独裁者サマの攻略法

観月 珠莉

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【03】 遊撃

*008* 回遊魚 (☆)

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気付けば、孤島で過ごす日々に慣れ、寮内での潤いの調達方法を見つけた。
悠李も大概、性に奔放だと言えるが、これだけの人数が揃い、あまつさえ閉鎖的な空間であるこの環境は、お互いに何となくその欲求を満たす為の暗黙のルールが作られていた。

「はぁ…花村、筋のところ…舐めて。」

悠李は、立膝の状態から目の前に立つ男をジロリと睨み上げる。
颯っと男の象徴から口を離し、冷たく言い捨てた。

「何時まで続けるの? いい加減、眠いんだけど。」

既に一度快楽を得た悠李は、自室に戻りたかった。

「お願い、もう少しだけ…。」

既に、一度吐精しているそれは、頂点に達するまでに少しで済む訳が無い。

「あとは、自分でやれば?」
「お願い…花村、手でも良いから……扱いて。」

なおも食い下がり、悠李の手を取りその象徴へと誘導する。
そして、悠李の手を自身の手で握り込み、上下に動かし出す。

「あぁッ…あ…出そうッ!!」

男は、一人で達した。

「廊下、綺麗にしてから戻って。」

悠李は、冷たく言い放つとスッと立ち上がり部屋に向かった。

「花村、今日も凄く気持ち良かったよ。また…な。」
「機会があったらね。」

男は、期待を込めた声で悠李を見送る。
悠李は、次回は無いだろうな…と思いながら立ち去って行く。
今回の男は、何度か逢瀬を重ねていた相手だった。
確かにお互いに同時に入った訓練生だが、現時点では、組が違っており訓練中は、ほぼ接点も無い。
後腐れが無く、最後までしない…というのが悠李の決めている独自ルールだ。
そのルールを守れる相手とだけ、快感を共有する事にしていた。
悠李は、日本人の父とフランス人の母とのハーフの為、綺麗な栗色のストレートヘアが背中の中程まで伸びている。
クリッとしたライトブラウンのアーモンドアイにスッと通った鼻筋。
キスをしたくなるようなプルンとした唇にしゃぶりつきたくなるような白く細い首筋は、男性ならば、一度、お手合わせ願いたいと思う程の上玉だ。
ただ、全ての男性が悠李に声を掛けてこないのは、女性にしては高い一七五センチという身長の壁が、時に男性の自尊心を傷付けるらしい。
それでも、果敢に挑んでくる挑戦者数名と楽しんでみたけれど、いまいち、盛り上がりに欠ける感は否めない。
悠李は、もっと深い刺激と快感を求めていた。
今のところ、この閉鎖された孤島で、悠李とお手合わせした男共の中にその欲求を満たせた者はいない。
こうして、欲求が満ち足りるまで、悠李の男漁りは続く。
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