており、心の距離も近いので、斎藤だから嫌だという事では無いはずなのだ。
「斎藤、冗談が過ぎるぞ!!」
悠李が冗談にしようとする斎藤の眼差しは、決して、何時もの調子の良い優男風では無かった。
「これが、本当に冗談だと思う?」
身体を押し返していたはずの斎藤の身体は、強い力で悠李の方へと倒れてくる。
あっという間に形勢逆転だった。
「そして…そのまま、戻ったのは、深夜遅く。」
まるで、尋問をしているかのように淡々と斎藤は話し続ける。
口元に薄っすらと笑いまで浮かべて…。
悠李は、驚きの余り、斎藤をマジマジと見つめた。
「悠李ちゃんが僕を真っ直ぐに見つめるのが、こんな話の時だなんて、皮肉なものだね。」
「そんな根拠の無い話なら、自室に戻らせてもらう。」
悠李が、斎藤を振り切って、女子寮に戻ろうとした時に、改めて斎藤に手首を掴まれ、グッと引き寄せられる。
悠李は、不愉快を露わにした表情で、斎藤を睨みつける。
「言い訳は出来ないよ。僕のこの目で見た事だからね。」
悠李は、言い訳も言えず、下唇を噛んだ。
斎藤は、悠李の手首を掴んだまま、グイグイと歩き始める。
しかも、進んで行く方向は、男子寮の中だ。
「ち…ちょっと…男子寮は、女子禁制でしょ!!」
「そんなの、守ってるの悠李ちゃんだけだよ…。」
初めて知った驚愕の事実に、頭を大きなハンマーで叩かれたくらいの衝撃を受けた悠李だった。
そのまま、斎藤は、ズンズンと男子寮の中へと進んで行く。
迷い無く進んで行った先は、どうやら、斎藤の部屋のようだ。
扉を開けて中へ引き摺られて入ると、そのまま、カーテンが空いているベッドへと座らせられた。
「ねぇ、悠李ちゃん。一條教官と何でも無いなら…僕と出来るよね?」
何を? …と聞かなくても、悠李だってそれくらい意味は解る。
そのまま、斎藤の唇が、悠李の顔へと近付いてくる。
一條と身体の関係が始まってから、別の誰かとどうにかなる必要は無かったので、改めて、別の誰かとする事が出来るかと聞かれると、悠李の中で、答えを出す事は出来なかった。
いざ、斎藤の唇が下唇に触れた時に、身体がビクリと反応し、そのまま強い力で斎藤の身体を押し返す。
今まで、誰とでもキスくらいしていた悠李だから、斎藤とだって平気なはずだった。
「悠李ちゃん…僕とキスするのは、そんなに嫌? 今まで、誰とでもしていたのに?」
そう、斎藤の言う通りなのだ。
他の訓練生に比べれば、斎藤の方が組長としてお互いに支え合ってきており、心の距離も近いので、斎藤だから嫌だという事では無いはずなのだ。
「斎藤、冗談が過ぎるぞ!!」
悠李が冗談にしようとする斎藤の眼差しは、決して、何時もの調子の良い優男風では無かった。
「これが、本当に冗談だと思う?」
身体を押し返していたはずの斎藤の身体は、強い力で悠李の方へと倒れてくる。
あっという間に形勢逆転だった。
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