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【05】 応戦
*032* 女子会のススメ
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そのまま、部屋へと足を進めた時、酒井から声が掛かる。
「ねぇ、悠李たん。たまには女子会しよ? ご飯食べたら、悠李たんのお部屋に行っても良い?」
悠李は、またしても酒井の顔をマジマジと見入った。
まるで読心術のようだ。
以心伝心過ぎる。
「うん、いいよ。」
先程まで、一人になりたいと思っていたはずなのに、酒井はスルリと人の心の中に入り込んできた。
しかも、全く不快では無く…ごく自然に。
「じゃあ、後で行くね~!!」
そう言うと、酒井は斎藤を連れて食堂へと消えた。
悠李は自室に戻ったが、他の訓練生達はまだ部屋に戻っていないようだ。
まだ、食堂で食事中の者、団欒室だったり課題をする為の自習室だったりで過ごしている者も居るのだろう。
寛ぎながら自分のベッドで過ごしていると、ノック音が聞こえた。
酒井だろう…という予測の下、返事をする。
「どうぞ。」
この孤島は、場所の特定が難しく、卵とは言え、ボディ・ガードの宝庫なので、侵入が難しいと言える。
セキュリティについて心配する必要は無いと思って良い。
「お邪魔しま~す!!」
やはり、予測に違わず、酒井が入室してきた。
左右、多少の配置の違いはあれど、どの部屋も造りは変わらないので、酒井は迷い無く、部屋にこぢんまりと置かれているテーブルのところに座る。
悠李も、直ぐに酒井の前に座った。
「へぇ…悠李たんのトコお部屋はこんな感じなんだね~!!」
「酒井のトコも変わんないでしょ? 私物は持ち込めないんだから。」
「う~ん、そうなんだけどぉ~…ナンダロ、部屋の雰囲気が違うんだよね~。」
酒井は本当に面白い事を言う。
私物が無いという事は、洋服が無いのは勿論だが、携帯電話も無ければ、香水等の類いも無い。
その、何処に個性を見つけるのだろうか?
やっぱり、酒井は面白いヤツだと思いながら様子を見る。
「そう? で、突然女子会ってどうしたの?」
「うんっ。悠李たんともっと仲良しになりたかったから、それで。」
やっぱり、酒井は酒井らしい。
本当は策士なのか全く他意は無いのか判らないが、悠李は酒井の事が嫌いでは無かった。
「そ? 私も結構、酒井の事、好きよ?」
「じゃあ、相思相愛だねぇ~♪」
「そうだね。」
このままだと、何時までも会話が進まない気がした悠李は、サラリと流した。
しかし、話の糸口が見つからない。
「何で、もっと仲良しになりたいと思った訳?」
「う~ん、なんだかんだ言っても、女子は元々少ないし、悠李たんは訓練修了まで居そうだから…かなぁ?」
「なるほど。」
やはり、組長なんかをやるくらいだから、お気楽な雰囲気ではあるが、色々と考えているらしい。
「ねぇ、悠李たん。たまには女子会しよ? ご飯食べたら、悠李たんのお部屋に行っても良い?」
悠李は、またしても酒井の顔をマジマジと見入った。
まるで読心術のようだ。
以心伝心過ぎる。
「うん、いいよ。」
先程まで、一人になりたいと思っていたはずなのに、酒井はスルリと人の心の中に入り込んできた。
しかも、全く不快では無く…ごく自然に。
「じゃあ、後で行くね~!!」
そう言うと、酒井は斎藤を連れて食堂へと消えた。
悠李は自室に戻ったが、他の訓練生達はまだ部屋に戻っていないようだ。
まだ、食堂で食事中の者、団欒室だったり課題をする為の自習室だったりで過ごしている者も居るのだろう。
寛ぎながら自分のベッドで過ごしていると、ノック音が聞こえた。
酒井だろう…という予測の下、返事をする。
「どうぞ。」
この孤島は、場所の特定が難しく、卵とは言え、ボディ・ガードの宝庫なので、侵入が難しいと言える。
セキュリティについて心配する必要は無いと思って良い。
「お邪魔しま~す!!」
やはり、予測に違わず、酒井が入室してきた。
左右、多少の配置の違いはあれど、どの部屋も造りは変わらないので、酒井は迷い無く、部屋にこぢんまりと置かれているテーブルのところに座る。
悠李も、直ぐに酒井の前に座った。
「へぇ…悠李たんのトコお部屋はこんな感じなんだね~!!」
「酒井のトコも変わんないでしょ? 私物は持ち込めないんだから。」
「う~ん、そうなんだけどぉ~…ナンダロ、部屋の雰囲気が違うんだよね~。」
酒井は本当に面白い事を言う。
私物が無いという事は、洋服が無いのは勿論だが、携帯電話も無ければ、香水等の類いも無い。
その、何処に個性を見つけるのだろうか?
やっぱり、酒井は面白いヤツだと思いながら様子を見る。
「そう? で、突然女子会ってどうしたの?」
「うんっ。悠李たんともっと仲良しになりたかったから、それで。」
やっぱり、酒井は酒井らしい。
本当は策士なのか全く他意は無いのか判らないが、悠李は酒井の事が嫌いでは無かった。
「そ? 私も結構、酒井の事、好きよ?」
「じゃあ、相思相愛だねぇ~♪」
「そうだね。」
このままだと、何時までも会話が進まない気がした悠李は、サラリと流した。
しかし、話の糸口が見つからない。
「何で、もっと仲良しになりたいと思った訳?」
「う~ん、なんだかんだ言っても、女子は元々少ないし、悠李たんは訓練修了まで居そうだから…かなぁ?」
「なるほど。」
やはり、組長なんかをやるくらいだから、お気楽な雰囲気ではあるが、色々と考えているらしい。
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