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【05】 応戦
*035* どんでん返し
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そんなスウィートな言葉が袴田の口から出るとは、天地が引っ繰り返っても思えない。
そう言えば、酒井が各組長を独特な呼び名で呼んでいるのは何時からだっただろうか?
ふと、酒井が各組長をどのように呼んでいるのか思い出してみた。
一人一人頭の中で思い描いていくと…袴田の事は、『袴田っち』と呼んでいた事に思い至る。
という事は、酒井が言う『はーにゃん』は袴田では無いという事になる。
そして…組長の中で、酒井が唯一名前を呼んでいるのを聞いた事が無い組長が居る事に気付いた。
悠李は、照準を絞って会話を続けてみる。
「ご馳走さま。」
「悠李たんは、そういう人は居ないの?」
一瞬、頭の中に一條が思い浮かんだが…直ぐに打ち消した。
一條と悠李の関係は、身体だけの関係だ。
しかも、この訓練所で過ごす期間だけの仮初めの関係だ。
「う~ん、居ないな。」
「悠李たんはとっても綺麗なんだから、選び放題な気がするのに勿体ないね~。」
「ありがと。酒井は可愛いよ。」
「嬉しいッ♪」
「はーにゃんが一番好きだけど、女の子の中では、悠李たんが一番好き!!」
「それは…光栄かな。」
悠李は、酒井の言葉に苦笑する。
「で、酒井はみんなに付き合っているって言わないの?」
「はーにゃんは、『特に言わなくても何時だって若菜の事を考えてるよ。』って言ってくれるんだけど…。」
「乙女心が解ってないな。私が森田に進言してやろうか?」
「うぅん…大丈夫。はーにゃんも色々と考えた上で言ってくれてるんだと思うから。」
ビンゴだ!!
酒井が付き合っている相手は、森田だった。
確かに、今までの話の流れを森田の名前を入れて当て嵌めると、全ての辻褄が合う。
『スゴい』話だけは、森田とイタした事が無いのでよく判らないが…。
他の組長達は気付いているのだろうか?
「森田の訓練内容を考えると、出来るだけフラットな方が良いんだろうね。」
「うん……。」
何時もお気楽な雰囲気の酒井がトーンダウンしている。
「他には言えないんだろうから、私で良ければ偶には話も聞くよ。」
「ホントに!?」
「まぁ、偶にはね。」
「嬉しい♪悠李たん。ありがと。」
「森田は今日の事、知ってるの?」
「うぅん、言って無い。だって、女の子だけの秘密だもん♪」
「解った。」
「悠李たんも、何時でも一條教官との事を言いたくなったら言ってね♪」
「……何故、一條?」
「いいから、いいから。こっちの話♪」
酒井は、自己解釈に任せて嬉しそうに悠李に言った。
しかし、悠李には酒井の言葉が到底、理解出来なかった。
そう言えば、酒井が各組長を独特な呼び名で呼んでいるのは何時からだっただろうか?
ふと、酒井が各組長をどのように呼んでいるのか思い出してみた。
一人一人頭の中で思い描いていくと…袴田の事は、『袴田っち』と呼んでいた事に思い至る。
という事は、酒井が言う『はーにゃん』は袴田では無いという事になる。
そして…組長の中で、酒井が唯一名前を呼んでいるのを聞いた事が無い組長が居る事に気付いた。
悠李は、照準を絞って会話を続けてみる。
「ご馳走さま。」
「悠李たんは、そういう人は居ないの?」
一瞬、頭の中に一條が思い浮かんだが…直ぐに打ち消した。
一條と悠李の関係は、身体だけの関係だ。
しかも、この訓練所で過ごす期間だけの仮初めの関係だ。
「う~ん、居ないな。」
「悠李たんはとっても綺麗なんだから、選び放題な気がするのに勿体ないね~。」
「ありがと。酒井は可愛いよ。」
「嬉しいッ♪」
「はーにゃんが一番好きだけど、女の子の中では、悠李たんが一番好き!!」
「それは…光栄かな。」
悠李は、酒井の言葉に苦笑する。
「で、酒井はみんなに付き合っているって言わないの?」
「はーにゃんは、『特に言わなくても何時だって若菜の事を考えてるよ。』って言ってくれるんだけど…。」
「乙女心が解ってないな。私が森田に進言してやろうか?」
「うぅん…大丈夫。はーにゃんも色々と考えた上で言ってくれてるんだと思うから。」
ビンゴだ!!
酒井が付き合っている相手は、森田だった。
確かに、今までの話の流れを森田の名前を入れて当て嵌めると、全ての辻褄が合う。
『スゴい』話だけは、森田とイタした事が無いのでよく判らないが…。
他の組長達は気付いているのだろうか?
「森田の訓練内容を考えると、出来るだけフラットな方が良いんだろうね。」
「うん……。」
何時もお気楽な雰囲気の酒井がトーンダウンしている。
「他には言えないんだろうから、私で良ければ偶には話も聞くよ。」
「ホントに!?」
「まぁ、偶にはね。」
「嬉しい♪悠李たん。ありがと。」
「森田は今日の事、知ってるの?」
「うぅん、言って無い。だって、女の子だけの秘密だもん♪」
「解った。」
「悠李たんも、何時でも一條教官との事を言いたくなったら言ってね♪」
「……何故、一條?」
「いいから、いいから。こっちの話♪」
酒井は、自己解釈に任せて嬉しそうに悠李に言った。
しかし、悠李には酒井の言葉が到底、理解出来なかった。
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