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【03】 遊撃
*009* まさかの告白
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快感の欲求を満たして、もう間もなく部屋に到着…という時に、凄い勢いで走ってくる輩がいる。
悠李が、何事!?…と思う前に、胸に飛び込んできた。
頭の中で、蹴り上げる、避ける、受け止める…と三種の選択肢が出たが、女子寮の中なので、取り敢えず、受け止める選択肢を選んだ。
「組長ッ!!」
「どうした?」
胸に抱き込んでいるこの女子は、確か、先日行われたスキルチェック後に、海組から花組に組替えで入ってきた訓練生だった。
入社後に行われる三回のスキルチェックまでは、脱落しない限り入社当初に暫定的に決められた組編成のまま動きは無い。
これは、組単位でのチームワークを養う訓練の一環らしい。
そして、今回、初めて一部の訓練生のシャッフルがあった。
これは、隠れた才能を見つけ、より適材適所な配置をする為の采配らしい。
特に今年入った花組の訓練生は、キレイ系が多いと言われている中に、組替えで初めてカワイイ系の彼女が投入されてきた。
「私…あの……。」
「何かあったのか?」
花組での問題であれば、組内で解決しなければならない。
もしも、他の組も関係する事であれば、対象組の組長と話すか教官に相談するか…になる。
「……。」
とても言い難い事なのか、未だに言い淀んでいる。
「落ち着いて。ゆっくりで良いから。」
悠李の言葉に、勢い付いたように話し出した。
「組長、好きです!!」
「な……っ」
悠李は、そういう心の機微に敏感だと自負していたが、まさか…同性から告白されるのは想定範囲外だった。
「組長、もう、他の人のところに行かないでください!! 私だけを見て!!」
そう言うと、悠李の唇に向かって突進してくる。
それを慌てて避けて、話し掛ける。
「ちょ…待っ……落ち着けッ!!」
悠李は、攻防戦をしながら策を考える。
「おい、お前ら…今、何時だと思ってるんだ?」
「一…條…?」
天の助けのように、鬼教官がやってきた。
「お前ら、お盛んなのは良いが消灯時間過ぎてんぞ!! いい加減、部屋に戻れ。」
一條に戻れと言われても、ここは既に部屋の扉の前だ。
「一條こそ、こんなところで何やってんだよ?」
悠李は、一條に問う。
「俺かぁ? お前らみたいな悪い子が居ないかの見回りだな。」
「……。」
教官だし、確かに見回りもあり得るのだろうが…それにしてもタイミングの良い男だ。
「花村、お前、明日の夜、俺のところに来い。」
今日のこの状況のお小言カモしれない。
「とりあえず、部屋に戻って。」
悠李は、訓練生をまず、部屋に入るよう促した。
訓練生は、一條に頭を下げて、部屋へと戻る。
「花村、返事。」
「わかりました。」
「お前もちゃんと休むんだぞ!!」
そう言うと、悠李の頭をポンポンと軽く叩き次のエリアの見回りへと進んで行った。
悠李が、何事!?…と思う前に、胸に飛び込んできた。
頭の中で、蹴り上げる、避ける、受け止める…と三種の選択肢が出たが、女子寮の中なので、取り敢えず、受け止める選択肢を選んだ。
「組長ッ!!」
「どうした?」
胸に抱き込んでいるこの女子は、確か、先日行われたスキルチェック後に、海組から花組に組替えで入ってきた訓練生だった。
入社後に行われる三回のスキルチェックまでは、脱落しない限り入社当初に暫定的に決められた組編成のまま動きは無い。
これは、組単位でのチームワークを養う訓練の一環らしい。
そして、今回、初めて一部の訓練生のシャッフルがあった。
これは、隠れた才能を見つけ、より適材適所な配置をする為の采配らしい。
特に今年入った花組の訓練生は、キレイ系が多いと言われている中に、組替えで初めてカワイイ系の彼女が投入されてきた。
「私…あの……。」
「何かあったのか?」
花組での問題であれば、組内で解決しなければならない。
もしも、他の組も関係する事であれば、対象組の組長と話すか教官に相談するか…になる。
「……。」
とても言い難い事なのか、未だに言い淀んでいる。
「落ち着いて。ゆっくりで良いから。」
悠李の言葉に、勢い付いたように話し出した。
「組長、好きです!!」
「な……っ」
悠李は、そういう心の機微に敏感だと自負していたが、まさか…同性から告白されるのは想定範囲外だった。
「組長、もう、他の人のところに行かないでください!! 私だけを見て!!」
そう言うと、悠李の唇に向かって突進してくる。
それを慌てて避けて、話し掛ける。
「ちょ…待っ……落ち着けッ!!」
悠李は、攻防戦をしながら策を考える。
「おい、お前ら…今、何時だと思ってるんだ?」
「一…條…?」
天の助けのように、鬼教官がやってきた。
「お前ら、お盛んなのは良いが消灯時間過ぎてんぞ!! いい加減、部屋に戻れ。」
一條に戻れと言われても、ここは既に部屋の扉の前だ。
「一條こそ、こんなところで何やってんだよ?」
悠李は、一條に問う。
「俺かぁ? お前らみたいな悪い子が居ないかの見回りだな。」
「……。」
教官だし、確かに見回りもあり得るのだろうが…それにしてもタイミングの良い男だ。
「花村、お前、明日の夜、俺のところに来い。」
今日のこの状況のお小言カモしれない。
「とりあえず、部屋に戻って。」
悠李は、訓練生をまず、部屋に入るよう促した。
訓練生は、一條に頭を下げて、部屋へと戻る。
「花村、返事。」
「わかりました。」
「お前もちゃんと休むんだぞ!!」
そう言うと、悠李の頭をポンポンと軽く叩き次のエリアの見回りへと進んで行った。
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