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【05】 応戦
*022* 組長談義
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孤島で過ごす訓練生達は、日々の娯楽に飢えているので、何かと小さな事案も面白可笑しい話題にする事は解らないでも無い。
しかし、その渦中に自分が含まれているとなると話は別である。
「何で…『豪姫』…?」
「悠李ちゃんが『豪姫』って似合ってるんじゃない? そして、将来は『女王様』になりそう♪」
斎藤の言葉に、悠李は、更に酸っぱい表情になった。
「俺は、花村が『女王様』になった暁には、仕えても良いぞ。」
「悠李、良かったね。袴田が仕えてくれるなら、百人力だね?」
「袴田、ありがと。」
悠李の言葉に、袴田は無言で頷いた。
「ところで、先月ぐらいから適材適所に向けて、各組シャッフルが始まってるけど、うちから動いたやつらはどんな感じ?」
悠李は、組み替えで『花組』から別の組に移動になった訓練生のその後の様子が気になって各組長に確認してみる。
「あぁ、一人、『風』に組み替えで来たけど、良い意味で『花組』よりは合っているんじゃないかなぁ? 目立たないけれど、調整役として、一方と他方を円滑に繋ぐ作業はピカイチだね。」
「そうなんだ…森田、これからもあいつの事、よろしく頼むね。」
「うん。心配ないよ。若菜、『風』から『海』に行った訓練生はどうかな?」
「調整する方法を少し身につけてから『海』に来ているから、IT周りの知識があれば、相当戦力になると思うよ~!!」
「そっか。って事は、やっぱり教官達は、適材適所に編成しなおしているって事なんだろうね。」
「悠李たん、『海』から『花』に行った子はどぉ?」
「……。」
悠李は、咄嗟に言葉を返せなかった。
「何かあった? フォロー必要だったら言ってね♪」
「う…ん、訓練的には問題無いよ。」
「訓練的には問題無い?」
すかさず、斎藤が口を挿む。
「言い難いんだけどさ…何て言うか…好かれちゃってるって言うか……。」
悠李は、言葉にし難そうに初めてその状況を口にした。
「え!? 悠李たん、同性にまで好かれちゃってるの!!」
「同性に好かれるのは初めての経験だからよくわからないんだけど、多分…そうみたい…。」
「僕、どれだけライバルが多いんだよ~!!」
斎藤が大声で嘆く。
「斎藤、声、デカいよ!!」
悠李が小さな声で諌める。
「ごめんごめん。」
「俺も、花村が好きだ。」
「え~っ、袴田まで!?」
「うちだって、悠李たんの事大好きだよ♪」
「私も、悠李の事は好きだよ。」
斎藤以外の組長は笑っていた。
それぞれの組長達も、珍しく薄く笑いを浮かべている袴田の表情を目にして珍しい事もあるものだ…と思いながら笑い続けた。
しかし、その渦中に自分が含まれているとなると話は別である。
「何で…『豪姫』…?」
「悠李ちゃんが『豪姫』って似合ってるんじゃない? そして、将来は『女王様』になりそう♪」
斎藤の言葉に、悠李は、更に酸っぱい表情になった。
「俺は、花村が『女王様』になった暁には、仕えても良いぞ。」
「悠李、良かったね。袴田が仕えてくれるなら、百人力だね?」
「袴田、ありがと。」
悠李の言葉に、袴田は無言で頷いた。
「ところで、先月ぐらいから適材適所に向けて、各組シャッフルが始まってるけど、うちから動いたやつらはどんな感じ?」
悠李は、組み替えで『花組』から別の組に移動になった訓練生のその後の様子が気になって各組長に確認してみる。
「あぁ、一人、『風』に組み替えで来たけど、良い意味で『花組』よりは合っているんじゃないかなぁ? 目立たないけれど、調整役として、一方と他方を円滑に繋ぐ作業はピカイチだね。」
「そうなんだ…森田、これからもあいつの事、よろしく頼むね。」
「うん。心配ないよ。若菜、『風』から『海』に行った訓練生はどうかな?」
「調整する方法を少し身につけてから『海』に来ているから、IT周りの知識があれば、相当戦力になると思うよ~!!」
「そっか。って事は、やっぱり教官達は、適材適所に編成しなおしているって事なんだろうね。」
「悠李たん、『海』から『花』に行った子はどぉ?」
「……。」
悠李は、咄嗟に言葉を返せなかった。
「何かあった? フォロー必要だったら言ってね♪」
「う…ん、訓練的には問題無いよ。」
「訓練的には問題無い?」
すかさず、斎藤が口を挿む。
「言い難いんだけどさ…何て言うか…好かれちゃってるって言うか……。」
悠李は、言葉にし難そうに初めてその状況を口にした。
「え!? 悠李たん、同性にまで好かれちゃってるの!!」
「同性に好かれるのは初めての経験だからよくわからないんだけど、多分…そうみたい…。」
「僕、どれだけライバルが多いんだよ~!!」
斎藤が大声で嘆く。
「斎藤、声、デカいよ!!」
悠李が小さな声で諌める。
「ごめんごめん。」
「俺も、花村が好きだ。」
「え~っ、袴田まで!?」
「うちだって、悠李たんの事大好きだよ♪」
「私も、悠李の事は好きだよ。」
斎藤以外の組長は笑っていた。
それぞれの組長達も、珍しく薄く笑いを浮かべている袴田の表情を目にして珍しい事もあるものだ…と思いながら笑い続けた。
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