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【02】 初陣
*006* 回収
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「お前、何やってるんだよ!!」
後ろから聞き慣れた鬼の声が聞こえる。
「ゲッ、一條…。」
「教官だろ、教官!!」
悠李は、一條に頭をグリグリされながら責められる。
「うぅ…痛…い…。一條……教官。」
その様子を見ていた中原は、クスクスと笑っている。
「一條教官、その辺りにしておいてあげては?」
一條は、その言葉に手を緩めた。
「中原さん、お久しぶりですね。」
「あぁ、教官の仕事はどう?」
「まぁ…ボチボチやってます。」
「花村さん、花組なんだって? 期待の星ってところなんじゃない?」
「危なっかしくて目が離せません。」
悠李は、一條の様子を見て、敬語でも喋れるんじゃん…等と思っていた。
「そろそろ、戻らなければいけない時間かな?」
「そうですね。花村、戻るぞ!!」
一條は、そう言って中原に一礼すると、悠李の首根っこを摑まえてスキルチェックの会場へと戻って行った。
「全くお前は…何してたんだ、ん?」
「別に、館内を案内して貰ってただけだよ。」
「ほぉ? 随分と親しそうだったじゃないか?」
「そんなんじゃないよ。ふらふら歩いていたら、案内してくれるって親切に言ってくれただけだよ。」
「案内して貰っていただけねぇ…。」
「本当だってば!!」
「ふぅん、ま、そういう事にしておいてやるよ。」
二人は、言い合いながらスキルチェックの会場へと向かったのだった。
会場に戻ってからは、特に点呼する事も無く、そのままバスに乗って孤島への帰路につく。
バスに乗った時に、朝よりも空席がある事に気付いたが、その時点では、特に何処の組で何名減っているのかは判らなかった。
そして、そのまま飛行機に乗せられ、夜には孤島に到着した。
「今日は特別に、二一時まで食事が出来るようにしておいてやる、感謝しろよ!!」
あちらこちらで、喜びの声が上がっている。
悠李は、この時点で、花組からも一人脱落者が出た事に気付き、ひっそりと落ち込んでいた。
その様子に気付いた石川が悠李の下へやってくる。
「組長、どうかされましたか?」
「あぁ、いや…何でも無い。」
「そうですか?」
「うん。石川も今日はお疲れさま。」
悠李にそう声を掛けられて、頬を染める。
その様子を見て、女の子らしいなぁ…と思う悠李だった。
部屋に戻れば、誰かが欠けているという事に気付くだろう。
石川に今言うべきか、後程、状況を見て察知して貰うべきかを考えていた。
悠李は、組長として敢えて誰が居なくなったのか、言わなくても良いだろう…と考え、その場を立ち去る事にした。
後ろから聞き慣れた鬼の声が聞こえる。
「ゲッ、一條…。」
「教官だろ、教官!!」
悠李は、一條に頭をグリグリされながら責められる。
「うぅ…痛…い…。一條……教官。」
その様子を見ていた中原は、クスクスと笑っている。
「一條教官、その辺りにしておいてあげては?」
一條は、その言葉に手を緩めた。
「中原さん、お久しぶりですね。」
「あぁ、教官の仕事はどう?」
「まぁ…ボチボチやってます。」
「花村さん、花組なんだって? 期待の星ってところなんじゃない?」
「危なっかしくて目が離せません。」
悠李は、一條の様子を見て、敬語でも喋れるんじゃん…等と思っていた。
「そろそろ、戻らなければいけない時間かな?」
「そうですね。花村、戻るぞ!!」
一條は、そう言って中原に一礼すると、悠李の首根っこを摑まえてスキルチェックの会場へと戻って行った。
「全くお前は…何してたんだ、ん?」
「別に、館内を案内して貰ってただけだよ。」
「ほぉ? 随分と親しそうだったじゃないか?」
「そんなんじゃないよ。ふらふら歩いていたら、案内してくれるって親切に言ってくれただけだよ。」
「案内して貰っていただけねぇ…。」
「本当だってば!!」
「ふぅん、ま、そういう事にしておいてやるよ。」
二人は、言い合いながらスキルチェックの会場へと向かったのだった。
会場に戻ってからは、特に点呼する事も無く、そのままバスに乗って孤島への帰路につく。
バスに乗った時に、朝よりも空席がある事に気付いたが、その時点では、特に何処の組で何名減っているのかは判らなかった。
そして、そのまま飛行機に乗せられ、夜には孤島に到着した。
「今日は特別に、二一時まで食事が出来るようにしておいてやる、感謝しろよ!!」
あちらこちらで、喜びの声が上がっている。
悠李は、この時点で、花組からも一人脱落者が出た事に気付き、ひっそりと落ち込んでいた。
その様子に気付いた石川が悠李の下へやってくる。
「組長、どうかされましたか?」
「あぁ、いや…何でも無い。」
「そうですか?」
「うん。石川も今日はお疲れさま。」
悠李にそう声を掛けられて、頬を染める。
その様子を見て、女の子らしいなぁ…と思う悠李だった。
部屋に戻れば、誰かが欠けているという事に気付くだろう。
石川に今言うべきか、後程、状況を見て察知して貰うべきかを考えていた。
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