独裁者サマの攻略法

観月 珠莉

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【06】 混戦

*042* 部屋割り

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そう言えば、よくよく見てみると、森田と酒井は一緒に食堂に訪れる事が多い気もする。
悠李は、自分自身の周りへの興味の無さに思わず笑みを漏らしたのだった。

「おはよう、みんな揃っているね。今日は、どんな話題で盛り上がっていたんだい?」

一瞬、袴田に目を向けるが、特に何かを言うつもりも無いらしい…。
流石、袴田と言ったところだろうか?

「そう言えば、僕が来た時にはどんな話してたの?」

斎藤も森田の言葉に乗り、興味を持つ。

「う~ん、次回のスキルチェックの事?」

悠李は、無難に答えた。

「あぁ、そろそろかぁ~。定期的にテストされていると言っても…やっぱり緊張するよね~。」

悠李の言葉を受けて、斎藤が繋ぐ。

「じわじわと訓練生が減ってきているので、そろそろ、部屋割りについては考えないとならないところだと頭を悩ませていたんだ。」

森田の言葉で、組長達は、全員、難しい表情になる。

「確かに、僕の組もシャッフルした訓練生も居るから、そういうの考えないとならないかも?」
「え…斎ちゃん、今まで考えて無かったの?」
「え? みんな、結構ちゃんと考えてるんだね。僕のところは、一之瀬の方がそういうの得意だからさぁ、任せちゃった。」

斎藤の言葉に、他の組長達の動きが止まった。

「まぁさ、各組によって、組長と副長の個性もあるしね…斎藤のところがそれで良いならば、問題無いんじゃない?」
「そうだな。」
「そう言えば、袴田のところは、まだシャッフルした訓練生を受け入れていないんだったね。」
「あぁ。これから、接近戦の為に入ってくるのは、なかなか厳しいだろうが、まぁ、可能性が無い訳では無いからな。」
「何れにしても、スキルチェックも組み替えも自分達の実力とそれを見極めた教官達が決める事だから、組長としては、決まった事に対して、常に最善を模索する事が大切っていう事だろうね?」

結局、訓練生達は、スキルチェックで生き残っていく為に全力で挑んで行かなければならないという事に他ならないという結果に着地する。
組長とて、他の訓練生と変わらず、合格しなければならない。
日々、難しくなる訓練を思い出すと、全員の肩が落ちるのだった。

「おら、お前ら、何、シケた面してるんだ? そんなんじゃ、朝早くから、美味しい朝飯を作ってくれてるおばちゃん達に失礼だろ?」

そう言うが早いか、スパーンと勢い良く悠李の頭を叩く鬼教官が現れた。

「く~ッ、何で私だけッ?」

悠李は、余りの痛さに目に涙を溜めながら、不満いっぱいの表情で、一條を睨みつける。
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